2014年10月2日木曜日

病床機能報告制度の受け付けを開始

厚生労働省は101日、改正医療法の施行に伴い病床機能報告制度の受け付けを開始しました。一般・療養病床を有する病院と診療所が対象で、71日時点の状況を報告することとなっており、今年度は1114日が報告期限となっております。
報告項目は大きく分けて、看護職員数などの人員配置や医療機器などの設備について、医療機関から厚生労働省が整備するサーバーヘ送る項目、手術件数や処置件数など、提供している医療の内容を電子レセプトで自動集計する項目―の2種類です。 2種類の情報とも、都道府県が活用できるようにします。医療機関からサーバーヘ情報を送る際、厚生労働省指定の様式のうち①CDRなどの電子記録媒体を郵送②専用ホームページを介したインターネット上での報告③紙の様式を郵送―のいずれかから1つ選ぶこととなっております。
厚生労働省のサーバーヘ送る事項は「病棟単位」「病院単位」「任意」に分かれます。医療機関が各病棟の医療機能を、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4つから1つ選ぶことなどが柱となっております。医療機能については「現在(71日時点)」「6年後の予定」「2025年度時点(任意報告事項)」に分けて報告することとなっております。 電子レセプトを自動集計する項目については、自動集計後の1121日ごろにデータを各医療機関へ送付し、データの確認・追記を求めます。確認後の返送期限は1212日となっております。







報告制度開始に先立って厚生労働省が設置した専用の疑義照会窓口には、930日時点で計2970(電話1560件、メール400件、ファクス10)の疑義が寄せられています。疑義については個別に回答するほか、主な内容を公開する予定です。厚生労働省医政局総務課の土生栄二課長は「できる限り迅速に分類・整理して順次公表していきたい」と述べられました。
持分なし医療法人への移行を促進する「移行計画認定制度」の受け付けも同時に始まりました。受け付けは3年間の期間限定で、持分ありの医療法人が持分なし法人へ移行するために取り組む内容などをまとめて提出する「移行計画」を国が認定する仕組みです。支援内容は、認定を受けた医療法人に対する税制優遇措置や福祉医療機構による低利の融資です。税制優遇措置は、移行計画が認定を受けた日から3年以内に出資持分を放棄することが前提です。移行計画期間中に発生した相続税や贈与税の納税が猶予され、猶予税額は持分放棄後に免除されます。

地域医療ビジョンの作成に向けて病床機能報告が始まりました。各病院の現状報告よりむしろ6年後をどのように描いているのかがポイントだと思うのですが、始めはどの病院も様子見の報告になるのではないかと思われます。ただ、71の要件が厳しくなったことに加え、消費増税による損益への影響もインパクトが大きく、待ったなしで各病院の行く末を見定めていく時が差し迫ったということです。







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2014年10月1日水曜日

9月度末をもって経過措置の撤廃

2014年診療改定で設けられた46項目の経過措置のうち、亜急性期入院医療管理料など18項日で経過措置期限が切れました。昨年7月時点で1305病院 (17302)が算定していた亜急性期入院医療管理料は、930日で完全に算定が廃止となり、項目そのものが消滅
滅します。病院団体の調査によると、約1000病院が地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)にシフトしていくとみられています。2014年度改定論議の目玉となった 「重症度、 医療・看護必要度」や「自宅等退院患者割合」など71入院基本料の経過措置なども30日で切れました。






また許可病床が200床以上の病院については、毎年9月末日までに医薬品の妥結率が50%以下の場合、初・再診料などが引き下げられます。対象病院は、10月に地方厚生局ヘ妥結率の実績を提出することが求められます。
医薬品の妥結率について、日本私立医科大学協会病院担当理事の小山信彊氏は「8月に調査した時点ではクリアできていない病院もあったが、10月に地方厚生局に報告することを念頭に、9月いっぱいで50%基準をクリアするように求めてきました。対象となる病 院には全てクリアしていると認識しています」と述べられ、101日から9月末日時点の妥結率に関する調査を行う計画としました。私医大協で対象となるのは29の大学本院を含め75病院です。このほか、国立大学附属病院長会議・常置委員会の千葉大病院関係者によると 「医薬品の妥結率は4月時点でほぼクリアしています。42大学45病院で50%を下回る病院はありません 」と述べられました。国立病院機構も所管する143病院のうち、許可病末200床以上の対象135病院は全て基準をクリアできているとしています。
全日本病院協会の西澤寛俊会長は「2014年度診療報酬改定は経過措置項目が多いが、各病院ともに対応を準備していると認識しています。同時に10月から病床機能報告制度がスター卜し、その先に地域医療構想が待ち構えています。各病院はこれらの流れを十分に理解し、対応することが求められている」と述べられました。
日本慢性期医療協会の武久洋二会長は、地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料)について「次期診療報酬改定を見据え算定要件の見直しが必要」と述べられました。特に手術料が包括されていることなどについて見直し論議を求めていきたい意向です。一方、中医協支払い側委員の自川修二氏(健保連副会長)は、病床機能報告制度の病床区分と診療報酬の整合性に関して「一気に解決できる問題ではない。中医協で十分な議論を進めていけばよいのではないか」と述べられ、将来的な整合性の確保が課題と指摘しました。

