2015年6月28日日曜日

84億円の赤字要因は2014年度改定と消費増税 国立大学附属病院

国立大学附属病院長会議は6月22日の会見で、国立大学42大学43病院における2014年度収支決算での84億円の赤字見通しについて、2014年度診療報酬改定におけるDPC係数や手術料の引き下げや、同時に実施された消費税率の引き上げに伴う診療報酬での不十分な補填などが赤字要因になっているとの分析結果をあらためて明らかにしました。






病院長会議によると、42大学43病院の収支決算では約84億円の赤字を見込んでおり、その内訳は診療報酬マイナス改定による影響額が約23億円、消費増税の影響額が約54億円などとしました。実際に収支差し引きでマイナスとなる病院は22病院、その内、収支差が5億円を超える病院は9病院でした。平均すると1病院当たり平均2億円の減収になるとしました。この影響で、設備備品費が前年度比較で約87億円の減額になっているとしました。山本修一常置委員長(千葉大医学部付属病院長)は「消費税の補填が不十分なために発生した54億円のマイナス影響は2015年、2016年と確実に続く。もはや経営努力の範疇の問題ではない。高度医療を提供している大学病院が設備投資できない状況は、日本の医療に与える影響も少なくないのではないか。極めて厳しい状況だ」と強調されました。さらに、病院長会議では、2014年度診療報酬改定ではDPC係数や手術料の引き下げが大きな要因になると分析しました。石黒直樹氏(名古屋大医学部付属病院長)は、2016年度改定に向け、DPCにおける暫定調整係数の基礎係数と機能評価係数Ⅱへの置き換えが不十分との厚生労働省の調査結果などを踏まえ 「今後、われわれもDPCにおける調整係数について調査したい」との考えを示しました。
一方、山本常置委員長は、消費増税への対応について「2017年4月に税率が引き上げられる時に、課税あるいは現行の診療報酬による補填など選択肢がある。ただ、直近の課題としては、補填が不十分な状態が続いていくことから、何らかの対応を講じてもらえるか、各方面に働きかけていきたい」と述べ、再増税までに何らかの支援策が不可欠との認識を示しました。このほか、会見では「国立大学附属病院長会議将来像実現化年次報告2014/行動計画2015」についても報告しました。

2014年度の改定と消費増税は国立大学付属病院に限らず市中病院も厳しいインパクトがありました。また次回の改定も厳しくなることは避けられず、本当に地域の健康を守っていける病院は存続できるのでしょうか。何か、抜本的な改革が必要ではあると思いますが、それによって伴う痛みも大きなものである覚悟が必要なのでしょう。








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