ラベル 地域包括ケア病棟 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 地域包括ケア病棟 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2015年6月24日水曜日

地域包括ケア病棟、手術を出来高評価とする方向へ

地域包括ケア病棟において、より多様な状態の患者の受け入れを促進するために「手術を包括評価の外に出す」ことなどが論点に掲げられました。今後、手術(診療報酬点数表のKコード)すべてを出来高評価とするのか、一部手術のみを出来高評価とするのかなどを、他病棟で行われている手術の内容なども見ながら議論していくことになります。






6月19日に開かれた、診療報酬調査専門組織の「入院医療等の調査・評価分科会」では(1)地域包括ケア病棟(2)総合入院体制加算(3)医療資源の乏しい地域の診療報酬の3項目をテーマに議論が行われました。 地域包括ケア病棟には、▽急性期後の患者の受け入れ▽在宅復帰支援▽急性増悪時の対応という3つの機能が求められています。厚生労働省が行った調査結果を見ると、地域包括ケア病棟の入院患者の9割は「自院の急性期から、他院の急性期から、自宅から」入棟しており、また97%の病院が3機能を最重視していることが分かり、この3つの機能を相当程度果たしているようにも思えます。
 しかし厚生労働省は「患者の病態が外傷や骨折などに偏っている」点を問題視し、「より多様な状態の患者の受け入れを推進する必要がある」との考えを明らかにしています。
 この日の分科会には、地域包括ケア病棟で実施されている治療内容の実態も示され、次のような状況が明らかになっています。
・入院患者は高齢者が多く、ピークは80-84歳
・検査の実施が少ない
・手術はほとんど行われていない
・7割の患者に個別リハビリが行われているが、実施量は、少ない所から多い所まで幅広い
・疾患別リハビリの大部分は、脳結果疾患等リハビリと運動器リハビリである
・出来高算定できる摂食機能療養は、平均2回弱算定されている
・9割程度の患者が経口での栄養摂取が可能(回復期リハ病棟の患者と同程度)
手術や検査、処置などの実施が少ない背景には、これらが包括評価されている点があります。このため厚労省は「手術などを包括評価の外に出すことをどう考えるか」との論点を提示しています。
 分科会の委員も「多様な病状の患者受け入れを進めるべき」と考えており、特段の反対意見は出されませんでしたが、支払側代表である本多伸行委員(健康保険組合連合会理事)は「手術の出来高評価について議論するなら、具体的な疾患や患者の状態像を示してほしい」と要望しています。
 ただし、前述のように現時点で手術はほとんど行われていないため、「地域包括ケア病棟に入棟する前に実施された手術(それを地域包括ケア病棟で実施できるのか)」や「療養病棟などの他の病棟で行われている手術」などを見て議論していくことになりそうです。
 厚生労働省保険局医療課の担当者は「手術すべてを出来高とするのか、一部手術を出来高とするのかの具体案はまだない」と述べていますが、委員同士のやり取りからは「一部手術を出来高とする」方向で検討が進みそうです。もっとも手術を出来高にした場合、包括部分の点数を下げることになるでしょう。
 なお、リハビリや高額な処置などについて「出来高にすべき」「充実加算を設けるべき」との意見は出されず、手術以外の項目が出来高評価となる可能性は低そうです。本多委員は「濃密なリハビリが必要な患者は回復期リハ病棟に入棟すべきであろう」と述べ、地域包括ケア病棟と回復期リハ病棟の機能分化の必要性も指摘しています。

ところで地域包括ケア病棟については、「退院が見通せる患者を選別しているのではないか」との指摘もあります。厚生労働省の調査では、地域包括ケア病棟の平均在院日数は23.9日(中央値)と比較的短く、在宅復帰率は86.3%(同)と高いのですが、前述の通り「入院患者の状態が外傷や骨折などに偏っている」ために、このような指摘が出てくるのです。
また、厚生労働省の調査結果からも「地域包括ケア病棟の入棟患者の多くは、既に退院予定が決まっている」ことが分かっています。
この点について池端幸彦委員(医療法人池慶應会理事長)は「外傷や骨折など、クリニカルパスが整っている傷病では退院時期が見通しやすい」と述べ、『選別』が行われている可能性を指摘します。
 また筒井孝子委員(兵庫県立大学大学院経営研究科教授)も「選別の可能性がある」と指摘した上で、介護保険との連携の重要性を指摘しました。厚生労働省の調査によると、地域包括ケア病棟に入棟している患者の半数程度が要介護認定を受け、要支援1以上と判定されています。こうした患者の多くはケアマネジャー(介護支援専門員)が関与しているため、筒井委員は「ケアマネとの連携を診療報酬でも評価してはどうか」と提案しています。
介護報酬では、ケアマネが病院職員などと面談し居宅サービス計画を作成して退院調整を支援した場合、「居宅介護支援費」の「退院・退所加算」として評価されます。診療報酬と介護報酬の連動という点で、重要な提案と言えるでしょう。
 「退院が見通せる患者」の選別は「多様な状態の患者を受け入れる」という地域包括ケア病棟の目的に反します。このため厚生労働省は、「退院支援の体制強化を図りつつ、より入念な退院支援を要する状態の患者受け入れを促す」ことも論点に掲げました。
 退院支援の具体例としては、「多職種カンファレンスの実施」や「専従・選任の退院支援職員の配置」などがあり、実際に早期退院の効果も上がっています。こうした取り組みを別途診療報酬(加算など)で評価するのか、あるいは施設基準などに組み込みのか、今後の議論が注目されます。