段階的に国が目指す医療体系へシフトして行っておりますが、いかにその方向性に沿いながら自病院のその地域での存在価値を発揮していくかが、病院経営の明暗を分けると思われます。全国でどれぐらいの7対1病院が要件をクリアできずに方向性を改め、新たな機能へシフトしたのか、その数値も気になるところです。果たして国の目指す体制へとうまく進路を進めているのでしょうか。







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2014年9月23日火曜日

9月末で在宅強化型から4割が撤退 長崎県保険医協会が緊急アンケート

 2014年度診療報酬改定で、強化型在宅療養支援診療所・病院(以下:強化型支援診等)の施設基準において、緊急往診および看取りの実績要件の引き上げが行われました。
 連携型では、これまでは連携体制ごとにクリアしていればよかった実績が個々の医療機関にも求められ、過去1年間に緊急往診4件、看取り2件が実績要件となりました。ただし、9月末までの経過措置が設けられ、9月30日までの6カ月間に緊急往診2件、看取り1件の実績があれば、2015年3月31日まで基準を満たしているものとして取り扱われます。 しかし、経過措置期限の9月末までに緊急往診及び看取りの件数を満たせなければ強化型の施設基準を取り下げなければなりません。 長崎県保険医協会では強化型支援診等の現状を把握する緊急アンケートを実施しました。その中で多くの強化型支援診等が基準を満たせず、強化型から撤退を余儀なくされる実態が明らかになりました。






調査は8月26日から29日までの期間で、長崎県内で強化型支援診等の届出を行っている93医療機関に対して行いました。FAXで調査票を送付し、47医療機関(病院5、有床診療所15、無床診療所27)から回答が寄せられました(回答率:51%)。単独型は2医療機関で、45医療機関が連携型の強化型支援診等の届出でした。
 9月末までに緊急往診および看取りの実績を満たせない医療機関は、回答の40%に当たる19医療機関に及びました。満たせない基準の内訳は、緊急往診の件数が1医療機関、看取りの件数が11医療機関、緊急往診と看取りの両方が7医療機関で、看取り要件を満たせないことが施設基準をクリアできない主因となっていることが明らかとなりました。強化型支援診等の役割はターミナルの患者に限定されているわけではなく、在宅死は一定の頻度で発生するものではありません。

 9月末の経過措置をクリアしても、2015年3月末までに次のハードルが待っています。10月以降は過去1年間に緊急往診4件、看取り2件の実績が要件となります。9月末に施設基準を「すでに満たしている」「満たせる見込み」と回答した28医療機関のうち、17医療機関が継続して施設基準を満たすのは「かなり難しい」「少し難しい」と回答しています。9月末までに施設基準を満たせない(見込みも含む)11医療機関と合わせると38医療機関となり、回答の81%に達っします。
 この傾向は病院・有床診の強化型支援診等ではさらに顕著となります。当初は在宅死を望んでいても、患者の死期が近付くと家族が入院を希望するケースは多いのです。長年在宅医療を行っている有床診療所の院長はアンケートの自由意見の中で、「有床診の場合、終末期は入院させることを希望され、年間看取りは10件以上あっても入院での看取りになり、在宅で看取ったのは30年間に5件以内である」と述べています。ターミナルケアを行っていても、最後は入院させて看取れば、強化型支援診等の施設基準としての看取りとしてはカウントされません。
9月末までに緊急往診及び看取りの実績を満たせない病院・有床診は、回答の55%に当たる11医療機関でした。残りの9医療機関のうち、施設基準を継続して満たすことは「難しくない」と回答したのは僅か2医療機関のみでした。

