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2015年2月10日火曜日

介護報酬改定 での賃金改正は実現できるか

4月からの新たな介護報酬が2月6日に決まりました。訪問介護など在宅サービスに手厚く配分しつつ、特別養護老人ホーム(特養)などの施設向けは大幅に引き下げになります。政府は平均単価を2・27%減額する一方で、人手不足が深刻な介護職員の賃金増を目指すとしていますが、減収が予想される事業者にとって賃上げ実現は難題であると感じます。






 東京都内で特養を運営する社会福祉法人の幹部は、 「パートや非正規ばかりで、長く勤められる正規職員を確保できない」と嘆いています。業務の負担が重いことなどを理由に退職者が相次ぎ、数年前に比べ職員が約30人減っています。日常業務の中心をパートに頼らざるを得ないという現状です。 2014年12月時点で、介護関係職種の有効求人倍率は全国平均で2・68倍でした。売り手市場の上、低賃金と重労働のイメージから人材確保が非常に難しい状況です。法人幹部は「同業者間で優秀な人材の奪い合いも起きている」と話しています。 夜勤に急な欠員が出れば、正規職員が休日返上で出勤しています。重くなるばかりの負担に、うつ病を患う職員も出てきている職場もあります。職員の負担を減らそうと悩んだ末、退所者が出てベッドが空いても、新規入所の受け入れ手続きの一時停止を検討しているところもあります。 空きベッドがあるのに、職員が足りないため受け入れが困難です。特養の待機者は全国で約52万人に上るが、こんな矛盾した事態が起きています。
  今回の報酬改定で厚生労働省は、職員1人当たり月1万2千円の賃金増となる「処遇改善加算」の拡充を目玉に掲げました。 加算による収入が事業者の運営資金などに回っては、職員の賃上げに結びつきません。そこで厚生労働省は、賃上げの計画や実績の報告を事業者に義務付けました。加算を獲得するには、(1)賃金体系の整備(2)研修の実施(3)正規職員への転換などに取り組む、の条件を課し、処遇改善を確実なものにしたいと考えています。 だが、利用者減少などで収入が落ち込んだ場合は、職員給与を下げて加算報酬で穴埋めすることも例外的に容認しています。この場合は賃金増が望めないが、厚生労働省幹部は「条件を厳格化し過ぎると、そもそも加算を受けない事業所も出てくる」と説明しています。 処遇改善加算で実際に賃上げは実現するのか。懐疑的な見方も多い状況です。2月6日の社会保障審議会の分科会では、委員から「賃金アップは極めて不確かだ」との指摘が相次ぎました。国会論戦でも、民主党の山井和則衆院議員が「収入が減る事業者が、どうやって賃金を上げられるのか。机上の空論だ」と批判しました。
  兵庫県伊丹市で特養を運営し、訪問介護も手がける社会福祉法人の理事長は、在宅サービス重視の改定をにらみ、訪問介護の業務量を増やすことも模索しています。しかし「介護に不慣れな新人職員は目が届く施設の方が教育しやすい。経験が問われる在宅は人材確保のハードルがより高い」と頭を抱えています。 都内の福祉系コンサルタントは「小規模事業者は淘汰(とうた)される可能性もある」と指摘しています。「事業者にとっては厳しい『いばらの道』だが、給与増を実現しなければ人材は集まらない。改定で厚労省の誘導するサービス内容に合わせなければ生き残れないだろう」と話しています。 埼玉県八潮市の自宅で要介護度5の母(91)を介護する関正子(せき・まさこ)さん(63)は「事業者の経営が立ちゆかなくなって、私自身が介護を受ける頃には近所から撤退してしまうのでは」と心配しています。

今回の介護報酬の改定は、介護職員の処遇改善加算を最大のアメとして掲げられています。しかしその最大のアメは本当のアメとなるのかどうか、懐疑的です。それでも社会保障費の抑制は政府の大きな課題でもあり、厚生労働省も財務省からかなり責められているのは事実です。ただ、それでも本当に介護の現場にまで目を向けて頂かなければ、すべてが絵に描いた餅となってしまうと思いますが、はたしてどうなるのでしょうか。








