2015年3月30日月曜日

85万人 がん罹患数

国立がん研究センターは3月26日、医療機関が任意で参加している「地域がん登録」の2011年分データを分析して罹患数や罹患率の推計値などをまとめました。「全国がん罹患モニタリング集計2011」(MC I J2011)を医療関係者向けにホームページで公開しました。






がん罹患数は、MC I J2010と比較して4万8905人増の85万1537人でした。男女の内訳は、男性が49万6304人(2万9802人増)、女性が35万5233人(1万9103人増)でした。MC I J2010と比べてがん曜患数が約5万人増えたことについて、国立がん研がん対策情報センターがん統計研究部地域がん登録室の松田智大室長は「データの精度が上がったためとみている。これまで把握漏れしていた患者が大部分を占めている。がんのリスクが急増 したわけではないと解釈している」と述べられました。MC I J2011では、地域がん登録のデータ精度を測るための指標となる「DCO」「DCN」「IM比」の3指標で設定した国際基準を全て満たす14県のデータから罹患数と罹患率を推計しました。部位別の推計罹患数の上位5位は、男性が胃(9万83人)、前立腺(7万8728人)、肺(7万5433人)、大腸(7万2101人)、肝(2万9192人)の順、女性が乳房(7万2472人)、大腸(5万2820人)、胃(4万1950人)、肺(3万6425人)、子宮(2万6741人)の順でした。人口10万対の年齢調整罹患率は、男性が449.0人、女性が305.5人でした。
がんの罹患と死亡を都道府県別に全国と比較できるように色分けした地図も公開しました。DCOかDCNの基準を満たし、IM比を満たした39県のデータを分析し、全国の推計値を100として、各都道府県が「120以上」「100~120未満」「80~100未満」「80未満」「比較不可または地域がん登録データ未提出」と判別できるように示しました。地図は男女別で、全部位のほか、胃、大腸、肝、肺、乳房・子宮 (女)、前立腺 (男)の部位別に分けて示しました。ただし、都道府県別の実数は公表されませんでした。その理由について松田室長は「地域がん登録のデータ未提出の県があるなど精度に都道府県格差があるため、ランキング化するようなことは現時点では不適切」と説明されました。国立がん研の堀田知光理事長も「まだ不完全なデータだが、(2016年1月の罹患分から始まる)全国がん登録に向けて(都道府県による)差がないものにしていくため、こういうことができるということを示しておきたかった」と強調され、「各都道府県に見ていただき、精度を上げるための 努力を促す意識付けをするためあえてこの段階で出すことにした」と狙いを説明されました。国立がん研究センターは今後、医療関係者向けの集計表を4月上旬に、一般向けの「最新がん統計」を4月中旬に、ホームページ上で公開する予定です。

最近特にがんに関連するニュースが市民レベルで多くなってきているように感じます。医療業界においては改めて注目するような内容でなくても、一般市民においては目新しいニュースというものも多く、それだけ市民へ向けた発信が増えてきているように感じます。それは、がん検診の低迷などの実状を踏まえ、政府としても本腰を入れ始めた表れではないかと感じております。今回のデータの公開も罹患状況や死亡状況を都道府県別で可視化したところで本当は一人ひとりの市民の生活はあまり大きく変わることはないと思います。しかし、がんに対する意識が変われば、そこからの行動の変化が期待できるところがあります。実際、どれだけ多くの医療機関が市民講座などを開催しても、関心を持って出向いてくる方はごくごく一部の方に過ぎません。それでも草の根運動的に継続されている医療機関も多くあると思います。一人ひとりの意識を変えるきっかけとして、情報が発信されているのは、良いと思います。後はそこを広げる支援活動を行なっていくことが必要なのでしょう。








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