連携型の強化型支援診等では、連携医療機関の中の1医療機関でも施設基準をクリアできなければ、全体が施設基準を満たさなくなります。連携型45医療機関のうち、連携先医療機関が施設基準を「すべて満たしている」は10医療機関で、「一部満たしていない」が32医療機関でした。強化型を維持するためには、施設基準を満たさない医療機関を切り離さないとなりません。連携の要となる病院・有床診が施設基準を満たさず、連携グループから離脱すれば、今後の運営に大きな支障が生じます。
 施設基準を満たさなくなった場合の対応としては、「強化型以外の支援診の届出をだす」「強化型をクリアした時点で再届出をする」が多かったのですが、「往診・訪問診療で対応する」も4医療機関ありました。
 施設基準を満たさず強化型を取り下げた医療機関が連携のグループから離脱するか、あるいは強化型以外の支援診として低い点数でグループに残るかは個々の医療機関で判断の分かれる所です。しかし、いずれの選択をしたとしても不合理であることに変わりありません。
 アンケートの自由意見では、看取りの件数を施設基準の実績要件とすることに対する異論、反対の声が多く寄せられていました。「人を死なせないといけなくして、誘引を設定しているものに従うのは自分の倫理観にあいません」は多くの在宅医の実感であると思います。20年近く在宅医療に関ってきた看護師の、「亡くなる方を、家族を支えていきたいのに看取りのカウントを意識しながらでは、「早く死んでくれ」と願っているようで悲しいです」は切実な現場の声であります。
 今回の緊急アンケートは9月末に4割の医療機関が強化型から撤退し、10月以降を含めると8割の医療機関が強化型から撤退する可能性を示しています。厳しすぎる実績要件の引き上げと言えます。


地域包括ケアシステムの構築において、訪問看護の存在ばかりクローズアップされていますが、診療所の役割はとても重要なものです。いかに在宅で療養を続けていけるかは、主治医の機能を担う診療所の医師にかかるところが非常に大きいです。ただ、今回の診療報酬改定では、強化型在宅療養支援診療所の要件が厳しくなっております。全国的に見ても多くの診療所において強化型から離脱することが予想されています。ただ、在宅医療に対する熱意を失わずに、地域の医療を守り続けて頂きたいものです。







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2014年9月22日月曜日

健保組合の決算見込み 6年連続赤字

健保連は9月11日、2013年度の健保組合の決算見込みを発表しました。赤字額は前年度比で1811億円減の1162億円となりました。保険料率引き上げによる収入増と、法定給付費の伸びの鈍化で赤字幅は減ったものの6年連続の赤字決算となりました。
決算見込みは2014年3月末に存在した1419組合の決算見込み状況の集計からとなっております。経常収入7兆3413億円、経常支出7兆4575億円の差引額で1162億円の赤字となりました。収入面では報酬月額や賞与の上昇、保険料率引き上げなどで保険料収入が増加する一方で、支出面では法定給付費の伸びが低かったこともあり、前年度に比べて赤字幅が減りました。赤字組合は927組合、保険料率を引き上げた組合は565組合でした。支援金・納付金等総額は前年度比1411億円増の3兆2739億円で過去最高額となりました。被保険者1人当たり額は8962円増の20万9222円となりました。






自川修二副会長は同日の記者会見で「年々増加する高齢者医療への支援金、納付金負担が赤字の最大要因である状況は全く変わっていない」と述べ、高齢者医療の費用負担軽減のための制度改革を強く要請されました。また「高齢者医療への支援金、納付金負担は今後一層重くなることは明らかです。保険料率の引き上げによる対応はすでに限界に達しており、健保組合財政がより厳しいものになることは確実です」と強調されました。 健保連が実施する高額医療交付金交付事業での2013年度高額レセプト上位の状況もまとめられました。1カ月の医療費が1000万円以上のレセプトは前年度比82件増の336件で過去最高となりました。内訳は、先天性疾患が125件で最も多く、循環器系疾患95件、血友病53件、悪性腫瘍23件などと続きました。1カ月医療費が2000万円以上は13件増の36件、500万円以上も213件増の5018件で、ともに過去最高を更新しました。

診療報酬の問題は、病院サイドだけを注目してみていくわけにはいかず、支払う側の健保連の状況も加味しなければなりません。もちろん、国民の健康を維持するための健康保険組合ですし、そのための医療であるのですから、必要なところには厚く、そうでないところは抑制していかなければ、この赤字が続いている状況ははっきり言って異常事態です。制度の見直しを根本的に行なわなければ、難しいでしょう。








