2015年5月2日土曜日

診療報酬本体はマイナスが必要

 財務相の諮問機関である財政制度等審議会(財政審)の財政制度分科会が4月27日開かれ、財務省は、国民皆保険制度を維持していくためには診療報酬本体と介護報酬を2020年度にかけてマイナスにする必要があるとの認識を示しました。診療報酬については、2001年時点での大枠を100とすると、2012年度の大枠は微増の100.6に相当しますが、実際の医療費は改定率よりもハイペースで増えているといい、財務省ではこうした実態を踏まえて診療報酬改定の在り方を検討していく必要を強調しています。






 財務省は、国民皆保険を維持するための改革として、公的保険の給付範囲の見直しやサービス単価の抑制などを掲げています。サービス単価の抑制策には調剤報酬の見直しや費用対効果の評価を踏まえた新薬の薬価算定の適正化を挙げており、さらに、診療報酬本体と介護報酬については「マイナスとする必要」があるとの認識を示しました。財務省では、診療報酬を1%引き下げた場合の医療費の削減効果を約4300億円(税金約1660億円、保険料約2100億円、患者負担など540億円)と見込んでおります。
 公的保険の抜本見直しを実現できずに幅広くカバーして国民皆保険制度を持続させるためには、診療報酬本体や薬価、介護報酬をさらに大幅に抑制する必要があることも指摘しています。また、薬価調査に基づく薬価の見直しでは市場実勢価格の反映にすぎず、マイナス改定分の財源を診療報酬本体などに付け替えるべきではないとの考えも示されました。
 医療提供体制の見直しの具体策としては、診療報酬が高く設定されている「7対1」入院基本料の算定病院が過剰な一方、リハビリテーションなどが必要な患者の受け皿が不足している状況をあらためて指摘されました。その上で、都道府県が地域医療構想の実現を進める過程で知事の勧告に従わない医療機関への報酬単価を減額するなどの仕組みが必要だとの認識を示されました。このほか、ナショナルデータベースを分析して外来医療費の地域格差の解消につなげる必要性も強調しています。
 財政制度等審議会では、2016年度の予算の編成に向けた考え方(建議)を、6月をめどに取りまとめることにしており、これらの具体策はそれに向けた論点という位置付けで、引き続き議論を続けます。
 財政制度分科会はこの日の会合で、国民皆保険を維持させるには、社会保障の充実分を除く費用の伸びを、今後5年間に最大でも高齢化分の2.5兆円以内に抑える必要があるとの認識で一致しました。政府が国際公約に掲げている基礎的財政収支(プライマリーバランス)の20年度までの黒字化達成をにらんだもので、診療報酬や介護報酬のマイナス改定を論点に盛り込んだのもそれに向けた対策の一環になります。

確かに膨らみ続ける社会保障費ついては、国の財政を大きく圧迫しております。早期に何とかしなければならないと財務省が考えるのは当然です。その時に一部の指標だけで諸外国と比較して、高いだの低いだのと声を荒らげる方がいますが、私からするとどうかと思います。まず日本の医療において諸外国にない素晴らしい制度として国民皆保険があります。フリーアクセスの定義のすり替えなど諸問題も見え隠れしておりますが、それでも国民の健康を維持していこうという素晴らしい社会保障制度であると思います。風土文化が異なる諸制度を持ち込んでも成功するとは考えにくいです。今から日本が進むべき道は、諸外国の模倣ではなく、日本としての日本人にふさわしい制度構築であると思います。








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