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2015年4月16日木曜日

地域包括ケアの認知度は?

日本理学療法士協会がこのほど公表した「介護予防や地域包括ケアの推進に対する国民の意識調査研究」の報告書によると、地域包括ケアシステムを「知っている」とした人の割合は全体の23.8%で、「詳しくは知らない」の40.5%、「知らない」の 28.3%より低い結果となりました。この調査研究は厚生労働省の2014年度老人保健健康増進等事業として行ったものです。






 調査は地域包括ケアなどに関する国民の知識や習慣を把握することを目的に実施されました。人口5~ 7万人の都市から、市町村ごとの要介護認定率が低い市の10都市(低認定率群)と高い市の10都市(高認定率群)の計20都市を抽出し、この20都市の住民基本台帳から65~84歳の計3700人をランダムにサンプリングしました。回答者1318人のうち、要介護認定を受けていないと回答した1169人を分析対象にしました。居住する市町村で行っている介護予防事業については、知っている人の割合は全体で32.6%でした。低認定率群では36.7%、高認定率群では28.6%が知っているという結果で、両者には有意差が認められました。理学療法士を知っている人の割合は全体で30.5%であり、低認定率群と高認定率群の間に有意差はありませんでした。

同協会の半田一登会長はこれらの調査結果を踏まえ、「地域包括ケアシステムや『自助』『互助』という考えがあまり国民に普及していない」と指摘されました。同協会の職能団体としての役割について「もっと『自助』『互助』という考えを普及させる一端を担わないといけない」とコメントされました。「政府だけに頼るのではなく、あらゆる職能団体を含めて、国民に理解を求めていくことが今後必要になる」と述べられ、地域包括ケアシステムの考え方の普及に向けて意欲を示しました。

地域包括ケアシステムを「知っている」国民が23.8%とは、それでも私が想定していた値よりは多いです。多くの患者等を見ているととても地域包括ケアシステムが認知されているとは感じられません。確かに地域包括ケアシステム自体が本来国民の健康のために構築を目指しているというより、社会保障費の抑制のために目指しているというところもあり、無理やり国民に地域で完結できるように誘導しようとしているところがあります。ですから、病院でも外来を締めていこうとしても、患者の理解を得られず進んで行かないのです。もっと国民の要望に沿った医療体制の構築を目指さなければ、本当に社会保障は解体してしまうのではないでしょうか。








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2015年3月21日土曜日

高齢者住まい事業者団体連合会の設立

高齢者向け住宅に関連する4団体で構成する「高齢者住まい事業者団体連合会」(高住連)は3月18日、東京都内で設立総会を開きました。来賓として出席した厚生労働省老健局の三浦公嗣局長はあいさつで、地域包括ケアシステムの構築に向け、高住連の役割に期待感を示し、「世界で最も高齢化が進むわが国において、新しい住まいの姿を提案していただくことは、世界にとっても重要な示唆がある」と述べられました。






有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)など、高齢者の住まいについて三浦局長は、「街づくり」という大きな視点でとらえる必要があると指摘されました。「建築物としての住宅のみならず、それに加えてソフト面、つまり高齢者やその家族、世代を超えた人たちが快適に安心して過ごせる機能を備えていくことが重要だ」と述べられ、地域でのさまざまな活動の中心に高齢者の住まいを位置付けていく必要性を訴えられました。

 設立総会には、同じく来賓として国土交通省住宅局の杉藤崇審議官も出席し、高齢者の住まいについて、「私は若いころからこういうものが必要なのではないかと考えていたが、現場でやるとなると課題があってなかなか進まず、歯がゆい思いをした」と心境を明かされました。さらに、厚生労働省と共に整備を進めるサ高住の数が増えている現状に触れ、「ここまで来ることができたのは感慨深い」と述べられ、高住連に対しては、事業者をけん引していく役割を期待するとしました。