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2014年9月21日日曜日

患者申出療養について   日医中川副会長

来年の通常国会に法案が提出される予定の「患者申出療養」(仮称)について日本医師会の中川俊男副会長は9月12日、「中医協で責任を持って検討すべき課題です。患者団体等の懸念を払拭するためにも中医協できちんと検討を進めていくべきです」と述べられ、日医としても具体的議論に向け対応していく考えを示されました。患者申出療養については、厚生労働省保険局医療課の宮寄雅則課長も、今秋にも中医協案を取りまとめる方針を打ち出しています。






中川副会長は「患者申出療養は、評価療養の改良型だと思っています。運用における一つの課題は“患者に身近な医療機関"の決め方です。患者に身近な医療機関は、全都道府県を網羅するということと解釈できます。決して地域包括ケアシステムの中にあるわけではありません。大学病院本院、さらに拡大するのであれば、がん診療拠点病院となるのではないか」と指摘されました。患者申出療養の仕組みは、臨床研究中核病院と“患者に身近な医療機関"が 診療内容に応じて連携協力を図りながら進めていくとされています。中川副会長は「臨床研究中核病院は患者中出療養の仕組みのコアの部分になります」と指摘されました。「それだけに中医協・薬価専門部会でも取り上げられたディオバン等の問題は極めて深刻な状況と受け止めている」と述べられ、慎重な検討が必要としました。患者申出療養で鍵となる有効性と安全性の担保については「先進医療会議の中か、先進医療技術審査部会で担当していけばよいのではないか」と述べられ、患者、国民、医療関係者にとって分かりやすい制度にしていくことが必要としました。

一方、安倍晋三首相が年末に2015年10月の消費増税を決断し、増税分を診療報酬で補填するための期中改定が行われる場合、財務省側は市場実勢価格を反映させるため薬価調査が必要と主張しています。中川副会長は「2014年度診療報酬改定の薬価財源の扱い方は前例にならないと何回も申し上げています。期中改定での薬価調査は納得できない話です」と訴えられました。2016年度改定に向けた課題については「基本診療料では、医科の技術料をきちんと評価するということが重要です。2014年度改定で新設された地域包括診療加算の意味は大きいです。要件の中で、かかりつけ医が服薬管理まで行うことになっているほか、“院外処方から院内処方に戻すんだ"というメッセージにはインパクトがあった」とし、 「検証結果を見た上での判断だが、次期改定では要件の緩和なども検討したい」と述べられました。

日本の医療が今後いかなる道を進んでいくのか、患者申出療養がその一つを担う大きなポイントとなっていると考えられます。それゆえに、患者申出療養を行える病院にいかにしてなるか、高度急性期を目指している病院であればとても重要になってきます。またそうでなければ、急性期から地域包括ケアへのシフトを優先するべきであるし、厚生労働省としても大枠は考えているが、詳細については各面子をたてながら固めていくのでしょう。








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2014年9月20日土曜日

地域包括ケア構築の課題を議論  近医連・分科会

近畿医師会連合定時委員総会・第2分科会(地域医療)は9月14日、地域包括ケアシステムの構築をめぐり「医師間の意識の差をどのように埋めるか」「行政側が日ごろから現場の実態を拾い上げる姿勢を持つべき」など、今後の課題を持ち寄って議論しました。事前に6府県から集めたアンケートで、大阪府医師会は「市町村は次期介護保険事業計画の策定で、地域医師会との円滑な連携を視野に入れて計画策定する重要性をどこまで認識しているのか」と疑間を呈し、「現場の声に振り回されてしまうと事業計画の取りまとめが難しくなることは理解できるが、国や都道府県が示したガイドラインに沿った計画では意味がない」と指摘されました。






医師側の積極的な関与に加え、日ごろから行政側が現場の声に耳を傾ける姿勢を持つことも大事だと訴えられました。兵庫県医は意見を述べる中で、地域ケア会議などへの郡市区医師会の参加状況に温度差が見られると分析し、「地域のかかりつけ医が主導権を持つという意識を忘れてはいけない」と提言されました。奈良県医も地域包括ケアシステムの推進に関し、会員間で温度差が出ている現状があると説明されました。京都府医は、地域包括ケアという概念を論じるだけではなく、医療・介護従事者が直面する課題や地域の実情を踏まえた具体的な取り組みを個別に考えるべきとし、地域住民に地域包括ケアを知ってもらう働き掛けも不可欠と訴えられました。  アンケートでは新たな財政支援制度(新基金)をめぐる「都道府県計画」策定の関連で、大半の府県医師会と府県との協議はおおむねスムーズに進められたことも分かりました。「スムーズにできた」と答えたのは大阪、滋賀、奈良、和歌山、京都の5府県医でした。兵庫県医は県との情報交換について「昨年末に田村憲久厚生労働相 (当時)が新基金創設を明らかにした後、すぐに県側に意見交換を求めましたが、3月まで情報交換が行われなかった」とし、「スムーズに行えなかった」と回答しました。計画策定に関する各府県医の「役割」に関する質問では、大阪府医と兵庫県医が「郡市区医師会や関係団体から上がってきた要望について連絡協議会など設け、計画内容の調整など『取りまとめ役』として役割を果たした」と回答されました。「郡市区医師会や関係団体から上がってきた要望について、府県担当部署とともに調整・集約を行い、『取りまとめ役』の役割を果たした」と振り返ったのは大阪府医、京都府医でした。「府県担当部署が直接に調整・集約を行い、府県医師会として特に連携・調整しなかった」としたのは滋賀、奈良の両県医で、和歌山県医は都市医師会の意見集約は自ら行い、関係団体の調整は県側に任せた対応でした。

