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2015年4月21日火曜日

地域医療構想の焦点は?

2015年4月から各都道府県での策定作業がスタートした地域医療構想について、厚生労働省の地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会座長の遠藤久夫氏(学習院大経済学部教授)は、同構想については「病床機能分化の推進」と「地域を視点とした医療提供体制の再編成」との2つの視点に基づく調整が重要になると指摘しました。特に、病床機能分化では「急性期から回復期への移行が円滑にできるか」をポイントに挙げました。






 遠藤氏は「首都圏などを中心に高齢化は進むが、すでに高齢化が進んでいる地域では人口減少という問題に直面する。医療需要の変化は、地域によって大きな違いが出てくる」と述べられ、地域の実情に応じた将来の医療提供体制を描く必要性を強調しました。その上で「日本は人口当たり病床数が多く、病床は増やさずに高齢化で増大する医療需要にどのように対応するか」を課題に挙げられました。また「病床機能を分化して、それぞれにふさわしい患者に対応するとともに、それぞれの機能に適した資源投入を行うことで“医療資源を効率的に活用する"ことが重要」と強調されました。
同構想の策定、実行上の課題としては「ニーズの変化に合わせて急性期から回復期への移行がスムーズにできるか」を挙げられました。2014年に開始された病床機能報告制度の結果からも「急性期から回復期に移行しようという声が必ずしも多くはない。考えられるのは、回復期病棟の定義が医療関係者の中で十分に理解されていないのではないかという点と、急性期から回復期になることで診療報酬上の不利益が生じるのではないかという点」との見方を示されました。地域医療構想に基づく取り組みについては「今回は消費税財源を使った基金を使えることが一つのインセンティプになっていくだろう。もう一つは診療報酬政策。ただ、全国一律なので、地域の問題に適さない面があるが、診療報酬政策と医療機能区分の再編成がある程度連動した形で進められるのか、今後の検討課題になる」としました。また、同構想に基づく取り組みでは各都道府県が果たす役割が大きくなることにも言及されました。構想づくりの協議の場の運営など「都道府県が医療提供体制の再編成で主体的な立場を担う」と述べられた上で「都道府県の力量がそのまま地域医療構想の成否を考える上でのポイントになる」との見方を示されました。

地域医療構想がいかに都道府県で進められていけるのか、大きな見ものですなんて悠長に構えていられる医療機関は少ないでしょう。いかにイニシアティブをとって優位に働きかけようかと虎視眈々と狙っている医療機関もあるようですし、そもそもこれまで地域で競合してきた医療機関同士が手を組んでそれぞれやっていきましょうってそんなに都合よく進むとは考えにくいです。淘汰されることは、手に取るように予想されます。ただ、本当に地域にとって必要な医療、必要な医療機関が整備されるように進めて頂かなければ、また何かの施策のようにすぐに方向転換なんて、これだけの大構想では困難を要しますので、ある意味慎重に進めていかざるをえないでしょう。








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2014年12月30日火曜日

急性期と回復期の境界

厚生労働省の「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」(座長=遠藤久夫・学習院大経済学部長)は12月25日、医療需要を推計する際に、高度急性期から慢性期の4つの機能で分ける境界点の考え方について議論しました。この中で、病床必要量の推計手法の検討を進めている産業医科大教授の松田晋哉構成員は、「急性期と回復期の境界点」(C2)について、患者の1日当たりの診療報酬から入院基本料とリハビリテーション料を除いた出来高点数が「500~1000点」が目安の1つになるとの検討状況を明らかにしました。






地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会は、DPCデータと「レセプト情報・特定健診等情報データベース」(NDB)を使って各患者の1日ごとの医療資源投入量を計算し、高度急性期、急性期、回復期、慢性期ごとの4つの患者数の推計手法に関する検討を進めている。病床数の必要量は患者数を推計した上で計算します。
松田構成員は、C2について、患者の1日当たりの診療報酬から入院基本料とリハビリテーション料を除いた出来高点数が「500~1000点のどこかになる」と説明されました。その上で「臨床家のご意見も聞きながら決めていく。あくまでもある程度マクロで推計するための値をどこにするかの議論であるということをご理解いただきたい」とも述べられました。また、「高度急性期と急性期の境界点」(Cl)について「3000点程度」との認識も示されました。一方、「回復期と慢性期・在宅医療等の境界点」(C3)についての具体的言及はありませんでした。 C2については、複数の構成員から低めに設定すべきとの意見が出ました。日本医師会副会長の中川俊男構成員は「1000点よりも大幅に低めのほうがいい。13対1や15対1でも急性期機能を担っている」と指摘しました。さらに「2025年に向けて、地域の医療資源との関係などで徐々に収れんされるようにすべき」とし、現時点で「境界点の点数を出すのは極めて拙速だ」と主張しました。
日本医療法人協会会長代行の加納繁照構成員は「患者の状態が安定化していれば500点くらいが妥当だ。根拠が必要であれば積算を示したい」と述べられました。全国自治体病院協議会長の邊見公雄構成員も「C2は低めのほうがいいのではないか」との見方を示されました。
別途指標を設定する「慢性期と在宅医療等」の推計手法も検討しました。厚生労働省は、2025年に向けた在宅医療の充実で、療養病床の入院受療率が低下することを前提にした推計を提案しました。その上で、療養病床の入院受療率に地域差がある現状を踏まえ、在宅医療や介護施設などの整備見込みを反映して、地域が目標補正できる手法を採用すべきとの考えを示しました。目標補正については、全ての地域で受療率を最小レベルにまで低下させる、全国の受療率を最小値から中央値までの範囲に低下させる、の2案を示しました。構成員からは、「目標補正の2案とも現実的ではない」「受療率を20対1と25対1に分けたデータを示すべき」との意見や、受療率で地域差が生じている要因分析を求める意見や、受療率以外の要素も考慮することを求める意見などが出ました。