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厚生労働省は2017年度末の廃止が予定されている介護療養型医療施設について、看取り対応など5要件を満たす施設を「療養機能強化型」として評価することを提案しました。鈴木常任理事は「医療ニーズがある重介護の人の受け皿として介護療養型医療施設の必要性は年々増しているので、存続すべき」と主張されました。厚生労働省の提案を「重度の人の受け皿として必要性が認められたということだと思う。その点は評価したい」と述べられました。一方、「廃上の方針が変更になったわけではない」とも述べられ、「病院として残してほしいという要望も強いので、施設ではなく病院として残せるようにしていただきたい」と求めました。
厚生労働省は訪問看護に関して、訪問看護従事者の将来的な増員に向けて病院や診療所か らの供給量を拡大する方針を示し、病院・診療所に対する基本報酬の増額も提案しました。鈴木常任理事は「病院といっても地域包括ケアでの役割が期待される中小病院や、有床・無床の診療所から行くようにするのがよい」とコメントされました。診療報酬には厳しい人員配置基準があるとして「縛りがあまり厳しいとなかなか訪問看護に行かない。少し柔軟にして、現実的に行けるようにしてほしい」と述べられました。
通所・訪間リハビリテーションの見直し案については「生活期リハビリテーションといっても今までなかなか具体的なイメージが湧かなかったが、今回はっきりと具体的な姿が示されてきた」と評価されました。ただ、今回は時間的な制約もあり、通所リハビリと訪問リハビリの一部のみが扱われたとして、「生活期リハビリはもっと広義に考えている。改定が終わった後にでもじっくり検討したらよい」との見解を示しました。
鈴木常任理事は2025年に向けた医療・介護提供体制の改革が進められる中、「財源なしの改革は単なる切り下げになり、現場が疲弊してしまう」との懸念も表明されました。次期介護報酬改定について「母体の経営が安定していないと職員の処遇改善ができない。処遇改善だけを行えばよいということではない」と述べるなど、安定した事業運営が行える財源確保が必要になるとしました。
また、特に地方において医療・介護分野は最大の雇用の受け皿になり、「街づくり」のベースをつくることで「地方創世」を担えるようになると指摘されました。「単に抑制すれば医療・介護が疲弊するだけではなく、そういう芽をつぶしてしまうことにもなりかねない」と訴えました。

2015年4月の介護報酬改定に向けて介護業界では、不安を募らせている部分も多くあります。特養などをメインに事業を行なっている社会福祉法人は減収改定になることが予測され、ただ今から在宅介護での補てんを目指そうにも人手が足りていない。人員確保はどこも共通の課題となっております。その中で、いかにコアコンピテンスに特化できる運営体制にシフトしていけるかが一つのポイントとなりそうですが、医療からの受け皿としての機能も見込まれていることもあり、過度な業界構成で疲弊が起こり体制崩壊しないように、しっかり検討を進めて頂きたいものです。








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2014年9月12日金曜日

居宅サービスの機能と連携の在り方 通所介護の機能 社会保障審議会 介護給付費分科会

厚生労働省は8月27日に、社会保障審議会の「介護給付費分科会」を開催しました。この日は、居宅サービスの機能と連携の在り方と通所介護の機能等をテーマに、平成27年度介護報酬改定に向けた議論が行われました。
居宅サービスは、訪問系サービス(訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリ)と通所系サービス(通所介護、通所リハビリ、療養通所介護)に分けられますが、厚生労働省老健局の迫井老人保健課長は「訪問系サービスも通所系サービスも目指すところは同じであり、体系的にサービスを整備していくことが必要であります」と強調されました。 この「目指すところ」について迫井老人保健課長は、次のように説明されています。






