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2015年5月17日日曜日

東京大医学部付属病院が臨床研究中核病院の申請

東京大医学部付属病院は、今国会で審議中の医療保険制度改革法案に盛り込まれている患者申出療養制度の運用に向けて、臨床研究中核病院の申請を行う方針を固めました。 2015年7月までに策定する今後2年間の行動計画に盛り込む予定です。






4月に新病院長に就任した齊藤延人院長は、医療法上の臨床研究中核病院の申請をする考えを明らかにした上で「特定機能病院よりも一段高い承認要件であり、ガバナンスなどの体制整備をテヨ入れしている。最終的な承認が得られるか何とも言えない部分もあるが、病院全体で取り組むことが重要と認識している」と語りました。齊藤院長は、臨床研究中核病院の承認取得に向けた体制整備として、病院長を監査する委員会整備や、データ管理体制の強化を進める姿勢を示しました。近年の臨床研究データの不正事件や、特定機能病院の承認取り消し事件などの不祥事が相次いでいることにも触れ「当院でも臨床研究に伴う不適切事案があった。しっかりと説明責任が果たせるよう承認要件よりも、一段高いレベルで準備に取り組まなければならない」との認識を示しました。
また、東大病院では、10月に臨床研究棟であるクリニカルリサーチセンターが竣工することを見据え、1月から臨床研究ガバナンス部を新たに立ち上げ、必要な組織体制づくりを本格化させています。臨床研究ガバナンス部は、病院長と、研究支援部長を担当する副院長の管理下の組織で、さらに下部組織として、研究をマネジメントする先端医療開発戦略室、研究者教育を強化する臨床研究者教育研修室、研究監視機能を強化する監査・信頼性保証室を設置している。臨床研究の品質と信頼性の担保や、研究不正の防止が狙いで、齊藤院長は「東大が率先して研究ガバナンスの規範を示し、アカデミア研究の信頼回復に努めたい」と強調されました。一方、齊藤院長は「東大病院における2014年度決算は赤字になる見通し」にあることを明らかにしました。東大病院の財務状況については「税率5%から8%に引き上げられたことで病院としての持ち出し分は年間約2億円となった。消費税の影響が大きく厳しい状況だ」としました。東大病院の2014年度実績は、平均在院日数が13.5日、紹介率88.8%、逆紹介率86.5%で高い数値が並んでおり「職員全員がギリギリのところで頑張っている。ただ、2017年度の税率10%への引き上げを考えれば、医療における控除対象外消費税の問題解決は喫緊の課題」とし、安定的な経営基盤には消費税問題の解決が不可欠との見解を示しました。

東京大医学部付属病院ですら、消費税の影響は経営に大きく響いており、今後の更なる増税の事を考えると、控除対象外消費税の問題解決も求めていきますが、まずは自分たちで取り組めるところから取り組んでいかなければ、医療提供を継続困難となりかねません。しかし、全国的にみて、東京大医学部付属病院より厳しい状況下で運営されている医療機関も多く存在するはずであり、今後社会保障費の適正化、医療費の更なる抑制の波も考慮した上で、差別化を図り機能を高めなければならない時に差し迫っているわけです。今回の東京大医学部付属病院の動きを地方の医療機関はどのようにみているのか。自分たちも同じく臨床研究中核病院として手を上げることではないとは思いますが、それでも新たな次元での医療の在り方を検討しつつ、動き始めなければ大学病院ですら淘汰されてしまう厳しい業界であるということです。








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2014年11月25日火曜日

患者申出療養について 

 内閣府は11月10日、規制改革会議を開催し、「患者申出療養(仮称、以下同)」の検討状況について、厚生労働省当局から説明を受けました。
 患者申出療養とは、保険外併用療養費制度のなかに創設され、2015年の次期通常国会に、健康保険法改正案に盛り込む形で、関連法案が提出される予定の仕組みになります。患者からの申し出を起点として、患者が最先端の医療技術などを希望した場合、安全性・有効性などを確認したうえで、保険外の診療と保険診療との併用が認められます。






