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2014年12月19日金曜日

新型法人制度の意見まとめ、年明けに

厚生労働省が 「非営利ホールディングカンパニー型法人制度 (仮称)」としてきた新型の非営利法人制度 (新型法人)に 関する意見の取りまとめが、年持ち越される情勢になりました。
厚生労働省は、新型法人について具体的に検討している 「医療法人の事業展開等に関する検討会」を12月中に開く調整を進めていましたが、意見集約できていない諭点が複数あることや、衆院選の実施で税制改正大綱や2015年度予算政府案の取りまとめ時期など政府全体の 日程が例年より遅れていることなどを考慮し、年内の取りまとめは困難と判断して年明けへの延期を決めました。






新型法人については、政府が6月に閣議決定した「日本再興戦略改訂2014-未来ヘの挑戦」で、「年内に結論を得るとともに、制度上の措置を来年中に講ずることを目指す」との方針を示していました。新型法人をめぐって意見集約できていない論点は主に、参加法人としての社会福祉法人の取り扱い、新型法人が外部の株式会社などへ出資する際のあり方、新型法人が病院を直接経営することの是非、新型法人内の議決権のあり方、理事長要件、自治体立病院が新型法人に参加する際のあり方などです。新型法人について同検討会が意見を取りまとめる時期は、早ければ1月中になりそうです。新型法人を創設するためには、予算非関連法案として法律案を国会に提出することが必要になる見込みです。来年の通常国会へ提出する場合、例年通りのスケジュールであれば予算非関連法案の提出締め切りは 3月上旬のため、法案提出に向けた与党との調整を勘案すると少なくとも2月上旬までには同検討会としての意見を取りまとめておく必要があります。ただ、2015年度予算政府案の閣議決定が年明けに持ち越されることが濃厚な異例の状況のため、全体的なスケジュールが通常より遅れる可能性があることは否めません。

新型法人である非営利法人制度については、確かに想定が曖昧すぎて煮詰まっていない状況であるため、これからしっかり詰めていくためには調整期間が必要であることはしかるべきです。ただ気になる点として、なぜ国がこのようなわずらわしい調整をしてまで新型法人の制度を整えようとしているのか。もう各地域での医療を良い意味でも悪い意味でも責任をおろすことを考えているのではとすら思えてなりません。だから議決権も一票ずつでいいのではないかという案すら出てきたのではないかと。もう運命共同体として一体だということなのではと感じてしまうのですが、しかしそれぞれの法人で思いを胸に医療を進めてきた者同士が簡単にベクトルを合わせて、酸いも甘いも共有することは、実現に向けて険しい道のりだと感じます。








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2014年12月17日水曜日

新型法人 非営利ホールディングカンパニー型法人制度 地域連携型医療法人制度

厚生労働省の「医療法人の事業展開等に関する検討会」(座長=田中滋・慶応大名誉教授)は11月27日、「非営利ホールディングカンパニー型法人制度」として検討してきた新型の医療法人制度について、2014年内の意見取りまとめを目指し引き続き議論しました。新型法人が事業展開する地域の範囲については、厚生労働省が「地域床療構想区域を基本に、都道府県知事が認可する範囲」とする案を示し、特段の興論は出ませんでした。また、前回会合で新型法人の名称として採用した「地域連携型医療法人制度 (仮称)」の変更を決めました。厚生労働省は11月27日の意見を踏まえた資料を作成し、次回会合で示します。






新型法人に関しては、事業地域範囲、参加者の対象範囲、業務内容、統治の仕組み、非営利性の確保など、透明性の確保、の6項目ごとに、厚生労働省がこれまでの意見を踏まえた議論の方向性や提案内容を示しました。参加者については、「法人」が「複数」参加することを前提としました。その 上で、病院、診療所、介護老人保健施設を経営する医療事業を行う法人を対象にすることを提案しました。社団型の場合は参加法人を社員に、財団型の場合は参加法人の代表者を評議員にするとし、委員からは賛成意見が出ました。社会福祉法人の取り扱いについては、社会保障審議会・福祉部会が議論している社会福祉法人制度改革の状況も踏まえて引き続き検討します。
業務内容では、法人全体におけるキャリアパスの構築、医薬品などの共同購入、参加法人への資金貸付・債務保証・出資、株式を一定以上保有している株式会社の介護事業や医薬品の共同購入など新型法人に関連する事業を対象に出資、を可能にすることなどを提案しました。委員からは、株式会社への出資について「資金流出の可能性が残るため保有率は100%にすべき」との意見が複数出ました。
議決権については、「1社員1議決権」とする以外の仕組みも検討すべきとの意見が複数出ました。 日本医師会常任理事の今村定臣委員は「1社員1議決権は大原則です。議決権に差異を設けるべきではない」と主張しました。一方、明治安田生活福祉研究所主席研究員の松原由美委員は、「1人1票ではない決め方で資本の論理が働かない決め方にどういうものがあるか、検討は必要ではないか」と問題提起されました。ただ「定款に定めねばあとは自由、というのはない」とも述べられました。立教大法学部教授の松井秀征委員も松原委員に同調 し、「選択の余地がまったくなくなるのはどうかというのは素朴な疑間」と述べられ、1社員1議決権以外の仕組みを検討する必要性を指摘しました。

