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2015年6月14日日曜日

地域包括ケア病棟は7・10対1と亜急性期の転換9割

5月29日の診療報酬調査専門組織「入院医療等の調査・評価分科会」では、地域包括ケア病棟入院料の創設に関する調査結果も示されました。
 前回改定では、急性期後の受け皿として「亜急性期」の名称が【地域包括ケア病棟入院料】、【地域包括ケア入院医療管理料】となり、病棟単位と病室単位(200床未満)の届出が認められ、施設基準にも「重症度、医療・看護必要度のA項目が1点以上の患者が10%以上」要件が加味されるなど、届出に向けたハードルを高くしています。





 
 調査結果では、地域包括ケア病棟について、7対1・10対1一般病棟入院基本料と亜急性期入院医療管理料からの転換が9割以上を占めており、届出を行った医療機関の病床規模は、100~200床の医療機関が過半数でした。地域包括ケア病棟へ転換した理由は、「地域のニーズに合った医療を提供できるため」や「他の入院料の病棟と組み合わせることで、患者の状態に即した医療を提供できるため」とする回答が52~58%と多い状況でした。
  他方、地域包括ケア病棟へ入棟した患者の入棟前の居場所は、自院・他院の急性期病床と自宅が約9割でした。入院理由は、全体としては「治療のため」が多い状況ですが、他院の急性期病床から入棟した患者は、「リハビリテーションのため」が88%を占めていました。疾患別では、骨折・外傷がもっとも多い状況でした。重症度、医療・看護必要度では、A項目1点以上の患者は全体の約20%で、施設基準の要件の10%よりも高く、項目別では、「創傷処置」と「呼吸ケア」の割合が多い状況でした。
  地域包括ケア病棟に入棟した患者のうち約半数は退院予定が決まっており、退院に向けてリハビリテーションを実施している患者の割合が大きく、患者の半数近くは、入棟後15日以内の患者であり、30日以上入院している患者は全体の25%程度でした。地域包括ケア病棟の在宅復帰率は、施設基準の要件の70%を大きく上回る医療機関が多く、個別の退棟先は自宅(63%)や介護老人保健施設(9%)が多い状況でした。一方、退院できない理由では、「入所先施設確保の問題」34%や「家族の希望にかなわない」18%をあげる割合が大きくなっていました。

地域包括ケア病棟はその名の通り地域包括ケアシステムを支援する病棟になり、これからの高齢化社会を地域でいかに生活をしていくかという課題に対し最前線でとりくむべきところになります。ただし、まだその本来求められているポストアキュートとサブアキュートの部分をしっかり果たせているのかというと、まだまだ取り組むべき課題も山積みですが、それでもしっかり在宅の患者をいざという時には診てくれる病院が地域に存在するというのは、大きな役割であることには間違いありません。








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2015年6月13日土曜日

診療報酬改定に向けて

2016年度の診療報酬改定に向けて、厚生労働省は9月10日、中央社会保険医療協議会の総会と診療報酬基本問題小委員会を相次いで開き、入院医療をテーマに議論を行いました。下部組織である「入院医療等の調査・評価分科会」で実施された入院医療の実態調査結果も報告され、次期改定に向けて早くも論点が明確になってきています。