 大まかな流れとしては、前例のない治療の場合は、患者の申し出を受けた「臨床研究中核病院」が国に申請し、国は原則6週間で、実施の可否を判断します。一方、前例のある治療の場合は、患者の申し出を受けた「身近な医療機関」が臨床研究中核病院に申請し、臨床研究中核病院が原則2週間で、実施の可否を判断します。
 今回の会議では、これまで社会保障審議会などの場で提示されてきた、(1)患者申出療養の全般的な流れや、(2)対象となる医療のイメージ、(3)現行の健康保険法第63条の構造および改正の方向性などが説明されました。
 たとえば、(2)では、現行の先進医療Aや同Bの対象にはならないが、一定の安全性・有効性が確認された医療に、先進医療の対象を拡大することがあげられています。
 また、(3)では、【食事療養】【生活療養】【評価療養】【選定療養】は「療養の給付」に含まれないと定めている、健康保険法第63条第2項のなかに、患者申出療養に関する規定を新設することを、政府内部で引き続き検討していくことが示されました。
 厚生労働省は、2014年11月5日の中央社会保険医療協議会・総会や11月7日の社保審・医療保険部会などで、患者申出療養の制度の仕組みなどについて議論し、通常国会での関連法の成立を経て、2015年をめどに実施する意向を持っています。

患者申出療養については、もう大筋が確定して進行していっておりますが、実際制度が始まって何か事故が起きてしまった場合の責任の所在がどこになるのか、気になるところです。実施の可否を判断したのは国であるが、前例があれば臨床研究中核病院になります。ではそこがすべて責任を負うことになるのかとういうと臨床での責任も外されることはないはずです。しかしそもそもの定義として、患者申出なのです。となると、患者は承知の上での申し出となれば、責任追及はできないのでしょうか。だれも事故は起こしたくありませんが、それでも起きるのが事故です。責任の所在をはっきりさせるルールは必要不可欠ではないでしょうか。








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2014年11月11日火曜日

患者申出療養 (仮称)制度の枠組み案  社会保障審議会・医療保険部会

社会保障審議会・医療保険部会(部会長=遠藤久夫・学習院大教授)は11月7日、中医協からの患者申出療養 (仮称)制度の枠組み案の報告を受け、次期健保法改正での制度創設に向けた検討を進める方向を確認しました。今後、制度運用上の課題などについては中医協で議論が進む見通しです。部会では、患者申出療養による有害事象発生時の責任体制を明確化すべきだとの意見や、対象となる医療技術の安全性、有効性を確実に担保するための仕組みの重要性を指摘する意見が複数の委員からありました。






岩村正彦部会長代理(東京大大学院教授)は、患者申出療養について「重要な点は保険収載を目指していることです。その点を踏まえた制度設計、制度運用をお願いしたい」と述べた上で、「患者申出の可否を国が判断することになれば、もし被害が発生した際の国の責任などの問題は整理しているのか。臨床研究中核病院等からの定期的報告で、有害事象が隠匿された場合の制裁は考えているのか」などと質問しました。厚生労働省は、患者申出療養の詳細な制度運用は今後検討するとした上で、現在の先進医療制度の運用状況を引用して説明されました。先進医療では、有害事象の発生に備え、「実施医療機関には患者への補償、保険加入などを条件に実施することを認めています。患者申出療養でも発生時の対処法、ルールを決めておくことは必要です。有害事象の報告に遅れがあつた場合には、何らかの対処は必要だと認識しています」と答えました。これに対して、松原謙二委員(日本医師会副会長)は「国は一切責任を取らないということなのか。申し出た国民の責任とか、引き受けた医療機関の責任というのはいかがなものか」と厚生労働省の説明を問題視しました。唐澤剛保険局長は「法制度上の問題として存在する以上、それぞれの当事者にはそれぞれの責任があるはずと考えています。どの部分について、どの程度かということは一概には言えません」と理解を求めました。高橋睦子委員(連合副事務局長)も「有害事象が発生した場合の責任の所在が不明瞭です。最終責任を患者に課すことはあつてはならないです」などと指摘しました。また「低所得者が排除されない仕組みに留意することが必要です」と述べました。また、松原委員は「安全性・有効性を評価するのは容易なことではないが、それらを確保しながら、国民のために保険収載を目指すという大きなフレームは必ず守っていただきたい」と述べられました。高橋委員も「保険外併用療養費制度の拡大は、患者の安全性・有効性の確保が大前提」との考えを示されました。菊池令子委員(日本看護協会副会長)は、具体的な運用についてのガイドラインを国として策定するよう求めました。