新型法人を進めて移行する国の本当の目的が何なのか、どうもそれが鮮明に把握できなければ個々の議論の方向性など賛否が大きく割れると思います。医療は誰のためのものでしょうか。それを維持していかなければいけないのは、誰の責任の範疇なのでしょうか。もし、改革を進めていくならその歪みが患者・家族にいかないように、また地域医療の崩壊の引き金にならないようにしっかり検討して頂きたいと強く願います。








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2014年7月1日火曜日

非営利ホールディングカンパニー型法人制度について

厚生労働省は6月27日、「医療法人の事業展開等に関する検討会」(座長=田中滋・慶応大名誉教授)を開き、「非営利ホールディングカンパニー型法人制度 (仮称)」の創設に向けた議論を再開しました。6月27日は厚生労働省が、主な論点と非営利ホールディングカンパニー型法人の活用モデルとして3つのイメージ例を示し、意見を求めました。委員からは、非営利ホールディングカンパニー型法人の意思決定に関し、社員総会などの議決権は各法人の規模や出資額などに応じて差異を設けるべきではなく、1法人1票であるべきとの意見が複数出ました。




厚生労働省は非営利ホールディングカンパニー型法人の意思決定について、方向性を示すわけではないと前置きした上で、1社員1票は原則とするものの、議決権に関して定款で定めることができるようにして流動性を確保する、議決権の流動性に一定の制限を設けるため、定款で定めることができる範囲などを法律で規定する、との案を示しました。
委員からは「立ち位置の違う医療法人が平等に発言できなくなるのは問題がある」(山崎學委員=日本精神科病院協会長)、「1社員1票という根本的な考え方はどうしても譲れない。いわゆる出資額に応じるようなことは、やめていただきたい」(今村定臣委員=日本医師会常任理事)、「非営利性を堅持する前提を付けるなら、1社1票にならざるを得ない」(松原由美委員=明治安田生活福祉研究所主席研究員)など、あくまで1社員1票の原則を貫くべきで流動性を確保する必要はないとの意見が相次ぎました。
これらの意見を受け厚生労働医政局の梶尾雅宏指導課長は「(議決権について)出資額に応 じるだけではなく、事業内容に応じるなど、違うやり方があり得るのか、幅広く議論していただきたい」と述べられました。
非営利ホールディングカンパニー型法人の地理的な活動範囲について厚生労働省は、広域な地域で医療機関を展開する法人グループのように経営規模の拡大を後押しするものではなく、設立主体の異なる医療機関などが特定の地域を面的にカバーするために連携を図る仕組みを想定していると説明しました。その上で、非営利ホールディングカンパニー型法人に参加する法人の施設や事務所などが一定の地域に存在することを求める「地域要件」を設けるべきか検討を求めました。今村定臣委員は「地域医療ビジョンの区域とするのが最も妥当な考えです」と述べられました。


厚生労働省が示した主だった論点
【法人の在り方】
①社員となる法人の独自性を保証しながら非営利ホールディングカンパニー型法人の意思決定を共有するための制度的な仕組み
②社員間で資金を融通する仕組み
③非営利性を確保するための方策
【事業の在り方】
④非営利ホールディングカンパニー型法人の地理的活動範囲を定める地理的要件を設けるべきか
⑤制度創設の目的に従って設立・運営されることを確認するための仕組み
⑥透明性や適正性を確保するための方策
⑦制度の正式名称


厚生労働省が提示した3パターン
【自治体中心型】都道府県や市町村が域内の医療法人らに呼び掛けて設立する形。地域医療構想や医療計画、介護保険事業計画との整合性を図りながら、病院・病床機能の再編、地域包括ケアシステムの構築を円滑に進めるための手法として期待できるとしている。必要に応じて自治体が出資するほか、自治体幹部が理事となることも想定。
【中核病院中心型】社会医療法人や大学付属病院を経営する法人など、地域で急性期医療などを提供し中核的な役割を果たす医療法人が、回復期や在宅医療を担う医療法人などに呼び掛けて設立する。中核病院の信用力に基づき資金を確保・投資して、地域で効率的な医療提供体制を構築することを想定。
【地域共同設立型】都道府県・都市区医師会が中心。共同購入や医療機器の共同使用などにより中小医療法人の経営効率化を図るほか、経営の厳しい医療法人の受け皿機能を担い得る。自治体を巻き込み、出資などの支援を引き出す ことも想定。
 

非営利ホールディングカンパニー型法人制度は、地域包括ケアを構築するための鍵となっております。機能を分化して、いかに地域で複数の法人が協働・協力で共存していくかが課題です。その非営利ホールディングカンパニー型法人制度のしくみとルールをしっかり構築しておかなければ、実現は困難です。ただ、議決権については1法人1票が本当に良いのか。平等を建前に規模などを無視して1法人1票とすると、政治ではありませんが党や派閥などの小組織が形成されて、組織対組織という構成に陥るのではないかと懸念材料も感じます。







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