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2015年5月25日月曜日

社会保障費の伸びの本当の要因は

公明党の社会保障制度調査会(桝屋敬悟会長)は5月15日、財政制度等審議会で進められている議論について財務省から聞き取りを行ないました。出席した議員からは社会保障費の伸びの要因分析を求める意見がだされました。






 財政審は、2020年度までに国と地方を合わせた基礎的財政収支を黒字化させる政府目標の達成に向け、今後5年間の社会保障関係費の伸びを高齢化による伸び(2兆円強~2.5兆円)以内に抑制する方針で大筋合意しています。桝屋会長によると、出席者から「高齢化による伸び、医療の高度化による伸びなど、社会保障関係費がなぜ伸びるのか要因を分析できているのか。もう少し整理する必要があるのではないか」との指摘があったといいます。社会保障関係費が伸びる要因について、財務省は「分析できていない」と説明されました。また同日の会合では、黒字化目標を達成するため、政府が今夏にまとめる財政健全化計画 をめぐり「数値目標ありきで社会保障費の構造改革を進めるべきでない」との声も上がりました。一方、桝屋会長は、2016年度の診療報酬改定率を決める過程では薬価財源の取り扱いが焦点になるという見方を強調しました。前回2014年度改定の際に、いわゆる「薬価財源の切り離し」が実績として残りましたが、桝屋会長はこの問題について、関係団体と協議しながら党内での議論を深める意向を示しました。

増え続ける社会保障費ですが、確かに高齢化による医療費の全体のボリュームが大きくなっていることもありますが、高度医療の進展によるところもあると指摘されています。ただ、これは適正か不適正なのかといわれると、これまで治すことができなかった疾病に対し治せるようになったということは、国民の健康維持に大きく貢献しているわけであり、必要なのはその高度医療・高度急性期医療を誰に提供することが適正であるのか。80歳や85歳の方々に、どこまでの医療を提供するべきなのか。ただ、医療人としては救える可能性があるのなら、延命できる可能性があるのなら、全人的医療で取り組むことが使命であるという強い意思を持っているのです。それは、適正ではないのでしょうか。それをどこかで基準を設けて線を引いて良いのでしょうか。社会保障費を使わない自費なら良いのでしょうか。日本の医療制度が世界的に高いと言われている国民皆保険制度の維持は、正しい方向性なのでしょうか。否や、向かうべき方向性はどこなのでしょうか。








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2015年5月19日火曜日

医療費の削減に向けての策はかかりつけ医

財務省の財政制度等審議会・財政制度分科会(分科会長=吉川洋・東京大大学院教授)は5月15日、今後の医療の課題などについて森田朗・中医協会長 (国立社会保障・人口問題研究所長)に非公開でヒアリングを行ないました。森田氏は「現在の医療費の支出には削減できる部分がある」とし、医療の実態に関する詳細なデータに基づいて診療報酬制度を見直す必要があるとの考えを示しました。






 森田氏は提出した資料で、財政健全化に向けて医療費を含む社会保障費の支出抑制は必要としつつも「必要な医療費の抑制は可能な限りすべきではない」「マクロ的な抑制策は有効とはいえない」との見解を示しました。その上で「医療費の抑制には、現在の診療報酬制度を見直し、抑制可能な部分の削減を行うべき。それには、医療、保険の実態についての詳細なデータを収集し、エビデンスに基づいて改革を図るべき」と主張されました。当面取り組むべき改革として、現行の診療報酬制度を前提に、保険審査の客観化・厳格化・透明化・ガイドライン導入、医薬品・医療機器などの保険収載・価格決定ヘの費用対効果評価制度の導入、DPCデータなど医療データの蓄積と活用、医療機関の経営効率化を挙げました。
 また、中長期的な制度的課題としては、保険者の統合再編による効率化、保険外併用の範囲・対象の在り方、かかりつけ医制度創設と予防医療推進、マイナンバー(または医療番号)制度を利用した受益と負担の調整を掲げています。
委員からは「かかりつけ医に対するアウトカム加算は可能か」との質問が出ました。森田氏は、かかりつけ医が診ている高血圧患者のうち、一定割合以上の患者で症状が改善した場合に加算が付くという海外事例を紹介し「(加算は)やろうと思えばやれるのでは」と述べられました。かかりつけ医の普及に関する質問に対し、森田氏は「かかりつけ医については中医協も導入に前向きです。現場の先生方も必要性を認めてきている。かかりつけ医を制度として定着させるためには、大学における専攻として、英国の総合家庭医のような専門医のカテゴリーを創設することも必要ではないか」という趣旨の回答をしました。また、森田氏は医療費の効率化について「地域の在宅医療・介護では医療従事者間の情報共有が今は難しいが、IT技術が今後かなり貢献するのでは」と話しました。ドラッグ・ラグについては「申請ラグは短縮化する余地がある。これは日本市場が海外の製薬企業にとってどれくらい魅力的かという問題でもあるし、国民の意識の問題でもある」と語ったといいます。ほかに委員からは「かかりつけ医 (主治医)機能の算定要件が厳しすぎる」「包括払いをさらに拡大していくべき」「頻繁に起こり、医療費が相対的に安い疾病については、保険の適用範囲を少し狭めることも選択肢として考えるべき」「(診療報酬点数を)素直に『円』で表現して国民に分かりやすくしてもいいのでは」との意見が出たといいます。