患者申出療養 (仮称)が制度化されることはほぼ確実となってきた状況において、実際運用が始まった時に想定される事象についてひとつひとつ確認している段階に迫っています。まず一番の要点として、保険収載を見据えた制度とすることです。そうでなければ、高橋睦子委員の指摘通り低所得者層を排除した制度で終わってしまい、医療格差のきっかけとなります。これから地域包括ケアシステムとして、開業医のかかりつけ医の機能(ゲートキーパー機能)が働き始めると、一般的な急性期病院はこれまでと立ち位置が大きく変えざるをえなくなってきます。患者申出療養 (仮称)を実施できる医療機関は限られており、医療機関も患者に選ばれる為に独自性というか特徴を求められてくることは近い将来想像されます。








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2014年10月28日火曜日

患者申出療養(仮称)の新設に向け、具体的な論点を厚労省が提示

 厚生労働省は10月22日に、中医協総会を開催し、患者申出療養(仮称)に関する議論などを行ったほか、再生医療等製品の保険収載に関して関連学会・団体から意見を聴取しました。患者申出療養(仮称)は、安倍首相が創設を決定した新たな保険外併用療養制度です。「困難な病気と闘う患者からの申出」を起点とする新たな仕組みで、具体的には「患者が最先端の医療技術等を希望した場合に、安全性・有効性等を確認したうえで、保険外の診療と保険診療との併用を認める」というものです。前例のない治療については、患者の申出を受けた臨床研究中核病院が、安全性・有効性のエビデンス等を添えて国に申請します。国が安全性・有効性、実施計画の内容を審査し、原則6週間以内に「保険診療との併用を認めるか否か」を判断します。一方、前例のある治療については、患者の申出を受けた「患者に身近な医療機関」が臨床研究中核病院に申請します。臨床研究中核病院が「当該医療機関で当該医療技術を行うことの安全性」を審査し、原則2週間以内に実施の可否を判断します。






 政府は、平成27年の医療保険改革の一環として「患者申出療養」を創設する予定を組んでおり、今冬にかけて中医協や社会保障審議会・医療保険部会で詳細な制度設計を検討する方針です。この日は、厚労省当局から「患者申出療養の実際の運用に係る論点」が提示された。大きく次の4つに分類されます。
(1)申請の対象となる医療
(2)協力医療機関
(3)申請手続き
(4)国における審査
(1)の対象医療については、「申請の対象は基本的に限定せず、一定の安全性・有効性が認められたものとする」「保険収載の見込みがないものは対象外とする」「先進医療の実施計画(適格基準)対象外の患者(年齢や合併症など)に対する医療も対象とする」「対象となった医療と、当該医療を受けられる医療機関はホームページで公開する」などの具体的論点が示されています。このうち「保険収載の見込みがないもの」について、判断が難しいのではないかとの意見が鈴木委員(日医常任理事)や白川委員(健保連副会長)から出され、厚労省保険局医療課の佐々木企画官は「たとえば美容医療などを想定している」と説明されました。
(2)の協力医療機関に関しては、「予め医療内容に応じて実施可能な医療機関の判断に資する類型を設定し、それを参考に臨床研究中核病院が個別に判断する(リスクの高い医療は臨床研究中核病院のみ、リスクが中程度の医療は臨床研究中核病院、特定機能病院で実施可能など)」「臨床研究中核病院は、実施希望医療機関の申請から原則2週間で判断し、判断後は速やかに地方厚生局に届出る」などの論点が提示されました。この点、白川委員をはじめ複数の委員からは「類型化は難しいのではないか」との意見が出されています。そもそも「個別の患者ニーズ」に対応する仕組みであるため、多様な医療技術が対象となり、リスクもさまざまである。こうした点を踏まえて具体的な協力医療機関の類型(どの医療機関で、どのような医療技術を行えるのか)を具体的に検討していくことになろう。なお、中川委員(日医副会長)は、「現行の臨床研究中核病院に限ると15施設しかなく、遠方の患者さんのアクセスが阻害される。患者ニーズに対応するために、特定機能病院に拡大することも検討すべき」との意見を示しています。
(3)の申請手続については、「臨床研究中核病院が、患者が実施を希望する医療について申出を受けた場合、必要な書類をそろえて国に申請する」「患者が、臨床研究中核病院以外の病院等に申出た場合には、臨床研究中核病院から共同研究の申請を行う」「国への申請にあたっては、『患者の申出が起点となっている』ことを示す書類を添付する」「臨床研究中核病院等は、エビデンスを用いて患者に十分説明し、患者が理解、納得したうえで申出することを前提とする」との論点を提示しています。本制度では「患者がリスク等を理解し、そのうえで申出る」ことが大前提となります。このため、中川委員は「かかりつけ医と患者の連名による申出書」を求めることを提案しています。
また、(4)の審査に関しては、「【患者申出療養会議(仮称)】を新設し、医学、実施計画、倫理などの各観点を担当する委員が審査したうえで、持回り審議も活用し、臨床研究中核病院の申請から原則6週間で判断する」「エビデンスが不十分などの理由で判断に時間のかかるもの、実施計画対象外の患者に関する審査は全体会議で判断する」「少なくとも年に1回は実績等について臨床研究中核病院から報告を求め、審議を行う」といった具体的な考え方が示されました。このテーマについて白川委員は、「『原則6週間』にとらわれず、安全性は慎重に判断してほしい」との要望を行いました。白川委員の意見には、堀委員(日歯常務理事)など診療側委員も賛意を示しています。なお、患者申出療養において副作用等が発生した場合の補償等について、先進医療や治験の仕組みを参考にしながら対応を検討していくことが厚労省の佐々木企画官から説明されています。

