2015年5月24日日曜日

国家戦略特区の医学部新設について

日本医師会 と日本医学会、全国医学部長病院長会議は5月13日、国家戦略特区による医学部新設に反対する考えをあらためて表明しました。 日医の横倉義武会長は、従来の主張を強調し、政府に慎重な対応を求めました。3団体が合同で医学部新設に反対する会見を開いたのは2月以来です。






東京圏国家戦略特別区域会議の「成田市分科会」で新設に関する議論が進んでいることに対して「十分な情報を国民や医療界に開示することなく、結論ありきで進められている」と指摘されました。国民に周知した上で十分な議論を尽くすべきとの立場を強調する一方、これからの医学部新設は医師不足対策につながらないことや、地域医療の再生を妨げる恐れがあることなど、従来から懸念する問題点に理解を求めました。横倉会長は「国家戦略特区による医学部新設は国民が求める医療を崩壊させる」として医育、医学、医療界の総意として医学部新設に反対していると説明されました。「これまでの医師数の伸びを踏まえると、今後の環境変化や勤務医の負担軽減にも対応できる。増加した医学部入学者が医師として医療現場に就業した状況を見た上で医学部定員の議論をすべきだ」と訴えました。また、今回の医学部新設に関する検討に対し、文部科学省と厚生労働省の関わりが消極的だと非難されました。「医師の教育の在り方や、その後のことを考えれば、文部科学省や厚生労働省が関与すべきことなのに、両省が十分に関与しないままこのような話が進んでいる。両省はもっと真剣に取り組んでもらいたい」と苦言を呈しました。
日本医学会の高久史麿会長は、医学生の増加による「質」の問題に言及されました。「大学入試センター試験の成績が下がってきています。臨床実習前の教養試験の再試験者の割合 も増えている」と学生の質に悪影響を及ぼしていると主張した上で、医学部新設がそれら に拍車を掛けることになるとの見解を示しました。全国医学部長病院長会議の小川彰顧問 は「成田市分科会の検討はマスコミに十分な情報が届いていないなど、開催時期や議論の方向性などが国民に情報開示されていない」などと述べ、分科会の運営自体に疑問を呈しました。 千葉県医師会の田畑陽一郎会長は、病床使用許可を取得したにもかかわらず病床を稼働できない医療機関があると説明した上で、医師や看護師の引き抜きに強い警戒感を示しました。

私見ですが、日医はあくまで既得権を守るためだけに主張していると捉えています。医師が増えことで自分たちの既得権が侵されることをおびえているとしか思えません。諸外国に比べて日本は医師数が少ないことは周知の事実であり、それが入院期間の増長の要因にもなっているという見解もあります。ときどき入院ほぼ在宅を実現するためにも、入院期間は短くなければならないはずであります。今回の医学部新設でそれほど大きな影響があるとは思えませんが、要は決壊して歯止めが利かなくなることへの抵抗なのでしょう。しかし、本当に医療提供体制を維持するためには、医師数の理想値についても考慮しなければ、実現は困難であるでしょう。








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