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2015年6月22日月曜日

認知症ケアは年間14.5兆円の社会的コスト

認知症を発症することで掛かる医療・介護費など、認知症による社会的コストが、年間約14兆5000億円に上ることが厚生労働科学研究班(代表者:慶應義塾大学精神・神経科助教の佐渡充洋氏)の推計によって5月29日、明らかになりました。
 かねてから認知症の患者数増加が懸念されていたものの、これまで社会的コストに関する推計は十分に行われていませんでした。厚生労働科学研究班は今回、認知症施策立案の基礎データを作成するため、調査を実施しました。






 本調査では、まずレセプトデータを用いて医療費を算出しました。次に、認知症での介護サービス受給者数と平均利用額を要介護度ごとに掛け合わせ、それらを足し合わせた結果を介護費として推計しました。さらに、認知症の介護者への調査結果から介護に掛かった時間を算出し、家族などが無償で行っているケアの労働対価(インフォーマルケアコスト)を計算しました。これらの合計を2014年時点の1年間のコストとして推計しました。
 その結果、2014年の日本における認知症の社会的コストは年間約14.5兆円に上ることが明らかになりました。その内訳は、入院・外来医療費が1.9兆円(入院医療費9703億円、外来医療費約9412億円)、介護費・在宅施設介護費6.4兆円、インフォーマルケアコスト6.2兆円となりました。
 さらに、厚生労働科学研究班は認知症の社会的コストが今後どのように変化するかを推計しました。発病率や医療の受療率、介護サービスの利用率といった人口動態以外の要因が全て現在と同じと仮定すると、2060年の認知症の社会的コストは24兆2630億円に達すると報告しました。
 これらの結果を受け厚生労働科学研究班は、「限られた財源をいかに活用すれば患者や家族の生活の質を向上させることができるかを検討する必要がある」と述べました。

高齢化社会が進行することで認知症対策は大きな課題です。それも地域包括ケアシステムとして病院から地域へと進めていく中で、どのように認知症の方を地域で看ていけるのか、とても単純な話ではないと思います。ただ地域によってはすでに取り組んでいる地域もあります。過疎化が進み高齢化が進んでいる地域では、自分たちでどうしていくのか互助の部分が大きな役割を果たしていきます。どんどん近所づきあいが希薄になってきた現代社会が引き起こした弊害ではありますが、ここをスタートとしてこれからどのように取り組んでいくのか、地域で住民を巻き込んで進めていかなければならないと思います。








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2015年5月22日金曜日

有料老人ホーム「地域包括ケアの中心」

厚生労働省老健局の三浦公嗣局長は5月20日の全国特定施設事業者協議会(特定協)の特定施設事例研究発表全国大会でのあいさつの中で、「有料老人ホームをはじめとする高齢者の住まいは地域包括ケアシステムの中心だ」と改めて強調されました。また、2015年1月に国がまとめた認知症施策推進総合戦略「新オレンジプラン」に触れて、プランの推進には「認知症の方々にどうやって有料老人ホームや特定施設に入っていただくかが課題になる」と述べられました。






三浦局長は、有料老人ホームなどの特定施設について、「今後は終のすみかの役割も果たしていくことが期待されている」と指摘されました。特定施設が適切な看取り介護の体制をより強化していく必要性を示されました。
 特定施設事例研究発表全国大会では、「ケアマネジメント」と「看取り介護」「認知症ケア」「アクティビティ」の4テーマについて、全国から集まった有料老人ホームの関係者らが具体事例を発表しました。この中の認知症ケアの発表では、化粧品会社での勤務経験を有する職員が中心となり、認知症の入居者にフェイスマッサージや化粧など肌のケアを行うことで、自身の身の回りのことが行えず、不穏になる傾向があった入居者が、自発的に整髪や化粧をするようになり、介護拒否などの問題行動が減少した事例が報告されました。

