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2015年6月20日土曜日

「かかりつけ医」さらなる評価を

塩崎恭久厚生労働相は5月26日、政府の経済財政諮問会議に出席し、政府が今夏までに 策定する財政健全化計画に向けた厚生労働省の方針を示しました。医療分野では、2016年度診療報酬改定で「かかりつけ医」のさらなる評価を検討することなどを盛り込みました。






 塩崎厚労相は財政健全化計画に向けた「重点改革事項」として、保険者が本来の機能を発揮し、国民が自ら取り組む健康社会の実現、地域包括ケアシステムの構築、薬局の在り方を見直し、医薬品の使用を適正化、後発医薬品の使用の飛躍的加速化、の4点を挙げました。このうち、地域包括ケアシステム構築のメニューとして、「かかりつけ医」のさらなる普及に加え、地域医療構想の策定支援や、医療費適正化計画の前倒しと加速化などを通じた医療提供体制の確立や地域差の縮小などを盛り込みました。このほか「患者のための薬局ビジョン」を年内に公表し、全ての薬局を「患者本位のかかりつけ薬局に再編」する方針も示しました。薬局の在り方に関しては、いわゆる門前薬局から「かかりつけ薬局」への移行を進めるため、調剤報酬を2016年度以降の改定で抜本的に見直す方針も示しています。後発品の使用促進では、「2017年度末までに数量シェア60%以上」としている現行の目標達成時期を1年前倒しの「2016年度末」とするとともに、新たに2020年度末時点の数量シェア目標を「80%以上」と設定しました。これによる医療費の2020年時点の削減効果額は13兆円を見込んでいます。

「かかりつけ医」はこれから向かう地域包括ケアシステムにおいては重要な役割を担っていきますが、まだまだ病診連携の面から見ても課題は山積みであると思われます。あくまで今回の話は財政健全化というところですので、いかに社会保障費の増加を抑制するかという点です。そのためには病院から地域へのシフトを進めなければなりません。ですがその連携体制がまだ構築できていないですし、開業医の先生方も本当に地域の患者を診ていけるかといえば連携していかなければ現実的に不可能です。いかに連携して地域の患者を診ていくのか、必要な時に必要な医療が提供できる体制を構築できるのか、そうなると地域医療連携推進法人というものが、各医療圏で生まれていくのも近いかもしれません。








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2015年5月19日火曜日

医療費の削減に向けての策はかかりつけ医

財務省の財政制度等審議会・財政制度分科会(分科会長=吉川洋・東京大大学院教授)は5月15日、今後の医療の課題などについて森田朗・中医協会長 (国立社会保障・人口問題研究所長)に非公開でヒアリングを行ないました。森田氏は「現在の医療費の支出には削減できる部分がある」とし、医療の実態に関する詳細なデータに基づいて診療報酬制度を見直す必要があるとの考えを示しました。






 森田氏は提出した資料で、財政健全化に向けて医療費を含む社会保障費の支出抑制は必要としつつも「必要な医療費の抑制は可能な限りすべきではない」「マクロ的な抑制策は有効とはいえない」との見解を示しました。その上で「医療費の抑制には、現在の診療報酬制度を見直し、抑制可能な部分の削減を行うべき。それには、医療、保険の実態についての詳細なデータを収集し、エビデンスに基づいて改革を図るべき」と主張されました。当面取り組むべき改革として、現行の診療報酬制度を前提に、保険審査の客観化・厳格化・透明化・ガイドライン導入、医薬品・医療機器などの保険収載・価格決定ヘの費用対効果評価制度の導入、DPCデータなど医療データの蓄積と活用、医療機関の経営効率化を挙げました。
 また、中長期的な制度的課題としては、保険者の統合再編による効率化、保険外併用の範囲・対象の在り方、かかりつけ医制度創設と予防医療推進、マイナンバー(または医療番号)制度を利用した受益と負担の調整を掲げています。
委員からは「かかりつけ医に対するアウトカム加算は可能か」との質問が出ました。森田氏は、かかりつけ医が診ている高血圧患者のうち、一定割合以上の患者で症状が改善した場合に加算が付くという海外事例を紹介し「(加算は)やろうと思えばやれるのでは」と述べられました。かかりつけ医の普及に関する質問に対し、森田氏は「かかりつけ医については中医協も導入に前向きです。現場の先生方も必要性を認めてきている。かかりつけ医を制度として定着させるためには、大学における専攻として、英国の総合家庭医のような専門医のカテゴリーを創設することも必要ではないか」という趣旨の回答をしました。また、森田氏は医療費の効率化について「地域の在宅医療・介護では医療従事者間の情報共有が今は難しいが、IT技術が今後かなり貢献するのでは」と話しました。ドラッグ・ラグについては「申請ラグは短縮化する余地がある。これは日本市場が海外の製薬企業にとってどれくらい魅力的かという問題でもあるし、国民の意識の問題でもある」と語ったといいます。ほかに委員からは「かかりつけ医 (主治医)機能の算定要件が厳しすぎる」「包括払いをさらに拡大していくべき」「頻繁に起こり、医療費が相対的に安い疾病については、保険の適用範囲を少し狭めることも選択肢として考えるべき」「(診療報酬点数を)素直に『円』で表現して国民に分かりやすくしてもいいのでは」との意見が出たといいます。