(i)「心身機能」「活動」「(社会)参加」などの生活機能の維持向上を図る機能、生活援助の機能、家族介護者の負担軽減を図る機能、のいずれかの機能を発揮して自立を支援する
(ii)認知症高齢者や重度の要介護者が増加する中で、在宅の限界点を高めるために、(i)の機能を効果的・効率的に組合せ、バランスよく要介護者に働きかけることで、高齢者の在宅生活を支える(居宅系サービスの、認知症高齢者・重度の要介護者への対応力を高める必要がある)
(iii)サービスの担い手の確保が今後の課題となる中で、各居宅サービスが有する専門職を有効に活用することが重要であり、多職種連携を推進する仕組みも充実していくことが求められる
(iv)「PDCAに基づくサービス提供」「地域の他の事業所や専門職との連携を通じたサービス提供」「利用者の社会性の維持」といった手法・視点に基づくサービス提供をさらに徹底する必要がある
 この(i)~(iv)の中から見えてくるのが「連携」の重要性であります。多職種連携により、「本人の有する能力を引出す介護が提供できる」「リハ専門職が向上させた生活行為能力を、介護職が生活の中での支援に活用することで、要介護者の自立を促すことができる」「看護職との連携で、介護職は医療の視点に基づく利用者の身体状況などを把握でき、重度者への在宅介護や緊急時の適切な対応に結びつけることができる」ことが期待できます。また、長時間にわたって要介護者の状態を把握できる通所系サービスと連携することで、訪問系の介護者がより適切なサービスを提供できるという効果も生じます。
しかし、多職種連携は思うように進んでいないのが実際です。連携が進まない背景には、「事業所によって取組み状況に差がある」「事業所間に距離がある」「リハ専門職や看護職が不足している」「連携の効果が十分に理解されていない」ことがあげられています。このため厚労省は次のような論点を掲げており、次期改定において多職種連携を手厚く評価する方向を示していると考えることができそうです。
●訪問系サービスと通所系サービスを一体的・総合的にとらえた機能分類や評価体系が必要ではないか
●「同じようなサービス提供については、報酬上も同じような機能として評価する」など、より一層の機能的な連携を図るとともに、異なる機能や役割についての明確化を図る必要があるのではないか
●担っている機能を明確にするための客観的な機能評価もあわせて導入することを目指すべきではないか
●認知症高齢者を含む重度の要介護者や、医療ニーズの高い高齢者(複数の慢性疾患が合併するなど)への対応を見据えた効果的・効率的なサービス提供体制を確保するために、更なる多職種連携の充実が必要ではないか
この点、鈴木委員(日医常任理事)は「居宅系サービスと、診療所や中小病院が連携し、医療者の視点で利用者の課題等を整理し、総合的なサービスを提供していく必要があります」と指摘されています。
 また、(i)では単なる「心身機能」の維持向上だけではなく、「活動」「(社会)参加」を重視しており、これは新たな高齢者リハビリが目指す方向と同じであります。この点、厚生労働省は「心身機能、活動、参加の各要素にバランスよく働きかける効果的なリハビリが徹底できていない」と現状を分析し、「居宅サービスにおけるリハビリ機能の役割や位置づけを、居宅サービス全体の機能や連携の在り方の中で再整理する必要がある」との考えを提示しています。

 さらに迫井老人保健課長は、「高齢者リハビリの在り方を集中的に検討する場を、介護給付費分科会とは別に設置する」考えを示しました。高齢者リハビリは重要なテーマであり、検討すべき課題も多い状況です。迫井老人保健課長は、「早急に検討会を立上げ、年内に3~4回の会合を開いていただき、平成27年度の介護報酬改定で対応すべき項目と、引続き検討を深めていく項目などを整理していただきたい」と会合後にコメントされています。 なお、リハビリについては「評価指標を設定すべき」との考えが、齋藤訓子委員(日看協常任理事)や東委員(全老健会長)から強調されています。