この日のテーマは、(1)急性期入院医療(2)地域包括ケア病棟・在宅復帰の促進―の2点でした。
 急性期入院医療については、主に7対1一般病棟をターゲットに「より急性期にふさわしい病棟」の評価に向けた検討が進められました。
 7対1一般病棟は、創設当初2-3万床程度と見込まれましたが、2014年3月には約38万400床と膨大な数の届け出がなされました。ここには「急性期にふさわしくない病棟・病床も含まれているのではないか」との指摘があり、2012年度、2014年度の診療報酬改定で施設基準の厳格化(平均在院日数の短縮や、重症度、医療・看護必要度の見直しなど)が行われています。
 厳格化の影響で7対1病床数は減少し始め、2014年10月には約1万4000床減の36万6200床になったことは既報のとおりです。10日に厚生労働省が発表した資料によると、7対1病床はさらに減少し、今年4月時点で36万3900床となっています(26年10月から約2300床減少)。届け出病院数は、2015年4月時点で約1530施設になりました。
厳格化の中で、病院が「もっとも厳しい」と考えているのは「重症度、医療・看護必要度」の見直しのようです。ただし、「重症度、医療・看護必要度」のA項目2点以上・B項目3点以上の患者が15%以上という基準を満たす患者の割合は、全体で見ると26年度改定の前後で大きな変化は見られません。
この点に関連して、白川修二委員(健康保険組合連合会副会長)ら支払側委員からは「重症度、医療・看護必要度の基準を満たす15%以外の、つまり残りの85%の患者の状態像はどのようなものなのかを知りたい」との要望が出されました。白川委員は、「7対1病床数は減少しているが、我々の想定にははるかに及ばない。次期改定に向けて施設基準や算定要件の厳格化が必要と考えている」とも述べ、急性期、とりわけ7対1病棟の入院患者の実態を明らかにすべきと求めました。
 しかし診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)は、「大学病院の入院患者であっても、治療を継続する中で状態が改善していく。すべての入院患者のうち重症度、医療・看護必要度を満たす患者が15%以上いるという基準は決して緩くはない。わが国では『状態が改善したので、すぐに転院』とはならない。そこが日本の医療の良さである」と述べ、「7対1に不適切な入院があるとすれば問題だが、我々はそうは考えていない」と強く反論しました。
 次期改定でも「7対1の施設基準」が最重要テーマの1つになると予想されており、早くも診療側と支払側の間で火花が飛んでいます。
厚生労働省は「7対1病院が、ほかにどのような入院料を届け出ているのか」を病床規模別に調べています。それによると、特定機能病院や500床以上の大病院では「特定集中治療室管理用」や「救命救急入院料」が多く、200床未満の中小病院では「地域包括ケア病棟」「回復期リハ病棟」「療養病棟」などが多くなっています。10対1病院でも同様の傾向があります。
ただし、大病院の中にも「地域包括ケア病棟」や「回復期リハ病棟」を届け出ている所もあります。これについて、診療側の鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は「大病院は高度急性期や急性期に特化すべきだ。病床稼働率維持のために地域包括ケア病棟などに転換することは、適正な地域連携を阻害する。稼働率維持はダウンサイジングで対応すべき」と述べ、「自治体病院の急性期病床数削減」や、「大病院における地域包括ケア届け出の制限」などを検討すべきと主張しました。一方で鈴木委員は「大病院が急性期に特化できるよう、特定集中治療室管理料や総合入院体制加算を手厚く評価すべき」とも付言しています。鈴木委員は、機能分化を「病院単位」で行うべきと考えているようです。
 もっとも万代恭嗣委員(日本病院会常任理事)は、「病院単位の機能分化もあるが、病床機能報告制度などを考えれば、別の機能分化の形態もある」と述べ、大病院のケアミックスに理解を示しています。
 診療側の中でも「機能分化」の考え方に温度差があることが分かり、次期改定はもとより、医療提供体制の再編に向けてどのような動きがあるのか注目されます。
地域包括ケア病棟については、厚生労働省から「2015年4月時点で約1170施設から、約3万1700床の届け出があった」ことが報告されました。2014年10月時点で約920施設・2万4600床の届け出なので、順調に整備が進んでいると言えそうです。
ただし、厚生労働省保険局医療課の宮嵜雅則課長は「地域包括ケア病棟での受け入れが、特定の状態の患者(骨折・外傷など)に集中する傾向が見られる」と指摘し、地域包括ケアシステムの中で期待される役割を踏まえて「病態がより複雑な患者」や「在宅復帰が困難な患者」の診療に関する評価のあり方を検討してはどうかと提案しました。
この点に関連し、万代委員は「地域包括ケア病棟には、▽急性期後の患者受け入れ▽在宅復帰支援▽救急患者の受け入れ―という3つの役割が期待されているが、手術料が包括されているので、救急患者の受け入れを躊躇する病院もある。手術や高額な医薬品などは出来高算定とする方向で検討してほしい」と求めています。
 複雑な病態の患者に適切な診療を行うという点に鑑みて、万代委員の提案は、今後、重要な論点となりそうです。
退院支援は、在院日数短縮が進む中で、多くの病院が苦労されているテーマの1つでしょう。7対1病棟や地域包括ケア病棟には施設基準として「在宅復帰率」が導入され、療養病棟1には「在宅復帰機能強化加算」が新設されるなど、厚生労働省も「退院支援」「在宅復帰支援」に力を入れていることが分かります。
この点、厚生労働省は「入院時に、早期退院に向けた多職種カンファレンスを実施する施設が多い」という調査結果を報告しました。しかも、この取り組みを実施する施設では、実施していない施設に比べて在院日数が短いことも明らかになっています。
厚生労働省保険局医療課の担当者は「カンファレンスと在院日数との因果関係は不明」と前置きした上で、「在院日数に差があるのは事実である。特に、回復期リハ病棟や療養病棟では在院日数がかなり短くなっている」と説明しています。
 宮嵜課長は、こうした状況を踏まえて「在宅復帰を支援するための院内の体制や、ほかの施設との連携の推進」を次期改定に向けた重要論点の1つに位置付けました。
 なお、医学的な理由以外で退院が困難な患者では「食事・排泄・移動などの介護」が必要なケースが多くなっています。この点、回復期リハ病棟や地域包括ケア病棟では「経口摂取できない患者」の受け入れ割合が低く、クリームスキミングが生じている可能性も疑われます。
在宅復帰支援に向けて、前述の「多職種による退院カンファレンス」の評価や、地域包括ケア病棟などの施設基準への「経口摂取困難な患者受け入れ実績」導入などが検討される可能性があります。