医療費の支出の削減については、国の財政に掛かる大きな課題であり、もう子や孫の世代に先送りせずに完結に向かわなければならない課題であります。その中で、予防という目線も踏まえ、かかりつけ医機能をしっかりと普及させることは、その効果は大きいと考えられます。ただ、今の体制のままで開業医の医師にかかりつけ医としての役割を担ってもらうようにと加算等で仕向けても、本当の意味でかかりつけ医として機能することは難しいと思われるし、また一人体制の開業医で本当にかかりつけ医として何人の地域の方々を診ることができるのか、チーム医療も必要ですし、連携体制の構築も必要不可欠であると思われます。やはり、医療提供体制の見直しへと繋がっていきそうです。








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2015年4月1日水曜日

横倉会長 挨拶

団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向け、今後ますます重要になるのは「健康寿命の延伸」に向けた取り組みです。健康寿命を延伸させていく上では、すべての国民に“かかりつけ医"を持ってもらうことが必要と考えています。地域のかかりつけ医が豊富な知識と経験をもとに、高齢者に対して栄養、運動、療養上の指導などを一体的に提供することが、健康寿命を延伸することになるのは間違いありません。






かかりつけ医の役割の重要性が、広く国民に浸透していく中で、多くの国民がかかりつけ医を持つようになれば、かかりつけ医機能を中心に据えた地域医療提供体制の確立を果たせるものと確信しています。そのためには、かかりつけ医の活動を支援すべく必要な研修を用意し、地域の医療、介護に係る情報を把握、提供できる体制整備が必要です。折しも2015年4月から、地域の実情に応じて過不足ない医療提供体制を適切に構築するための「地域医療構想」が原則として2次医療圏ごとに策定されます。これらは、いずれも各地域の医師会が主導して、その役割を担うことが期待されているので、日本医師会としては各地域医師会の取り組みを全力で支援していく中で、かかりつけ医機能の充実、強化に努めていきたい。こうした取り組みをより実効あるものにするためにも、会員組織率の向上等による医師会組織の強化が急務です。医師会が真にわが国の医師を代表する団体として、医療界のみならず、対外的にも認められ続けていくためには、これ以上の組織率の低下は防がなければなりません。「日本医師会綱領」の理念の下、大同団結を呼び掛け続けていくとともに、全ての世代、性別、就労形態にコミットした、魅力ある医師会づくりが不可欠で、会内に設置した「医師会組織強化検討委員会」で鋭意議論しています。