通所介護については、利用者、事業所、費用のいずれもが大きく増加しています。たとえば、平成25年度末の利用者は約173万人(平成13年度末の約2.6倍)、平成25年度末の事業所数は3万9196ヵ所(平成13年度末の約4倍)で、とくに小規模型事業所の増加率が高い状況です。このため利用者の多様化、事業所の多様化が進み、通所介護事業所で取組んでいる内容はさまざまです。たとえば小規模・短時間(3時間以上5時間未満)の事業所では、「身体機能への働きかけ(事業所の92.9%が実施)」「自宅での実際の生活行為力の向上(同65.9%)」などが多く、「栄養改善等(11.1%)」や「認知機能への働きかけ(34.9%)」などは少ない傾向が見られます。一方、通常規模や大規模では、「認知機能への働きかけ(通常規模は74.4%、大規模は69.9%)」や「口腔機能への働きかけ(通常規模は61.1%、大規模は52.4%)」の比重が高くなり、「医療依存度の高い人の受入れ」も小規模に比べて多くなっています。こうした状況を受け厚生労働省は、「通所介護の(i)認知症対応機能(ii)重度者対応機能(iii)心身機能訓練から生活行為力向上訓練まで総合的に行う機能―を充実させていく必要があると考えられますが、これらの機能を評価する軸として介護報酬上の評価をどう考えるべきか」という論点を掲げています。厚生労働省老健局の高橋振興課長は、「たとえば加算の設定や強化なども1つの選択肢であります」との考えを示しています。 これに関連し、武久委員(日本慢性期医療協会会長)は、「訪問介護や通所介護は報酬設定が低く、一部負担も軽いために利用しやすい状況です。そのため医療ニーズの高い重度の要介護者の利用も増えています。しかし本来は、医療ニーズの高い利用者は、訪問看護や通所リハを選択すべきです。現状を是認するのか、本来の姿に立返るのか、きちんと議論すべきです」との問題提起を行いました。また、多くの委員からは「通所介護でもリハビリを行っており、機能や実施しているケアの内容などに応じた評価をすべきではないか」との考え方が示された。この点、迫井老人保健課長は「『通所介護』『通所リハ』というサービス区分に応じた評価ではなく、通所サービスの中で『サービスの内容』『役割』『マンパワー』に応じて評価していくべきというのが委員の一致したイメージのようです」と述べています。平成27年度改定では、通所サービスについて大きな報酬体系の見直しが行われる可能性も出てきたようです。

これからいかに居宅の介護事業を充実させて、病院から在宅へのシフトを図る地域包括ケアシステムの構築を目指しています。病院の患者を在宅に帰らすには、在宅における医療と介護の充実が必要不可欠ですし、まずそのための制度の整備が先決です。多職種連携とは綺麗な言葉ですが、実際に居宅介護で機能するためには今の制度を大きく見直さなければなりません。また医療ももっと深く在宅へ入り込まなければなりません。かかりつけ医の存在が重要となってきますが、そこまで地域の医療と介護を診ていける医師というのは限られていますし、その範囲と言うのは到底充足しておりません。しっかり医療の基盤を固めるためにまず何をしなければならないのか。もっと視野を地域へ在宅へ向けていかなければなりません。








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2014年7月16日水曜日

区分支給限度基準額 ケアマネジメント 社会保障審議会 介護給付費分科会

厚生労働省は6月25日に、社会保障審議会の「介護給付費分科会」を開催しました。この日も平成27年度の介護報酬改定に向けた議論を行いました。テーマは、(1)区分支給限度基準額(2)ケアマネジメントの2点です。

 介護サービスの中には、生活支援など「あれば便利」なものが多く、利用に歯止めがかかりにくい状況です。また、同じ要介護度であっても利用者の心身状況はさまざまであります。
 こうしたことを受け、介護保険制度では、居宅の利用者が1ヵ月に利用できる公的介護サービスの上限額が要介護度別に定められています。
 ちなみに、上限額を超えるサービスを利用者が欲する場合には、「上限額までは介護保険を利用し、超過部分は全額自己負担」という混合介護が認められています。

 区分支給限度基準額は、平成26年度の消費増税に伴う介護報酬改定では引上げられましたが、他の改定時には見直されていません。
 しかし、介護報酬(サービスの価格)は見直されており、区分支給限度基準額の中で利用できるサービス量も変化してきています。