地域包括ケア病棟はこれからの医療提供体制において、大きな意義を担っていくことになりますが、その立ち位置がまだ定まらないというか、どこまでの機能を期待するのかというところの線引きが難しいともいえます。確かに地域包括ケア病棟には3つの機能が求められていますが、そこを本当に高い次元で担っていくと、急性期病棟の存在価値が希薄になるとおもいます。確かにこれから超高齢化社会へと突入していく中で、高機能を担ってくれる地域包括ケア病棟が各地域に存在してくれると地域としては本当に安心ですが、その実現に向けては、制度の整備が未完全であり、まだ道は遠いように思われます。








ブログランキング参加中です
応援お願いします


にほんブログ村 病気ブログ 医療情報へ


2015年6月14日日曜日

地域包括ケア病棟は7・10対1と亜急性期の転換9割

5月29日の診療報酬調査専門組織「入院医療等の調査・評価分科会」では、地域包括ケア病棟入院料の創設に関する調査結果も示されました。
 前回改定では、急性期後の受け皿として「亜急性期」の名称が【地域包括ケア病棟入院料】、【地域包括ケア入院医療管理料】となり、病棟単位と病室単位(200床未満)の届出が認められ、施設基準にも「重症度、医療・看護必要度のA項目が1点以上の患者が10%以上」要件が加味されるなど、届出に向けたハードルを高くしています。





 
 調査結果では、地域包括ケア病棟について、7対1・10対1一般病棟入院基本料と亜急性期入院医療管理料からの転換が9割以上を占めており、届出を行った医療機関の病床規模は、100~200床の医療機関が過半数でした。地域包括ケア病棟へ転換した理由は、「地域のニーズに合った医療を提供できるため」や「他の入院料の病棟と組み合わせることで、患者の状態に即した医療を提供できるため」とする回答が52~58%と多い状況でした。
  他方、地域包括ケア病棟へ入棟した患者の入棟前の居場所は、自院・他院の急性期病床と自宅が約9割でした。入院理由は、全体としては「治療のため」が多い状況ですが、他院の急性期病床から入棟した患者は、「リハビリテーションのため」が88%を占めていました。疾患別では、骨折・外傷がもっとも多い状況でした。重症度、医療・看護必要度では、A項目1点以上の患者は全体の約20%で、施設基準の要件の10%よりも高く、項目別では、「創傷処置」と「呼吸ケア」の割合が多い状況でした。
  地域包括ケア病棟に入棟した患者のうち約半数は退院予定が決まっており、退院に向けてリハビリテーションを実施している患者の割合が大きく、患者の半数近くは、入棟後15日以内の患者であり、30日以上入院している患者は全体の25%程度でした。地域包括ケア病棟の在宅復帰率は、施設基準の要件の70%を大きく上回る医療機関が多く、個別の退棟先は自宅(63%)や介護老人保健施設(9%)が多い状況でした。一方、退院できない理由では、「入所先施設確保の問題」34%や「家族の希望にかなわない」18%をあげる割合が大きくなっていました。

地域包括ケア病棟はその名の通り地域包括ケアシステムを支援する病棟になり、これからの高齢化社会を地域でいかに生活をしていくかという課題に対し最前線でとりくむべきところになります。ただし、まだその本来求められているポストアキュートとサブアキュートの部分をしっかり果たせているのかというと、まだまだ取り組むべき課題も山積みですが、それでもしっかり在宅の患者をいざという時には診てくれる病院が地域に存在するというのは、大きな役割であることには間違いありません。








ブログランキング参加中です
応援お願いします


にほんブログ村 病気ブログ 医療情報へ


2015年6月13日土曜日

診療報酬改定に向けて

2016年度の診療報酬改定に向けて、厚生労働省は9月10日、中央社会保険医療協議会の総会と診療報酬基本問題小委員会を相次いで開き、入院医療をテーマに議論を行いました。下部組織である「入院医療等の調査・評価分科会」で実施された入院医療の実態調査結果も報告され、次期改定に向けて早くも論点が明確になってきています。