認知症対策はこれからの大きな課題であり、いかに地域で認知症患者を看ていくのか、その体制構築が急務となっております。現状の問題点として地域で看ていくことが困難になった背景には、やはりそこには地域のコミュニティーの希薄化が要因の一つであると捉えています。ここ最近では、特に地方において、顔の見える関係づくりの互助の強化に取り組まれているところの活動が散見されます。地域包括ケアシステムの構築には、地域の自主性・主体制に基づいた自助・互助・公助・共助が必要でしょう。ただし、その中心は本人と家族の選択と心構えの上での住まいと住まい方が軸であります。その視点をおきざりにせずに、地域包括ケアシステムの中心を捉えて構築していかなければならないと感じます。








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2015年1月30日金曜日

新オレンジプラン 認知症施策推進総合戦略

厚生労働省は1月27日、内閣官房や警察庁、総務省など関係省庁と共同で新たに策定した「認知症施策推進総合戦略」(新オレンジプラン)を公表しました。認知症高齢者が約700万人に達することが見込まれる2025年に向け、数値目標を定めて認知症に関する専門医や認定医の養成を拡充するなどの方針や施策を盛り込みました。






また、2013~2017年度の5年 間を対象にした「認知症施策推進5か年計画」(旧オレンジプラン)で掲げた数値目標の一部を引き上げました。認知症に関する医師の養成拡充については「認知症に関する専門医、認定医等について、数値目標を定めて具体的に養成を拡充するよう、関係学会等と協力して取り組む」と明記しました。新たな施策として、看護職員の認知症への対応力向上を図るための研修について2015年度に検討し、2016年度以降に関係団体と協力して実施する方針も示しました。医療に関する主な日標値は、認知症の早期鑑別診断と速やかな医療・介護サービスを提供する初期対応の体制構築に向けた「認知症初期集中支援チーム」を2018年度には全市町村に設置(2014年度は41市町村の見込み)、 かかりつけ医の認知症対応力向上研修の受講者を2017年度末に6万人(2013年度末の実績は3万8053人)、認知症診断 などに関するかかりつけ医の相談を受け付ける役割を担う認知症サポート医を養成する研修受講者を2017年度末に5000人(2013年度末の実績は3257人)、一般病院勤務の医療従事者に対する認知症対応力向上研修の受講者数を2017年度末までに8万7000人(2013年度末の実績は3843人)、認知症疾患医療センターを2017年度末までに約500カ所設置 (2014年度は約300カ所の見 込み) などです。

閣議後に記者会見した塩崎恭久厚生労働相は、新オレンジプランについて「医療・介護基盤の整備だけでなく、地域での見守り体制の整備や生活しやすい環境づくりなど、認知症の方やその家族の視点に立って広く必要な施策を盛り込んだ」と説明されました。「医療と介護がうまく連携して、各人のニーズに合った対応が社会としてできるようにすることが一番大事。今回の戦略は、それをトータルな形で示した。そういった意味で、世界の中でも初めてではないか」とも述べられ、新たなプラン策定の意義を強調しました。
 新オレンジプランは以下の12省庁が共同で策定しました。厚生労働省、内閣官房、内閣府、警察庁、金融庁、消費者庁、総務省、法務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省。

「認知症施策推進総合戦略」(新オレンジブラン) を策定したことを受け、日本医師会の横倉義武会長ら医療・介護の専門家3人と認知症当事者2人が1月27日、安倍晋三首相と首相官邸で意見交換を行ないました。 日医の横倉会長は、日常診療の中で患者の変化に気付き必要な専門医療につなげることや、可能な限り認知症の人が地域で暮らせるように支援するなど、かかりつけ医の役割の重要性に言及しまし。認知症当事者の丹野智文さんは、認知症の進行を止める薬が現在存在しないことに言及 し、治療薬開発を国家戦略として支援するよう求めました。 安倍首相は意見交換の場で、認知症は誰でも関わる可能性のある身近な病気だとし、認知症になってもより良い生活ができるよう、社会を挙げて、また国際的にも連携しながら取り組む必要があると強調しました。 この日は、医療・介護の専門家として、横倉会長のほか日本介護支援専門員協会の鷲見よしみ会長と、国立長寿医療研究センターの鳥羽研二総長も出席していました。

