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2015年3月28日土曜日

急性期病床58万床、全体の47.1%で横ばい

厚生労働省は3月18日、「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」(座長=遠藤久夫・学習院大経済学部長)に病床機能報告制度の報告状況の速報値の第3報を示しました。2014年7月1日時点の医療機能として「急性期」と報告された病床数は58万1179床(構成比47.1%)でした。内訳は一般病床が57万8723床、療養病床が2456床でした。厚生労働省が2月12日の同検討会で示した第2報の急性期は53万3078床(構成比47.2%)でした。






 第3報は、3月2日時点でデータの精査が終了した病院6996施設(報告対象施設の 94.5%)と有床診療所5996施設 (報告対象施設の 78.6%)の報告内容を集計しました。対象 となった許可病床数は124万7363床(第2報は113万 9394床)でした。
このほかの医療機能別病床数は、高度急性期が19万1180床(構成比15.5%、療養病床331床含む)、回復期は一般病床が5万9605床、療養病床が5万12床で計10万 9617床(構成比8.9%)、慢性期は一般病床が8万6354床、療養病床が26万5599床で計35万1953床 (構成比 28.5%)でした。将来の医療機能として報告を求めている6年後の予定では、高度急性期が19万9634床(構成比16.1%)、急性期55万2964床 (構成比44.7%)、回復期14万1428床(構成比11.4%)、慢性期34万3864床 (構成比27.8%)でした。
報告内容の確認が必要などの理由でデータの精査が終了していない施設を含む最新の報告状況も提示しました。2月16日時点では、病院7268施設(報告対象の98.2%)と有床診6874施設(報告対象の90.1%)が報告済みでした。

7対1の厳格化は余儀なく行なわれていくと見られる中で、いかに地域の中で急性期を担っていくか、各病院は熾烈な椅子取りゲームが始まります。病床機能報告を踏まえ、地域医療構想が各都道府県でどのように進められていくのか。国が匙を投げたものをどのように都道府県でまとめあげることができるのか。自治体病院が担う地域医療より私立病院が担う地域医療の依存度が高い中で、自治体病院が適正化の最対象となることは予想されます。ただそれだけでは終わらず、いかに2025年に向けた体制を構築できるのか、険しい道のりを歩き始めています。








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2015年2月14日土曜日

高度急性期と急性期の境界点 C1

厚生労働省医政局地域医療計画課の北波孝課長は2月12日の「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」(座長=遠藤久夫・学習院大経済学部長)で、地域医療構想(ビジョン)に2025年の病床必要量を盛り込むために設定する医療機能別の境界点の検討状況を明らかにしました。患者に対する診療報酬から入院基本料などを外して治療行為だけを換算する出来高点数で、「高度急性期と急性期」(C1)は3000点、「急性期と回復期の境界点」(C2)は600点、「回復期と慢性期・在宅医療等の境界点」(C3)は225点を目安に検討を進めていると説明しました。






 北波課長は境界点を設定するための考え方も提示されました。C1については、必要な診療行為の例として、非侵襲的人工呼吸器、心エコー・心電図、観血的肺動脈圧測定、胸部レントゲン、点滴管理、薬剤、血液検査、の7項目を挙げ、「これを計算すると3000点程度になる」と述べられました。C2は、DPCの入院期間ⅡとⅢにおける全疾患の平均資源投入量に基づき、NDBのレセプトデータなども反映させた数値と説明されました。C3では、診療行為の例として「補液+点滴管理+ドレーン」を挙げました。「慢性期と在宅医療等」については、療養病床の県単位の入院受療率(人口10万対)を低下させる「目標の設定」をもって「医療需要の推計」とする方向性が決まりました。目標は全国の受療率の中央値レベルから最小値レベルまでの範囲とする方向です。
また、医療機能別の病床必要量を算出するための手法も議論され、厚生労働省は医療機能別の医療需要を病床稼働率で割り戻す案を示しました。その上で、医療機能別の病床稼働率として、高度急性期=75%、急性期=78%、回復期=90%、慢性期=92%を提案しました。 日本医師会副会長の中川俊男構成員は「高度急性期と急性期はもう少し低い方がいいのではないか。回復期も高い。一方で、慢性期はもう少し高くてもいいのではないか」などと指摘されました。慢性期の病床必要量については、「慢性期と在宅医療等」として推計した医療需要から抜き出して算出するための考え方として、療養病床における「医療区分I」の 70%、 療養病床で「回復期 リハビリテーション病棟入院料」を算定している患者、一般病床で「境界点C3」未満の患者を慢性期の医療需要から除外することを提案しました。構成員からは、C3未満が「在宅医療等」に位置付けられることになることについて、医療関係者は納得できないのではないかとの意見などが出ました。