2016年の診療報酬改定はマイナス改定が予測されています。特に7対1の急性期病院においては厳しい改定となることでしょう。また地域医療構想にむけた病床機能報告で病院内の情報も外に出てきました。これから本当に地域において存在感を発揮した病院であり続けるためには、転換の時期なのかもしれませんが、多くの医療機関は現状にしがみついていくのでしょうか。








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2015年4月24日金曜日

7対1届け出病床の減少

2014年11月時点の一般病棟7対1入院基本料の届け出病床は36万6510床で、2014年5月時点と比べ7558床減ったことが日本アルトマーク(東京都中央区)の調査で分かりました。日本アルトマークが半年ごとに実施する調査では、同入院基本料の届け出病床数の減少は2回連続となりました。






日本アルトマークによると、2014年11月時点で一般病棟入院基本料を届け出ていた病院数は5123施設(前回調査比56施設減)でした。そのうち7対1は1551施設(前回調査比68施設減)でした。そのほか、10対1が2153施設(前回調査比34施設増)、13対1が412施設(前回調査比9施設増)、15対1が866施設(前回調査比22施設減)などと実態が判明致しました。
 一方、病床数は7対1が最多の36万6510床で、前回調査から減ったものの一般病棟入院基本料の届け出病床の約6割を占めていました。10対1は17万8486床で、前回調査と比べ1万601床も減少していました。13対1は2万2404床(同120床減)、15対1は4万5629床(同1694床減)でした。
一方、2014年11月時点で地域包括ケア病棟入院料か同入院医療管理料を届け出ていた病院は895施設でした。届け出病床は計2万3790床で、2014年5月時点と比べ2万1070床の増加となりました。このうち、点数が高い同入院料1か同入院医療管理料1の届け出病床は2万2125床(同1万9714床増)でした。

ワイングラス型からヤクルト型への適正な移行に向けて7対1の厳格化はさらに進むと思います。まだまだ高度急性期にあたる病床が多いという見方がなされています。ただ、これから看護体制による診療報酬の区分というのは、そもそもうまく調整できなかったという反省から見直される可能性も高く、そうなると今後はC1の点数を意識した運営コントロールが必要であると思います。もちろんそのために適正な看護配置は必要ですが、ただ、これから人口減少の社会に対応した適正な医療体制を各地域で完結していかなければならず、まだまだ道は険しいです。







