2015年3月31日火曜日

外国人医師診療拡大にストップ

自由民主党の政調全体会議・日本経済再生本部合同会議は3月27日、「国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案」を審査しましたが、特区内で臨床修練を実施できる診療所を拡大することを懸念する声や反対意見が相次ぎました。同法案については、あらためて議論する方針です。






3月26日の党厚生労働部会でも、臨床修練を実施できる診療所を拡大することを懸念する声が相次いでいました。3月27日の合同会議では、武見敬三参院議員が「必要な規制緩和は行うべき」との考えを強調する一方で「臨床修練をしている外国人医師の指示で看護師や薬剤師が何らかの医療過誤をした場合の整理ができていないまま、地域医療の根幹に関わるような規制緩和を進めることは、医師の在り方そのものを揺るがすことになる。絶対に反対です。やってよいことと悪いことは、しっかりとわきまえるべきです」と口火を切りました。田村憲久前厚生労働相も、臨床修練を実施できる診療所を拡大する条件として「適切な指導医が確保されていること」が挙げられている点を踏まえ「指導医としての資格要件のようなものを厳格に設けなければ、事故が起きるだろう」と警告されました。羽生田俊参院議員は「政府は特区を『実験場だ』と言っているが、命を対象に実験をしても構わないのか。 これは事故が起きては絶対にいけない話だ。命に関わることは、ある程度 の規制が必要だ」と訴えられました。
こうした声に対し、厚生労働省医政局医事課は「臨床修練中に事故が起きた場合は、刑法や民法が適用される。チーム医療によって事故が起きた場合には、指導監督者の過失と主治医の過失が認定されたことがある」「今の仕組みでは、指導医はそれぞれの医療機関が選任することになっている。指導医は一定の能力、経験のある方にしなければならないと考 えている。(特区での取り組みの)指導監督体制については、厚生労働省でもしっかりとチェックしていきたい」などと説明されました。合同会議では「外国人であろうが日本人であろうが、志のある医師が交流することは、良い部分の方が多いと思う」といった肯定的な意見も一部から出ました。

今回の特区の問題は、外国人医師であるからではありません。反対派の根底には医師を増やすことへの既得権の喪失を恐れているのです。全国的に医師が不足していることは、誰もが認識している事実です。しかし、需要と供給のバランスが崩れることを恐れているのです。そのひとつに定年が無いことが考えられます。医師に定年はありません。よってこれから高齢化が進んで行ったとしても、その分、高齢者の医師も増えることになるのです。だから、むやみに医師を増やすことで自分たちの取り分が減ることを恐れているのです。でもそのような考えの医師とは、そこまでの医師です。競争社会で生き残る自信のない医師は、本当に地域医療の為に貢献している医師なのでしょうか。








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2015年3月30日月曜日

85万人 がん罹患数

国立がん研究センターは3月26日、医療機関が任意で参加している「地域がん登録」の2011年分データを分析して罹患数や罹患率の推計値などをまとめました。「全国がん罹患モニタリング集計2011」(MC I J2011)を医療関係者向けにホームページで公開しました。