 この点、厚生労働省の調査からは、次のような状況が明らかになりました。
(i)受給者1人あたりの平均費用額(実際に利用した額)が限度基準額に占める割合は、要介護5でもっとも高く65.1%ですが、要支援1・2を除き、趨勢的に増加傾向にあります
(ii)限度基準額を超えて利用している人の割合は、要介護5でもっとも多く5.9%ですが、要支援1・2を除き、趨勢的に増加傾向にあります
(iii)新たなサービスである「定期巡回・随時対応」「複合型」「小規模多機能型居宅介護」は包括報酬でありますが、これらの基本サービス費(介護報酬)と限度基準額との差は小さい(新サービスを利用すると、それだけで限度基準額いっぱいになってしまう)
(iii)のうち「定期巡回・随時対応サービス」の状況を少し詳しく見てみますと、「定期巡回・随時対応の利用者は、福祉用具貸与、通所介護の利用が多いですが、要介護4・5の通所介護利用は、平均的なサービス利用よりも少ない」「定期巡回・随時対応と福祉用具貸与、通所介護を組み合わせると、要介護2~5では合算額が限度基準額を超過してしまう」ことなどがわかります。

 また「複合型サービス」については、福祉用具貸与を併用する利用者が多いですが、「複合型と福祉用具貸与を組み合わせると、要介護2~4では合算額が限度基準額上限にほぼ相当する」状況であります。

 さらに、「小規模多機能型居宅介護」では、福祉用具貸与や医療系サービス(訪問看護や居宅療養管理指導)を組み合わせると、合算額が要介護2~4では限度基準額を超過する状況にあります。

 こうした点を踏まえ、今後、区分支給限度基準額を見直すべきか否かなどを議論していくことになります。
 この点、厚労省老健局の迫井老人保健課長は「定期巡回・随時対応などについて、財源確保を前提として、独自の限度基準額設定はありうるか」「限度基準額に含まれない加算(P6参照)を拡大していくことで、限度基準額の引上げと同じ効果があるが、これをどう考えるか」という2つの視点に立った議論も要望しています。

 これらについて、阿部委員(日本経団連常務理事)や本多委員(健保連理事)は、「定期巡回・随時対応サービス等の普及は重要な課題ですが、ケアマネジメントの質の向上や、サービスの周知徹底が不十分ではないかとまず感じています。独自の限度基準額設定がサービスの普及につながるかは疑問である」と述べられています。
 また小林委員(全国健康保険協会理事長)は、「独自の限度基準額設定や加算の活用を議論するにあたって、財政影響に関する資料を提示してほしい」と要望しています。

 一方、内田委員(日本介護福祉士会副会長)は、「限度基準額を超過している人については、まずケアプランの見直しが必要であります。また限度基準額引上げよりも、加算の活用といった手法が好ましいのではないでしょうか」との見解を述べられています。

 また村上委員(老施協副会長)は、「限度基準額は、標準的なサービス提供内容をベースに設定されています。最新の『要介護者の状態像』『標準的なサービス提供内容』を勘案して、限度基準額の見直しを検討すべきではないでしょうか」と提案しています。

 さらに武久委員(日本慢性期医療協会会長)からは、「複合型や定期巡回・随時対応の理念は素晴らしいものであり、広めるべきです。しかし、単位数から判断すると複合型は人件費も出ないシステムだと思います。サービスが普及しないのは、報酬体系などにも問題があると思います。単純に限度基準額を引き上げたり、独自設定をすることには慎重であるべきではないでしょうか」との意見が寄せられました。







 (2)のケアマネジメントは『介護保険制度の要』ともいえる仕組みですが、「利用者の言いなりになっている」「経営母体のサービスに偏っている」「ケアプランの水準にばらつきがある」などの指摘もあります。
 そのため、厚生労働省は平成27年度改定に向けて次のような点を議論してはどうかと提案しています。
●公正・中立性を確保するために、特定事業所集中減算や、独立型と併設型(グループの傘下にある事業所を含む)のあり方をどう考えるべきか
●ケアマネジメントの質の向上を目指した評価(特定事業所加算など)をどう考えるべきか
●ケアプランに「退院直後のリハビリ」など、保健・医療・福祉サービスの一体的提供に必要なものが十分に組込まれていない点を踏まえ、自立支援に資するケアマネジメントの実践や、多職種連携の強化、地域ケア会議、在宅医療介護連携推進事業の活用をどう推進するべきか
●ケアマネジメントの適正化を進めるため、「福祉用具貸与のみのケアマネジメント」「同一建物居住者へのケアマネジメント」をどう考えるか
●新たな地域支援事業の導入・実施に伴い、介護予防給付の利用者が総合事業(地域支援事業の1つ)を利用するようになるが、そうした点への対応をどう考えるか