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2015年2月15日日曜日

7対1算定病院はわずか10病院の減少のみ

全国自治体病院協議会は2月12日の定例会見で、自治体病院での一般病棟入院基本料7対1の算定病院について、改定前後で10病院の減少にとどまっていることが明らかになりました。全国自治体病院協議会が実施した改定前後の各種届出状況の調査結果で示されたもので、7対1から10対1への移行要因は「重症度、医療・看護必要度」の基準を満たす患者15%以上の要件を満たせなかったことが最も多い状況でした。






全国自治体病院協議会の調査は、2014年11月末に会員施設の中で対象施設1080施設(会員病院と診療所)に対して2013年7月1日と2014年10月1日(9月末の経過措置終了後)時点の施設基準等の届出状況などを調べました。回答施設は687施設、その内会員病院の回答は618病院でした。一般病棟入院基本料を算定している528病院を対象に集計した結果、2014年度診療報酬改定で算定要件が厳格化された7対1入院基本料の算定病院は2013年7月に260病院でしたが、2014年10月には250病院となり10病院が減少しました。改定前に比べ22病院が1 0 対1に移行する一方で、10対1から7対1に移行したのが12病院で、差し引き10病院の減少となりました。全国自治体病院協議会は、10病院の病床規模について「把握していない」としています。7対1の算定で最も厳しかったのは「重症度、医療・看護必要度」の基準を満たす患者15%以上という要件でした。今回調査では7対1算定病院では、「重症度、医療・看護必要度」の割合が15.0%~19.9%の範囲に169病院、全体の約7割が集中していると分析しました。さらに、7対1入院基本料の新たな要件となった在宅復帰率 (75%以上) は、247病院の回答で平均92.4%と高い数値となりました。邊見公雄会長は「7対1の減少がわずか10病院にとどまったこの結果は、自治体病院では7対1算定に馴染まなかった施設がそもそも少なかったとも言えるのではないか」との認識を示しました。
さらに、邊見会長は「新年度以降、地域医療構想ガイドラインの策定作業の中で自治体病院が一方的に不利益を被ることがないよう各都道府県に対して要望書を提出していきたい」との考えも明らかにしました。地域医療構想ガイドラインでは、稼動していない病床への対応などについて、公的医療機関には削減の命令・指示などが想定されています。

病床機能報告に続き、C1等の境界点の見解が出てきて、いよいよ機能分化が本格的に始まろうとしています。特に現在7対1で急性期病院として医療圏で奮闘している病院においては、他の病院の動向も気になりますが、ほとんどの病院は急性期を続けたいしできることなら高度急性期の役割を担い、医療圏での存在感を表したいと考えているようです。大学病院を必ずしも高度急性期とみなさないという見解もありますが、それでも外れる大学病院の方がまれでしょう。22の病院が10対1へと移行したにもかかわらず逆に7対1へと移行した病院の存在はさすがの厚生労働省も想定していなかったのではないでしょうか。各都道府県ならび各医療圏でどのような協議の場が設けられるのか。とても現状の延長線上ではまとまる道筋が見えてきません。








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2014年9月17日水曜日

7対1病院の精鋭化にむけて   上尾中央医科グループ

埼玉県の上尾中央医科グループは、国が目指す2025年の将来像に向け、グループ2 7病院に対して「高度急性期」あるいは「急性期」のどちらを目指すのか、9月末日までにグループ本部に報告させる方針です。現在の7対1入院基本料算定病院は16病院ですが、2025年改革に対応できるよう「7対1病院の精鋭化」を促進させる戦略で、高度急性期病院への人的・設備的資源の投入を進めていく方針です。本部が提示した「高度急性期」の条件は、 7対1入院基本料の算定要件を満たす、ICU・ HCU・SCU・ NICUのいずれかを算定、年間の全身麻酔800件以上、複数診療科の当直体制を365日維持できる体制を来年度内に整備できる、などです。一方、「急性期」は10対1入院基本料の算定要件を満たすこととしています。同グループ協議会経営管理本部の小林洋一本部長は、「各病院が地域の医療ニーズと実績を踏まえ、どういう機能を担っていくべきと考えているのか。まず現場から手挙げ方式で選択してもらうことが重要です」と説明されました。「7対1入院基本料の要件見直しは、2014年度診療報酬改定の検証調査の結果次第で、さらに厳しくなることも予測されています。今回の改定だけで、取り沙汰される9万床減に達するとは考えにくい状況です。2025年に向けた医療提供体制を構築していく上でも、現場のモチベーションを生か した対応策を講じていくことが必要と考えています」と語られました。