 高齢者住まい事業者団体連合会は、「全国有料老人ホーム協会」と「全国特定施設事業者協議会」、「サービス付き高齢者向け住宅協会」、「高齢者住宅推進機構」が協力して立ち上げます。発足は4月1日です。今後、介護保険・医療保険制度の改正や報酬改定などについて、業界の意見を集約して行政との調整を行うほか、高齢者の住まいとサービスの在り方に関する調査研究などを行うといいます。

地域包括ケアシステムの構築において、中心にあるのは病院ではなく、住まいです。その住まいを整備しそれぞれの方にあった住まい方の質を向上させていくというのが、地域包括ケアシステムの根底にあります。ただそこにどうしても営利を求めた営利団体が参入することで、結果としてそれを規制するためのルールができて、本来の主旨に対し真摯に取り組んでいる方々が不利益を被るようなことは、もう起こらないように手綱をしっかり握っていて頂きたいものです。








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2015年2月8日日曜日

同一建物中心の訪問で在宅収入減少

 同一建物のみを中心に訪問薬剤管理指導を実施している薬局の4軒に1軒は、在宅訪問収入が減少していることがわかりました。これは先ほど開催された中央社会保険医療協議会(中医協)で公表されたもので、平成26年の調剤報酬改定の影響を調べました。その一方で、同一建物以外にも訪問薬剤管理指導を実施している薬局ではほとんど変わらないと回答した場合が多く、今回の改定は主に施設系を中心にした訪問業務を行っていた薬局に大きく影響したことが数字のうえからも明らかになりました。






 調査は同一建物における同一日の複数訪問の在宅患者訪問薬剤管理指導の実施状況の把握などを目的に行われたもので、個人・チェーン薬局など564軒から回答を得ました。調査は平成26年3月と7月を比較しました。
 薬学的管理及び指導の実施状況の比較では、総患者数3月31.4、7月31.7となっており、また日数でも3月23.3日、7月24.1日で、この結果について中医協では、「在宅で実施した薬学的管理及び指導の総患者数、延べ日数に変化は見られなかった」と結論付けています。
 回答薬局の1カ月間の取扱い処方せん枚数は平均1639.3枚。近隣の診療所から発行される処方せんをメーンに対応するのが40.9%で最も多く、さまざまな医療機関からの処方せんを応需しているが31.8%で続き、特定の病院からの処方せんを応需している薬局は23.3%となっています。
 在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定の有無では、半数以上となる55.6%が「算定していない」と回答しており、その理由では「介護保険適用の患者」が58.1%で最も多かったものの、「医師の指示がない」が12.3%見られました。
 平成26年の診療報酬改定による影響等について、同一建物のみに訪問業務を実施している薬局とそうでない薬局に訪問件数や回数、収入について尋ねたところ、制限等が設けられた同一建物中心の薬局において芳しくない状況が垣間見えるものとなりました。同一建物のみの保険薬局では訪問件数は「変わらない」が57.1%で最も多かったものの「減った」「やや減った」を合算すると約25%がこれに該当し、訪問薬剤管理指導に係る収入と回答する割合も25.0%に達し、約4分の1の薬局で件数・回数・収入が減少したことが判明しています。
 その一方、同一建物以外の薬局においては大きく影響を受けた項目はなかったものの、8.5%で収入が減少したと回答しており、全体としては大きく影響を受けた薬局は少数に留まったが、在宅医療推進の流れの中における改定としては厳しい結果が示されました。

これから地域包括ケアシステムを構築していくにあたり薬局(薬剤師)の存在というものは軽視できません。これからは多職種連携を進めていき、地域住民の参加参画も狙っていかなければならないのです。そのためには薬局の担える役割というのはとても貴重であります。同一建物への減算で厳しい局面に立たされているのは薬局だけではありません。まじめに訪問診療を行なってきた診療所でも同様に減算の影響を大きく受けております。今の制度が必ずしもゴールではなく、本当に求められている地域包括ケアシステムを構築するための制度の見直しが行なわれることを切に願います。