この日のテーマは、(1)急性期入院医療(2)地域包括ケア病棟・在宅復帰の促進―の2点でした。
 急性期入院医療については、主に7対1一般病棟をターゲットに「より急性期にふさわしい病棟」の評価に向けた検討が進められました。
 7対1一般病棟は、創設当初2-3万床程度と見込まれましたが、2014年3月には約38万400床と膨大な数の届け出がなされました。ここには「急性期にふさわしくない病棟・病床も含まれているのではないか」との指摘があり、2012年度、2014年度の診療報酬改定で施設基準の厳格化(平均在院日数の短縮や、重症度、医療・看護必要度の見直しなど)が行われています。
 厳格化の影響で7対1病床数は減少し始め、2014年10月には約1万4000床減の36万6200床になったことは既報のとおりです。10日に厚生労働省が発表した資料によると、7対1病床はさらに減少し、今年4月時点で36万3900床となっています(26年10月から約2300床減少)。届け出病院数は、2015年4月時点で約1530施設になりました。
厳格化の中で、病院が「もっとも厳しい」と考えているのは「重症度、医療・看護必要度」の見直しのようです。ただし、「重症度、医療・看護必要度」のA項目2点以上・B項目3点以上の患者が15%以上という基準を満たす患者の割合は、全体で見ると26年度改定の前後で大きな変化は見られません。
この点に関連して、白川修二委員(健康保険組合連合会副会長)ら支払側委員からは「重症度、医療・看護必要度の基準を満たす15%以外の、つまり残りの85%の患者の状態像はどのようなものなのかを知りたい」との要望が出されました。白川委員は、「7対1病床数は減少しているが、我々の想定にははるかに及ばない。次期改定に向けて施設基準や算定要件の厳格化が必要と考えている」とも述べ、急性期、とりわけ7対1病棟の入院患者の実態を明らかにすべきと求めました。
 しかし診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)は、「大学病院の入院患者であっても、治療を継続する中で状態が改善していく。すべての入院患者のうち重症度、医療・看護必要度を満たす患者が15%以上いるという基準は決して緩くはない。わが国では『状態が改善したので、すぐに転院』とはならない。そこが日本の医療の良さである」と述べ、「7対1に不適切な入院があるとすれば問題だが、我々はそうは考えていない」と強く反論しました。
 次期改定でも「7対1の施設基準」が最重要テーマの1つになると予想されており、早くも診療側と支払側の間で火花が飛んでいます。
厚生労働省は「7対1病院が、ほかにどのような入院料を届け出ているのか」を病床規模別に調べています。それによると、特定機能病院や500床以上の大病院では「特定集中治療室管理用」や「救命救急入院料」が多く、200床未満の中小病院では「地域包括ケア病棟」「回復期リハ病棟」「療養病棟」などが多くなっています。10対1病院でも同様の傾向があります。
ただし、大病院の中にも「地域包括ケア病棟」や「回復期リハ病棟」を届け出ている所もあります。これについて、診療側の鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は「大病院は高度急性期や急性期に特化すべきだ。病床稼働率維持のために地域包括ケア病棟などに転換することは、適正な地域連携を阻害する。稼働率維持はダウンサイジングで対応すべき」と述べ、「自治体病院の急性期病床数削減」や、「大病院における地域包括ケア届け出の制限」などを検討すべきと主張しました。一方で鈴木委員は「大病院が急性期に特化できるよう、特定集中治療室管理料や総合入院体制加算を手厚く評価すべき」とも付言しています。鈴木委員は、機能分化を「病院単位」で行うべきと考えているようです。
 もっとも万代恭嗣委員(日本病院会常任理事)は、「病院単位の機能分化もあるが、病床機能報告制度などを考えれば、別の機能分化の形態もある」と述べ、大病院のケアミックスに理解を示しています。
 診療側の中でも「機能分化」の考え方に温度差があることが分かり、次期改定はもとより、医療提供体制の再編に向けてどのような動きがあるのか注目されます。
地域包括ケア病棟については、厚生労働省から「2015年4月時点で約1170施設から、約3万1700床の届け出があった」ことが報告されました。2014年10月時点で約920施設・2万4600床の届け出なので、順調に整備が進んでいると言えそうです。
ただし、厚生労働省保険局医療課の宮嵜雅則課長は「地域包括ケア病棟での受け入れが、特定の状態の患者(骨折・外傷など)に集中する傾向が見られる」と指摘し、地域包括ケアシステムの中で期待される役割を踏まえて「病態がより複雑な患者」や「在宅復帰が困難な患者」の診療に関する評価のあり方を検討してはどうかと提案しました。
この点に関連し、万代委員は「地域包括ケア病棟には、▽急性期後の患者受け入れ▽在宅復帰支援▽救急患者の受け入れ―という3つの役割が期待されているが、手術料が包括されているので、救急患者の受け入れを躊躇する病院もある。手術や高額な医薬品などは出来高算定とする方向で検討してほしい」と求めています。
 複雑な病態の患者に適切な診療を行うという点に鑑みて、万代委員の提案は、今後、重要な論点となりそうです。
退院支援は、在院日数短縮が進む中で、多くの病院が苦労されているテーマの1つでしょう。7対1病棟や地域包括ケア病棟には施設基準として「在宅復帰率」が導入され、療養病棟1には「在宅復帰機能強化加算」が新設されるなど、厚生労働省も「退院支援」「在宅復帰支援」に力を入れていることが分かります。
この点、厚生労働省は「入院時に、早期退院に向けた多職種カンファレンスを実施する施設が多い」という調査結果を報告しました。しかも、この取り組みを実施する施設では、実施していない施設に比べて在院日数が短いことも明らかになっています。
厚生労働省保険局医療課の担当者は「カンファレンスと在院日数との因果関係は不明」と前置きした上で、「在院日数に差があるのは事実である。特に、回復期リハ病棟や療養病棟では在院日数がかなり短くなっている」と説明しています。
 宮嵜課長は、こうした状況を踏まえて「在宅復帰を支援するための院内の体制や、ほかの施設との連携の推進」を次期改定に向けた重要論点の1つに位置付けました。
 なお、医学的な理由以外で退院が困難な患者では「食事・排泄・移動などの介護」が必要なケースが多くなっています。この点、回復期リハ病棟や地域包括ケア病棟では「経口摂取できない患者」の受け入れ割合が低く、クリームスキミングが生じている可能性も疑われます。
在宅復帰支援に向けて、前述の「多職種による退院カンファレンス」の評価や、地域包括ケア病棟などの施設基準への「経口摂取困難な患者受け入れ実績」導入などが検討される可能性があります。

2016年の診療報酬改定はマイナス改定が予測されています。特に7対1の急性期病院においては厳しい改定となることでしょう。また地域医療構想にむけた病床機能報告で病院内の情報も外に出てきました。これから本当に地域において存在感を発揮した病院であり続けるためには、転換の時期なのかもしれませんが、多くの医療機関は現状にしがみついていくのでしょうか。








ブログランキング参加中です
応援お願いします


にほんブログ村 病気ブログ 医療情報へ


2015年5月9日土曜日

地域包括ケア病棟、1.4万床

急性期病棟を退院した患者や、体調を崩した在宅患者の受け皿として「地域包括ケア病棟」が2014年度診療報酬改定で設けられてから1年になりました。全国の病院による算定状況をGHCが調査したところ、2015年3月までの1年間で、全国の1113病院から届け出申請があることが分かりました。病床数は確認できる24道県だけで少なくとも1万4593床(うち一般病床からの移行が1万3828床、療養病床からの移行が765床)になっています。