認知症対策については昨今よく取りざたされておりますが、抜本的な解決策が無い中で暗中模索に進めていかざるをえない部分が多く、またそれをかかりつけ医といった診療所の開業医に担ってもらうというのは、先行き厳しいと感じます。それほど開業医に業務上のゆとりがあると感じているのでしょうか。もしくは抜本的な制度改革も含めて検討されているのでしょうか。








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2015年1月21日水曜日

2015年度 予算案 総額29兆9146億円

政府は1月14日の臨時閣議で、2015年度予算案を決定しました。2015年度から内閣府に移管する事業を除いた厚生労働省の一般会計予算総額は2014年度比30%増の29兆9146億円でした。このうち社会保障関係費は32%増の29兆4505億円となりました。






社会保障関係費の内訳は 「医療」11兆4891億円(2014年度比26%増)、「介護」2兆7592億円(26%増)、「年金」11兆527億円(31%増)などでした。厚生労働省によると社会保障関係費の自然増は約5700億円で、概算要求額の8155億円より約2500億円少なくなりました。内訳は「医療」2200億円、「介護」800億円で、概算要求より「医療」は800億円、「介護」は600億円少ないです。理由として厚生労働省は「1人当たり医療費などの最新動向を踏まえて計上した」としています。医療費の制度別内訳は、協会けんぽ1兆1813億円(57%減 )、国保3兆4330億円(45%増)、後期高齢者医療4兆7629億円(29%増)で、3制度合計は9兆3771億円 (23%増)となっています。消費税増収分を活用した社会保障の充実メニューで、地域医療介護総合確保基金の医療分として国費602億円(総額は904億円)、介護分として国費483億円(総額は724億円)を確保しました。在宅医療・介護連携や認知症施策の推進などに国費118億円(総額は236億円)を計上しました。
他の施策では、医療事故調査制度創設に伴う「医療事故調査・支援センター」の運営費の補助に54億円、新たな専門医制度創設に向けた養成プログラム作成支援に3億円、特定行為に関わる看護師の研修制度に向けた指定研修機関の確保や指導者育成、研修修了者の計画的な養成に27億円などを計上しました。重複・頻回受診の適正化に向けた保健師らの訪問指導などに19億円、医療保険者による医療機関と連携した糖尿病性腎症患者の重症化予防などに51億円を盛っています。

厳しい国の財源、社会保障費の抑制は財務省が何とかしなければと目の敵のようにしていますが、確かにその面だけ見れば分からなくもありません。ただ、高齢化社会が進む中で、今の制度の延長で検討していくと社会保障費の増長は止めることは厳しくあります。ただ、その増加幅をいかに縮めるかは必要かもしれませんが、しかしその圧縮されたしわ寄せは国民一人一人に割り振られるわけで、結局は高齢化が進む日本は住みにくい・長生きしにくい社会であることは間違いないようです。








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2015年1月4日日曜日

高齢者、スマホで見守り   メディカル・ケア・サービス

 認知症の高齢者を見守るシステムの開発が広がってきています。介護中堅のメディカル・ケア・サービス(さいたま市)は小型発信器とスマートフォン(スマホ)を使い、施設から迷い出た高齢者の情報を地域住民に収集してもらう仕組みを開発しました。オリックス系の有料老人ホーム運営会社はセンサーによる外出検知をめざします。認知症患者の安全確保や介護職員の負担軽減につながりそうです。