医師会組織は二重構造であるため、オールジャバンの強い医師会を目指すには、都道府県医師会、郡市区等医師会の協力が欠かせません。都道府県医師会員で日医に未加入の方が1万6000人、郡市区等医師会員で日医に未加入の方が2万7000人おり、まずはこうした方々に何らかの形で参加いただければ組織強化に向けた大きな一歩になります。2015年10月には医療事故調査制度の運用が開始され、年末に向けて2016年度診療報酬改定と2017年4月の消費税率引き上げに関する議論が本格的に開始されるなど、重要な案件が数多く予定されています。こうした軍要案件に対し、医師会としての主張を貫くためにも、より多くの医師会員の力強い後押しが不可欠です。消費税率の引き上げは2017年4月に延期となりましたが、このほど会内に「医療機関等の消費税問題に関する検討会」を新たに立ち上げ、財務省主税局、厚生労働省保険局、医政局の担当官とともに三師会、四病院団体協議会の税制担当役員をメンバーに迎えました。2015年度税制改正大綱では、医療に係る消費税等の税制の在り方について「個々の診療報酬項目に含まれる仕入税額相当分を“見える化"することなどにより実態の正確な把握を行う」と記されました。この「見える化」に向けた取り組みを検討会で進め、年末に決定予定の2016年度税制改正大綱をにらみながら、控除対象外消費税問題の抜本的解決を図っていきます。わが国と地方の長期債務が1000兆円を超 える中、将来的には労働人口の減少も見込まれています。加えて、高齢化の進展に伴い、医療や介護等を中心に社会保障費のさらなる増加が予想され、国家財政上の大きな課題になっています。2015年度介護報酬改定率は、政府の2016年度予算編成で、全体でマイナス2.27%と非常に厳しい内容になりました。今後も財政を健全化しようとする立場から、規制改革や成長戦略の名の下に、社会保障費の削減を図り、公的医療保険給付の範囲を狭めるような圧力は続いていくものと思われます。ただ、医療と介護は、高い雇用誘発効果を持つため、地域の雇用を下支えしているほか、医学分野での技術革新は経済成長にも寄与しており、社会保障と経済は相互作用の関係にあります。本来、社会の病を癒やすべき経済学が、社会保障に間違った原理を持ち込み、格差社会という病を拡大させることのないよう、注意が必要です。今こそ、この国の医療政策を、医師の専門家集団たるわれわれが主導していく中で、社会の安定に寄与し、国民の将来の安心を約束していかなければな りません。その決意と覚悟を持って、国民のためを思いながら、2015年度の会務運営に臨んでいくべきです。








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2015年2月20日金曜日

在宅医療 外来応需

中医協総会 (会長=森田朗 国立社会保障・人口問題研究所長)は2月18日、次期診療報酬改定に向け、在宅医療に関する議論をスタートさせました。検討課題の一つとなっている在宅医療を専門とする保険医療機関の位置付けでは、厚生労働省が外来応需体制を求めている現行の運用の在り方を見直す際の考え方を提示しました。必要に応じて往診、訪問診療に関する相談に応需することや、軽症者を集めて診療するなどの問題が起きないようにする方向性を提案しましたが、診療側、支払い側ともに慎重意見が目立ちました。






在宅医療を専門に行う保険医療機関については、政府の規制改革会議が開設要件の明確化を検討するよう提言しており、フリーアクセスの観点から外来応需体制を求めている現行の運用との整合性をいかにとるかが課題になっていました。厚生労働省は、外来応需体制の在り方について、健康保険法63条第3項に基づく開放性の観点から、医療提供範囲内の被保険者の求めに応じて、医学的に必要な場合の往診、訪問診療に関する相談への応需な どの客観的要件、在宅医療の質と供給体制確保を図るため在宅医療の専門性の評価、在宅医療を中心に提供する医療機関に軽症者を集めて診療するなどの弊害が生じないような評価の在り方を検討することを提案しました。こうした外来応需体制の運用に関する提案に対し、総会では診療側、支払い側の委員から慎重な検討を求める意見が相次ぎました。
診療側の中川俊男委員 (日本医師会副会長)は「かかりつけ医を外来で受診していた患者が、通院困難となり、かかりつけ医が往診をするという形が在宅医療の大原則。これは守っていかないといけない」と強調されました。その上で「24時間態勢で、在宅医療の提供体制を補完する新たな仕組みという視点は大事だが、前回改定で見られたような不適切事例によって健全な在宅医療が阻害されないよう慎重な検討は必要」と求めました。
鈴木邦彦委員 (日医常任理事)も「軽症者を全て外来診療なしで在宅で診るような形態が出てくる可能性がある」と慎重姿勢を示しました。一方、支払い側の矢内邦夫委員 (全国健康保険協会東京支部長)らは、外来応需の運用の在り方の見直しについては「患者のメリットがあまり見えない。この視点からの検討をお願いしたい」と述べられました。