集計は4月30日現在の状況になります。病棟単位で届け出る「地域包括ケア病棟入院料」(「入院料1」と「入院料2」)と病室単位の「地域包括ケア入院医療管理料」(管理料1と管理料2)について、地方厚生各局が発表した届け出状況を集計しました。ただ、届け出病院数は3月の情報が17県で更新されていません。病床数は23都府県の情報が非公開で、九州地方の8県も最新の1月分までの集計となりました。
地域包括ケア病棟の届け出数は、2014年10月に単月で439件と急増したものの、それ以降は微増にとどまっています。GHCアソシエイトマネジャーの湯原淳平は、「約36万床ある7対1病床の最適化に対する効果はまだ薄い。国が病床転換を一層推進するなら、次の診療報酬改定でさらに高い点数を付けて後押しする可能性がある」と指摘しています。
 また、一般病床からの転換分のうち「地域包括ケア病棟入院料」は半分程度にとどまっていて、湯原は「地域包括ケア病棟を十分に整備するには、7対1病床からの病棟単位での移行が欠かせない」と話しています。
このほか、都道府県別では、92病院(94件)が届け出ている福岡県が圧倒的に多い状況です。また、届け出済みの病院を病床規模別に見ると200床以下が全体の約8割を占めていますが、400床を超える51病院が届け出ています。経営母体はといいますと、民間が75%であり、やはり民間病院の方が動きが早いと見てとれます。

7対1病床の急性期に残るのかどうするのか、多くの医療機関がまだまだ思案しているところだと思います。経営者としては、いかに事業を継続させるか、病院を存続させるかが最大のポイントとして、そのためにどうするべきか、検討されていると思うのですが、その延長線上では、地域医療構想はまとまらないでしょう。確かにこれまで地域の方々に医療を提供し続けてきた貢献度はどの病院も高いと思いますが、これから、高齢化が進み、また人口が減少する中で、どう地域の医療に貢献していくのか、英断が必要な時期が差し迫ってきていると感じます。








ブログランキング参加中です
応援お願いします


にほんブログ村 病気ブログ 医療情報へ


2015年3月14日土曜日

7対1病床は1.4万床の減少

厚生労働省が、7対1一般病棟入院基本料の届け出病床数が2014年10月時点で約1.4万床減少したとする速報値を公表したことを受け、病院団体からは2016年度診療報酬改定での 7対1病床絞り込みのためのさらなる要件厳格化が進むとの危機感が強まっています。厚生労働省は2014年度改定の影響による届け出数について約2.8万床の減少としているが、その他入院料から7対1に約1.3万床が新たに移行しており、差し引きでは実質約1.4万床の減少となります。






 財務省が見積もった2014年度改定による7対1病床の9万床減とは開きがあるのが現状です。日本病院団体協議会の加納繁照議長 (日本医療法人協会会長代行)は、改定後の7対1の動向について「改定影響で約2.8万床減というのは半年間の実績としては予想以上に減少 している」と見方を示しました。その他入院料から7対1に移行した約1.3万床については「今後、大幅に増えることは考えにくい」と述べ、今後の推移を見守る姿勢を表明しました。ただ、次期改定での7対1のさらなる要件厳格化で「地域医療が確保できなくなる事態は避けなければならない」としたほか、7対1からの受け皿となる地域包括ケア病棟について「地域医療構想の医療機能としてどう位置付けるのかを整理し、それに対応した要件等の見直しをすべきだ」と指摘しました。

日本病院会の堺常雄会長は、「診療報酬改定後の厳しい環境の中で各病院がよく持ちこたえているというのが実感だ」と語りました。その上で「次期改定に向けた今後の中医協での議論で、7対1のさらなる要件厳格化を進めるとすれば、その受け皿となる地域包括ケア病棟が果たすべき機能と評価の在り方をセットで議論していくことが必要だ」と強調されました。さらに「診療報酬だけで医療現場を誘導することの限界がきている。地域医療構想などの医療提供体制の見直しと連動させた診療報酬の在り方を探るべき。次期改定で、地域医療構想を踏まえた点数設定は難しいが、こうした考え方に基づく流れはつくってほしい」としました。全日本病院協会の西澤寛俊会長は、「改定の影響としての2.8万床減は、予想された結果と受け止めている」との認識を表明されました。今後は「診療報酬として定着している要件の変更は、病院経営にも影響を与えるので慎重に対応していくべきだ」との考えを示しました。また、7対1は「看護師等の労働環境の面からも考慮が必要。7対 1の絞り込みだけに特化した医療政策には疑問を感じる」と述べられ、あるべき報酬体系と病床機能の整合性などを中医協で十分検討すべきと指摘しました。

7対1病床の9万床減にむけて、あと7.6万床の絞り込みが必要となります。まだ1割5分程度の進捗率です。次の診療報酬改定で更に厳しくなることは目に見えていますが、最後まで初志貫徹で7対1で急性期を担っていくのか、それとも国の方針に寄り添うのか、今後の医療機関の経営体制を構築するためにも、熟考が必要であると思われがちですが、実はもうすでに答えは出ていて、その答えを自分の意思で掴むのか、渡されたものを掴まされるのか、構想はすでに動き始めています。








ブログランキング参加中です
応援お願いします


にほんブログ村 病気ブログ 医療情報へ


2015年3月11日水曜日

地域包括ケア病棟は、在宅患者のレスパイト機能も

産業医大公衆衛生学教室の松田晋哉教授は3月1日 、全日本病院協会の経営セミナーで講演し、急性期病床の受け皿として2014年度診療報酬改定で新設された地域包括ケア病棟について、今後の増加が見込まれる「高齢者の肺炎、骨折への救急対応や、重症度の高い在宅患者を支援するためのレスパイト機能」などが必要との見方を強調しました。