がん罹患数は、MC I J2010と比較して4万8905人増の85万1537人でした。男女の内訳は、男性が49万6304人(2万9802人増)、女性が35万5233人(1万9103人増)でした。MC I J2010と比べてがん曜患数が約5万人増えたことについて、国立がん研がん対策情報センターがん統計研究部地域がん登録室の松田智大室長は「データの精度が上がったためとみている。これまで把握漏れしていた患者が大部分を占めている。がんのリスクが急増 したわけではないと解釈している」と述べられました。MC I J2011では、地域がん登録のデータ精度を測るための指標となる「DCO」「DCN」「IM比」の3指標で設定した国際基準を全て満たす14県のデータから罹患数と罹患率を推計しました。部位別の推計罹患数の上位5位は、男性が胃(9万83人)、前立腺(7万8728人)、肺(7万5433人)、大腸(7万2101人)、肝(2万9192人)の順、女性が乳房(7万2472人)、大腸(5万2820人)、胃(4万1950人)、肺(3万6425人)、子宮(2万6741人)の順でした。人口10万対の年齢調整罹患率は、男性が449.0人、女性が305.5人でした。
がんの罹患と死亡を都道府県別に全国と比較できるように色分けした地図も公開しました。DCOかDCNの基準を満たし、IM比を満たした39県のデータを分析し、全国の推計値を100として、各都道府県が「120以上」「100~120未満」「80~100未満」「80未満」「比較不可または地域がん登録データ未提出」と判別できるように示しました。地図は男女別で、全部位のほか、胃、大腸、肝、肺、乳房・子宮 (女)、前立腺 (男)の部位別に分けて示しました。ただし、都道府県別の実数は公表されませんでした。その理由について松田室長は「地域がん登録のデータ未提出の県があるなど精度に都道府県格差があるため、ランキング化するようなことは現時点では不適切」と説明されました。国立がん研の堀田知光理事長も「まだ不完全なデータだが、(2016年1月の罹患分から始まる)全国がん登録に向けて(都道府県による)差がないものにしていくため、こういうことができるということを示しておきたかった」と強調され、「各都道府県に見ていただき、精度を上げるための 努力を促す意識付けをするためあえてこの段階で出すことにした」と狙いを説明されました。国立がん研究センターは今後、医療関係者向けの集計表を4月上旬に、一般向けの「最新がん統計」を4月中旬に、ホームページ上で公開する予定です。

最近特にがんに関連するニュースが市民レベルで多くなってきているように感じます。医療業界においては改めて注目するような内容でなくても、一般市民においては目新しいニュースというものも多く、それだけ市民へ向けた発信が増えてきているように感じます。それは、がん検診の低迷などの実状を踏まえ、政府としても本腰を入れ始めた表れではないかと感じております。今回のデータの公開も罹患状況や死亡状況を都道府県別で可視化したところで本当は一人ひとりの市民の生活はあまり大きく変わることはないと思います。しかし、がんに対する意識が変われば、そこからの行動の変化が期待できるところがあります。実際、どれだけ多くの医療機関が市民講座などを開催しても、関心を持って出向いてくる方はごくごく一部の方に過ぎません。それでも草の根運動的に継続されている医療機関も多くあると思います。一人ひとりの意識を変えるきっかけとして、情報が発信されているのは、良いと思います。後はそこを広げる支援活動を行なっていくことが必要なのでしょう。








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2015年3月29日日曜日

都立病院初の高度救命救急センター指定へ

 東京都病院経営本部は、救急医療の機能拡充を図っている都立墨東病院(墨田区)について、来年度にも急性中毒などの特殊疾患に対応可能な「高度救命救急センター」として指定を受けることを決め、3月19日に開かれた都立病院経営委員会に報告しました。都立病院と都保健医療公社の計15施設では初めてで、都内では約20年ぶりの新規指定となる見通しです。






 高度救命救急センターは、救命救急センターの中で特に高度な診療を提供する施設で、急性中毒や広範囲熱傷、四肢切断といった特殊疾患の患者を受け入れます。全国の救命救急センターのうち約30施設が指定されており、都内では日本医科大学付属病院(文京区)と杏林大学医学部付属病院(三鷹市)の2施設が高度救命救急センターとして患者の治療を行っています。
 墨東病院は2014年、新棟を整備し、エックス線透視検査とCT検査を複合した「IVR―CTシステム」を備えた初療室や、通常の気圧より高い圧力環境で体内の酸素濃度を上げる「高気圧酸素治療室」を新設しました。救命救急特定集中治療室を6床から12床に増床するなど、救命救急センターの機能強化を図ってきました。
 都病院経営本部は「墨東病院の高度救命救急センター指定などにより、高齢化に伴う重症患者や合併症患者の増加などにも対応した救急医療提供体制を強化する」としています。

これから地域包括ケアシステムの構築に向けて、各病院の機能分化が進んで行きます、そこで、各病院が地域のどのような医療ニーズに貢献するべく医療機関として存在意義を発揮していくのか、それが生き残りのカギでもあります。もう横並びの医療機関では存在意義を発揮できず生き残っていけません。そのためにはしっかりと地域の医療ニーズと近隣の医療機関のポジショニングを捉えておかなければ、方向性を誤りかねません。