 患者申出療養(仮称)については、平成27年の通常国会への法案提出を目指し、今後も中医協等で議論を継続していくことになっておりすでに線路に乗ったところがありますので、今から大きな転換はなく進んでいくことでしょう。しかしそもそも、何故、患者申出療養(仮称)を導入しなければならないのでしょうか。保健診療に組み込める仕組みづくりを制定してはいけないのでしょうか。その方が、患者の負担は、保険適用分軽減されるはずです。まだ安全性・有効性がエビデンス等で明確になっていないから医療保険は適用は適用外、だけど国が認めたらその医療を受けて良い、というのは何か腑に落ちません。どうしても医療費を抑制する為に保険診療の適用範囲を広げないようにしていると見えるのは私だけなのでしょうか。今後、国民の医療に対する負担は大きくなっていくことは、避けられないでしょう。








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2014年9月21日日曜日

患者申出療養について   日医中川副会長

来年の通常国会に法案が提出される予定の「患者申出療養」(仮称)について日本医師会の中川俊男副会長は9月12日、「中医協で責任を持って検討すべき課題です。患者団体等の懸念を払拭するためにも中医協できちんと検討を進めていくべきです」と述べられ、日医としても具体的議論に向け対応していく考えを示されました。患者申出療養については、厚生労働省保険局医療課の宮寄雅則課長も、今秋にも中医協案を取りまとめる方針を打ち出しています。






中川副会長は「患者申出療養は、評価療養の改良型だと思っています。運用における一つの課題は“患者に身近な医療機関"の決め方です。患者に身近な医療機関は、全都道府県を網羅するということと解釈できます。決して地域包括ケアシステムの中にあるわけではありません。大学病院本院、さらに拡大するのであれば、がん診療拠点病院となるのではないか」と指摘されました。患者申出療養の仕組みは、臨床研究中核病院と“患者に身近な医療機関"が 診療内容に応じて連携協力を図りながら進めていくとされています。中川副会長は「臨床研究中核病院は患者中出療養の仕組みのコアの部分になります」と指摘されました。「それだけに中医協・薬価専門部会でも取り上げられたディオバン等の問題は極めて深刻な状況と受け止めている」と述べられ、慎重な検討が必要としました。患者申出療養で鍵となる有効性と安全性の担保については「先進医療会議の中か、先進医療技術審査部会で担当していけばよいのではないか」と述べられ、患者、国民、医療関係者にとって分かりやすい制度にしていくことが必要としました。

一方、安倍晋三首相が年末に2015年10月の消費増税を決断し、増税分を診療報酬で補填するための期中改定が行われる場合、財務省側は市場実勢価格を反映させるため薬価調査が必要と主張しています。中川副会長は「2014年度診療報酬改定の薬価財源の扱い方は前例にならないと何回も申し上げています。期中改定での薬価調査は納得できない話です」と訴えられました。2016年度改定に向けた課題については「基本診療料では、医科の技術料をきちんと評価するということが重要です。2014年度改定で新設された地域包括診療加算の意味は大きいです。要件の中で、かかりつけ医が服薬管理まで行うことになっているほか、“院外処方から院内処方に戻すんだ"というメッセージにはインパクトがあった」とし、 「検証結果を見た上での判断だが、次期改定では要件の緩和なども検討したい」と述べられました。

