2014年11月13日木曜日

市長へ嘆願書 細川裕平管理者罷免 八鹿病院

公立八鹿病院(養父市八鹿町)で、経営改革の手法や人事などを巡り反発が出ている問題で、反発する医師らが11月7日、養父市役所を訪れて、八鹿病院組合の細川裕平管理者の罷免を求める嘆願書を広瀬栄市長に手渡しました。
 嘆願書には医師13人の署名があり、別途提出の同趣旨の請願書には医師、事務関係を除く360人の署名が添えられていました。





 嘆願書によると、複数の医師が退職の意思を表明し、病院存続の危機にあり、その発端が管理者にあるなどとしています。嘆願書を手渡した近藤清彦副院長は「管理者と医師の意思疎通が取れず、今の管理者の方針について行けない」と訴えました。
 広瀬市長は「重たい内容で、ゆっくり拝見させてもらう。病院を大切にしたいという気持ちはみんな一緒だが、経営改善を進める部分で対立の構図になっています。小異を捨てて大同につくつもりで、市民目線で今の状況の収拾に全員であたるべきです」と医師らに話しました。今後については「医師やスタッフと話し合って考えたい」としています。


 公立八鹿病院では、経営改革の手法や人事などを巡り、医師の中から反発が出ています。8月に「改革に前向きではない」として、病院側から外科系診療部長を解任された医師は10月に辞表を提出しました。病院を管理する公立八鹿病院組合の細川裕平管理者は「誤解があれば、辞表を出した医師に謝罪したい」とし、管理者の任命権者の一人、広瀬栄・養父市長は「意思疎通を欠いているので、理解に向け努力するよう管理者、院長に強く求めた」と述べられました。
 八鹿病院によると、病院の累積赤字は今年3月末現在で約81億円になります。病院組合は経営健全化のため、2012年12月に第2次の病院改革プランを策定しました。しかしその進め方などに反発する医師8人は10月16日に記者会見を開き、「医師が減り、忙しい中、収益が少ないと言われ、追い詰められている」と訴えました。そして管理者の交代を求める、と主張していました。
 これに対し、10月22日に細川管理者と谷風三郎院長が記者会見を開き、谷風院長は「辞表を提出した医師に対し、慰留のうえ、謝罪した」と明かしました。細川管理者は「改革については理解を求めたい」とする一方「改革には医師確保が最優先なので慰留は当然」と話しました。
 広瀬市長は10月24日、定例記者会見で「9、10月に複数回、管理者、院長や多くの医師と話をしました。改革が必要との思いはみんな同じだと思うが、進め方を巡り意見の違いがあり、対立の構図となった」と説明しました。「管理者を任命したのは私で、市民に大きな不安を与えたことをおわびしたい」と述べられました。

今、多くの病院では経営改革を推し進めなければならないほどの危機的状況に陥っています。ただそこで一筋縄でいかないところが、医療はビジネスではなく生活インフラであると考えられているところが多くの従事者の意識の根底にあります。確かにそれは一理あります。しかし、今日も明日も明後日も医療を提供しようとするなら、健全な経営状態でなければ継続できません。健全性がなければ地域の医療を守ることもできないのです。多くの医師も分かってはいると思います。しかし、かんたんな損得勘定だけで割りきってはいけない部分があります。その大事にしなければならない理念をしっかり共有することが求められているのではないでしょうか。








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