 この点、鷲見委員(日本介護支援専門員協会会長)からは、「ケアマネジメントは専門職である介護支援専門員が行うべきであります」「居宅介護支援事業所の約9割が併設事業所であることを踏まえたうえで、公正中立を保てる仕組みを構築する必要があります」といった意見が提出されました。

 一方、齊藤秀樹委員(全国老人クラブ連合会常務理事)は、「ケアマネには公正中立が求められますが、圧倒的に併設事業所が多い状況です。1人事業所の開設に賛成するものではありませんが、独立型に誘導していく施策が重要であると考えられます。おざなりなプランを排除するために、第三者機関によるプラン点検の仕組みも検討していくべきではないでしょうか」とのコメントを寄せています。

 また、齋藤訓子委員(日看協常任理事)は、「多職種連携を目指しているが、すべての市町村できちんと体制ができるまでにはタイムラグがあります。とくに医療ニーズの高い利用者に対応するために、医師との連携が重要だが、連携がとりづらいというのも実態です。さまざまな職種が協力して連携を支援する仕組みが必要ではないでしょうか」と提案しています。


これから地域包括ケアを構築していくにあたり居宅介護は重要な役割を担っていくことは間違いありません。国の方針としては、複合型サービスや定期巡回・随時対応サービスの推進に意識が傾いておりますが、普及しないのには普及しないなりの理由があるはずです。その大元となる要因をしっかりと把握しなければ、小手先だけでの改善ではおそらく不可能でしょう。看護師も介護福祉士も利用者のお住まいに入り込んで、日々頑張っておられます。ただその現場と方針にズレが生じているのではないでしょうか。居宅での生活における不自由さ不便さを解消し少しでも快適に過ごせるように、介護サービスを利用されているわけで、確かに言い出せば切りがありません。その中で、限度基準額があるわけですが、しかし定期巡回・随時対応サービスや複合型サービスを利用しつつ、福祉用具貸与を組み合わせると上限を超過する制度自体に問題があるのではないでしょうか。区分変更もサービスの利用量が増加してきて上限に達した、また自己負担額が膨張してきたなどの状況に対して、介護度を見直して枠を広げようという動きをとっているのが現状です。多く使いたいから介護度を見直す。しかし包括契約のサービスなら利用者にとっては介護区分を見直す必要性はないのです。このあたりから歪みが生じてきているのではないでしょうか。今後、包括契約が浸透してくることは予想されます。そうなるとケアプランはどうなっていくのでしょうか。ケアマネに求められるニーズとはどのように変貌していくんでしょうか。理想の社会保障ならび地域包括ケアの実現には、問題が山積みです。






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2014年7月11日金曜日

紹介状なく大病院 初診時3000~1万円に

厚生労働省は、紹介状を持たずに大病院に来る患者が窓口で払う負担額を通常より高くする方針です。全員に約3千円~1万円の定額負担を課す案が有力となっております。これは、大病院に軽症の人が集まるのを防ぎ、大病院が救急など本来の役割に専念できるようにする狙いです。初診時だけでなく再診時にも負担を求める方向です。2016年4月の診療報酬改定に合わせ、16年度の導入を目指しています。

 7月7日に開く社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会で議論を始めました。年末までに中身を詰め、15年の通常国会に関連法案を提出する見通しです。
 ベッド数200床以上の大病院は全国に約2600あります。現在も大病院は紹介状を持たずに来た患者から特別料金を徴収できますが、徴収するかどうかは任意で、実際に取っている病院は約1200と半分足らずが現状です。残る約1400の病院では紹介状を持たない患者も通常の初診料(3割負担の人は846円、1割負担の人は282円)を払うこととなっております。
 風邪など軽症の患者の診療に医師や看護師が忙殺されると、救急や重篤な患者の診療が手薄になりがちです。この弊害をなくすため、紹介状を持たずに大病院に来た患者には必ず一定の負担を求めるようにします。