 地域包括ケア病棟入院料の評価は、2014年度改定の付帯意見でも病床機能報告制度を踏 まえ引き続きの検討課題となっており、中医協でも今後の調査や検証結果を踏まえた次期改定での対応が議論される見通しです。松田教授は、東京都や石川県の各医療圏の診療実績データ等を引用しながら、今後ニーズが高まる疾病として肺炎、骨折、脳血管系疾患の3疾病を指摘しました。「脳血管系疾患は医療計画でも対応してきたが、骨折、肺炎は取り上げていなかった。確実に今後増えるので、認知症などの合併症患者の急性期対応をどうするかが課題」としました。介護施設でも予防対策を進めなければ、拡大するニーズに対応できないとし、2018年度から同時に始まる医療計画と介護保険事業計画、さらには地域医療構想との整合性が求められるとしました。さらに、松田教授は、東京都などの診療実績データから、都心部など療養病床が不足している地域では、重症度の高い患者に在宅療養で対応する状況が想定されることを説明されました。その上で「今の訪問看護ステーションの体制では無理でしょう。(病院からの) 訪問看護でないと重症度の高い在宅患者ケアは支え切れない。こうした患者への対応も地域包括ケア病棟の役割ではないか」との見方を示しました。

地域医療構想において、国からは医療費抑制のための在宅医療への誘導が進む中、その実現に向けてはまだまだ険しい道のりであると感じます。確かに、理想像を言えば、間違ってはいませんが、ただそれぞれの機能が充分に発揮できるのかということが一つ重要な点ではないでしょうか。各機能が連携し発揮するためには、その潤滑油の存在が必要不可欠です。それを担うのは、地域包括ケア病棟であり、訪問看護であれば、それぞれの担わなければならない領域というのは非常に広くなります。広げるがあまり浅くならないように、しっかりした仕組みづくりを先に行なわなければ、実現は厳しいのではないでしょうか。








ブログランキング参加中です
応援お願いします


にほんブログ村 病気ブログ 医療情報へ


2014年9月14日日曜日

療養病床から地域包括ケア病床へ

地域包括ケア病棟協会と日本慢性期医療協会が会員病院を対象に実施した調査によりますと、7月時点で43病院が地域包括ケア病棟 (病床)の届け出を済ませました。2015年3月までの届け出予定を合わせると、会員病院のうち105病院(2968床)が創設初年度に療養病床から地域包括ケア病棟(病床)に参入する見通しとなっております。






調査は7月25日~8月5日に約1000病院を調査対象に実施され、490病院から回答を得ました。回答のあった490病院のうち、9月末で廃止となる亜急性期入院医療管理料の算定病院は3月 時点で76病院 (1112床)でしたが、7月時点では47病院に減少しました。地域包括ケア病棟へ動き出していることがこの数字からもうかがえます。
7月時点で届け出た43病院の内訳は、病棟単位の入院料1が20病院、入院2が2病院でした。病室単位の入院医療管理料1が16病院、入院医療管理料2が5病院でした。これに来年3月までの届け出予定を加えると、入院料1が48病院に、入院料2が5病院に、入院医療管理料1が42病院、医療管理料2では10病院となり、届け出病院が105病院に増加する見通しとしています。 6月26日~7月11日に実施された全日本病院協会の調査では、療養病床から地域包括ケア病棟(病床)に届け出た病院は今後の届け出予定を合わせても48病院でした。

日慢協の武久洋二会長は、「日慢協の会員病院は、療養病床を持つ病院全体の4分の1を占め、療養病棟入院基本料も20対1の算定病院が多い。これが全日病の調査結果よりも療養病床からの届け出予定が多かった要因ではないか」と説明されました。今回調査に回答した490病院のうち、148病院が一般病棟入院基本料を算定しています。つまりケアミックス型の病院が回答病院の3割を占めています。一方、7月時点で療養病棟入院基本料1(20対1)の算定は336病院で、療養病棟入院基本料2(25対 1)は125病院で、2015年 3月までには療養病棟入院基本料 1(20対 1)の 算定が348病院に増える見通しです。武久会長は「療養病床における今後の一つの方向は、医療療養は地域包括ケア病棟(病床)へ 、介護療養はこれまでのように医療療養に向かうのではないか」と述べられました。日慢協の会員病院が20対1を目指す背景には、2014年度診療報酬改定で新設された在宅復帰機能強化加算があります。在宅復帰機能強化加算を算定するには療養病棟入院基本料1(20対1)を届け出ている必要があります。今回の調査では、在宅復帰機能強化加算の届け出は7月時点で92病院でしたが、2015年3月には156病院に増える予定となっています。

国が推し進めている地域包括ケアシステム体制の構築にむけ、各病院が舵を切り新たな進路に進み始めています。病院経営は決して楽では無く、特に病院の建物の老朽化やシステム・医療機器の更新など、維持していくためには非常に莫大な費用を要します。金融機関から借り入れを行ない何とかキャッシュを回している法人もある中で、まさに生き残りをかけた状況であります。国の方向性に従わなければ診療報酬はどんどんか細くなっていきます。ただ、画一的な国の方針が各地方都市にマッチしているとも言い切れないところがあることは否めません。いかに地域貢献できる病院運営を行なっていくのか、単独で厳しければ他法人と手を組んでいかなければならないし、ホールディングカンパニー制も、実はもう目の前まで差し迫っているのかもしれません。









