2015年3月22日日曜日

医師の給与水準は横ばい

 医師にとって転職可能な年齢は20~70歳代 まで、つまり何歳になっても年代に応じた働き口があります。急性期病院からの求人では、経験10年目前後が一番人気です。50歳代での転職は、慢性期病院の求人が多くなります。介護老人保健施設ではベテラン、70歳以上の方が良いこともあります。ただ、一般的には各部門のトップが40歳代後半から50歳代なので、それより年下の年代が好まれます。トップに従ってくれる40歳代が一番理想的と言われ、30歳代後半は自立していて一番稼げるという感覚を持つ医療機関は多いです。






 一般的に、医師の給与水準は経験年数に従って上昇します。診療科目やエリア、病院種別によりバラつきはあるものの、卒後しばらくは一定程度の幅で上昇し、10年目当たりで1000万~1500 万円になります。15年目当たりからは役職を持ち始めることで 1500万~1800万円に至る、というのが一つの目安のようです。
 ただ、大学病院の場合、教授で1000万円代前半、助教では数百万円という場合もある。国立大学病院では経験20年の助教で、当直をしたとしても800万円台半ばです(アルバイトでの収入を除く)。子どもを医学部や私立学校に入れようと思ったときに成り立たないという医師も多いのが現実です。
 2015年の医師の給与水準は、ばらつきがありつつも、例年と横ばいに推移している印象です。しかし、診療科によっては診療報酬改定に左右されるものもあります。2012年度の診療報酬改定では在宅医療の診療報酬が増額されましたが、2014年度の改定では患者紹介で報酬を受け取る事業者が現れたとの指摘があり、大幅に削減されました。特に施設向けの在宅医療に注力していた医療機関では影響が大きく、給与水準も連動して下がっています。眼科でも、以前であれば平均在院日数削減効果が期待され、高額な給与を払って眼科医を集めるということがありましたが、2014年度の診療報酬改定で平均在院日数の計算式が変わり、そういった動きは下火になりました。
 民間病院では実績やスキルによって給与を払う格差の傾向が強まっています。経験12年目でも内視鏡手術で実績があれば15年目相当の給与となりますが、経験20年目でも実績に不安を覚えたら昇給額が抑えられることもあります。
 民間病院では集患計画の中で売りになる診療科を作ろうという動きが強まっており、そこで力を発揮できる医師への評価は高くなってきています。例えば消化器分野で力を入れていくと決めた病院では、内視鏡技術認定医、かつ国際学会で発表していれば法人規定プラス500万円というケースもあります。
 地方では総じて人手が足りておらず、年収2000万~2500万円という高待遇になるケースもあります。ただ、子育てや生活環境の点から都市部を希望する医師は依然として多いのが現実のようです。

これから医師においても実績やスキルによって、また勤める先によって大きく給与が変わってくる格差が広がりつつあります。現に地方の病院では医療体制を維持するために何としても医師を確保しなければならないのですが、地方の病院を希望される方は少ないので需要と供給のバランスによって自然と給与は変わってくるでしょう。そうなると都市部でしっかりと給与を確保するためには実績とスキルが必要になるわけで、病院を転々とするのも明暗が分かるでしょう。








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