小林本部長は「グループ27病院(急性期19病院、回復期中心3病院、療養中心3病院、精神単科1病院、透析中心1病院)のうち、これまでの実績から高度急性期を目指す病院として6病院が手拳げするとみています」とした上で、「一般急性期を選択する場合は集中的な資源投入はしないが、10対1でも経常がなりたつ体制を整備していくべきです。だからこそ本部の指示ではなく、現場の納得が必要です」と述べられました。同グループでは、2014年度改定前は7対1が18病院でしたが、うち2病院が要件を維持できなくなり現在は16病院となっています。透析医療中心の50床の病院は、4月から障害者病棟へ移行し、将来は療養への転換を模索しています。147床の急性期病院は平均在院日数の要件を維持できず、 6月に10対1へ移行しました。小林本部長は「今後、7対1からこぼれる10対1病院は、回復期あるいは慢性期での対応も検討していきたいです」と述べられました。






一方で7対1の精鋭化に向け要件厳格化への対応策として、救急体制の強化を打ち出しています。夜間・休日の受け入れ体制を強化し、救急からの入院患者を多く獲得することで重症患者比率(「重症度、医療・看護必要度」の要件を満たす患者割合)を維持・向上させながら新規入院患者を増やしていく考え方です。グループ内で、救急入院とそれ以外の入院患者の重症患者比率を比べると、救急入院の方が5%高いという結果が得られています。小林本部長は「救急医療の強化策は3年前から基本的方針として打ち出していましたが、今回、加速させていきます。複数診療科による休日・夜間の当直体制も、非常勤医師を中心に体制を組んでいきます」と述べられました。

7対1の要件が今後さらに厳格化していくことは、予想されています。国の方針としては、9万床の削減が大きな目標として掲げられています。現状では程遠い状況ではありますが、必ず近い状態まで削減を推し進めていくでしょう。それが社会保障費の抑制と考えているのですから。確かに日本は諸外国に比べ病床数が多い状況です。ですが医師は少ないのです。そのバランスをしっかり捉えながら病床コントロールをしなければ、国民の健康は維持できないのではないかと危惧します。これから強い病院は医師確保できても、大学医局に頼りっぱなしの病院では医師の確保が厳しくなっていきます。2025年にむけてゆっくりした話もできませんが、急ぐことによる弊害にも目を向けておくことが重要かと感じます。








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2014年8月5日火曜日

7対1堅持も、空床対策は死活問題   筑波メディカルセンター病院

茨城県つくば市の筑波メディカルセンター病院(413床、平均在院日数は11.7日)は、2014年度診療報酬改定でDPCの医療機関群がⅡ群からⅢ群に移りました。しかし、7対1は堅持し、地域の急性期医療を担っていくとの基本方針を決めました。

筑波メディカルセンター病院の中山和則事務部長は、「10月には病床機能報告制度が動き出します。報告内容には病棟単位での患者数の記載が入っており、その病棟からレセブトが上がってこなければ、稼動していないことが明確となります。今後、空床化対策は病院にとって死活問題になっていきます」として、「周辺病院の変化を見ながら、病院が地域医療の中で果たすべき機能を再確認していきたいです」と述べられました。






