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2015年6月1日月曜日

地域医療構想に対する理解度は

全日本病院協会の常任理事会・理事会が5月23日開かれ、全日本病院協会が実施した地域医療構想に関する調査結果の報告を受けました。それによると地域医療構想への理解度については、全体の6割弱の支部が「不明な点が多い」などと回答している実態があることが明らかになりました。






 全日病の調査は、地域医療構想に関する各支部の現状認識や意見、調整会議への対応状況などを把握する目的で実施されました。調査期間は2015年4月30日~5月13日まで、47支部のうち44支部から回答を得ました。地域医療構想への各支部の理解について尋ねたところ、「十分理解している」の回答は3支部、「大枠理解している」が16支部でした。一方で「不明な点が多い」21支部、「よく理解できていない」4支部で、両者を合わせた25支部、全体の6割弱が不明もしくは理解しきれていないと回答しました。この25支部に理由を聞いたところ(複数回答可)、最も多かったのは「調整会議の役割と運営」「調整会議における病院団体の役割」で19支部、次いで「医療機能区分の判断」17支部、「構想区域の設定」「調整と既存病床との関係」14支部などと続きました。西澤寛俊会長は「現場がガイドラインの文言に疑間を感じているという現状は理解できる。全日病として各支部への情報提供や支援を強化する必要性を感じている」と話されました。また、同日の常任理事会・理事会では、全日病が、2015年度看護師の特定行為に係る指導者育成事業実施団体として選定を受けたことも報告されました。西澤会長は「全日病が、これまでも講習会・研修会を多岐にわたって実施してきたことが評価されたのだろう。看護師の特定行為に係る指導者育成事業は、7月から全国8カ所で講習会を実施する予定」と話されました。

これから協議の場として調整会議が行なわれていくことになりますが、各医療機関はいかに生き残るかを模索しており、情報収集を行ないシミュレーションするなど方向性を検討しています。まずは、どのような数で都道府県から各医療圏の適正病床数が出されるのか、そこに掛かってきますが、各支部の理解度が低いと、調整も円滑に進んでいかないでしょう。








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2015年3月11日水曜日

地域包括ケア病棟は、在宅患者のレスパイト機能も

産業医大公衆衛生学教室の松田晋哉教授は3月1日 、全日本病院協会の経営セミナーで講演し、急性期病床の受け皿として2014年度診療報酬改定で新設された地域包括ケア病棟について、今後の増加が見込まれる「高齢者の肺炎、骨折への救急対応や、重症度の高い在宅患者を支援するためのレスパイト機能」などが必要との見方を強調しました。






 地域包括ケア病棟入院料の評価は、2014年度改定の付帯意見でも病床機能報告制度を踏 まえ引き続きの検討課題となっており、中医協でも今後の調査や検証結果を踏まえた次期改定での対応が議論される見通しです。松田教授は、東京都や石川県の各医療圏の診療実績データ等を引用しながら、今後ニーズが高まる疾病として肺炎、骨折、脳血管系疾患の3疾病を指摘しました。「脳血管系疾患は医療計画でも対応してきたが、骨折、肺炎は取り上げていなかった。確実に今後増えるので、認知症などの合併症患者の急性期対応をどうするかが課題」としました。介護施設でも予防対策を進めなければ、拡大するニーズに対応できないとし、2018年度から同時に始まる医療計画と介護保険事業計画、さらには地域医療構想との整合性が求められるとしました。さらに、松田教授は、東京都などの診療実績データから、都心部など療養病床が不足している地域では、重症度の高い患者に在宅療養で対応する状況が想定されることを説明されました。その上で「今の訪問看護ステーションの体制では無理でしょう。(病院からの) 訪問看護でないと重症度の高い在宅患者ケアは支え切れない。こうした患者への対応も地域包括ケア病棟の役割ではないか」との見方を示しました。

地域医療構想において、国からは医療費抑制のための在宅医療への誘導が進む中、その実現に向けてはまだまだ険しい道のりであると感じます。確かに、理想像を言えば、間違ってはいませんが、ただそれぞれの機能が充分に発揮できるのかということが一つ重要な点ではないでしょうか。各機能が連携し発揮するためには、その潤滑油の存在が必要不可欠です。それを担うのは、地域包括ケア病棟であり、訪問看護であれば、それぞれの担わなければならない領域というのは非常に広くなります。広げるがあまり浅くならないように、しっかりした仕組みづくりを先に行なわなければ、実現は厳しいのではないでしょうか。








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2014年12月18日木曜日

赤字病院拡大 全日本病院協会が調査

2014年度診療報酬改定後の今年5月の総収支が赤字の病院が、2013年同月と比べ増えていることが、全日本病院協会(全日病)が12月16日に公表した会員調査の結果から明らかになりました。特に、東京にある病院や、一般病床のみの病院、DPC対象病院などで収支が悪化する傾向が見られ、全日本病院協会は、2014年度の「診療報酬改定による急性期入院医療の厳格化」や「消費税増税による支出増」が要因としています。