日本の医療が今後いかなる道を進んでいくのか、患者申出療養がその一つを担う大きなポイントとなっていると考えられます。それゆえに、患者申出療養を行える病院にいかにしてなるか、高度急性期を目指している病院であればとても重要になってきます。またそうでなければ、急性期から地域包括ケアへのシフトを優先するべきであるし、厚生労働省としても大枠は考えているが、詳細については各面子をたてながら固めていくのでしょう。








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2014年7月12日土曜日

臨床研究中核病院の要件見直しへ

厚生労働省は、臨床研究中核病院の要件を見直す方向で検討に入ります。現在、大学病院など15機関を指定しているが、日本の臨床研究をより推進するため2015年4月から法的な施設に「格上げ」することに伴い、現在の施設要件をあらためて検証し、細分化する必要があるかどうかを判断します。近く専門家による協議を始め、2015年4月までに省令か通知などで周知する予定となっております。要件次第では、指定される医療機関が増える可能性もあるということです。

臨床研究中核病院 (早期 ・探索的臨床試験拠点含む)は、自らの施設がICH― GCPに準拠 した臨床研究を行うほか、複数病院からなるネットワークの中核として多施設共同臨床研究の企画・立案を行う機能を持ちます。厚労省は、臨床研究中核病院に必要な機能の確保、 ICH― GCP順守、適切な倫理審査ができる一などを基準に、東京大医学部付属病院や京都大医学部付属病院など15機関を公募で指定し、事業費の助成を行ってきました。






これまでは通知の中で定めていたが、「日本として臨床研究を推進し、各種施策との連携を取るには、臨床研究中核病院を法的に規定することが望ましい」 (研究開発振興課)として6月に成立した医療・介護一括法(医療法)の中に盛り込まれました。臨床研究中核病院の「プランド価値」を高めて医療機関側の意欲を高めるとともに患者のアクセス向上を図り、結果的に質の高い医療の提供につながることが期待されています。

法制化を機に厚生労働省は、臨床研究中核病院に臨床研究の計画立案・実施能力や、ほかの医療機関と連携して主導的な役割を担うことを求めた一括法の条文を 「プ レイクダウン (細分化)した形」(研発課)に施設要件を設定し直します。これまでと趣旨は変わらないが、施設の規模、過去の実績、 ICH一 CCP順守の可否、生物統計の専門家の配置―などを基準に、臨床研究でリーダー的役割を果たせる施設の要件をあらためて検討します。厚生労働省は近く専門家による協議を開始する考えで、研発課は「現在よりも具体的な要件を設定するのか、個別に施設の適格性を判断していくのかは、議論の余地があります」と説明しました。一括法施行後は、厚生労働大臣が社会保障審議会の意見を聴いた上で、臨床研究中核病院を承認していく流れとなる見通しです。

研発課は「現在採択されている15機関は当然 (新たな)要件を満たすものと期待します」とする一方で、「自動的に臨床研究中核病院となるわけではない」として指定済みの機関にも再度応募などを求めていく方針です。また、「他の病院も要件を満たせば採択されます」としており、指定済みの15機関に加え、今後の要件設定によってそのほかの医療機関も指定される可能性を示唆します。

臨床研究中核病院とは、日本再生戦略のもと、「選択と集中」をキーワードに候補となる施設を選定し、重点的な支援を行うことにより、日本発の革新的な医薬品並びに医療機器を創出するための施設にすることを目的としています。特に、国際水準の臨床研究の実施や、医師主導治験でなければ実施困難な難病・稀少疾患・小児疾患等の開発での中心的役割を担うことを期待されています。



臨床研究中核病院がこれから担う役割として、「患者申出療養制度」(仮称)の診療を2016年度から行なっていくことがあります。「患者申出療養制度」(仮称)については、混合診療による日本の皆保険制度の崩壊を危惧し反対していたところも多かったのですが、決まった以上はその方向に則って検討していかなければなりません。

ただ、日本医師会が混合診療に猛反対してきたのは、高度の医療を提供できる病院とそうでない病院との間に格差が生じ、病院の経営が難しくなるという見解からです。そのため、対象をどこまで広げるかが焦点になりました。患者が希望した治療法について、実施の前例のないケースは国が審査することで安全性を担保し、臨床研究中核病院で診療を実施する。副作用の強い薬を複数組み合わせるリスクの高い治療法は、臨床研究中核病院などのある程度の規模と設備が整っている病院に限定する。一時は、混合診療を実施する医療機関が大幅に拡大される見通しも浮上していましたが、最終的には47都道府県の大学病院にとどまり、一般病院の経営にはほとんど影響がないと見られています。