ブログランキング参加中です
応援お願いします


にほんブログ村 病気ブログ 医療情報へ


2014年7月26日土曜日

病床分割で「地域包括ケア病棟」建設へ  相澤病院

2014年度診療報酬改定や第 6次医療法改正に伴う地域医療構想 (ビジョン)への対応を視野に、急性期後の受け皿を確保するため許可病床を分割して新病院を建設する急性期病院が出てきました。長野県松本市の社会医療法人財団慈泉会相澤病院 (502床、一般7対1)は 、軽度急性期症状の回復期患者の受け皿として新たに「地域包括ケア病院」(地域包括ケア病棟のみの200床未満の病院)を建設する方針を決めました。相澤孝夫理事長 (日本病院会副会長)は、地域住民の医療ニーズの確保とともに、今後、病院の平均在院日数をよりー層短縮した場合の空床化対策も視野に入れた決断であることを明らかにしました。
新病院は9月にも着工する方針で、段階的に増床して42床とする計画といいます。相澤理事長は「相澤病院の周辺には大学病院はあるものの急性期病院がありません。相澤病院はこの地域の3万~4万人の軽度急性期医療も支えてきました。地域の患者の受け皿を確保する上からも、地域包括ケア病棟の新病院の建設を決定しました」と述べられました。






こうした相澤病院の判断について松本市医師会の高木洋行理事は「松本市医師会は、安易なサテライト病院の設置は許していません。相澤東病院 (新病院)が建設されることで医療圏内の病床数に変更がないことや、地域包括ケア医療に対して地域ニーズがあることを踏まえ医師会としても了解しました」と述べられました。

また、相澤理事長は「今後の医療圏の人口減を考えると、平均在院日数の短縮促進によって空床化が進みます。現在502床の相澤病院は、平均在院日数が14日のときは病床稼動率が90%でしたが、12日になって約70床が空床化しました。2013年の平均在院日数は12.4日でしたが、2014年は11.2日まで短縮しました」と説明されました。これまで急性期病床のみだった相澤病院でしたが、空床化の流れを受け 6月には45床分を回復期リハビリテーション病棟入院料3として届け出ました。相澤理事長は「回復期リハビリ病床は地域ニーズからも80床まで必要です。7対1の平均在院日数が将来的に9日まで短縮することを考慮すると、80床は確保できるのではないでしょうか」との見通しを示されました。回復期リハビリ病棟は、将来的には地域包括ケア病院に移行させる計画です。今回の診療報酬改定では7対1入院基本料の要件である「18日」は維持されましたが、短期滞在手術の見直 しで平均在院日数の短縮を促しています。相澤理事長は「今回の改定が地域医療の基幹病院を大きく動かしています」と指摘されました。さらに「医療法改正に伴う地域医療構想では空床化への対応が議論され、民間病院でも対応が進むことは必至です。次期改定では施設基準の本丸である平均在院日数の短縮が求められる可能性は高いと考えられます」と述べられました。

今まさに7対1の急性期病院は、これからの病院の機能・役割について検討し決断を差し迫られています。相澤理事長のおっしゃるとおりこれから7対1の急性期はさらに国の政策で締め付けられていくことが想定されます。地域包括ケア病棟の果たす役割というのもとても大きなモノです。急性期が一番の優等生という古い考えに固執しているようでは、時代の流れに取り残されてしまいますが、それでも急性期にこだわりさらに高度急性期を目指していこうという病院もあります。一概にどちらが正しいともありませんが、しっかりコンセンサスをとって、できれば納得できるエヴィデンスに則って、決断するべきだと思います。もうドンブリ勘定のざっくり経営で渡っていけるほど医療の業界も甘くはありません。






ブログランキング参加中です
応援お願いします


にほんブログ村 病気ブログ 医療情報へ


2014年7月24日木曜日

空床化加速、地域包括ケア病棟が受け皿に

長野県の松本医療圏の多くの病院が、地域医療構想を見据えて「本当に必要な7対1病床数」の割り出しに取り組み始めています。松本市医師会の高木洋行理事 (病院代表、松本市立病院長)は 、「松本医療圏の7対1病床は確実に減床します。地域での急性期患者の絶対数が増加しない状況で、許可病床数のうち7対1病床として確保すべき病床数は減り、必然的に空床化してしまいます。それが回復期リハビリテーション病棟や、今回の診療報酬改定で導入された地域包括ケア病棟(病床)を届け出る方向に向かわせています」との見方を示しました。


信州大病院や相澤病院などを中核とする松本医療圏は現在、7対1病床が2728床、10対1が428床、13対1が103床、15対1が125床となっています。







高木理事が院長を務める松本市立病院(許可病床215床)は、4月に36床で回復期リハビリ病棟入院料3を届け出ました。高木理事は「近年、特養や老健などの施設が充実し、入院患者が減少傾向で推移しています。市立病院は在宅支援を明確に位置付けていきます」とし、「これまで許可病床数を7対1病床としてきたが、今後は回復期リハビリや地域包括ケア病棟などを増やしていく計画です。その分7対1は確実に減っていきます」と見通しました。ほかの7対1病院でも地域包括ケア病床を届け出た病院が散見されるとし「地域包括ケア病棟・病床は、7対1の受け皿機能として大きな選択肢になっている」と語りました。
一方で、現行の243床を7対1病床として維持していく内科中心の公的病院もあるとし「血液内科など重症度の高い患者を受け入れているだけに、平均在院日数のコントロールに苦慮しているようです」と述べられました。

高木理事は「松本医療圏では、すでに多くの病院が先を見据えて動いています。今回の診療報酬改定は厳しい内容でしたが、本当の意味で病院が病床の在り方を考える契機になっています。地域で不足していた回復期リハビリ病棟の届け出も一つの動きといえます」と述べられ、“急性期一辺倒"の流れから回復期医療へ参加するなど病院自体が変わろうとしていると分析されていました。


過剰に増えた7対1病床に対して、これから国は締め付けを強化していくことは間違いないでしょう。今後、必要度が高まってくるであろう回リハや地域包括ケアに対していち早く取り組んでいくのか、地域の病院の方向性を見つつ決めていくのか、どちらにせよ決断の時は差し迫ってきています。
各都道府県がどのような地域医療ビジョンを描くかといっても、それほど大きな地域差はないと考えられます。どこもこれから超高齢化社会に対応するために2025年に向けて準備をしていかなければなりません。アメリカと違い、民間の病院がここまで地域の医療ニーズに対応してきた歪みとも言えます。大きく方向転換が図れません。しかし、地域医療はどこも充実させなければならないという責任感は強く抱いております。意志を強く特徴を発揮させていくことが、機能分化ということにつながっていくのでしょう。