次の診療報酬改定は2025年に向けた大きな意味があります。いかに医療と介護を連携させて病院から在宅へ移管させることで社会保障費の増加を抑制できるかが、財務省から厚生労働省に課せられた最大の課題です。そのためには在宅復帰を浸透させて、在宅医療で地域で看ていくことが鍵となっています。しかし、これまで病院というスケールメリットで効率化してきた医療の現場において、訪問という非効率的な体制で本当に満足のいく医療を提供することが可能なのでしょうか。患者の満足のいく医療を提供できるのでしょうか。医療はサービス業であると言われてきていますが、国民の健康を維持するための医療を他のサービスと同じように図ってしまっては、体制にひずみが生じ、国民の健康と安全に支障をきたしてしまうのでは、強く危惧します。








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 調査は国民の医療に関する意識を把握し、今後の政策立案に活用するデータを収集することが目的です。今回は2014年8月、全国の20歳以上の国民を対象に面接調査 (1122人)とウェブ調査(5667人)を実施しました。ただ、調査結果については面接調査のデータを基本に公表しました。 実際に受けた医療の満足度を聞いた質問では、「満足」「まあ満足」と回答した人が合わせて89.6%となり、前回調査から13ポイント増えました。医療全般については 69.5%となり、前回に比べて7.1ポイント増でした。一方、受けた医療に満足していない人にその理由を問うと、「待ち時間」が44.4%で最も高く、「医師の説明」が43.3%、「治療費」が41.4%と続きました。医療全般に満足していない人は、国民の医療費負担 (50.4%)、医師の体制 (39.5%)、効率性・利便性(38.7%)などを理由に挙げています。国民が考える医療の最重点課題 (複数回答)を調べたところ、前回調査でトップだった「夜間や休 日の診療や救急医療体制の整備」は49.6%となり8.0ポイント減で、「高齢者などが長期入院するための入院施設や介護老人保健施設の整備」が2.8ポイント増の56.4%でした。年齢別では40代以下の若年層は「救急」、それより上の高齢層は「長期入院」と回答する傾向を示しました。かかりつけ医に関する調査も行いました。全体の53.7%が「かかりつけ医がいる」 と回答し、健康状態が良いと回答している人の48.4%にかかりつけ医がいました。調査した全ての世代で、かかりつけ医がいる人ほど受けた医療への満足度が高く、健康のために多くのことに気を付けているとのデータも出ました。WPは「より多くの国民がかかりつけ医を持てるために、医師会や行政による積極的な情報提供と働きかけが求められる」 としています。

我々は、満足度より満足していない点について注目すべきですが、確かに待ち時間は大きな問題です。よく健康でなければ病院に掛かれないなどと揶揄されることがあるほどです。ただ医療の最重要点課題は、これからの老後の生活の場所についての不安感からです。国は病院ではなく自宅で看取りをと言っていますが、在宅に介護力があれば可能です。ただ、核家族化が進む中で、独居の率も高くなっています。その環境下で本当に在宅での看取りは可能なのでしょうか。医療費を抑制するためだけに、在宅へ誘導するのは、本当に国民のためなのでしょうか。








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2015年1月30日金曜日

新オレンジプラン 認知症施策推進総合戦略

厚生労働省は1月27日、内閣官房や警察庁、総務省など関係省庁と共同で新たに策定した「認知症施策推進総合戦略」(新オレンジプラン)を公表しました。認知症高齢者が約700万人に達することが見込まれる2025年に向け、数値目標を定めて認知症に関する専門医や認定医の養成を拡充するなどの方針や施策を盛り込みました。






