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2015年3月23日月曜日

医療事故の報告義務、死亡リスク説明なら除外

 10月に始まる「医療事故調査制度」について、厚生労働省の検討会は3月20日、運用指針案を公表しました。患者が亡くなった医療事故で事前に死亡の危険性を説明していたケースを除き、第三者機関へ報告するよう医療機関に求めます。院内調査報告書を遺族に説明する際は「口頭または書面もしくは双方で、遺族が希望する方法で説明するよう努める」とするにとどめました。






 指針案は意見公募を経て4月にも正式決定し、医療機関に周知します。
 医療事故調査制度は2014年6月の医療介護総合推進法の成立で創設が決定されました。診療行為に関わって患者が予期せずに死亡する事故があった場合、新設される第三者機関「医療事故調査・支援センター」への届け出と、院内調査の実施を全国約18万の医療機関に義務付けます。
 指針案では、医師が事前に患者や家族に死亡や死産が予期されると説明、診療録に死亡リスクの記載があった、などのケース以外はセンターへの届け出対象になるとしました。報告期限については事故発生後「遅滞なく」とし、具体的な日数は示しませんでした。
 医療機関が行う院内調査では、再発防止策まで「可能な限り検討することが望ましい」としました。
 遺族への説明方法については「口頭または書面もしくはその双方」と3つの選択肢を挙げ、「適切な方法で行う」として医療機関の判断に委ねました。そのうえで「遺族が希望する方法で説明するよう努めなければならない」としました。
 遺族側は「口頭だけでは理解が困難」として書面での提供を求めていましたが、医療者側の「裁判などの紛争に利用されて医師個人の責任追及につながりかねない」との反対意見を考慮し、努力義務にとどめました。
 塩崎恭久厚労相は3月20日の閣議後の記者会見で、「医療現場での安全の意識が高まって、国民の医療への信頼がさらに高まるようにしてもらいたい」と述べられました。

この10月から医療事故調査制度によって医師は安全意識を高めていかなければなりませんが、ただだれも事故を起こそうとは思っていないはずです。そうでなければこの業界にはいないと思います。しかし100人に感謝されても1人の信頼を得られなければ、それだけで責任追及にまで及びかねないのは、本当に医療にとって正しい方向性なのでしょうか。リスク回避というわけではありませんが、情報をしっかり公開していくことが求められていくのでしょう。








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2015年1月20日火曜日

医療事故調査制度 予期しなかったもの とは

厚生労働省の「医療事故調査制度の施行に係る検討会」(座長=山本和彦・一橋大大学院教授)は1月14日、10月から始まる医療事故調査制度が対象にする死亡・死産の事案を規定するための省令案を大筋で了承しました。






厚生労働省が示した省令案は、事案に関係する医療の提供前に、患者・家族に対して死亡・死産の予期を説明、死亡・死産の予期を診療録などの文書に記録、提供した医療の内容に関わった医療従事者間や安全管理のための会議体により、死亡・死産が予期されている状況・情報を共有の3条件すべてを満たさない場合のみを「予期しなかったもの」とする内容です。実際の運用は、この条件で「予期しなかったもの」に該当することを確認し、医療機関の管理者が「医療に起因するまたは起因すると疑われる死亡または死産」であると判断した場合に、第三者機関への報告や院内調査を実施することになります。
死亡・死産の予期について、統計学的・一般的な内容ではなく、個々の患者や妊婦の状態に応じた説明や記録、情報共有が必要であることを省令で明確に求めるべきとの意見が相次ぎました。日本医師会副会長の松原謙二構成員は、「(統計学的な)何%というような説明だけでは十分ではない」と述べられ、省令での記載を明確にすべきだと主張しました。この意見に対し、患者の視点で医療安全を考える連絡協議会代表の永井裕之構成員は「ぜひ、医療界の意見としてまとめていただきたい。患者・家族が納得した上での手術であれば、(結果が悪くても)問題にならないことのほうが多い」と同調されました。南山大大学院教授・弁護士の加藤良夫構成員も「非常に重篤な患者を致死的な覚悟で助けようとする手技もあると思う。いろんな場面ごとに経過が具体的に説明されることが必要」と続けました。 運用通知で考え方を示す予定の「医療に起因するまたは起因すると疑われる死亡または死産」については、次回以降の会合でも引き続き議論することが決まりました。会合では、医療事故調の運用について学術的・専門的な検討を進めている厚生労働科学研究費事業 「診療行為に関連した死亡の調査の手法に関する研究班」における検討状況をたたき台に議論しました。研究班は、医療機関における“管理"の参考例として、自殺、転倒・転落、拘束・隔離・身体抑制、誤喩、その他の5点を例示しました。ただ「医療に起因するまたは起因すると疑われる」かは、一概に判断できない内容として整理しています。

熱意のある医師は、その熱意を失わざるを得なく、システマチックな医師が存在価値を発揮しそうな現場の逆転が懸念されます。確かに事故は起きてはならないものですが、何とか可能性を膨らませようとする努力は報われなくなっていきます。高齢化社会が進む中で、国は国民の長生きについてもどこかで歯止めをかけるための切り口を探していたのかもしれないと斜めにみてしまいます。








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