ブログランキング参加中です
応援お願いします


にほんブログ村 病気ブログ 医療情報へ


2014年7月11日金曜日

地域包括ケア病棟へのシフト 全日本病院協会

全日本病院協会(西澤寛俊会長)は、6月から実施している地域包括ケア病棟に関する会員病院のアンケート調査で、7月8日までの集計結果では、地域包括ケア病棟入院料か地域包括ケア入院医療管理料を既に届け出ているのは545病院中44病院(8.1%)だったと発表しました。届け出を予定している病院を含めると205病院(37.6%)に達しました。

全日本病院協会が7月9日に東京都内で開催したセミナー後の記者会見で、西澤寛俊会長が明らかにしました。さらに西澤寛俊会長は、「会員の半分近くが該当するなら当然、全日本病院協会の事業として重点的に取り組まなければいけない」は 「地域包括ケア病棟・病床は全日病会員が引っ張っていくのではないか。今後、会員病院が意見交換できる場の設置も検討したい」とし「届け出病院のニーズを十分吸い上げていきたい。施設基準の解釈をめぐる質問は後を絶たない。協会としてもできるだけ対応していきたい」と述べられ、全日本病院協会員内で地域包括ケア病棟入院料などを届け出る病院と届け出を予定する病院とが意見交換する場を設けたり、全日本病院協会として必要な診療報酬上の評価を要望したりしていく考えを示されました。







 アンケートでは、地域包括ケア病棟入院料(病棟単位)を20病院、地域包括ケア入院医療管理料(病室単位)を24病院が、それぞれ既に届け出ていると答えました。また今後の届け出を予定している病院は入院料が66病院、管理料は95病院で、合わせて205病院が地域包括ケア病棟(病室)への参入を決定しています。 9月31日で廃止される亜急性期入院医療管理料を届け出ている約400病院からの移行も考慮すると、最終的には約800病院が届け出を検討する可能性があるとの認識を示 しました。

 許可病床が200床未満の場合、全病床で地域包括ケア病棟入院料を届け出ることもできますが、20病院の中にそういったケースはありませんでした。また、療養病床で地域包括ケア病棟入院料を届け出ているのは1病院のみでした。

 地域包括ケア病棟の評価は、2014年度診療報酬改定で新設されました。急性期治療後の患者を受け入れて在宅復帰させるポストアキュート機能や、在宅療養中の患者が急性増悪した際に受け入れるサブアキュート機能などが期待されています。

 ただ、猪口雄二副会長は、包括評価の地域包括ケア病棟入院料と地域包括ケア入院医療管理料では、急性増悪した患者に投入する医療資源の費用を賄うことが難しいと指摘されました。「(地域包括ケア病棟を持つ病院が)増悪した患者を直に受けるかというと、厳しいと思っている」とした上で、「受けるためにはどういう診療報酬設定が必要だ、ということを要望していくのが(全日本病院協会の)仕事である」と述べられました。また、「地域包括ケア病棟・病床だけに目を向けるのではなく、病院としての地域での立ち位置などをきちんと把握することが必要。今後、地域の中で個々の病院がどういう流れをつくっていくかが大事だ」と述べられました。

地域包括ケア病棟へのシフトが騒がれていますが、急性期からまたは療養からシフトしても決して安泰というわけでは無く、いかに地域でその役割を果たしていくかと考えると、他病院と連携を持って体制を構築しなければ行き詰まることが予想されています。猪口雄二副会長のおっしゃるとおり、増悪した患者をどのように受け診ていくのか、どこも万全の体制が整っていないが故に患者を「たらいまわし」にしてしまうような事態だけは避けなくてはなりません。ただ、自病院が最適であるといった自負を持って診ていけるかどうか、近隣の病院の状況についての認識を深めておかなければならないなど、各病院は取り組まなければならないことが山積みです。







ブログランキング参加中です
応援お願いします
にほんブログ村 病気ブログ 医療情報へ

2014年6月29日日曜日

地域包括ケア「病棟単位」「一般」から動き 14年度診療報酬改定

7対1入院基本料の要件強化など、機能分化に伴う受け皿の一つとして2014年度診療報酬改定で創設された地域包括ケア病棟(病室)への届け出が進んでいます。

関東信越厚生局によると、5月までの東京都内のおどけでは14病院で、病室単で届け出る「地域包括ケア入院医療管理料」が中心です。世田谷記念病院以外の13病院は全て「一般病床」からの届け出となっています。

こうした状況に日本病院団体協議会・診療報酬実務者会議の猪口雄二委員長(全日本病院協会副会長)は、「療養からの参入は簡単ではないと見ています。会員病院からは、6月に入ってから届け出に向けた質問が多く寄せられており、秋からの参入に向けて大きく動き出すことを実感しています。全日本病院協会は療養病床を持つ会員病院も多く、全面的にバックアップをしていく方針です」と述べられました。一方、日本慢性期医療協会の武久洋三会長は、「地域包括ケア病棟は10月末までに全国で200病院程度の届け出になるのではないかと予測しています。一般と療養では、半々ぐらいになるのではないでしょうか。現在、施設基準となっている在宅復帰率の実績づくりをしている病院もあると思います」と述べられるなど、療養病床からの届け出は進むとの見方を強調しました。









地域包括ケア病棟入院料(病棟単位)と地域包括ケア入院医療管理料(病室単位、許可病床200床未満の病院で1病棟のみ)は、従来の亜急性期入院医療管理料の要件を基本に検討されました。入院料、管理料ともに「1」「2」の2段階の評価となっており、要件はほぼ同様だけど、点数の高い入院料1(管理料1)はさらに「在宅復帰率7割以上」「居室面積6.4m2以上」の二つの要件を満たす必要があります。