 定額負担は3つの案があります。当初、浮上したのは、初診時に1万円、再診時に5千円の特別料金を払う(1)案で、日本医師会はこの案を支持しています。(2)案は初診時5千円、再診時2500円の特別料金です。(3)案は通常、患者が1~3割だけ負担する初診料(2820円)と再診料(720円)を全額、患者負担とする案です。現在、厚生労働省は(1)案、(2)案と比べ患者の負担増が緩やかなこの案を有力と見ています。
 紹介状なしで大病院にかかる負担が重くなれば、念のためといった理由で大病院に行く人は減り、近所の診療所を受診するようになるのではないか。過剰受診を減らし、医療費の増加を抑える効果があると考えられています。そうなれば大病院は救急患者や、かかりつけ医から紹介される重篤な患者への高度な診療に専念しやすくなります。
 患者が新たに大病院で払う定額負担を公的保険で賄う医療費の財源に回すか、大病院の収入とするかは今後、検討するとされています。
 厚労省は7月7日の医療保険部会で、入院中の食事代を現行の1食260円から460円に上げる案を軸に入院患者の負担を増やす案も示しました。患者負担を除いた医療給付費は2013年度の36兆円から25年度には54兆円と1.5倍に増える見込みになります。

患者にとっては、負担が増える案ばかりが国の方で進められています。確かに社会保障費の増長というのは今の日本の財政にとって深刻な課題です。国の負担を減らすには、他の負担を増やすことが一番やりやすいことです。患者の負担を増やすことです。国は負担を増やすというような言い方をすると、国民を反感を強く買ってしまうので、適正化などという言葉を使いますが、内容は同じです。もちろん病院を運営している医療法人に対しても厳しい要件を続けて練ってきており、淘汰・合併・併合が進むことも予想されています。スウェーデンなどの社会保障が進んでいる国になることが必ずしも良いとは言えませんが、ただこれから進む超高齢化社会において安心した生活を送ることができる社会を目指してもらいたいものです。






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2014年7月10日木曜日

出産育児一時金、総額42万円を維持



社会保障審議会 ・医療保険部会は7月7日、現在の出産育児一時金の総額42万円を維持することを決めました。ただ、一時金に含まれる産科医療補償制度の掛金引き下げに併せ、支払い側が一時金も見直すべきと強く反発しました。遠藤久夫部会長 (学習院大経済学部長)が、一時金の次回改定までに何らかのルールを明確化することを提案し、部会として条件付きでの了承となりました。

一時金をめぐっては、今年4月の医療保険部会で産科医療補償制度の掛金3万円を1.6万円へ引き下げることが決まった一方で、掛金が含まれている総額42万円を維持するか、見直すかが焦点となっていました。







この日の部会では、事務局が前回改定から平均的な出産費用が増加していることなどを理由に、総額42万円を維持することを提案しました。委員からは賛否両論の意見がありましたが、支払い側から「物価が上がっていないのになぜ出産費用だけ上がっているのか。それをベースとした引き上げは納得できない」 (白川修二委員=健保連副会長)との意見があり、「一時金の引き上げに引っ張られるように分娩費用が引き上げられている」(小林剛=協会けんぽ理事長)と42万円維持への批判的な指摘が目立ちました。
このため遠藤部会長が、一時金の次回改定までに、改定ルールを明確に整備する、根拠となるエビデンスを確立する、出産育児一時金と産科医療補償制度の掛金を法令上、明確に区分する、を条件に総額42万円を維持することを提案しました。そして部会として了承されました。
今後、現在の出産育児一時金39万円を40.4万円に引き上げる政令改正を行います。産科
医療補償制度の掛金1.6万円との合計で42万円とするための手続きに入り、来年 1月から施行する見通しです。

政府は、少子化に対応するため子どもを生み育てる環境を整え、50年後に人口1億人程度の維持を目指すとの目標を掲げております。しかしその目標は出生率が回復しない限り達成困難な数値であり、育児環境が現状より悪化すればとても実現困難であると誰もが分かります。
ただ、育児に必要なのは一時金などの支援だけではありません。子供を産み育てる環境も重要となってきます。昔は、専業主婦が多く、また三世帯で生活をされている家庭も多くありました。今は、もうその時代に戻ることは困難です。そうなると新たなステージへの移行が望まれますし、そのための仕組みを是非とも早く構築して頂きたいものです。






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