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2015年1月18日日曜日

地域包括ケア整備 広島県

広島県は、2017年度末までに広島県内125の日常生活圏域に地域包括ケアシステムを構築するため、先進的な圏域を選定して重点支援する取り組みを始めます。社会資源や環境の違いを踏まえ、都市型、団地型などの5類型を設け、類型ごとに計22カ所をパイロット圏域として選定しました。先進事例として積み上げ、ほかの圏城を整備する際の参考にしてもらうねらいです。






広島県の笠松淳也健康福祉局長は、「地域包括ケアシステムの構築は今後の地域医療の基盤整備につながるもので、広島県としても最も注力している事業です。今後、中心となる市および町の関係者と包括ケア構築の手法を共有していきたい」と述べられました。広島県内の地域包括ケア体制については、2012年6月に設置した地域包括ケア推進センターを拠点にするかたちで検討してきました。しかし市町関係者から「地域包括ケアの必要性は理解できるがどうつくり上げていくのか、何をすればいいのかと聞かれるのが実態」 (笠松局長)と いいます。
このため広島県は、社会資源などの違いを踏まえ広島県内の日常生活圏域を「大都市型」 「都市型」「中山間地域型」「団地型」「島しょ・沿岸部型」の5類型に分類しました。5類型の中から22のモデル的地域 (パイロット圏域)を選定し、医療中心の包括ケアシステムや福祉中心の地域包括ケアなどの先進事例を具体的に示します。パイロット圏域での取り組みを参考に圏域ごとに、地域の実状にあった地域包括ケアシステムを構築してもらう計画です。
さらに県では、地域包括ケアシステムの到達目標と、その評価指標を提示する方針です。具体的な目標・指標は検討中ですが、定量的指標として在宅看取りの件数やショートステイの日数、医療従事者・介護従事者の人数、サービスの提供量などを検討していきます。定性的指標としては、多職種連携による事例検討などができているのか、見守りなどの地域資源や住民参画の状況はどうかなどが指標の候補として挙げられています。こうした地域包括ケア体制の構築は、地域医療介護総合確保法に基づく2014年度の広島県計画でも、地域包括ケア推進センター事業およびパイロット圏域への集中支援として掲げられています。広島県の計画では、病床の機能分化・連携、地域包括ケア体制の確立 (地域包括ケア体制の構築、在宅医療(歯科・薬剤)の充実、認知症対策の充実)、 医療従事者の確保・養成(医師の偏在解消、看護職員等の確保、医療従事者の勤務環境改善) を掲げ、基金として26億4000万円 (国17億6000万円、県 8億 8000万円)の 内示を受けました。
このうち、「地域包括ケア体制の構築」に9786万円の交付金を充当するほか、認知症患者の地域生活を支える循環型医療・介護連携システムの構築に1億 7913万円、医療従事者の確保・養成に10億4893万円をそれぞれ投入する計画です。

地域包括ケアシステムとは、言葉では奇麗ですが、実情としてどのような体制なのか、どのように構築していけばよいのか、だれが主導となって進めていけばよいのか、悩んでいる地方は多くあると思います。各都道府県ですらまだ青写真がしっかりできていないのが実情だと思います。今回の広島県のパイロットは多くの注目を集めることになると思います。








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2014年12月28日日曜日

介護報酬改定に向けて

厚生労働省は12月19日の社会保障審議会・介護給付費分科会 (分科会長=田中滋・慶応大名誉教授)に 、2015年度介護報酬改定に向けた審議報告案を提示しました。早ければ2015年1月9日に予定する次回会合で審議報告を取りまとめます。






