2015年3月7日土曜日

医療事故発生リスク、病床規模増で上昇傾向

日本病院会は3月2日の記者会見で、1病院当たりの医療事故による死亡件数が年間平均0.3051件となり、発生件数は先進的な医療を提供する大規模病院ほど増える傾向がある調査結果を明らかにしました。結果を全国8540病院に当てはめると医療事故による死亡件数は年間1225件となる推計値も示しました。






日本病院会が実施した「2014年度医療安全に係わる実態調査」は2014年10月3日~11月28日に実施されました。調査対象となった2399病院のうち有効回答は885病院でした。2011~2013年度の3年間の医療事故への対応調査をみると医療事故による死亡件数は810件で、1病院 当たりの死亡事故の発生件数は平均0.3051件でした。病床規模別に事故発生件数をみると、100床未満では1病院当たり年間0.0285件だったのに対し、100~199床で0.0669件、300~399床で0.3239件、500床以上は0.7326件と、病床規模が大きい程、事故発生件数は増える傾向にあるとしました。同調査を担当した木村壮介・医療の安全確保推進委員会委員長は「3年間の調査だからこそ確認できたことも多い」と述べられ、医療事故の実態をより把握するため、調査設定期間を3年間に設定した意義を強調しました。また、今調査結果を全国8540病院に当てはめて合計していくと、医療事故による死亡件数は年間1225件になるとの推計値も公表しました。
一方、調査では、原因究明の際の医療事故報告書を作成していると回答したのは 84.3%でした。原因究明の結果を、患者・家族に説明しているのは78.3%、説明していないのは15.7%でした。2015年10月スタートの医療事故調査制度に向け、院内事故調査報告書を匿名性を配慮しながら「当然手渡すべき」としたのが73.9%、「渡さなくてもいい」が13.2%となりました。
堺常雄会長は、調査結果について「事故調査の報告は、患者家族が納得、理解できる形で説明すべきとの意見が常任理事会でも大勢だった」と説明されました。木村委員長も「院内事故調査情報について遺族と病院で共有することが大事。真実を伝えることがおろそかであってはいけない。国民も医療への理解を深めてもらい、両者が努力しなければいけない」と述べられました。また、定例会見では地域医療構想も話題に上がりました。厚生労働省の「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」の次回会合で議論される可能性が高い病床稼働率について、「厚生労働省が提示した数値は高い」などの意見が出ていることなども報告されました。

医療事故発生リスクを病床規模との相関関係で判断するのはいかがなものかと私個人的には思います。病床よりも提供している医療の内容に着目するべきではないでしょうか。一般的に大病院ほど、医療機器も揃っており高度な医療を行なっているケースが多いと思います。一つの着目点はそこではないでしょうか。後は看護体制。看護師の配置人数だけではなく、看護助手などの配置状況も踏まえて、どこか一部に負荷が大きく発生していないかどうかなど、規模が大きくなれば全体が比例して大きくなるのではなく、特化される部署とそうではない部署の格差が発生しがちです。その有無の確認を行なうところからが医療事故の対策に繋がるのではないでしょうか。








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