 厚生労働省の推計では、日常生活に支障のある認知症高齢者は2025年に10年比7割増の470万人に達します。自宅や施設から迷い出る「徘徊(はいかい)」は認知症の特徴的な症状の一つです。年間約1万人が行方不明になっています。大半は見つかりますが、家族や介護事業者には探す手間がかかり心労のもとにもなっております。
 メディカル・ケアは認知症高齢者が入居するグループホームを全国で約220施設運営しております。NTTグループのNTTPCコミュニケーションズ(東京・港)やデンソーと組み、徘徊する高齢者を探すシステムを開発しました。2015年度に全施設で導入する予定です。
 五百円玉大の発信器を衣服など高齢者の身の回り品に、家族の同意を得て事前に取り付けておきます。一方、説明会などを開き施設周辺の住民に協力を仰ぎ、発信器の電波を拾って位置情報を介護施設に送る無料アプリ(応用ソフト)を手持ちのスマホに取り込んでもらいます。最大80メートル離れていても検知でき、スマホを持った住民が高齢者とすれ違う程度で自動的に居場所を把握できるシステムとなっております。
 地域を営業で回る企業の社員や自治体職員のほか、認知症患者を助けるため国が養成を進めるボランティア「認知症サポーター」にも協力を求めます。サポーターは全国に540万人います。
 都内のグループホームで効果を検証し、徘徊した高齢者を見つけるまでの時間を従来の3分の1に短縮できる見込みが立ったとしています。発信器は1つ約1千円で、1人に3個ほど装着します。
 認知症の高齢者に全地球測位システム(GPS)機能が付いた携帯端末を持ってもらう方法があります。ただ携帯端末の電池は数日で切れることが多い現状です。今回の発信器は1年以上使い続けられるものになります。
 オリックス・リビング(東京・港)は老人ホームの個室に設置した赤外線センサーを使います。現在はベッド周辺が対象で、起床や転落などを把握していますが、室外に出る動きも検知できるように機能を拡充します。
 まごころ介護サービス(静岡市)も10月から介護施設5カ所に、所外に出る高齢者をカメラで検知し職員のスマホやタブレット(多機能携帯端末)に通知するシステムを導入しました。

認知症対策は、これから大きく進展していくことと考えられています。逆説的に考えるとこれまではなかなか取り組めていなかったともいえます。その理由の一つとして、認知症の高齢者に対する安全管理が拘束などと密に関わっていたからです。管理を徹底するということは拘束に繋がりかねなかったのです。ひどい施設では手や足をベッドに括りつけていたなんて事例もこれまでいくつもありました。その人らしい生活を過ごす支援を行なうということは、言葉では奇麗ですが、リスクも多く潜んでおり、今回のサービスが拡大することで、機能が向上すればと願います。








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2014年12月28日日曜日

介護報酬改定に向けて

厚生労働省は12月19日の社会保障審議会・介護給付費分科会 (分科会長=田中滋・慶応大名誉教授)に 、2015年度介護報酬改定に向けた審議報告案を提示しました。早ければ2015年1月9日に予定する次回会合で審議報告を取りまとめます。






厚生労働省は、地域包括ケアシステム構築の更なる一歩となる2015年度介護報酬改定に向けた基本的な考え方として、中重度の要介護者や認知症高齢者への対応の更なる強化、介護人材確保対策の推進、サービス評価の適正化と効率的なサービス提供体制の構築、の3項目を提示しています。これまでの議論を踏まえ、サービスごとに見直し案を示しました。介護療養型医療施設では、看取りやターミナルケアなどの長期療養や、喀痰吸引といった医療処置の機能を今後も確保するため、「療養機能強化型介護療養型医療施設(仮称)」として重点評価することを盛り込みました。この提案に対しては平川則男委員(連合総合政策局生活福祉局長)から「(制度上廃上の)基本方針が変わっていないと言いつつ、新たな機能強化型を打ち出すのは、違和感を感じる。理屈として合わないのではないか」との意見も出ました。
訪問看護の見直し案では、将来的な訪問看護従事者の増員に向け、病院や診療所からの訪問看護供給量を拡大するため、病院や診療所からの訪問看護の基本報酬を引き上げる方針を示しました。鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は「病院・診療所からの訪問看護だが、病院というのは地域包括ケアシステムを構成するかかりつけ医機能を持つ中小病院が考えられる」と述べた上で、病院の機能分化や地域包括ケアシステムの方向性との整合性を図る必要性も指摘しました。齋藤訓子委員(日本看護協会常任理事)は、「多くの事業所があり市場が競合するような地域では、小さい事業所が経営困難になるのではないか」と懸念を示しました。
介護老人保健施設については、在宅復帰支援機能を更に高めるために、リハビリテーション専門職の配置などによって、在宅強化型基本施設サービス費と在宅復帰・在宅療養支援機能加算を重点的に評価することを示しました。 介護人材確保対策では、介護職員の処遇をさらに改善させるため、現行の介護職員処遇改善加算の仕組みを維持しつつ、更に資質向上などに取り組む事業所を対象に、更なる上乗せ評価を行ないます。内田千恵子委員(日本介護福祉士会副会長)は「加算が有ることで介護職員の報酬に反映されている事実もある。今後も取り組んでいただきたい」とコメントされました。一方、本多伸行委員 (健康保険組合連合会理事)は「保険料を用いて処遇改善をするのは筋としていかがなものか」と指摘され、「例外的な措置を2度にわたって実施しなければならない論拠には乏しい」と述べられました。