さらに中山事務部長は「筑波メディカルセンター病院は循環器系の患者が多いけれど、在院 日数が格段に短くなってきています。例えば在院日数2週間の心臓手術が、ステント治療で1週間程度で退院となっています。ICUを使う期間も短くなり、患者にとっては福音ですが、病院経営にとっては大きな課題です」と指摘されました。「外科手術だけでなく内科系治療への適切な評価を、次期診療報酬改定では具体化してもらいたいです」と求められました。

一方、筑波メディカルセンター病院では今年度から、給与体系を従来の人事院勧告に沿った体系から病院独自の俸給制度に改編しました。中山事務部長は「近年の診療報酬改定を見ても、今後、右肩上がりで推移していくことは考えられません。右肩上がりになっている人事院勧告に準じていくことには限界を感じてきました。3年前から病院独自の俸給制度の検討を進めてきました」と述べられました。   多くの7対1病院が急性期としての役割を担っていこうと、高度急性期を目指したり、DPCⅡ群を目指したりとされているところではないでしょうか。地域の環境やニーズを考慮して地域包括ケア病棟として役割を担おうと舵を切っている病院もあります。その中で、DPCⅢ群に移った筑波メディカルセンター病院の決断というのは、ある意味で多くの病院にとって励みにもなっているのではないでしょうか。どのような算定がされようとも、されなくても、地域の為に必要な医療を提供するために特化していく。それが本来の姿勢でしょう。その取組みが認められて、病院の機能が評価され、加算等が算定されるというべきです。それが逆転した発想で自院の病床機能を検討している多くの病院が多いことが、本来のあるべき医療の姿から逸れていってしまった所以ではないでしょうか。確かにキレイ事だけで病院経営ができるほど甘いご時世ではありません。ただ、その心はそのようにありたいものです。








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2014年7月30日水曜日

懸念される病床機能転換の駆け込み

地域の中核的な急性期病院が「地域包括ケア病院」を設置する動きについて、日本医師会の中川俊男副会長 (中医協診療側委員、社会保障審議会、医療部会委員)は「来年4月施行の地域医療構想 (ビジョン)の議論を行う前の段階で、平均在院日数の短縮化による空床化対策のために地域包括ケア病棟 (病床)へ“駆け込み病床機能転換"をする動きに懸念を持っています。病院関係者には節度ある対応をお願 いしたい」と述べられました。「今後、地域で立ち上げる“協議の場"で地域医療ビジョンを議論し、地域ニーズに沿った形で病床機能転換を進めることが第6次改正医療法の趣旨であることを、ぜひ考慮してほしい」とも話されました。






中川俊男副会長は 「2014年度診療報酬改定と地域医療構想の整合性を確保することが極めて大事な課題です。中医協でも大事な課題として議論していくべきです」と指摘しました。その上で「例えば急性期の経営体力のある病院が、空床化対策の一つとして新たに地域包括ケア病棟を届け出てしまうと、地域によっては、その役割を担おうとする中小病院が届け出ようとしたときに空きがないという事態も想定されます。今回の医療法改正は、地域の実情を考慮し、医療提供体制を協議しながらつくっていこうとする法律であることを強調しておきたいです」と述べられました。
中川俊男副会長は「各病院が地域における疾病構造の変化や患者数の減少などで空床化に苦心し、さまざまな経営努力をされていることは十分理解しています。日本医師会は、平均在院日数の短縮は限界だと一貫して主張してきました。今回の改定でも、施設基準の平均在院 日数の基準は変更していないし、次期改定でも平均在院日数の短縮は認めない」と強調されました。「今後は平均在院日数が短くなるのではないかと自己判断し、それを見越した機能転換をするのではなく、地域内での協議を大事にしてほしい」と述べられました。
2014年度改定では、いくつかの項目が 9月末日を経過措置の期限としています。中川副会長は「7対 1入院基本料の『重症度、医療・看護必要度』や自宅等退院患者割合、特定除外の見直しなどの経過措置が問もなく切れます。中医協は早急に改定の影響を把握し、緊急に対応すべき点があれば議論しないといけない」と述べられ、7対1の要件強化が地域医療にどう影響しているのか緊急に把握するべきとしました。
8月の基本問題小委員会では「患者申出療養」を議論すべきとも指摘されました。規制改革会議が提案した「選択療養」からは改善されているものの、議論を逆戻りさせないよう留意することが重要とし、名称も含めてしっかり議論していくことが必要としました。


