2015年6月7日日曜日

一般病床、在院日数短縮するが、病床利用率も低下

厚生労働省が6月2日に発表した病院報告によりますと、2015年2月に一般病床の平均在院日数は17.0日で、前月に比べて0.7日短縮したものの、病床利用率も0.8ポイント低下したことなどが分かりました。






病院報告では、(1)1日平均患者数(2)平均在院日数(3)月末病床利用率が毎月示されます。2015年2月の状況では、(1)の1日平均患者数は、病院全体では入院128万9738人(前月比2万1991人、1.7%増)、外来137万3671人(同5万9519人、4.5%増)と、入院・外来とも増加しました。診療所の療養病床では入院6957人(同4人、0.1%増)の微増となっています。
 一般病床の入院患者数は69万9136人で、前月比1万8104人(2.7%)増加しています。また、療養病床の入院患者数は29万5754人で、前月比3039人(1.0%)の増加となっています。
(2)の平均在院日数を見ると、病院全体では29.6日で、1.4日短縮しました。病床種別に見ると、一般病床17.0日(前月比0.7日減)、療養病床153.0日(同11.0日減)、介護療養病床296.6日(同31.5日減)、精神病床277.4日(同23.5日減)という状況。また、有床診療所は95.8日(同7.0日減)で、すべての種別で短縮しています。
 在院日数の短縮は、医療費の効率化や、院内感染リスクの解消やADL低下の防止など医療の質の向上につながるため、政府の重要政策の一つに位置付けられていますが、月ごとの変動も大きいため長期的な視点で見る必要があります。
最後に(3)の月末病床利用率を見ると、病院全体では79.5%で、0.4ポイントとわずかながら低下しました。病床種別では、一般病床73.7%(同0.8ポイント低下)、療養病床89.8%(同0.4ポイント上昇)、介護療養病床92.5%(同0.5ポイント上昇)、精神病床86.2%(増減なし)となっており、前月から大きな変化はありません。
在院日数短縮を進めると、病院の経営面では減収方向にシフトするため、病床稼働率を上げる必要があります。その際、地域の医療機関との連携強化による集患対策はもちろんですが、ほかにも病床規模の縮小や機能転換などの多角的な対策も検討する必要があります。

 一般病床については、平均在院日数が0.7日短縮したものの、病床利用率も0.8ポイント下がってしまっており、「稼働率向上」対策が十分に機能していない状況がうかがえます。この空床をどのように考えるかで、病院の運営は変わってきます。空いているよりは今の患者にいてもらった方が収益を確保できると考えて、患者の在院日数が長くなるように働きかけている病院は、まだまだあります。実際、損益分岐を上下に移動している医療機関でしたら、今月は何とかしたいと部分最適に目線が行ってしまった誤まった方向です。正直、経営幹部もそれは分かっていながらも、病院を存続させなければならず、そのためには必要最低限の利益を確保しなければなりません。医療の世界は法に守られたブルーオーシャンだと他業界からは見られているところがあるようですが、実状はそんなに生ぬるくない状況で地域の住民の健康に対する安全と安心のために努めています。








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