DPCⅠ群・Ⅱ群・Ⅲ群とありますが、DPCⅡ群・Ⅲ群には関係性が薄いようですが、実際はそれらも含めて地域の医療ニーズに対し役割を担っていきますので、国が掲げている高度急性期という枠についても、ほぼ同等の尺で計った線引きになるのではないでしょうか。地域での共存・生き残りについて、強きが栄え、弱きが滅びるのは、どの世界でも統一したルールなのでしょう。






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2014年6月28日土曜日

臨床研究中核病院へ意欲的 国立病院機構・大阪医療センター

国立病院機構・大阪医療センター(一般病床:694床)の楠岡英雄院長(日本病院団体協議会副議長、全国国立病院院長協議会長)は6月11日、法改正によって保険外併用療養費制度の中に「患者申出療養 (仮称)」を創設する方針が明確になったことについて「医療・介護一括法案が今国会で成立 して臨床研究中核病院の参入要件が明確になった際、要件がクリアできれば手を上げたいと意欲的であり、がん患者を多 く抱えている国立病院機構・大阪医療センターとして、患者申出療養に対応できる体制を組んでいきたい」 と述べました。

楠岡英雄院長は「がん患者の治療は、患者・家族から治療法などについて要望を受ける事例は多いです。これまで病院として受け止め、担当医らが保険制度の範囲内で対応してきた側面があります。今回、患者申出療養としての枠組みが明示されたことは、苦慮しながら対応 してきた医療現場としては、一定の評価をしたい」と述べました。






患者申出療養で中心的な役割を担う臨床研究中核病院については、国立病院機構から名古屋医療センターが入っています。楠岡英雄院長は「名古屋医療センターと連携していくことになりますが、要件がクリアできれば大阪医療センターも臨床研究中核病院を日指していきたい」 と意欲的に話されました。「全ての患者が情報を持っているわけではないので、病院側がこういう治療法があると提示しないといけないと考える。そこにおいて不適切な方法が交 じる可能性もあり危惧しますが、今後、制度を詰めて行く段階で十分協議をしてほしい」としました。

一方、財政制度等審議会の分科会が提案している地域ごとの医療費の支出目標について、楠岡英雄院長は「都道府県で医療費にばらつきが出ている中で、その原因も究明されないままに、ただキャップをはめてしまうと、本来必要な医療が提供できなかったり、あるいはキャップがあることで逆にそこまで増やせるなどという状況が考えられます。質的問題をどう担保 していくかという議論が、まず先ではないか」と述べられました。その上で「医療費が減ったとしても、その要因が医師確保ができなくなる医療の過疎化ということであれば本末転倒です」と指摘しました。「都道府県ごとに診療報酬の1点単価を決めるような事態も考えられる」と危惧し、「量と質の関係をきちんと精査しないと、いびつな関係になってしまう恐れがある」と述べられました。

さらに、楠岡英雄院長は日病協副議長として「日病協が果たすべき最も大きな役割は、病院医療を熟知した人材が中医協の場で主張できる環境をつくっていくことです」と述べられ、加盟団体が認識を共有することが必要としました。日病協でも検討課題になっている控除対象外消費税問題については 「大きな問題と受け止めています。国病機構病院のうち、3分の1は建物の老朽化で建て替えを控えている状況です」とし、「診療報酬による補填は限界だという認識では国病機構も一致しています」と述べられました。

今まさに多くの7対1病院が病床機能報告に向けて、どのように舵を切るか病院の方向性を決める時期が差し迫っています。7対1を継続するからには、目指すのは急性期ではなく、高度急性期ということになりますし、そのためにはDPCII群はしかり、臨床研究中核病院となって混合診療である患者申出療養を担える病院になっていかなければなりません。どの選択が病院にとって安しということはなく、それぞれの地域における他の病院との役割・機能の分担に大きく関わってきます。国立病院機構・大阪医療センターも地域的に高度急性期病院として他の病院とすみ分けができるかと言えば、そのポジションを狙っている病院も多くあります。病床機能報告は、各病院から都道府県宛に報告するという表向きのカタチを取っていますが、実際のところは出来レースというか、各病院からの報告は一旦集めたけど、機能はトップダウンで指示されていくのではないかと、歪みの調整には政治の力も影響を及ぼすのではないかと危惧します。





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