C3については、まだ論議されるかもしれませんが、C1については3000点というラインでほぼ確定だと思います。これまでもHCUが一つの目安であるともいわれておりました。ただし、境界点は確定したとしても先日の病床機能報告の内容とのかい離もあると思われます。各医療圏でどこが高度急性期を担っていくのか。急性期病院としては是が非でも高度急性期で引き続き医療圏での存在価値を発揮したいと考えている病院長もいらっしゃいますが、これから高齢化が進み、各医療圏でも疾患の構成割合は大きく変化していきます。7対1もまだまだ多い中で、国の締め付けは厳しくなることは間違いないでしょう。それでも高度急性期を目指していき、病院として本当に地域の医療ニーズに貢献できるのかどうか、今一度検討しなければ、もう動き出している病院は新しい体制に向けて取組み始めています。








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2014年11月12日水曜日

 地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会  厚生労働省

厚生労働省は10月31日に、「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」を開催しました。前回(10月17日)会合では、平成37年(2025年)の医療需要・各医療機能の必要量を推計するにあたり、「『社会保障・税一体改革の【医療・介護に係る長期推計】』(平成23年6月)のロジックを踏まえ、最新のデータを織込む」ことを確認しました。 この日は、「平成37年(2025年)の医療需要」の推計に向けて、より具体的な考え方が厚生労働省当局から示されました。






入院全体の医療需要(患者数)を推計
(1)平成37年(2025年)の推計人口(国立社会保障・人口問題研究所の『日本の地域別将来推計人口(平成25(2013)年3月発表の推計)』をもとに、性・年齢階級別の人口に入院受療率をかけて算出
(2)疾病ごと(「5疾病とそれ以外」あるいは、DPCの「主要診断群18分類」)の医療需要も推計
(3)都道府県・構想区域ごとの医療需要を、患者の住所地をもとに推計し、そこに患者の流出入(医療機能別)を加味
(4)入院受療率の地域差については、地域差の要因分析を行ったうえで補正

各医療機能別の医療需要(患者数)を次のように推計
(i)高度急性期
・患者に行われた診療行為について、診療報酬の出来高点数で換算して医療資源投入量の多寡をみて推計
・医療資源投入量が一定程度落ち着いた段階を「患者の状態が安定した段階」と捉え、そこまでを「高度急性期および急性期」とし、医療資源投入量が特に高い段階の患者数を高度急性期の患者数とする
(ii)急性期
・(i)と同様に考えて、医療資源投入量が一定程度落ち着いた段階を「患者の状態が安定した段階」と捉え、そこまでを「高度急性期および急性期」とし、(i)の高度急性期の患者数を除外する
(iii)回復期
・医療資源投入量が落ち着いた後、退院までの段階の患者数を「回復期・慢性期の患者数」とする
・回復期機能の定義(病床機能報告制度における「急性期を経過した患者への在宅復帰に向けたリハビリ提供機能」「脳卒中・大腿骨頚部骨折等の患者に対する回復期リハビリ機能」といった定義)に鑑みて、回復期リハビリが必要な患者数は、回復期機能で対応する患者数とする
・「回復期リハビリが必要な患者・重度の障害者・筋ジス患者・難病患者等」以外の患者について、医療資源投入量等でどう区分できるかを検討
(iv)慢性期
・(iii)と同様に考え、慢性期機能の定義(病床機能報告制度における「長期にわたり療養が必要な患者を入院させる機能」「重度の障害者・筋ジス患者・難病患者等を入院させる機能」といった定義)に鑑みて、重度の障害者(重度の意識障害を含む)・筋ジス患者・難病患者等の患者数は、慢性期機能で対応する患者数とする
・「回復期リハビリが必要な患者・重度の障害者・筋ジス患者・難病患者等」以外の患者について、医療資源投入量等でどう区分できるかを検討