過剰に増えてしまった7対1の急性期病院を削減するために国は大鉈を振った方針を打ち出した今回の診療報酬改定ですが、7対1の急性期病院にとって今回を乗り切れば安泰とは悠長に思っておらず、このまま急性期として進むのか、地域包括ケア等に機能を転換させて地域に残る病院となっていくのか、判断は難しいと思います。おそらく今回の方向性を誤まって閉鎖に追い込まれてしまう病院も全国的に出てきてしまうでしょう。国は倒産する病院も多少は考慮に入れていると思います。ただ全国的に大幅に病院が減少してしまうことはこれから超高齢化へと進んでいく中で、地域の医療を維持できなくなるリスクがあるので避けたいと考えております。だからこそHD法人として地域でお互いが支え合いながら、ほどほどにやっていくように。というのが全体のシナリオではないかと感じて仕方ありません。医療や福祉はそれほど杓子定規に図って整備できる業界ではないはずです。多くの民間病院が採算度外視で救急医療などを担ってきました。多くの医師が、過労に次ぐ過労でも患者と向き合ってきました。そのあたりのハートの通わせた業界であること、またハートが通わなければ到底成り立たない業界であることを、ご理解頂くにはまだまだ隔たりを感じる今日この頃です。





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2014年7月26日土曜日

病床分割で「地域包括ケア病棟」建設へ  相澤病院

2014年度診療報酬改定や第 6次医療法改正に伴う地域医療構想 (ビジョン)への対応を視野に、急性期後の受け皿を確保するため許可病床を分割して新病院を建設する急性期病院が出てきました。長野県松本市の社会医療法人財団慈泉会相澤病院 (502床、一般7対1)は 、軽度急性期症状の回復期患者の受け皿として新たに「地域包括ケア病院」(地域包括ケア病棟のみの200床未満の病院)を建設する方針を決めました。相澤孝夫理事長 (日本病院会副会長)は、地域住民の医療ニーズの確保とともに、今後、病院の平均在院日数をよりー層短縮した場合の空床化対策も視野に入れた決断であることを明らかにしました。
新病院は9月にも着工する方針で、段階的に増床して42床とする計画といいます。相澤理事長は「相澤病院の周辺には大学病院はあるものの急性期病院がありません。相澤病院はこの地域の3万~4万人の軽度急性期医療も支えてきました。地域の患者の受け皿を確保する上からも、地域包括ケア病棟の新病院の建設を決定しました」と述べられました。






こうした相澤病院の判断について松本市医師会の高木洋行理事は「松本市医師会は、安易なサテライト病院の設置は許していません。相澤東病院 (新病院)が建設されることで医療圏内の病床数に変更がないことや、地域包括ケア医療に対して地域ニーズがあることを踏まえ医師会としても了解しました」と述べられました。

また、相澤理事長は「今後の医療圏の人口減を考えると、平均在院日数の短縮促進によって空床化が進みます。現在502床の相澤病院は、平均在院日数が14日のときは病床稼動率が90%でしたが、12日になって約70床が空床化しました。2013年の平均在院日数は12.4日でしたが、2014年は11.2日まで短縮しました」と説明されました。これまで急性期病床のみだった相澤病院でしたが、空床化の流れを受け 6月には45床分を回復期リハビリテーション病棟入院料3として届け出ました。相澤理事長は「回復期リハビリ病床は地域ニーズからも80床まで必要です。7対1の平均在院日数が将来的に9日まで短縮することを考慮すると、80床は確保できるのではないでしょうか」との見通しを示されました。回復期リハビリ病棟は、将来的には地域包括ケア病院に移行させる計画です。今回の診療報酬改定では7対1入院基本料の要件である「18日」は維持されましたが、短期滞在手術の見直 しで平均在院日数の短縮を促しています。相澤理事長は「今回の改定が地域医療の基幹病院を大きく動かしています」と指摘されました。さらに「医療法改正に伴う地域医療構想では空床化への対応が議論され、民間病院でも対応が進むことは必至です。次期改定では施設基準の本丸である平均在院日数の短縮が求められる可能性は高いと考えられます」と述べられました。