また、2013~2017年度の5年 間を対象にした「認知症施策推進5か年計画」(旧オレンジプラン)で掲げた数値目標の一部を引き上げました。認知症に関する医師の養成拡充については「認知症に関する専門医、認定医等について、数値目標を定めて具体的に養成を拡充するよう、関係学会等と協力して取り組む」と明記しました。新たな施策として、看護職員の認知症への対応力向上を図るための研修について2015年度に検討し、2016年度以降に関係団体と協力して実施する方針も示しました。医療に関する主な日標値は、認知症の早期鑑別診断と速やかな医療・介護サービスを提供する初期対応の体制構築に向けた「認知症初期集中支援チーム」を2018年度には全市町村に設置(2014年度は41市町村の見込み)、 かかりつけ医の認知症対応力向上研修の受講者を2017年度末に6万人(2013年度末の実績は3万8053人)、認知症診断 などに関するかかりつけ医の相談を受け付ける役割を担う認知症サポート医を養成する研修受講者を2017年度末に5000人(2013年度末の実績は3257人)、一般病院勤務の医療従事者に対する認知症対応力向上研修の受講者数を2017年度末までに8万7000人(2013年度末の実績は3843人)、認知症疾患医療センターを2017年度末までに約500カ所設置 (2014年度は約300カ所の見 込み) などです。

閣議後に記者会見した塩崎恭久厚生労働相は、新オレンジプランについて「医療・介護基盤の整備だけでなく、地域での見守り体制の整備や生活しやすい環境づくりなど、認知症の方やその家族の視点に立って広く必要な施策を盛り込んだ」と説明されました。「医療と介護がうまく連携して、各人のニーズに合った対応が社会としてできるようにすることが一番大事。今回の戦略は、それをトータルな形で示した。そういった意味で、世界の中でも初めてではないか」とも述べられ、新たなプラン策定の意義を強調しました。
 新オレンジプランは以下の12省庁が共同で策定しました。厚生労働省、内閣官房、内閣府、警察庁、金融庁、消費者庁、総務省、法務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省。

「認知症施策推進総合戦略」(新オレンジブラン) を策定したことを受け、日本医師会の横倉義武会長ら医療・介護の専門家3人と認知症当事者2人が1月27日、安倍晋三首相と首相官邸で意見交換を行ないました。 日医の横倉会長は、日常診療の中で患者の変化に気付き必要な専門医療につなげることや、可能な限り認知症の人が地域で暮らせるように支援するなど、かかりつけ医の役割の重要性に言及しまし。認知症当事者の丹野智文さんは、認知症の進行を止める薬が現在存在しないことに言及 し、治療薬開発を国家戦略として支援するよう求めました。 安倍首相は意見交換の場で、認知症は誰でも関わる可能性のある身近な病気だとし、認知症になってもより良い生活ができるよう、社会を挙げて、また国際的にも連携しながら取り組む必要があると強調しました。 この日は、医療・介護の専門家として、横倉会長のほか日本介護支援専門員協会の鷲見よしみ会長と、国立長寿医療研究センターの鳥羽研二総長も出席していました。

認知症対策については昨今よく取りざたされておりますが、抜本的な解決策が無い中で暗中模索に進めていかざるをえない部分が多く、またそれをかかりつけ医といった診療所の開業医に担ってもらうというのは、先行き厳しいと感じます。それほど開業医に業務上のゆとりがあると感じているのでしょうか。もしくは抜本的な制度改革も含めて検討されているのでしょうか。








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2014年12月21日日曜日

かかりつけ医機能の負担

地域包括診療料と地域包括診療加算の要件のうち、常勤医師が3人以上の在籍について、診療所の開設者・管理者の9割以上が、かかりつけ医機能として重要ではないと考えていることが、日本医師会(日医)の会員調査で分かりました。12月17日に記者会見した日本医師会の中川俊男副会長は、「状況を見ながら検証して、(地域包括診療料などが)現場としては非常に良いということが分かれば、要件の緩和を求めていきたい」と述べられました。