在宅医療の患者数
(a)基本的には、「退院して在宅医療を受ける患者数」「現状において在宅医療を受けていると考えられる患者数」の合計とする
(b)「地域の在宅医療提供体制の整備状況」「在宅医療提供体制整備の地域差」「適正・効率的な在宅医療提供体制のあり方」などをどう反映させるかを検討

 このように、厚生労働省当局は「DPCデータをベースに、1日あたりの医療資源投入量」をもって、高度急性期や急性期等の定量的基準を設定できないかと考えていることが伺えます。 たとえば「肺がん」について、入院期間と医療資源投入量の関係を見てみると、「手術あり」「手術なし」ともに、入院初期(入院初日から10日程度)には多くの医療資源が投入されるが、それを過ぎると少ない医療資源投入が安定して続くことがわかります。 また、「急性心筋梗塞・手術あり」では、入院当日にきわめて多くの医療資源が投入され、徐々に資源投入量が低下し、入院から20日程度を過ぎると少量の医療資源投入が継続するという状況です。 一方、「急性白血病」では、入院日数の経過で医療資源投入量が減少するという関係は見出しにくい状況です。 こうしたデータをもとに、たとえば「医療資源投入量を指標として一定のラインを引き、疾病ごとに○点以上を高度急性期、○点未満●点以上を急性期と定義する」ことなどが考えられます。 この考え方について厚生労働省医政局の北波地域医療計画課長は、「客観的な指標である」という点を強調しましたが、「医療資源投入量はそれほど高くないが、状態がきわめて不安定であるという時期もあります。そういった点を今後、検討していく必要があります」とも述べられています。 構成員からは、「新型インフルエンザやエボラ出血熱などの非常事態をも考慮すべきではないか(加納構成員・日本医療法人協会会長代行)」「地域ごとに『あるべき受療率』は異なってよいと考えている。単純な補正は好ましくない(中川構成員・日医副会長)」「急性期から回復期等へ転棟し、回復期等から在宅へ退院した場合、同じ患者が2度退院患者としてカウントされていると思うが、その辺をきちんと把握する必要があるのではないか(相澤構成員・日病副会長)」といった意見が出されました。 遠藤座長(学習院大経済学部長)は、「次回以降に、実際の数字を入れた粗い試算結果を提示してもらい、それをもとに議論を深める」ことを厚生労働省に指示しました。 ただし、粗い試算にも相当の手間と時間がかかるため、次回会合(11月21日予定)で「試算結果をもとにした医療需要(患者数)」「必要量(ベッド数)」「協議の場」のいずれを議題とするかは不透明な状況となっております。

地域医療構想の策定について今は多くの都道府県が頭を抱えていると思います。いかに基金を引っ張るかという綱引きの為の一戦は一旦終わったため、これからはいかに各地域の医療体制のビジョンを描いていくかになります。ただ、現状すらしっかり捉えきれていない状況下でこれから先のビジョンを策定すること自体がナンセンスではありますが、そのビジョンによって多くの医療機関は影響をうけますし、また市民が影響を被ります。まずは各地域がどのような地域を目指すのか、首都圏と地方では大きく異なります。人口と産業を確保しなければ行政は厳しい運営をしなければなりません。ただ現在の市民をさておいてあまり大きな方向性が異なるビジョンを描くこともできません。官民が協力してよりよい地域を形成することが一つの得策ではないでしょうか。








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