介護報酬はマイナス改定が多く言われている状況ですが、おそらく大きく逸れることはないでしょう。特に特養と通所介護のマイナスが言われていますが、社会福祉法人のあり方にすらメスが入れば、小規模の事業所は本当に厳しい改定になると思います。介護職員の確保がこれからも重要となりますが、加算ではなく制度の本質からしっかりと組み立てて頂いて、地域包括ケアを促進する体制を構築できる光を与えるべきではないでしょうか。








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2014年11月14日金曜日

新基金と地域支援事業 在宅医療 厚生労働省

厚生労働省老健局老人保健課の迫井正深課長は11月10日、都道府県担当者らが対象の「全国介護保険担当課長会議」で、地域支援事業に位置付けられた在宅医療・介護連携推進事業と地域医療介護総合確保基金(新基金)を活用する在宅医療関連の事業の関係性について説明しました。






新基金を活用する事業は、補助金などで措置されている事業は対象外になるため、在宅医療・介護の連携に関する事業のうち、地域支援事業で行われる事業は対象になりません。迫井課長は、都道府県が市区町村との役割分担を明確にした上で広域的・補完的に在宅医療・介護の連携に関する事業を行う場合は、2015年度以降も新基金を活用して差し支えないことを示しました。また地域支援事業の取り組み内容に示されていない在宅医療・介護の連携のための事業であれば、新基金を活用することは可能と説明しました。
老健局高齢者支援課の辺見聡課長は、新基金で2015年度から介護分野が加わることを踏まえ、現時点での対象事業の考え方について情報提供しました。介護施設などの整備に関する事業は地域包括ケアシステムの構築を着実に進める観点から、小規模多機能型居宅介護や定期巡回・随時対応サービス、認知症高齢者グループホーム、地域密着型特別養護老人ホームなどの地域密着型サービスの施設・設備の整備などに対し財政支援を行う必要があることを示しました。介護従事者の確保に向けた事業については「各都道府県の裁量を重視することを考えている」とし、厚生労働省の「福祉人材確保対策検討会」の取りまとめなどを踏まえ「地域の実情に応じた計画的な人材確保は図られるよう検討していただきたい」と述べられました。
老健局認知症・虐待防止対策推進室の水谷忠由室長は、認知症施策推進5カ年計画(オレンジプラン)の進捗状況について報告しました。2017年度末までに4000人を目標に掲げる認知症サポート医養成研修の受講者は2013年度末で3220人、同様に 5万人が目標のかかりつけ医認知症対応力向上研修の受講者は2013年度末で3万8053人でした。安倍晋三首相が「認知症サミッ ト日本後継イベント」の中で認知症施策を加速するための新たな戦略を策定するよう塩崎恭久厚生労働相 に指示したことにも言及し、「新しい戦略は、今後関係省庁を含め検討していく。来年度予算編成が年末にあることを考えれば、年内を一つのめどとして策定作業に取り組んでいきたい」と述べられました。 
これから医療と介護は一体で考えていくことがスタンダードとなっていく中で、現状異なるスキームで動いているもの同士の調整は必要になってきます。ただどうしても綺麗にはいかず歪みが生じたり、一部にマイナスを被ることも想定できます。いかに全体を見て最適な方向性を打ち出せるか、消費増税などでゆらぐ安倍内閣に期待したいものです。








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2014年11月10日月曜日

認知症対策の新戦略 厚生労働省

 厚生労働省は、現行の認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)に代わる新たな戦略を策定します。年内を目途にまとめ、来年度予算編成に新プランの内容を反映させる方針です。新戦略は省庁横断的な取り組みを前提に、昨年度に始まったオレンジプランを強化したものになり、認知症の人が地域で長く生活できる社会の構築を目指します。東京都内で開かれた「認知症サミット日本後継イベント」で安倍晋三首相が11月6日に新プランの策定を表明され、塩崎恭久厚労相に取り組むよう指示しました。