病床機能報告の速報結果も聞こえてきている中で、各病院はこれからどのように特化していくべきか病院長を中心に経営幹部が検討に検討をかさねていることではないでしょうか。医療の意義は、患者の身体に対するケアであり、患者中心の公共的なライフラインでもあるため、地域の医療の需給バランスなどを考慮したうえで進めなければならず、地域医療構想の協議が進めば少しクリアになっていくのでしょうか。ただ虎視眈々と自らの方針・戦略に沿って進めている病院もあることから、ただ待っていても最良ではないため、まずは今回のC1やC2の目安を参考に検討していかざるを得ないでしょう。








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2014年7月19日土曜日

「医療・介護」は今秋以降に議論   社会保障制度改革推進会議

社会保障制度改革国民会議の後継組織となる「社会保障制度改革推進会議」の初会合が7月17日、首相官邸で開かれました。議長に選出された清家篤慶應義塾長は、今秋にも開かれる次々回会合以降に医療・介護をテーマに議論する方針を示され、「医療・介護については現場の方の話を聞く必要があると思います」と述べられ、専門委員の選任やヒアリングを実施する必要性を指摘されました。政府に専門委員の人選を進めるよう求めました。
次回会合は年金や子育て支援をテーマに、社会保障制度改革のプログラム法にのっとった改革の進捗状況を確認する方針です。清家議長はまた、医療・介護の議論に向けて、関係閣僚で構成する「社会保障制度改革推進本部」(本部長=安倍晋三首相)の下で医療 ・介護情報の活用策を検討するために設置した専門調査会の議論や、2017年の医療保険制度改革に向けた議論についても把握する必要があると指摘されました。
推進会議はプログラム法に基づく改革の進捗状況の確認や、2025年を展望した中長期的な社会保障制度改革の総合的な検討のため、プログラム法に基づき設置されました。






初会合に出席した安倍首相は「世界に冠たる日本の社会保障制度を次の世代に引き継ぐとともに活力ある社会を実現しなければならない。そのために消費税増税は全額社会保障に充てました。同時に受益と負担の均衡を取るため、不断の改革も必要です」と述べられ、地方の創生や女性の活躍推進など、制度横断的な視点も踏まえた議論を求めました。
田村憲久厚生労働相は、医療・介護の一括法の成立などプログラム法に基づいた改革を着実に進めていることを説明した上で、「2025年以降も展望した中長期的な議論をお願いしたい」と述べられました。甘利明経済再生(一体改革)担当相は「受益と負担の均衡が取れた、それゆえに持続可能な社会保障制度を確立していく必要があります。国民会議で中心的に議論した4分野を含め、制度横断的な議論をお願いしたい」と述べられました。
遠藤久夫委員(学習院大経済学部長)は「医療・介護制度はサービスの提供体制と財政面という2つの要素が相互に関連しています。両方をにらみながら改革の議論を行わなければいけません」と指摘されました。土居丈朗委員(慶応大教授)は、今後の制度改革のポイントに財源確保を挙げ「消費税による財源確保は不可欠です。保険料負担も世代間で適切に分け合う必要があります」と述べられました。


安倍首相等が使われた「受益と負担の均衡」という言葉、何かこれから頻繁に出てくるのはないかという気がします。それなりの受益を求めるなら、相応の負担は覚悟しなさいということです。すべてにおいて最適という策は無い、良い部分があればそうではない影の部分も出てくる、それを受け入れる覚悟を国民はするように。と聞こえてしまいました。確かに社会保障を維持するためには大きな改革に踏み出さなければ、破綻することが想像に難くありません。どこに歪みがいくのか、多くの一般的な国民で分け合って負担することが望ましいのでは。そう税金による補てんというのが、一番考えやすい策でしょう。もしくは、国の保障を少し下げる。自己完結して下さい。という方向性。確かにこれまでの制度では支障をきたすというか機能しなくなります。ただ、そのような方向性で本当に強い日本、元気な日本が未来に築けるのでしょうか。アメとムチではありませんが、しっかりとしたアメを示すことも国民に負担をさせるためには重要不可欠な要素でしょう。






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