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2015年3月28日土曜日

急性期病床58万床、全体の47.1%で横ばい

厚生労働省は3月18日、「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」(座長=遠藤久夫・学習院大経済学部長)に病床機能報告制度の報告状況の速報値の第3報を示しました。2014年7月1日時点の医療機能として「急性期」と報告された病床数は58万1179床(構成比47.1%)でした。内訳は一般病床が57万8723床、療養病床が2456床でした。厚生労働省が2月12日の同検討会で示した第2報の急性期は53万3078床(構成比47.2%)でした。






 第3報は、3月2日時点でデータの精査が終了した病院6996施設(報告対象施設の 94.5%)と有床診療所5996施設 (報告対象施設の 78.6%)の報告内容を集計しました。対象 となった許可病床数は124万7363床(第2報は113万 9394床)でした。
このほかの医療機能別病床数は、高度急性期が19万1180床(構成比15.5%、療養病床331床含む)、回復期は一般病床が5万9605床、療養病床が5万12床で計10万 9617床(構成比8.9%)、慢性期は一般病床が8万6354床、療養病床が26万5599床で計35万1953床 (構成比 28.5%)でした。将来の医療機能として報告を求めている6年後の予定では、高度急性期が19万9634床(構成比16.1%)、急性期55万2964床 (構成比44.7%)、回復期14万1428床(構成比11.4%)、慢性期34万3864床 (構成比27.8%)でした。
報告内容の確認が必要などの理由でデータの精査が終了していない施設を含む最新の報告状況も提示しました。2月16日時点では、病院7268施設(報告対象の98.2%)と有床診6874施設(報告対象の90.1%)が報告済みでした。

7対1の厳格化は余儀なく行なわれていくと見られる中で、いかに地域の中で急性期を担っていくか、各病院は熾烈な椅子取りゲームが始まります。病床機能報告を踏まえ、地域医療構想が各都道府県でどのように進められていくのか。国が匙を投げたものをどのように都道府県でまとめあげることができるのか。自治体病院が担う地域医療より私立病院が担う地域医療の依存度が高い中で、自治体病院が適正化の最対象となることは予想されます。ただそれだけでは終わらず、いかに2025年に向けた体制を構築できるのか、険しい道のりを歩き始めています。








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2015年3月27日金曜日

北海道は肺がん 日本海側は胃がん

国立がん研究センターは3月26日、地域別のがんの罹患(りかん)状況を初めて公表しました。胃がんは日本海側、肺がんは北海道と西日本で罹患率が高いことが判明しました。塩分の多い食事、喫煙率の高さなどが関係している可能性があるといいます。






 都道府県別の死亡率は厚生労働省の調査で既に分かっていますが、罹患状況が明らかになるのは初めてです。長野県、広島県の両県は罹患に比べて死亡率が低く、検診や治療が効果的に行われているとみられています。反対に青森県などでは罹患に比べ死亡率が高い状況でした。
 がんセンターは、データ登録に参加していない県などを除いた40道府県から、2011年に新たにがんと診断された患者約85万人の情報を集めました。
がんセンターによると、胃がんの可能性を高めるピロリ菌感染と塩分摂取量の多さのうち、感染に地域差があるかは不明ですが、塩分摂取には差があることが分かっています。肺がんは喫煙率と関係があるとみられています。

今回の罹患状況の地域別の公表は、それぞれの地域にとって重たいものでもあると思います。しかしこれまでもがんによる死亡率等からおおよその予想はできていたところもあり、これから予防と治療にどのように取り組んでいくのか、各都道府県の本気度が見えてくると思います。都道府県としてもがんの罹患率を抑えて医療費を抑制したいというのが本音のところでしょうが、建前上は市民の健康促進のために、がん検診の啓発などが精力的に行なわれていくのではないでしょうか。








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2015年3月26日木曜日

不払い残業代 6万円超へ

医労連は3月20日、2014年秋に実施した医療機関職員の退勤時間に関する調査結果を公表しました。不払い残業代は1人当たり平均で「少なく見積もっても月額6万円超え」と試算しました。残業を解消するためには看護師30人の病棟で約4人の増員が必要と指摘しています。