 厚生労働省は2012年9月、急増する認知症高齢者などに対応するため、2013-2017年度の認知症施策の推進計画としてオレンジプランを公表しました。オレンジプランには、症状の進行状態に応じた「認知症ケアパス」の作成・普及や、認知症初期集中支援チームの設置のほか、本人や家族の手助けを行う認知症サポーターを累計600万人まで増やすといった数値目標も盛り込まれました。 塩崎厚労相は11月6日、認知症サミット日本後継イベントの閉会式であいさつされ、新プランの策定に意欲を見せました。策定に向けた3つの基本的な考え方も表明し、その1つに、認知症の人が住み慣れた地域でできる限り長く生活することを目指した「認知症地域包括ケアシステム」の実現を挙げました。具体的には、「医療・介護サービスが有機的に連携し、認知症の進行状態に応じて切れ目なく対応できる循環型のシステム」と説明されました。オレンジプランの目標数値を、一部引き上げることも検討されます。 また、塩崎厚労相は、新戦略は省庁横断的なプランにするとし、認知症への理解を深めるための普及啓発、認知症の人が生活しやすい環境整備や生活支援、認知症の人の就労・社会参加支援や安全確保、ICTの活用、介護者への支援、認知症予防などのための研究開発の推進、国際連携などの課題を含めた内容にする考えを示されました。さらに、施策を推進する際には、認知症の本人やその家族にしか分からない視点に立って取り組んでいくとしました。

 厚生労働省は今後、厚生労働省のほか内閣府と警察庁、金融庁、消費者庁、総務省、法務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省の担当者らで構成する「認知症高齢者等にやさしい地域づくりに係る関係省庁連絡会議」を活用するなどし、新プランの内容を詰めていきます。認知症高齢者等にやさしい地域づくりに係る関係省庁連絡会議は2013年9月に設置され、今年9月までに2回の会合を開いています。

超高齢化社会に突入していくにあたり、認知症の課題は大きな意味があります。塩崎厚労相は認知症地域包括ケアシステムを掲げておりますが、地域で看ていくというのは現状から見るとかなり実現に向けてのハードルは高いかと思われます。認知症の人が生活しやすい環境整備とは本当に地域なのか、就労支援は必要なのか、安全が確保された上での社会参加は必要かと思いますが、これから会合を重ねていき輪郭から見えてくるのでしょう。








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2014年8月12日火曜日

行方のわからない認知症高齢者等をお探しの方へ 厚生労働省

厚生労働省は8月5日、身元が分からないまま、各地の介護保険施設などに保護されている認知症高齢者らの情報を集めた特設サイトを厚生労働省ホームページ上に開設しました。身元不明者が保護された時の状況や、現在の写真などが掲載されています。
行方不明者の早期発見につなげるのが狙いで、身元不明のまま保護された高齢者についての情報を、都道府県ごとにまとめてみることができます。新設されたページには現在、千葉県と静岡県の情報につながるリンクがはられています。厚生労働省は今後、ほかの都道府県の情報に結びつくリンクもはっていき、ページの実用性を高めていきたい考えです。






 警察庁によると、2013年の行方不明者の届け出のうち、原因が認知症とされるのは1万300人に上ります。また、厚生労働省では「徘徊などで行方不明となった認知症の人等に関する実態調査(市区町村調査)」の取りまとめを行っていますが、「電車などで遠距離移動した結果、本来の住所とは、まったく別の県の介護保険施設で保護された場合もある」(高齢者支援課)といいます。

 こうした状況を受け、厚労省では各地の身元不明の認知症高齢者らの情報を一覧できる特設ページの設置を決めました。さらに厚生労働省は同日、特設サイトでは、自治体からの依頼を受けた上で、各自治体がホームページ上で公開している情報を転載する、都道府県だけでなく市区町村単位の取り組みについても掲載の対象とする―などの内容を盛り込んだ事務連絡を各自治体に発出しました。同サイトへの積極的な情報提供などを呼びかけました。