5月までの東京都内での届け出は、入院料と管理料を合わせて14病院で、入院料1は牧田総合病院、東京天使病院の2病院でした。入院料2は九段坂病院と世田谷記念病院の2病院となっていました。一方、管理料1は寿康会病院など9病院、管理料2は古川橋病院の1病院のみと、病室単位の届け出の方が多い状況です。看護配置を見ると、13対1病院は1病院だけで、10対1病院が8病院、7対1病院は牧田総合病院、九段坂病院など4病院でした。

また、北海道厚生局によると、5月までに入院料の届け出は無く、管理料1が5病院、管理料2が1病院と、すべて病室単位の届け出となっています。

地域包括ケア入院医療管理料を届け出た医療法人財団寿康会寿康会病院 (東京都江東区)と横浜メデイカルグループの医療法人三星会大倉山記念病院 (横浜市)は、「地域の中で患者を受け入れる流れを1日でも早くつくることが最重要課題」として取り組んでいます。点数が高いか低いかではなく、地域で急性期後の患者の流れを確立することが必要としています。

寿康会病院の猪口雄二理事長 (全日本病院協会副会長)は 、4月1日に7対1入院基本料から10対1に移行 し、5月には地域包括ケア入院医療管理料 1を一般20床で届け出るなど、将来を見据えた動きを展開しています。猪口雄二理事長は「寿康会病院はもともと一般49床で、改定前は7対1が29床、亜急性期入院医療管理料が20床でした。近年、高齢患者が増加し、在宅医療のニーズが増える一方で、7対1要件の見直しで『重症度、医療・看護必要度』が厳しい状況になったことを踏まえ、10対1への移行を決定した」と述べられました。「亜急性期病床 (亜急性期入院医療管理料)は9月でなくなるが、方向性は地域包括ケアに決まっています。それなら時間をかけずに地域包括ケアの流れをつくり込んでいこうという判断をしました」とも述べられました。
さらに猪口雄二理事長は「近隣の7対1病院から患者を受け入れる流れをつくっていくことが大事です。亜急性期入院医療管理料の方が点数的には高い患者もいましたが、亜急性期のままでは患者の流れをつくることができません。地域包括ケアを届け出ることで、今後につながる体制づ くりができます」 と強調されました。

一方、大倉山記念病院(一般114床 )は、4月に一般病床33床分で地域包括ケア入院医療管理料1を届け出ました。大倉山記念病院の西本育夫事務長によると、地域包括ケア病棟を計画したのは昨春のことだといいます。「中小規模の一般病院は、一般急性期か、急性期後の患者を受けていくかの機能の選択になります。グループ病院の菊名記念病院 (218床、7対1病院)などとの連携からも、当院は急性期後の患者を受け入れる病院という立ち位置を選択しました」と述べられました。大倉山記念病院は昨年から亜急性期入院医療管理料を届け出て、今年 3月に33床にしました。「亜急性期病床は、自院の長期入院患者をエスケープさせるための目的で使われるケースが多いといわれています。大倉山記念病院が昨年から亜急性期病床をつくったのは、患者を受け入れ、在宅に帰すという流れを地域の中でつくっていくことが目的でした。早めにトレーニングを積みたいニーズがありました」 (西本育夫事務長)
地域包括ケア病棟入院料 (入院医療管理料)の施設基準は厳しいとの見方が多い中で、西本事務長は「当然の内容と思っています。今回の診療報酬改定では、アウトカム、いわゆる結果が求められています。大倉山記念病院もアウトカムをしっかり出していこうと対応しています。例えばリハビリテーシヨンは2単位でいいのか。患者の状態によっては2単位では足りない場合もあります。医師らの判断で2単位以上のリハビリを提供することが必要であれば、提供することが当然と考えています。それが結果的に病院としてのブランドイメージをつくっていく基盤になります」と指摘しました。「地域の中での急性期後のプランドを確立すること、ポジションをつくることが最重要課題です」とも強調 され、「経営的にも採算ラインは確保できています」と述べられました。

日本慢性期医療協会の武久洋三会長が理事長を務める医療法人平成博愛会世田谷記念病院 (東京都世田谷区)は療養56床分で地域包括ケア病棟入院料2を届け出ました。神野工博 ・全日病副会長の社会医療法人財団董仙会恵寿総合病院 (石川県七尾市)も7月1日に一般47床分で地域包括ケア病棟入院料1を届け出て、算定を開始する予定です。

地域包括ケア病棟協会の仲井培雄会長は6月26日、5月15日に発足した地域包括ケア病棟協会の6月25日時点の会員数は122病院と発表しました。日本慢性期医療協会の通常総会後の会見で述べられました。仲井培雄会長によると、122病院のうち日慢協の会員病院は約6割、日慢協会員以外の急性期病院は約4割といいます。地域包括ケア病棟協会は今年度中に300病院が参加することを目標としています。会員病院からの地域包括ケア病棟入院料の届け出状況については「まだあまり数は出ていません。これからです」と述べられました。


今まさに多くの病院が機能分化にむけて動き始めています。地域包括ということで近隣病院の動向を見ながら検討することも重要ですが、まず自病院が何をするのか、その地域でどのように貢献していくのかという方針をしっかり打ち立てることが重要だと思います。もちろん事業を継続していくためには収益性も考慮しなければなりませんが。

その中で、非営利ホールディングカンパニー型法人制度に向けたM&Aなども進むのではないかと、ますます地域の動向から目が離せなくなります。







ブログランキング参加中です
応援お願いします
にほんブログ村 病気ブログ 医療情報へ