 全日本病院協会は5月、会員病院の収支状況などを調査しました。930病院から回答を得て集計し、2013年5月の状況を調べた前回の会員調査(831病院が回答)の結果と比較しました。
 それによると、医業収入を医業支出で除して算出する「医業収支率」の平均は、2014年5月が104.6%で、2013年5月の105.5%から減少しました。医業収支率が100%に満たない病院の割合は25%で、2013年5月と比べ2ポイント増加しました。また、医業以外の収支も加えた「総収支率」の平均は104.6%(前年同期比1.8ポイント減)で、この比率が100%未満の赤字病院の割合は24%(同2ポイント増)でした。
 総収支率を病院の所在地ごとに見ると、「東京」が35%(同6ポイント増)と高い状況でした。「政令指定都市」は21%(同3ポイント減)、「その他」は23%(同2ポイント増)でした。
 また、一般病床のみの病院の総収支率は102.8%(同3.3ポイント減)で、療養病床のみの病院の113.0%(同0.3ポイント減)や精神病床のみの病院の112.1%(同0.9ポイント減)より低い状況でした。
 DPC対象病院の総収支率は102.0%(同3.7ポイント減)でした。これに対し、DPC準備病院は104.4%(同2.6ポイント増)で、それ以外の出来高算定病院は109.4%(同1.0ポイント増)と、2013年同期と比べ高くなっていました。
 全日本病院協会は、急性期の入院医療を担う病院の経営状態が悪化すると、地域の医療提供体制に「大きな影響を及ぼす」と指摘しています。今後、診療報酬体系や消費税の在り方について、十分に議論する必要があります。

今回の2014年度の診療報酬改定により、収入は若干増えたが、消費増税等により支出がそれ以上に増え、増収減益となっている医療機関が本当に多く、中には減収減益と厳しい状況に落ち込んだ医療機関も数多くあります。本来、社会保障を立て直すための消費増税であったにもかかわらず、各現場が疲弊するようなしわ寄せが起きており、ただ国としてはこれに対する処遇の改善は考えにくいと思います。むしろ弱ったところは、くっついて助け合っていくように、と言っているようにすら聞こえて仕方ありません。








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2014年7月11日金曜日

地域包括ケア病棟へのシフト 全日本病院協会

全日本病院協会(西澤寛俊会長)は、6月から実施している地域包括ケア病棟に関する会員病院のアンケート調査で、7月8日までの集計結果では、地域包括ケア病棟入院料か地域包括ケア入院医療管理料を既に届け出ているのは545病院中44病院(8.1%)だったと発表しました。届け出を予定している病院を含めると205病院(37.6%)に達しました。

全日本病院協会が7月9日に東京都内で開催したセミナー後の記者会見で、西澤寛俊会長が明らかにしました。さらに西澤寛俊会長は、「会員の半分近くが該当するなら当然、全日本病院協会の事業として重点的に取り組まなければいけない」は 「地域包括ケア病棟・病床は全日病会員が引っ張っていくのではないか。今後、会員病院が意見交換できる場の設置も検討したい」とし「届け出病院のニーズを十分吸い上げていきたい。施設基準の解釈をめぐる質問は後を絶たない。協会としてもできるだけ対応していきたい」と述べられ、全日本病院協会員内で地域包括ケア病棟入院料などを届け出る病院と届け出を予定する病院とが意見交換する場を設けたり、全日本病院協会として必要な診療報酬上の評価を要望したりしていく考えを示されました。







 アンケートでは、地域包括ケア病棟入院料(病棟単位)を20病院、地域包括ケア入院医療管理料(病室単位)を24病院が、それぞれ既に届け出ていると答えました。また今後の届け出を予定している病院は入院料が66病院、管理料は95病院で、合わせて205病院が地域包括ケア病棟(病室)への参入を決定しています。 9月31日で廃止される亜急性期入院医療管理料を届け出ている約400病院からの移行も考慮すると、最終的には約800病院が届け出を検討する可能性があるとの認識を示 しました。

 許可病床が200床未満の場合、全病床で地域包括ケア病棟入院料を届け出ることもできますが、20病院の中にそういったケースはありませんでした。また、療養病床で地域包括ケア病棟入院料を届け出ているのは1病院のみでした。

 地域包括ケア病棟の評価は、2014年度診療報酬改定で新設されました。急性期治療後の患者を受け入れて在宅復帰させるポストアキュート機能や、在宅療養中の患者が急性増悪した際に受け入れるサブアキュート機能などが期待されています。

 ただ、猪口雄二副会長は、包括評価の地域包括ケア病棟入院料と地域包括ケア入院医療管理料では、急性増悪した患者に投入する医療資源の費用を賄うことが難しいと指摘されました。「(地域包括ケア病棟を持つ病院が)増悪した患者を直に受けるかというと、厳しいと思っている」とした上で、「受けるためにはどういう診療報酬設定が必要だ、ということを要望していくのが(全日本病院協会の)仕事である」と述べられました。また、「地域包括ケア病棟・病床だけに目を向けるのではなく、病院としての地域での立ち位置などをきちんと把握することが必要。今後、地域の中で個々の病院がどういう流れをつくっていくかが大事だ」と述べられました。

地域包括ケア病棟へのシフトが騒がれていますが、急性期からまたは療養からシフトしても決して安泰というわけでは無く、いかに地域でその役割を果たしていくかと考えると、他病院と連携を持って体制を構築しなければ行き詰まることが予想されています。猪口雄二副会長のおっしゃるとおり、増悪した患者をどのように受け診ていくのか、どこも万全の体制が整っていないが故に患者を「たらいまわし」にしてしまうような事態だけは避けなくてはなりません。ただ、自病院が最適であるといった自負を持って診ていけるかどうか、近隣の病院の状況についての認識を深めておかなければならないなど、各病院は取り組まなければならないことが山積みです。







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