2014年11月18日火曜日

医療保険制度改革試案 保留   厚生労働省

厚生労働省が11月13日に正式発表する予定だった医療保険制度改革試案が、「解散風」を受けて宙に浮いた状況になっています。後期高齢者の保険料軽減特例の見直しなど、国民の負担増を含んだ内容のため、衆議院解散の場合は選挙後まで本格的な議論が難しいのではないかとの見方が厚生労働省周辺では強い状況です。過去に幾度となく繰り返された光景ではありますが、今回の医療保険制度改革も政治の都合に振り回されています。






厚生労働省は試案について、11月13日の第2回医療介護改革推進本部(本部長=塩崎恭久厚生労働相)で正式発表し、11月14日の社会保障審議会・医療保険部会に示す予定を立てていました。ところが厚労省は11月11日午後、推進本部、医療保険部会ともに中止すると発表しました。試案の内容は、これまで医療保険部会で示してきました方向性を大づかみにまとめたものです。新たに具体的な数値を盛り込んだわけでもなく、部会の議論を追ってきた人間が見れば新規性は乏しいものです。しかし、後期高齢者の保険料軽減特例の段階的見直 しのほか、後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入、被用者保険・国民健康保険の保険料の上限引き上げ、入院時の食事代負担の見直し、所得水準の高い国保組合への国庫補助見直しなど、被保険者や保険者の負担増につながる内容が複数盛り込まれています。自民党が11月11日午前に開いた「社会保障制度に関する特命委員会・医療に関するプロジェクトチーム」では、試案そのものをテーマにしたわけではないが、負担増に懸念を示す声が相次いだといいます。社会保障制度に関する特命委員会・医療に関するプロジェクトチーム終了後、座長の鴨下一郎衆院議員は、後期高齢者の保険料軽減特例見直しに反対する議員がかなりいるとの認識を示し、「できるだけ慎重にやれという話があった」と述べられました。その後、推進本部、医療保険部会の中止を決めたことについて、厚生労働省関係者は「塩崎大臣の総合的な判断」と説明しています。自民党関係者も「大臣がストップをかけたようです」と話します。衆議院解散の観測が広がる中、与党や政府内では試案の内容に対する懸念が消えなかったようです。「国民に負担増を求める厳しい内容なのに、官邸に対する厚労省の根回しが十分でなかった」と 、厚生労働省の落ち度を指摘する声もあります。試案では、国保の財政運営の都道府県移行など、厚生労働省が来年の通常国会に法案提出を予定している案件もあり、詳細を詰めるための時間的余裕は少ない状況です。ただ現時点では、推進本部などの開催予定は「何も決まっていない」状 況で、医療保険制度改革を担当する厚生労働省保険局は困惑の雰囲気に包まれています。

 安倍政権において、予想以上に経済政策が低迷しており、このまま消費増税してしまうと経済が再び冷え込んでしまうという懸念から、消費増税は延期される方向が濃厚となっており、解散総選挙と進んでいきそうです。ただ、一度この方向で進むと決めたものを簡単に修正変更しては、これまで進めていた試案などがすべて進まなくなっていきます。確かに日本経済を立て直さなければ明るい未来が到来しないということは理解できますが、はしごを外された各省や日銀は、この先どのように修正できるのか、不要なしわ寄せが国民に来ないことだけを切に願います。








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