 地域包括診療料と地域包括診療加算は、2014年度の診療報酬改定で、主治医機能を評価するために新設されました。原則として診療所が対象で、患者の同意を得た上で、継続的かつ全人的な医療を行うことで算定できます。
 要件には患者の健康管理や服薬管理、24時間体制の対応などがあります。常勤医師3人以上の在籍は、診療所が地域包括診療料を算定するためには必須となっております。地域包括診療加算を算定する場合にも、常勤医師3人以上の在籍か時間外対応加算1か2の届け出、在宅療養支援診療所であることの、いずれかを満たすことになっています。
 日本医師会は次回の診療報酬改定に向けた議論の基礎資料にするため、10-11月に会員の調査を実施しました。1519人から回答を得ました。この中で、地域包括診療料などの要件を抜粋し、かかりつけ医機能として「特に重要と思われる項目」と「特に負担あるいは困難な項目」を複数回答で調査いたしました。
 その結果、重要だと答えた割合は、「受診勧奨や健康状態の管理」(59.6%)や「主治医意見書の作成」(56.1%)、「健康相談」(53.3%)、「患者に処方されているすべての医薬品の管理」(52.1%)、「患者が受診しているすべての医療機関の把握」(51.9%)が5割を超える結果となりました。一方、「常勤医師3人以上」は5.6 %にとどまり、「在宅療養支援診療所」(14.8%)、「原則として院内処方」(14.9%)なども低かい結果でした。
 また、負担だったり困難だったりする項目として挙げられた割合は、「常勤医師3人以上」が最も高い77.9%で、以下は「在宅患者への24時間対応」(69.4%)、「在宅療養支援診療所」(54.4%)、「原則として院内処方」(46.5%)などと続きました。「健康相談」(13.3%)や「受診勧奨や健康状態の管理」(14.1%)、「主治医意見書の作成」(15.3%)などは低い結果でした。

調査結果の回答は、まさしく現場の声であると感じます。まず前提として、常勤医師3人以上の在籍を行なう開業医が、現実的にどれだけあるかということです。本当に魅力ある先生のところでなければ、わざわざそこで勤める医師は皆無でしょう。思いが無いのなら自治体病院に勤めた方がよっぽど負担も少なく居心地も良いと思います。もしくは、ご自身で開業されるでしょう。確かに常勤医師が3人いれば、外来診療をしながらも訪問診療にも行けて、また緊急対応もできるでしょう。夜間もローテーションを組めば負担は軽減されるでしょう。でもそれは、絵空事ですよね。なかなか現場がご理解いただけていないことに対し、今回の調査内容が少しでも刺さることを期待したいものです。








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2014年7月28日月曜日

究極のかかりつけ医

日本医師会の横倉義武会長は7月19日、岐阜市で開かれた全国有床診療所連絡協議会総会で講演されました。有床診は外来と入院を切れ目なく提供できる「究極のかかりつけ医」として期待されていると説明され、地域包括ケアシステムの中で重要な役割を担う存在だと期待を示されました。また、日医は有床診が今後も地域で確実に役割を果たせるよう協力する意向を示されました。
横倉義武会長は「地域包括ケアシステムと有床診療所」のテーマで壇上に立ち、「わが国の人口動態の変化に合わせて新たな地域社会の構築、まちづくりが求められています」と言及しました。その上で有床診は外来と入院の切れ目がない「究極のかかりつけ医」となり、地域包括ケアの中で医療をきめ細かく支える重要な役割が期待されていると説明されました。「今後はその期待に応えていくことが必要です。介護サービスを含めた医療・介護を包括的に提供できる体系としても地域に貢献していくべきではないか」と呼び掛けました。







病床機能報告制度で有床診が報告する「病床の役割」については①病院からの早期退院患者の在宅 ・介護施設への受け渡し機能②専門医療を担って病院の役割を補完する機能③緊急時に対応する医療機能④在宅医療の拠点としての機能⑤終末期医療を担う機能―の5つから選択(複数可)することを挙げ、「それぞれの有床診が自院の機能を示し、それらが地域医療ビジョンに反映されることが重要です」と述べられました。地域医療ビジョンの中で各地域の有床診の位置付けや役割、機能を明確にして人員強化も図るべきとも述べられ、「日医として引き続き支援していきたい」と協力を約束しました。
日本医師会の鈴木邦彦常任理事はこれからの有床診に期待する取り組みとして、介護保険分野への積極的な関与を挙げられました。鈴木常任理事は今後の有床診について「地域での立ち位置をどのように確立するか」という側面がポイントになると指摘しながら「有床診は、かかりつけ医機能を持ち、入院機能もあります。地域包括ケアの中で重要な役割になります」と述べられました。さらに 「介護の需要は医療よりもはるかに増えます。有床診の活躍が期待されます」 として、介護保険分野への積極的な進出を促しました。
日医総研の江口成美主席研究員は、有床診の収入の約3分の2が外来であることから「今回の診療報酬改定で点数がついた『主治医機能』にしっかり取り組むことが生き残りへの基本ではないでしょうか」と説明されました。入院については「稼働していない病床があるので、しっかり動かしていけるようになることも重要です」と説明されました。