医療費の支出の削減については、国の財政に掛かる大きな課題であり、もう子や孫の世代に先送りせずに完結に向かわなければならない課題であります。その中で、予防という目線も踏まえ、かかりつけ医機能をしっかりと普及させることは、その効果は大きいと考えられます。ただ、今の体制のままで開業医の医師にかかりつけ医としての役割を担ってもらうようにと加算等で仕向けても、本当の意味でかかりつけ医として機能することは難しいと思われるし、また一人体制の開業医で本当にかかりつけ医として何人の地域の方々を診ることができるのか、チーム医療も必要ですし、連携体制の構築も必要不可欠であると思われます。やはり、医療提供体制の見直しへと繋がっていきそうです。








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2015年5月2日土曜日

診療報酬本体はマイナスが必要

 財務相の諮問機関である財政制度等審議会(財政審)の財政制度分科会が4月27日開かれ、財務省は、国民皆保険制度を維持していくためには診療報酬本体と介護報酬を2020年度にかけてマイナスにする必要があるとの認識を示しました。診療報酬については、2001年時点での大枠を100とすると、2012年度の大枠は微増の100.6に相当しますが、実際の医療費は改定率よりもハイペースで増えているといい、財務省ではこうした実態を踏まえて診療報酬改定の在り方を検討していく必要を強調しています。






 財務省は、国民皆保険を維持するための改革として、公的保険の給付範囲の見直しやサービス単価の抑制などを掲げています。サービス単価の抑制策には調剤報酬の見直しや費用対効果の評価を踏まえた新薬の薬価算定の適正化を挙げており、さらに、診療報酬本体と介護報酬については「マイナスとする必要」があるとの認識を示しました。財務省では、診療報酬を1%引き下げた場合の医療費の削減効果を約4300億円(税金約1660億円、保険料約2100億円、患者負担など540億円)と見込んでおります。
 公的保険の抜本見直しを実現できずに幅広くカバーして国民皆保険制度を持続させるためには、診療報酬本体や薬価、介護報酬をさらに大幅に抑制する必要があることも指摘しています。また、薬価調査に基づく薬価の見直しでは市場実勢価格の反映にすぎず、マイナス改定分の財源を診療報酬本体などに付け替えるべきではないとの考えも示されました。
 医療提供体制の見直しの具体策としては、診療報酬が高く設定されている「7対1」入院基本料の算定病院が過剰な一方、リハビリテーションなどが必要な患者の受け皿が不足している状況をあらためて指摘されました。その上で、都道府県が地域医療構想の実現を進める過程で知事の勧告に従わない医療機関への報酬単価を減額するなどの仕組みが必要だとの認識を示されました。このほか、ナショナルデータベースを分析して外来医療費の地域格差の解消につなげる必要性も強調しています。
 財政制度等審議会では、2016年度の予算の編成に向けた考え方(建議)を、6月をめどに取りまとめることにしており、これらの具体策はそれに向けた論点という位置付けで、引き続き議論を続けます。
 財政制度分科会はこの日の会合で、国民皆保険を維持させるには、社会保障の充実分を除く費用の伸びを、今後5年間に最大でも高齢化分の2.5兆円以内に抑える必要があるとの認識で一致しました。政府が国際公約に掲げている基礎的財政収支(プライマリーバランス)の20年度までの黒字化達成をにらんだもので、診療報酬や介護報酬のマイナス改定を論点に盛り込んだのもそれに向けた対策の一環になります。

確かに膨らみ続ける社会保障費ついては、国の財政を大きく圧迫しております。早期に何とかしなければならないと財務省が考えるのは当然です。その時に一部の指標だけで諸外国と比較して、高いだの低いだのと声を荒らげる方がいますが、私からするとどうかと思います。まず日本の医療において諸外国にない素晴らしい制度として国民皆保険があります。フリーアクセスの定義のすり替えなど諸問題も見え隠れしておりますが、それでも国民の健康を維持していこうという素晴らしい社会保障制度であると思います。風土文化が異なる諸制度を持ち込んでも成功するとは考えにくいです。今から日本が進むべき道は、諸外国の模倣ではなく、日本としての日本人にふさわしい制度構築であると思います。








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