厚生労働省は、地域包括ケアシステム構築の更なる一歩となる2015年度介護報酬改定に向けた基本的な考え方として、中重度の要介護者や認知症高齢者への対応の更なる強化、介護人材確保対策の推進、サービス評価の適正化と効率的なサービス提供体制の構築、の3項目を提示しています。これまでの議論を踏まえ、サービスごとに見直し案を示しました。介護療養型医療施設では、看取りやターミナルケアなどの長期療養や、喀痰吸引といった医療処置の機能を今後も確保するため、「療養機能強化型介護療養型医療施設(仮称)」として重点評価することを盛り込みました。この提案に対しては平川則男委員(連合総合政策局生活福祉局長)から「(制度上廃上の)基本方針が変わっていないと言いつつ、新たな機能強化型を打ち出すのは、違和感を感じる。理屈として合わないのではないか」との意見も出ました。
訪問看護の見直し案では、将来的な訪問看護従事者の増員に向け、病院や診療所からの訪問看護供給量を拡大するため、病院や診療所からの訪問看護の基本報酬を引き上げる方針を示しました。鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は「病院・診療所からの訪問看護だが、病院というのは地域包括ケアシステムを構成するかかりつけ医機能を持つ中小病院が考えられる」と述べた上で、病院の機能分化や地域包括ケアシステムの方向性との整合性を図る必要性も指摘しました。齋藤訓子委員(日本看護協会常任理事)は、「多くの事業所があり市場が競合するような地域では、小さい事業所が経営困難になるのではないか」と懸念を示しました。
介護老人保健施設については、在宅復帰支援機能を更に高めるために、リハビリテーション専門職の配置などによって、在宅強化型基本施設サービス費と在宅復帰・在宅療養支援機能加算を重点的に評価することを示しました。 介護人材確保対策では、介護職員の処遇をさらに改善させるため、現行の介護職員処遇改善加算の仕組みを維持しつつ、更に資質向上などに取り組む事業所を対象に、更なる上乗せ評価を行ないます。内田千恵子委員(日本介護福祉士会副会長)は「加算が有ることで介護職員の報酬に反映されている事実もある。今後も取り組んでいただきたい」とコメントされました。一方、本多伸行委員 (健康保険組合連合会理事)は「保険料を用いて処遇改善をするのは筋としていかがなものか」と指摘され、「例外的な措置を2度にわたって実施しなければならない論拠には乏しい」と述べられました。

介護報酬はマイナス改定が多く言われている状況ですが、おそらく大きく逸れることはないでしょう。特に特養と通所介護のマイナスが言われていますが、社会福祉法人のあり方にすらメスが入れば、小規模の事業所は本当に厳しい改定になると思います。介護職員の確保がこれからも重要となりますが、加算ではなく制度の本質からしっかりと組み立てて頂いて、地域包括ケアを促進する体制を構築できる光を与えるべきではないでしょうか。








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2014年12月9日火曜日

日本型在宅 郡市区医師会にて

日本医師会の鈴木邦彦常任理事は11月23日、国立長寿医療研究センターと勇美記念財団が開催した在宅医療推進フォーラムのシンポジウムに登壇され「日本型在宅の主役は都市区医師会です。かかりつけ医にリーダーになっていただきたい」と訴えられました。かかりつけ医の研修も必要になるとし「われわれとしては、医学部教育の見直しを含めた一般臨床能力の向上と、日医の生涯教育の充実により、かかりつけ医を強化することが必要と考えている」と述べられました。






鈴木常任理事は、超高齢化社会に対応する日本の医療システムとして「既存資源である中小病院や有料診療所、診療所を活用し、施設か在宅かということではなく、施設も在宅も活用した日本モデルを構築していくことが現実的」とコメントされました。日本では中小病院や有床診療所が多く、身近な場所で入院が可能なことや、診療所の質も高く、高齢者に便利なワンストップサービスが提供できることをメリットに挙げました。その上で「かかりつけ医機能を持つ200床未満の中小病院、有床診療所、診療所がそれぞれ可能な範囲で在宅支援の機能を持ち、総合的に支援 していくことがよい」との見解を示されました。