今まさに7対1の急性期病院は、これからの病院の機能・役割について検討し決断を差し迫られています。相澤理事長のおっしゃるとおりこれから7対1の急性期はさらに国の政策で締め付けられていくことが想定されます。地域包括ケア病棟の果たす役割というのもとても大きなモノです。急性期が一番の優等生という古い考えに固執しているようでは、時代の流れに取り残されてしまいますが、それでも急性期にこだわりさらに高度急性期を目指していこうという病院もあります。一概にどちらが正しいともありませんが、しっかりコンセンサスをとって、できれば納得できるエヴィデンスに則って、決断するべきだと思います。もうドンブリ勘定のざっくり経営で渡っていけるほど医療の業界も甘くはありません。






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2014年7月24日木曜日

空床化加速、地域包括ケア病棟が受け皿に

長野県の松本医療圏の多くの病院が、地域医療構想を見据えて「本当に必要な7対1病床数」の割り出しに取り組み始めています。松本市医師会の高木洋行理事 (病院代表、松本市立病院長)は 、「松本医療圏の7対1病床は確実に減床します。地域での急性期患者の絶対数が増加しない状況で、許可病床数のうち7対1病床として確保すべき病床数は減り、必然的に空床化してしまいます。それが回復期リハビリテーション病棟や、今回の診療報酬改定で導入された地域包括ケア病棟(病床)を届け出る方向に向かわせています」との見方を示しました。


信州大病院や相澤病院などを中核とする松本医療圏は現在、7対1病床が2728床、10対1が428床、13対1が103床、15対1が125床となっています。







高木理事が院長を務める松本市立病院(許可病床215床)は、4月に36床で回復期リハビリ病棟入院料3を届け出ました。高木理事は「近年、特養や老健などの施設が充実し、入院患者が減少傾向で推移しています。市立病院は在宅支援を明確に位置付けていきます」とし、「これまで許可病床数を7対1病床としてきたが、今後は回復期リハビリや地域包括ケア病棟などを増やしていく計画です。その分7対1は確実に減っていきます」と見通しました。ほかの7対1病院でも地域包括ケア病床を届け出た病院が散見されるとし「地域包括ケア病棟・病床は、7対1の受け皿機能として大きな選択肢になっている」と語りました。
一方で、現行の243床を7対1病床として維持していく内科中心の公的病院もあるとし「血液内科など重症度の高い患者を受け入れているだけに、平均在院日数のコントロールに苦慮しているようです」と述べられました。

高木理事は「松本医療圏では、すでに多くの病院が先を見据えて動いています。今回の診療報酬改定は厳しい内容でしたが、本当の意味で病院が病床の在り方を考える契機になっています。地域で不足していた回復期リハビリ病棟の届け出も一つの動きといえます」と述べられ、“急性期一辺倒"の流れから回復期医療へ参加するなど病院自体が変わろうとしていると分析されていました。


過剰に増えた7対1病床に対して、これから国は締め付けを強化していくことは間違いないでしょう。今後、必要度が高まってくるであろう回リハや地域包括ケアに対していち早く取り組んでいくのか、地域の病院の方向性を見つつ決めていくのか、どちらにせよ決断の時は差し迫ってきています。
各都道府県がどのような地域医療ビジョンを描くかといっても、それほど大きな地域差はないと考えられます。どこもこれから超高齢化社会に対応するために2025年に向けて準備をしていかなければなりません。アメリカと違い、民間の病院がここまで地域の医療ニーズに対応してきた歪みとも言えます。大きく方向転換が図れません。しかし、地域医療はどこも充実させなければならないという責任感は強く抱いております。意志を強く特徴を発揮させていくことが、機能分化ということにつながっていくのでしょう。







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