これから地域で診ていく地域包括ケアが構築されていけば、かかりつけ医である開業医の主治医の役割というのは、非常に大きなものになっていきます。ゆるやかなゲートキーパーなどと言われていますが、国の方針としてはギュッとそこで絞めて、病院には行かずに完結させることで医療費を少しでも抑制したいというのが本音でしょう。但し患者も入院したいと思っている方はごく一部です。生活出来る環境が整っているのなら自宅で過ごしたいと思っているのです。そこでどうしても症状が悪化した場合には、有床診で短期的に診てもらえたらと望んでいます。確かにそこだけ見れば理想的ですが、「究極のかかりつけ医」である有床診の開業医にとっての負担は大きすぎるモノです。しっかり全体を診た上での方向性を示して頂かないと一部に極度の負担がかかってしまうと、地域包括ケアは実現できない夢物語となってしまわないか危惧します。






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2014年7月20日日曜日

独自に「かかりつけ医」を認定 福岡県医師会

福岡県医師会は地域に根差した「かかりつけ医」のさらなる普及を図るため、今年から福岡県内で地域医療に貢献する医師を独自に認定する「福岡県医師会認定総合医(新かかりつけ医)制度」を創設しました。地域住民に信頼されるかかりつけ医の確立や「医療の質の向上」を目指すもので、福岡県医師会によると、都道府県医師会によるかかりつけ医の認定制度は全国でも初めての試み。松田峻一良会長は「医師会活動の柱に据え、福岡県民に幅広く知ってもらう制度に成長させたい」と述べられました。
福岡県医師会は「地域で学校医や検診などに従事し、総合的な診療能力を発揮している『かかりつけ医』を医師会として評価すべきではないか」と判断し、2012年秋から制度創設に向けた具体的な検討を進めてきました。「総合診療専門医」を基本診療科に加えた新たな専門医制度の具体化が進むが、同制度とは異なる福岡県医独自の取り組みです。
福岡県内の医師が認定を受けるには 日本医師会生涯教育認定証を取得し、さらに「学校医 ・園医」「産業医・地域産業保健センター活動」「平日夜間、休日当番、救急相談等の出務」など16項目にわたる地域保健医療活動の中から、1つ以上(非会員は2つ以上)に従事していることが条件となります。福岡県医師会の会員約8000人のうち、日医生涯教育認定証取得者は約2700人です。このうち、すでに1659人が認定を受けています。福岡県医師会は認定を受けた医師をホームページで紹介したり、新たに作成した認定証を医療機関に掲示することで地域住民らへの浸透を図ろうと試みています。「医療の質の確保」の観点から、認定には3年ごとに更新が必要だが、福岡県医師会はまずは日医生涯教育認定証取得済みの残りの会員の申請を促す方針です。






6月28日の日医定例代議員会で再選を決めた横倉義武会長は所信表明で「医師会が担ってきた地域医療への貢献や会員の協力による健康福祉への地道な取り組みについて、国民の目に医師会の活動であることがなかなか見えていない」と述べられました。今回の認定制度は地域医療に貢献する医師を目に見える形で評価し、地域住民に知ってもらう点が特徴です。そして、2025年に向けてかかりつけ医の重要性が高まる中、認定制度の価値が高まれば、非会員と医師会をつなげるきっかけとなり、全国の医師会が課題に抱える「組織強化」の一手となる可能性もあると考えられます。


総合診療専門医は、これから病院から地域・在宅へと医療の現場がシフトしていく中で重要になってきます。元々専攻していた診療科からの移行がまずファーストステップになるのかと思いますが、志高く地域で在宅医療の役割を担おうと目指してもいざという時の後ろ盾や、知識や技術の向上に対する支援体制が整っていないことに対する不安感が大きいのが現状ではないでしょうか。そこでいかに各医師会が存在意義を発揮することができるか、それが医師会にとっての「組織強化」の取り組むべき課題ではないかと感じます。







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