日本看護協会の齋藤訓子常任理事も登壇し、地域包括ケアシステムにおける看護の役割について「在宅療養を最期まで支えきること」と説明されました。全国で訪間看護や介護施設に従事する看護師が、非常に少ないことを挙げ、「地域包括ケアシステムの中で働く人たちをどうやって確保していくかが一つ大きな課題」との認識を示しました。このほか訪問看護ステーションの基盤強化なども課題に挙げました。また齋藤常任理事は、市町村やかかりつけ医、また在宅医療と介護の連携の鍵は「さまざまな教育背景を持つ専門職が一堂に会し、利用者へのサービスビジョンを関係者間で徹底して共有することだ」と説明されました。「多様な職種が集うとき、1つのチームであるということを認識したい」と訴えられました。

これから進めていかなければならない地域包括ケアシステムの構築は、医師会の動きが重要となってくることは間違いないと感じます。また、逆説的にいうと、ここで医師会がしっかりと存在感を発揮できなければ、地域での確たるポジションは喪失してしまいかねません。これからいかに在宅で医療を提供できるかとなるとかかりつけ医・開業医がメインになってきます。もちろんその前で訪問看護の存在も大きくありますが、それら連携体制を構築する仕組みづくりを医師会がイニシアティブをとれるかどうか、手腕の見せ所でしょう。








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2014年12月1日月曜日

主要政党の公約 方向性

12月2日公示、12月14日投開票の衆院選に向けた主要政党の公約が、11月 28日までに出そろいました。主要6党(自民党、公明党、民主党、維新の会、次世代、共産党)の医療関連の主な公約をまとめたところ、医療・介護分野の人材確保や地域包括ケアシステムの構築など、与野党間で方向性が共通する政策も多くありました。






医療・介護分野の人材確保の必要性については、自民党、公明党、民主党、維新の会、共産党が言及しており、この点は与野党の共通認識といえます。地域包括ケアの推進に関する記述も、自民党、公明党、民主党、維新の会の公約に盛り込まれています。「医療・介護を切れ目なく受けられるよう」「住み慣れた地域で暮らし続けられるよう」といったフレーズは、与野党問わず共通して見受けられます。ただ、こうした施策を実行するために必要な財源の確保策、社会保障制度の持続可能性を高めるために進めなければならない「痛みを伴う改革」の考え方は与野党ともに具体的には踏み込んでいません。
保険外併用療養費制度の拡充をめぐっては、維新の会と次世代が「混合診療解禁」を掲げました。自民党も「あらゆる岩盤規制を打ち抜く」姿勢を示し、新たな保険外併用療養費制度の仕組みとなる「患者申出療養 (仮称)」の創設など、健康医療分野において国民の健康回復や増進、利便性向上につながる規制改革を「一層推進する」としました。
逆に共産党は「保険外治療の拡大や混合診療の解禁に反対し、必要な治療は保険で給付する国民皆保険を守り、拡充する」としました。維新の会は規制緩和・市場原理主義の導入に積極的で「医療法人、社会福祉法人の制度改革で株式会社の参入促進」「診療報酬点数の決定を市場に委ねる制度への移行」なども掲げています。
一方、今回の衆院解散・総選挙の引き金となった消費税率引き上げを先送りすることに対 し、明確に反対と唱えている党はありませんでした。民主党も先送りを容認しているが、その理由として「アベノミクスによる国民生活の悪化・経済の低迷、約束していた社会保障の充実・安定化および議員定数の削減が果たされていない」ことを挙げました。
この忙しい12月に選挙とは本当に大変なことと思いますが、医療介護の分野においては、あまり政党ごとの政策の差はないかと感じました。確かに医療・介護の分野に絞り込んだ視点だけでは判断できないこともありますが、ただなんとなくチャンチャンで終わりそうな気がしています。本当に国民の生活を守るための医療と介護の制度改革は、一筋縄ではいきそうにありませんが、ただ弱者にしわ寄せがきたり、まじめに頑張っているところが報われないような制度だけは回避していただきたいものです。