 調査は99施設の加盟組合員1万3459人を対象に実施しました。始業前に時間外労働をし ていないと答えた人は35.7%で 、 6割以上が始業時間前に出勤していました。職種別で始 業時間前の時間外労働をしている人は看護職員が73.6%、 医師が63.7%でした。 始業前時間外労働の請求をしていない人は73.3%、 全額請求している人は10.2%でした。終業時間後の残業がないと答えた人は30.7%でした。 2時間以上の長時間残業は「医師」が21.8%に上り、突出して多い状況でした。終業時間後の残業代を「全額請求している」と答えた人は27.2%で、「一部請求している」は36.7%、「していない」はなんと23.2%でした。

時間外労働、要は残業ですが、これは基本的には上長からの指示のもとで発生するものです。自発的に行なうものではないのが定義です。ですから労動基準監督署が立ち入りしたところは、勤務表の徹底から指導を受けます。この時間外は上長の指示があったのかどうか。但し、いくら勤務表につけると言っても、現実はつじつま合わせの勤務表を作成しているところがほとんどであるから、勤務表をつける方も、それをチェックする方も、意味のない作業が増えたと感じるだけに留まってしまうのです。ただ、医療の現場では、必ずしも9時17時で定刻通りで業務を終了できるとは限りません。患者さまに対する思いをしっかりもっている医療人は、どうしても時間を超えてしまうこともあるし、それを上長の承認を得てまで行なうかというと、善意が先行するからというか、未請求残業代となっている根底でしょう。分かってはいますが、それを正確に規制することが、正しいのかというと私はどうかと感じるところがありますが、ただ請求しやすい環境の徹底は管理者によってしっかり行なうべきだと思います。








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2015年3月25日水曜日

医師の偏在解消に向けて

全国医学部長病院長会議と日本医師会は3月19日、「医師偏在解消策検討合同委員会」の初会合を開き、医師偏在の解消に向けた議論を開始しました。早ければ6月にも提言をまとめる方針です。全国医学部長病院長会議の荒川哲男会長(大阪市立大医学部長)が明らかにしました。






全国医学部長病院長会議と日医が、これまで取り組んできた活動をそれぞれ報告したほか、地域偏在や診療科間偏在の解消策についてフリーディスカッションを行いました。今後も少なくとも月1回のペースで検討を重ねる予定です。また、会見では全国医学部長病院長会議の小川彰顧問(岩手医科大理事長・学長)が、文部科学省の「東北地方における医学部設置に係る構想審査会」が3月13日、東北薬科大の医学部新設に関する検討状況を審議し認可申請を了承したことに言及しました。「自ら出した条件がクリアされていないことを認めながら、申請を並行して進めてもよいことになったことは矛盾がある」などとし、同会議として構想審査会の対応を問題視する声明を出す方針を決めたことも明らかにしました。

また政府の国家戦略特区諮問会議は3月19日、秋田県仙北市など3地域の地方創生特区の指定(国家戦略特区の2次指定)を了承しました。仙北市の事業には「外国人医師の診療所における診察」が盛り込まれています。規制改革事項の「速やかに全国規模で進める事項」として、在宅医療提供体制の確保のため、外来応需体制のない保険医療機関の設置要件の明確化の検討、訪問型病児・保育と併せて行う往診・訪問診療などで、対応できる医療機関の確保が困難な場合、医療機関と患者の住所が16kmを超える場合でも保険給付の対象となることの明確化 を加えることも了承しました。このほか、保険外併用療養や病床規制に関する特例を盛り込んだ東京圏の区域計画の変更も了承しました。

日本は諸外国に比べ医師の数が少ないが病院・病床の数が多いことがよく取り上げられます。そこに医療費が高騰する要因があるとしているのですが、なぜ医師を増やすための方針を明確にし、対策をとらないのか。政府はそうしたいでしょう。反対している勢力があるからです。医師が増えることを良しとしない既得権を守りたいと自己的な考えをもっている者がいるからです。だから何かにつけて医学部の設置などに反対しているのです。本当に地域の健康を守ろうと思えば、それに適した人数を確保すべきなのですが、この現状を打破することはそうとう困難なのでしょう。政府もそこまで張り合うつもりが無いというか本気さが足りないと感じざるを得ません。








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