2015年5月20日水曜日

医療費の適正化が進まない地域の診療報酬を引き下げ

政府の経済財政諮問会議が5月19日開かれ、サントリーホールディングスの新浪剛史代表取締役社長ら民間議員は、地域医療構想に沿った地域ごとの病床再編や医療費の地域格差解消を促すため、医療費の適正化が進まない地域の診療報酬を引き下げる仕組みの導入を提案しました。民間議員らは入院受療率と病床数に高い相関があり、これが住民1人当たりの医療費に地域差をもたらしているとみていて、診療報酬の見直しによって医療機関を誘導したり、保険者機能を強化したりすることで、こうした格差の解消につなげる狙いです。






また、塩崎恭久厚生労働相は、後発医薬品の使用を一層促進するため、「新たな目標を設定することが必要」と述べられ、現在の進捗状況を踏まえた具体的な目標を提示する考えを明らかにしました。後発薬への切り替えを進めるため、政府は現在、「2017年度末までに数量シェアで60%」を目標に掲げていますが、民間議員らは米国やドイツ並みの「80-90%」に目標値を引き上げるよう提案しています。
 ただ、塩崎厚労相は「社会保障費の増加を高齢化要因の範囲に抑制すべきとの提案は、経済成長や医療の技術高度化を抑制する恐れがある」とも述べました。
 民間議員はほかに、医薬品や医療技術の費用対効果の評価を踏まえた保険収載の範囲の見直し、薬価改定の頻度の見直しを含めた診療報酬の適正化、介護サービスの大規模化・連携による介護事業の効率化と地域包括ケアシステムの構築なども提案しました。
 また、病床数、平均在院日数のほか国保被保険者や後期高齢者の入院受療率などについて、2020年度を見据えた成果目標(KPI)を都道府県に設定させ、2018年度の中間評価の結果を補助金・交付金の配分に反映するよう、国に求めています。
  いずれも政府が今年夏に取りまとめる財政健全化計画をにらんだもので、これからの「議論の土台」という位置付けになります。甘利明経済再生担当相は、「民間議員の提案の必要性・重要性については合意が得られたと思う」「計画の取りまとめ段階で書き込めるものは書き込み、その後さらに専門調査会を活用して具体化したい」などと述べられました。
診療報酬によるインセンティブについて、5月12日に開いた前回の会合では、地域医療構想を実質的に前倒しで実現できるよう、報酬改定などによって「来年度から最大限の取り組みを開始する」としていました。
これに対して今回は、医療ニーズに応じた効果的な病床配置や在宅ケアを推進するため、診療報酬体系を来年度から大胆に見直す必要性をあらためて強調されました。その上で、「病床再編・地域差解消を促進するよう、医療費適正化の改革が進まない地域における診療報酬の引き下げも活用する」などと踏み込みました。
 甘利経済再生担当相は、「(自治体の)ベストプラクティスを横展開していく」「同じような条件の自治体でも、(1人当たりの医療費に)格差が生じている。ある自治体でやっているような対応を、ほかの自治体でできないはずがない」などと述べました。

最近の動きが加速化してきたというか、いよいよ本格的に稼働してきたと感じるところがあります。ただ、それでもロードマップにたどると決してその進捗は順調とは言えず、各医療圏において最適な医療提供体制が構築できるのかどうか、ある一定の外的な力を働かせなければならない状況であるという危機感は多くの方が持っております。それでも、医療の本来の意義をおきざりにすることなく、国民の健康維持のための提供体制の最適化ということからぶれないように進めて頂きたいものです。






ブログランキング参加中です
応援お願いします


にほんブログ村 病気ブログ 医療情報へ


0 件のコメント:

コメントを投稿