2014年9月2日火曜日

信州型総合医養成プログラム   諏訪中央病院

諏訪中央病院(茅野市)は今年度から、長野県が独自に認定する「信州型総合医養成プログラム」に基づき、若手医師の臨床研修を始めました。20代後半の後期研修医5人が受講し、患者や家族に寄り添う地域医療の理念と、幅広い診療に対応できる知識と技術の習得に取り組んでいきます。

 同プログラムは、高齢化が進む地域で必要とされる「信州型総合医」を輩出する長野県独自の認定制度になります。これは医師確保対策でもあります。長野県内12病院のプログラムが認定され、1年目となる今年度、3病院で12人(県外出身者7人、県内出身者5人)が研修を始めました。内訳は佐久総合病院6人、諏訪中央病院5人、長野赤十字病院1人となっております。







 研修は3年間。後期研修医を対象に行い、必須の内科、小児科、救急のほか希望科目の選択が可能となっております。チーム医療を学ぶ症例カンファレンス(検討会)や、患者や家族とのコミュニケーション、福祉分野との連携など県独自の研修項目があります。所属病院だけでなく、診療所や海外、県外で研修することもできます。

 このうち諏訪中央病院は急性期から慢性期、回復期、在宅ケアを一貫して学ぶメニューを提供しています。諏訪中央病院が培ってきた地域医療の理念や手法を学び、総合的に診療できる医師を目指します。研修内容は従来と同じだが、長野県の認定を受けたことで、他病院など研修場所の選択肢が広がるといいます。

 受講者の1人、佐久市出身の水間悟医師(27)は長野赤十字病院で初期研修(2年間)をした際、長野赤十字病院の心臓血管外科医から諏訪中央病院での研修を勧められました。今後、特定科目の専門医を目指すかもしれないが「患者を点ではなく線で診ることのできる医師になりたい」と話されています。

 長野市出身の山口裕起子医師(27)は、小児科医が志望といいます。大学病院の医局に入ることも考えられましたが、諏訪中央病の在宅診療に感銘を受け、初期研修から諏訪中央病院で学ぶことを決めました。「子どもの周りには家族がいます。家族を含めて診ることができる医師になりたいです」と話されています。

 プログラム責任者で諏訪中央病院在宅診療部長の高木宏明医師(53)=日本プライマリ・ケア連合学会家庭医療専門医=は「地域に溶け込んであらゆる健康問題に関わり、患者や家族に安心感を提供できる、幅広い力を持った存在になってほしいです」と期待しています。


これまで総合診療医は注目視されてきておらず、特に研修医としては総合診療医の選択肢すらほぼなかったような状況でした。しかし、地域包括ケアとしていかに在宅で多くの疾患を総合的に診るかとなると専門の知識が必要不可欠になります。諏訪中央病院のような臨床研修病院が全国に増えてくることで、地域の医療は守られていきます。このような流れは大学医局を中心に見た医療の提供体制の比重が低下してきている状況も後押ししていると思われます。いかに地域で連携して医療を構築していくのか、大学医局も方向修正が差し迫ってきた時ではないでしょうか。








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