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2015年4月20日月曜日

大学附属病院の別法人化の賛否

政府の産業競争力会議の実行実現点検会合で、大学附属病院の経営を大学から切り離し、別法人化する提案がされたことについて、日本医師会(日医)の中川俊男副会長は4月15日の記者会見で、経営の切り離しは、将来的には医療レベルの低下を招く可能性があることを挙げ、「安易に認めるべきでない」と述べられ、慎重な議論を求めました。






4月14日に開催された産業競争力会議の会合では、附属病院の別法人化により、地域の医療体制の充実や附属病院が先端医療分野の能力を発揮する環境の整備が可能になると民間委員が提案しました。経営の自由度を高めることで、附属病院が地域医療の核となり、地域イノベーションの推進などにも有効だと主張していました。

 中川副会長は会見で、大学附属病院は大学と病院で同じスタッフが密接な連携を図りながら運営していることに触れ、別法人化で附属病院が担う教育や研究、診療のバランスを崩しかねないと指摘されました。また、民間病院と同じ立ち位置になることで、附属病院の役割が損なわれることに危機感を示され、「大学附属病院は医療の最後のよりどころ。日本の医療の根幹を揺るがすと言っても過言ではない」として、民間委員の提案に否定的な見解を示されました。

今回の一連の発言等から、個人的には両者とも正論であると感じつつも、二者択一的な選択ではなく、これからの制度見直し等で最善を図ることではないかと感じます。民間委員は地域連携推進医療法人制度(仮称)を見据えての発言と考えれば、大学付属病院が中核となるほどその法人が強くなるに違いありません。医局の力が脆弱化しているとはいえ、全国的に医局による医師の派遣は多くの病院にとって生命線です。そこを軸に連携を組むのが、理想的というか現実的ではないでしょうか。ただ、中川副会長がおっしゃる通り附属病院の役割というものは孤高にあります。教育や研究などもしっかり行なっていくことで、日本の医療を海外へ持ち出せる成長産業として育てることも、資源の無い日本にとっては大きな価値となるでしょう。








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2015年4月15日水曜日

地域医療ビジョンにシンクタンクが入り込む?

日本医師会(日医)の中川俊男副会長は4月12日、京都市で開かれた日本医学会総会の学術講演で、4月から全国で策定作業が始まった地域医療構想(ビジョン)について、47都道府県のうち20の自治体で、民間の研究機関に業務を委託する動きがあることを明らかにしました。そして中川氏は「ゆゆしき事態だ」と不快感を示されました。






地域医療構想は、団塊の世代が75歳以上となる2025年に必要な病床数や医療機能など、今後の医療提供体制の方向性を定めるものです。 各都道府県は国の指針を参考に、人口規模や患者の受療動向などを考慮し、原則二次医療圏ごとに「構想区域」を設け、各区域で必要なベッド数を推計した上で、関係者と協議しながら今後の方策を検討することになっています。
 中川氏はこの日、地域医療構想をテーマにしたセッションで、「『患者さんの動向を考えると、今の二次医療圏は現状に合わない。構想区域は違った設定にすべきだ』という医師会の声が届きにくい場合もある」と述べ、都道府県の間に温度差があることを指摘されました。
また、「民間シンクタンクに委託した時点で、(国の)ガイドラインの計算式をそのまま使って『はい、終わり』。そういう状況になり得る。委託した時点で、構想区域イコール二次医療圏と決めているのと同じだ」とも語り、今後の策定の動きに注視するよう呼び掛けました。

民間のシンクタンクが地域医療の構想に入ると、公の中立性が保たれない恐れはあると思います。どこかの一部の医療機関にとって優遇的な方向に進まないとは言えない部分はあるでしょう。そうなると、また裏で大きなお金が動くことも想像されます。ですから、確かに民間シンクタンクに委託するのはいかがなものかと思いますが、その半面委託せざるを得ない状況も足元であるのだと思います。要は、都道府県で地域医療ビジョンが描けないということです。各担当は非常に勉強されていると思います。ただ、その付け焼刃的な知識で正当なビジョンを描ききれるのか、責任を持てるのかという現実があるのではないでしょうか。これから各都道府県では、協議の場を設けて情報収集も行なうのでしょうが、有識者が集まることでそれぞれの利権を度外視で地域の最適化の為に取りまとめることへのパワーは相当なものになるでしょう。








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2014年12月21日日曜日

かかりつけ医機能の負担

地域包括診療料と地域包括診療加算の要件のうち、常勤医師が3人以上の在籍について、診療所の開設者・管理者の9割以上が、かかりつけ医機能として重要ではないと考えていることが、日本医師会(日医)の会員調査で分かりました。12月17日に記者会見した日本医師会の中川俊男副会長は、「状況を見ながら検証して、(地域包括診療料などが)現場としては非常に良いということが分かれば、要件の緩和を求めていきたい」と述べられました。






 地域包括診療料と地域包括診療加算は、2014年度の診療報酬改定で、主治医機能を評価するために新設されました。原則として診療所が対象で、患者の同意を得た上で、継続的かつ全人的な医療を行うことで算定できます。
 要件には患者の健康管理や服薬管理、24時間体制の対応などがあります。常勤医師3人以上の在籍は、診療所が地域包括診療料を算定するためには必須となっております。地域包括診療加算を算定する場合にも、常勤医師3人以上の在籍か時間外対応加算1か2の届け出、在宅療養支援診療所であることの、いずれかを満たすことになっています。
 日本医師会は次回の診療報酬改定に向けた議論の基礎資料にするため、10-11月に会員の調査を実施しました。1519人から回答を得ました。この中で、地域包括診療料などの要件を抜粋し、かかりつけ医機能として「特に重要と思われる項目」と「特に負担あるいは困難な項目」を複数回答で調査いたしました。
 その結果、重要だと答えた割合は、「受診勧奨や健康状態の管理」(59.6%)や「主治医意見書の作成」(56.1%)、「健康相談」(53.3%)、「患者に処方されているすべての医薬品の管理」(52.1%)、「患者が受診しているすべての医療機関の把握」(51.9%)が5割を超える結果となりました。一方、「常勤医師3人以上」は5.6 %にとどまり、「在宅療養支援診療所」(14.8%)、「原則として院内処方」(14.9%)なども低かい結果でした。
 また、負担だったり困難だったりする項目として挙げられた割合は、「常勤医師3人以上」が最も高い77.9%で、以下は「在宅患者への24時間対応」(69.4%)、「在宅療養支援診療所」(54.4%)、「原則として院内処方」(46.5%)などと続きました。「健康相談」(13.3%)や「受診勧奨や健康状態の管理」(14.1%)、「主治医意見書の作成」(15.3%)などは低い結果でした。

調査結果の回答は、まさしく現場の声であると感じます。まず前提として、常勤医師3人以上の在籍を行なう開業医が、現実的にどれだけあるかということです。本当に魅力ある先生のところでなければ、わざわざそこで勤める医師は皆無でしょう。思いが無いのなら自治体病院に勤めた方がよっぽど負担も少なく居心地も良いと思います。もしくは、ご自身で開業されるでしょう。確かに常勤医師が3人いれば、外来診療をしながらも訪問診療にも行けて、また緊急対応もできるでしょう。夜間もローテーションを組めば負担は軽減されるでしょう。でもそれは、絵空事ですよね。なかなか現場がご理解いただけていないことに対し、今回の調査内容が少しでも刺さることを期待したいものです。








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