 同日、記者会見した田村憲久厚生労働相は、「家族が捜しやすい体制をつくるためにページを設置しました」と説明され、「(厚生労働省の特設ページで)より多くの自治体が、(身元不明の認知症高齢者の)顔写真も含めて公表することで、(全国規模の)ネットワークができる」と述べられ、各自治体への協力を呼びかけました。


これからの日本の社会保障において、認知症の問題と言うのは大きな課題の一つとして挙げられています。認知症が原因となっている行方不明者が1万人をこえているとは驚きですが、現状の体制から鑑みると納得できる値でもあります。いかにその人らしく終末期を過ごすのかというのは、一筋縄ではいきません。それは安全を確保しなければならないからです。事件・事故を回避しようとすると、一番に思いつくのが拘束です。事件・事故の発生率は大きく抑制できますが、それが望ましい本人の終末期の姿でしょうか。もちろん事件・事故が起きてはならないので、監視監督が必要となりますが、今の職員配置や在宅での介護体制では限界があります。行方不明者を捜すためのスキームも大事かもしれませんが、それ以前に徘徊による行方不明者が発生しないための地域でのスキームというものが、最重要ではないでしょうか。








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2014年6月29日日曜日

認知症による徘徊について

認知症による徘徊(はいかい)などで行方不明となっているニュースが最近よく取り上げられていますが、その数は年間で1万人に上っているといわれています。そのような現状を受け止めて、厚生労働省は行方不明になった人について、介護の必要度や介護サービスの利用状況など、実態を調べる初めての全国調査を近く始めることを決めました。

認知症やその疑いがあり、徘徊するなどして行方不明になる人が年間1万人に上っている問題では、警察庁が行方不明者の届け出件数などのデータをまとめているだけで、国は詳しい実態を把握できていませんでした。このため、厚生労働省は、行方不明者の実態を調べる初めての調査を、全国の自治体を対象に始めることを決めました。




調査では、ことし3月までの1年間に行方不明になった人について、介護の必要度や介護サービスの利用状況などを調べること、また徘徊した方が保護されたものの身元が分からず、施設などで暮らす人についても報告するよう求めることにしています。また、警察や行政、それに地域が連携して行方不明者を捜す取り組み「SOSネットワーク」の導入の状況についても調べることにしています。
厚生労働省は、ことし秋ごろまでに調査結果をまとめ、実効性のある対策につなげたいとしています。


法務省の有識者による会議では、認知症の高齢者や障害者への支援について、全国の「法テラス」を通じて無料の法律相談や自治体への申請といった法的なサポートを充実させるべきだとする報告書をまとめました。

法務省の有識者会議は、身の回りのさまざまなトラブルに、解決策をアドバイスする法テラスの今後の取り組みなどについて報告書をまとめました。認知症の高齢者への支援について、「トラブルに巻き込まれても、法律上の問題とみずからが気付かないケースがある」として、弁護士が高齢者のもとに出向き、無料で相談に応じる取り組みが必要だとしています。さらに高齢者や障害者の自治体への申請手続きも法テラスが手助けするなど、法的なサポートを充実させるよう求めています。
このほかDV=ドメスティックバイオレンスやストーカーなどの深刻な被害が増えているとして、新たな窓口を作り被害者支援を行うべきだとしています。
今回の報告書を基に、国は今後、法テラスの活動内容を定めた法律の改正を検討することにしています。

高齢化が進むにより認知症の方が増加することによる大きな問題を引き起こす前兆が見られ始めています。行政としては、グループホームの確保を対策の一つとして取り組んでいるところもありますが、絶対数が間に合わない状況です。単身世帯においては、どこかの施設等に入所しなければ、安全な生活を送ることは困難ですし、子供世帯と同居していても日中独居の方が多い実情を踏まえると、リスクは同等です。高齢者が安全で安心した暮らしを過ごせるようにとサ高住の建設は補助金の後押しもあり全国的に進んでおります。ただ、認知症の方はサ高住での生活は困難でしょう。行方不明となった方の身元確認による保護も重要ですが、行方不明にならないような対策も講じなければ、根本的な問題解決にはなりません。