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2014年10月25日土曜日

2013年介護サービス施設・事業所調査   厚生労働省

厚生労働省が10月21日に発表した「2013年介護サービス施設・事業所調査」によると、2013年10月1日現在における介護療養型医療施設は1647施設で、前年から112施設減少しました。介護保険3施設における在所者数の割合も7.6%で、0.9ポイント減少しました。利用率は92.2%で9割を超えている状況です。






他の介護保険施設を見ると、介護老人福祉施設は6754施設で、前年から164施設増加しました。介護老人保健施設も3993施設で62施設増加しました。利用率は介護老人福祉施設が97.9%、介護老人保健施設が91.2%と、3施設全て9割を超えました。3施設の在所者数 を要介護度別に見ると、介護療養型医療施設では要介護5が57.3%、要介護4が31.1%で、重度者が9割近くを占めています。平均要介護度は4.41でした。介護老人福祉施設では要介護5が34.3%、要介護4が33.0%で7割近くを占め、平均要介護度は3.89でした。介護老人保健施設は、要介護4が27.0%、要介護3が23.9%などで平均要介護度は33.0でした。
3施設の退所者の行き先では、介護療養型医療施設では死亡が41.4%で最も多く、介護老人福祉施設では死亡が72.7%、介護老人保健施設では医療機関が40.6%となっています。
訪問看護ステーションは7153施設で、前年から563施設増加しました。2013年9月中の利用者の状況を見ると、利用者1人当たりの訪問回数は、介護予防サービスでは4.4回、介護サービスでは5.8回となっています。要介護度別では、要介護5の訪問回数が6.9回で最 も多く、重度になるにつれ訪問回数が増加しました。24時間型の定期巡回・随時対応型訪間介護看護は281施設に増加しております。

いつも医療費の抑制に向けた話題が取り上げられていますが、今後は医療と介護が垣根なく取り上げられていくのではないかと考えられます。ただ、高齢化が進み、地域包括ケアシステムの構築と介護の役割は大きくなっていく中で、在宅への依存度というか期待が高くなってきており、訪問看護がいかに機能を高めていくことが求められていくと思います。今は絶対数が少ない分、施設数も増加傾向ですが、本当に在宅で求められている在宅医療を担う訪問看護となれば、機能強化型・大型化のステーションとなっていくのは自然の流れであり、小型のステーションの少人数で厳しい運営との格差が大きくなるのではないか、地域での訪問看護ステーションの存在意義をいかに発揮するか、機能を高めることがこれから求められていく時に進んでいくでしょう。








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2014年9月11日木曜日

地域包括ケアにむけて 地域の取り組み

 大阪府豊中市の佐藤敏栄(さとう・としえい)さん(84)は約10年前に妻を亡くして以来、人付き合いがめっきり減りました。もともと社交的なタイプではなかったのですが、1人暮らしで孤独感は募る一方になりました。「もう生きていくのは無理」と思い詰めるようになっていきました。
 ちょうどそんな頃、市社会福祉協議会が独居高齢者を対象に訪問サービス「安心協力員」を始めることを知りました。2010年のことでした。
 佐藤さんから問い合わせを受け、サービスにつないだのは市社会福祉協議会事務局の勝部麗子(かつべ・れいこ)次長でした。「一般に、配偶者を失って受けるダメージは女性より男性の方が大きいです。ギリギリのSOSだったと思います」と振り返ります。