地域包括ケアシステムの構築に向けて、各都道府県が描く地域医療ビジョンが重要なキーとなります。ただ、現状の段階で、地域医療ビジョンを描けている都道府県はないと感じられます。だから医師会からの問い合わせにも答えることができないので、情報交換の場もまだ設けることができないというのが実情であると考えられます。しかし、各医療法人は、それらを待っていては乗り遅れますし、病床機能報告もあり、先だって進めていかなければならないというのは、どうもおかしな状況であると感じます。国が描けなかった地域医療ビジョンをいかに都道府県でまとめ上げることができるのか。とても一筋縄ではいかないのではないでしょうか。








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2014年9月19日金曜日

医療事故調、報告対象の拡大に懸念  近医連・分科会

近畿医師会連合定時委員総会が9月14日、京都市内で開かれ、第 3分科会 (医療安全)では事前に実施したアンケート結果を基に2府4県の医師会関係者が意見を交わしました。この中で医療事故調査制度について、改正医療法で報告対象が「当該管理者が当該死亡または死産を予期しなかったものとして厚生労働省令で定めるもの」とされていることに対 し「今後、省令次第で(医療事故の)報告対象の範囲が限りなく広がることを危惧する」(兵庫県医)とした意見も上がりました。
「予期しなかったもの」に対する解釈も議論の焦点になり、アンケートでは「予期しなかった死亡例の定義を明確にしなければ、医療側と患者側が考える医療事故の調査対象の範囲があいまいになる」(大阪府医)、「『予期しないもの』は、当該医師の専門性や医療機関によって見解が異なることが予想される。報告に差が出ないような基準が必要です」 (和歌山県医)などの指摘がありました。また「『予期しなかったもの』は、診療から逸脱した行為で発生した事例に限定すべき」 (滋賀県医)とする意見も出ました。






第三者機関の「医療事故調査 ・支援センター」の調査結果が遺族に報告されることについては、報告書が訴訟に利用されることへの懸念もある中で、アンケート結果は「賛成」「やむを得ない」との方向でおおむね一致しました。ただ、報告書の内容が議論の俎上に上り 「反省や改善というようなコメントを書かれると、どうしても患者にすれば『医療ミスだ』となる。事実だけ書くような形にできないか」(大阪府医)、「反省点は患者側に情報開示する必要はないと思う」(兵庫県医)などの意見が出ました。遺族が報告書を訴訟に利用しないことや、外部に情報を公表することを禁じる仕組みの必要性を訴える意見もありました。医師法21条を改正する必要性については、兵庫、滋賀、京都の3府県医が「必要」と回答しました。兵庫県医は「刑事司法との調整を第二者機関に期待できないのであれば、なおのこと事故調査制度が動き出した今こそ医師会主導で改正を前に進めるべき」と訴えました。「必要ない」と回答したのは奈良、和歌山の2県医でした。和歌山県医は「医師法21条の改正にこだわらず、できることから医療事故調査制度を前に進めるべきだと従来から主張している」とコメントしました。調査に必要な費用負担に関しては、院内事故調査委員会の調査費を「自院負担とすべき」としたのが4府県医でした。「公費を投入すべき」としたのは2府県医でした。医療事故調査・支援センターの調査費は4府県医が「公費を投入すべき」とし、2府県医は「公費と当事者(医療機関・患者)負担とすべき」と回答しました。

医療事故調査 ・支援センターについては、どうも性善説と性悪説で見解が大きく変わっていくと感じます。本来、患者の健康・生命を守るためのはずの医療行為が、見る角度によって歪んでしまうことへの弊害をいかに抑制できるか、制度をしっかり整備してからのスタートを期待したいものです。








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