 勝部さんは「介護保険サービスを使わず、生活保護受給の対象外で、近所の世話にもなりたくない―。こうした方々は地域の見守りの網から漏れてしまっています」と指摘します。
 都市型住民の社会的孤立を解決するための新たな方法が安心協力員です。研修を受けた協力員が高齢者を訪ね、顔なじみの関係をつくります。急病時の買い物支援なども行います。
 最大の特徴は有料である点です。登録料が2千円、訪問料は1回800円になります。近所づきあいのしがらみに煩わしさを感じるような人でも、対価を支払う分、割り切って気軽に利用できるというわけです。
 「地域の情報も分かるし、心がつながる感覚がありがたいです」。佐藤さんは月に1度の女性協力員の訪問を心待ちにしています。
 国立社会保障・人口問題研究所の2012年の調査では、65歳以上の独居男性の16.7%が「2週間に1回以下」しか会話がないとのことです。会社中心の生活が長く、地域活動に疎い男性ほど、高齢期は自宅へ引きこもりがちになります。
 そんな人たちを家から引っ張り出そうと、愛知県北名古屋市の高齢福祉課は「男性のための料理教室」を開いています。講師も男性が務め、参加者からは「男だけなので気楽です」と好評です。
 「男性は包丁さばきなど腕を競いたがり、雰囲気がギスギスしやすいです。最初に『技能を見せつけ合う場ではない』と徹底します」と、講師で管理栄養士の伊藤邦彦(いとう・くにひこ)さんを語ります。
 参加者のきずなは自然と強まり、OB会も結成されました。不器用だった男性たちが今では毎月、市内の障害者施設で別の高齢者たちに家庭料理をふるまうまでになりました。伊藤さんは「料理を通じ、地域内で支え合う仕組みができたら最高です」と話します。
今、地域包括ケアシステムの構築が進められていますが、その中心にあるのは住まい(在宅)で一番身近にあるべきものは地域の交流等による生活支援です。これはなかなか制度化するのは難しく、本来の趣旨からいっても制度化するべきものでもありません。自治会やボランティアなどが中心となってつながり「絆」を広げていくことが、自然のあり方だと思います。そこからコミュニティが派生し、在宅での生活をより充実し不安を払拭した働きになっていくのです。そういう意味での地域包括ケアシステムのあるべき姿への道のりは、今の希薄化している日本の地域社会においては、なかなか険しい道のりではないかと危惧します。








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2014年9月9日火曜日

地域包括ケアシステムにむけて 塩崎恭久厚生労働相

塩崎恭久厚生労働相は9月8日、専門紙記者クラブの共同取材に応じ、医療介護総合確保法(医療介護一括法)に従って構築する地域包括ケアシステムについて「考え方・方向性は間違っていないので、どのようにスムーズに進めていくかが課題です」と述べられた。社会保障制度改革全般については、持続可能性と国民の納得・安心を重要視し、プログラム法にのっとって着々と進めるとしました。塩崎厚労相は地域包括ケアシステムを構築する上での課題として、まず医療と介護の有機的な連携を挙げられました。「これまでは違う世界でやってきた医療と介護を一体になって提供できるようにするための法律が総合確保法です」と説明されました。「地方公共団体なども、ばらばらではいけない」と述べられました。医療・介護のコストを抑えるために、ニーズに合った負担とサービス提供をどのように追究するかも課題としました。一例として介護保険における予防給付の地域支援事業化を挙げ「いろんな工夫をしながら地域のニーズに合うことが大事」と強調されました。「コストとニーズがマッチした形で実現するように、きめ細かに見ていかなくてはいけない」と述べられました。





医療保険制度改革については「負担と給付のバランス」が重要と述べられ、まず効率的な制度にしてできる限り不必要な支出は抑えていく姿勢を示しました。負担面では「あまり重くならないように、能力に応じた負担の在り方を今まで以上に考えようという哲学で、プログラム法が進んでいく」と説明されました。国保の都道府県移行についても、利害が錯綜する部分を整理して、地方三団体との議論を深めていくとしました。

2015年度介護報酬改定に向けては、処遇改善や人手不足に問題意識があるとし「誇りを持って働けるような条件をどのように整えるかを考えなくてはいけない。簡単ではないので、審議会での意見を伺いながら年末に向けて決めていく」と述べられました。消費税率引き上げについては「法律で来年10月から10%に上げることが決まっており、財源全てを社会保障に使うというのが国民への説明だ」と強調されました。「効率化と充実を図りつつ、今のまま赤字国債でファイナンスしてはいけない」とも述べられました。その一方で「前提は経済をどれだけ強くするか。国民生活もあるから、12月に向けて総理がいろいろな検証を行った上で、正しく決めていかなくてはならない」と述べられました。

これから塩崎恭久厚生労働相にとっては山積みの問題を一つ一つ解決していかなければならず、どれも一筋縄ではいかない為、それぞれの利害関係を見ながら調整し御苦労されると思います。それでもねじれ国会が解消され自民党がある程度自由に行なえているので、強硬なことも多少あるかと思いますが、国民にしわ寄せがいかぬよう、お願いしたいものであります。








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2014年7月28日月曜日

究極のかかりつけ医

日本医師会の横倉義武会長は7月19日、岐阜市で開かれた全国有床診療所連絡協議会総会で講演されました。有床診は外来と入院を切れ目なく提供できる「究極のかかりつけ医」として期待されていると説明され、地域包括ケアシステムの中で重要な役割を担う存在だと期待を示されました。また、日医は有床診が今後も地域で確実に役割を果たせるよう協力する意向を示されました。
横倉義武会長は「地域包括ケアシステムと有床診療所」のテーマで壇上に立ち、「わが国の人口動態の変化に合わせて新たな地域社会の構築、まちづくりが求められています」と言及しました。その上で有床診は外来と入院の切れ目がない「究極のかかりつけ医」となり、地域包括ケアの中で医療をきめ細かく支える重要な役割が期待されていると説明されました。「今後はその期待に応えていくことが必要です。介護サービスを含めた医療・介護を包括的に提供できる体系としても地域に貢献していくべきではないか」と呼び掛けました。







病床機能報告制度で有床診が報告する「病床の役割」については①病院からの早期退院患者の在宅 ・介護施設への受け渡し機能②専門医療を担って病院の役割を補完する機能③緊急時に対応する医療機能④在宅医療の拠点としての機能⑤終末期医療を担う機能―の5つから選択(複数可)することを挙げ、「それぞれの有床診が自院の機能を示し、それらが地域医療ビジョンに反映されることが重要です」と述べられました。地域医療ビジョンの中で各地域の有床診の位置付けや役割、機能を明確にして人員強化も図るべきとも述べられ、「日医として引き続き支援していきたい」と協力を約束しました。
日本医師会の鈴木邦彦常任理事はこれからの有床診に期待する取り組みとして、介護保険分野への積極的な関与を挙げられました。鈴木常任理事は今後の有床診について「地域での立ち位置をどのように確立するか」という側面がポイントになると指摘しながら「有床診は、かかりつけ医機能を持ち、入院機能もあります。地域包括ケアの中で重要な役割になります」と述べられました。さらに 「介護の需要は医療よりもはるかに増えます。有床診の活躍が期待されます」 として、介護保険分野への積極的な進出を促しました。
日医総研の江口成美主席研究員は、有床診の収入の約3分の2が外来であることから「今回の診療報酬改定で点数がついた『主治医機能』にしっかり取り組むことが生き残りへの基本ではないでしょうか」と説明されました。入院については「稼働していない病床があるので、しっかり動かしていけるようになることも重要です」と説明されました。

これから地域で診ていく地域包括ケアが構築されていけば、かかりつけ医である開業医の主治医の役割というのは、非常に大きなものになっていきます。ゆるやかなゲートキーパーなどと言われていますが、国の方針としてはギュッとそこで絞めて、病院には行かずに完結させることで医療費を少しでも抑制したいというのが本音でしょう。但し患者も入院したいと思っている方はごく一部です。生活出来る環境が整っているのなら自宅で過ごしたいと思っているのです。そこでどうしても症状が悪化した場合には、有床診で短期的に診てもらえたらと望んでいます。確かにそこだけ見れば理想的ですが、「究極のかかりつけ医」である有床診の開業医にとっての負担は大きすぎるモノです。しっかり全体を診た上での方向性を示して頂かないと一部に極度の負担がかかってしまうと、地域包括ケアは実現できない夢物語となってしまわないか危惧します。






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