2014年11月16日日曜日

腹腔鏡手術後死亡   群馬大病院

前橋市の群馬大病院では、高難度の腹腔鏡(ふくくうきょう)を使う肝臓切除手術の後、患者8人が死亡していました。県内外から患者が集まる北関東の医療拠点である群馬大病院で、手術の不適切な実施態勢が明らかになりました。病院は院長らが記者会見して謝罪しました。病院は遺族への説明を始めましたが、遺族の中には、手術後から病院側への不信感と疑問を抱き続けた人もいました。群馬県庁で行われた記者会見の冒頭、野島美久病院長らは「大変申し訳ありません」と深々と頭を下げました。






 今回の問題では、安全性や有効性が確認されていない手術が病院の管理部門に申請されないまま多数行われた結果、8件もの死亡例が積み重なりました。 報道陣から「ここまで増える前に、病院として食い止められなかったのか」との問いに、「しかるべき手続きが取られておらず、把握が遅れてしまった。(申請など)執刀医らの認識も曖昧だった」と述べられました。
 8月末から調査委員会が調べを進める中で、問題点が次々と明らかになっています。カルテや患者に渡した同意書などからは、手術のリスクや、抗がん剤治療など他の選択肢について説明した形跡がみられないといいます。永井弥生・医療安全管理部長は「もっと丁寧に説明すべきだったが、残された文書を見る限り、それがなされていない」と話しました。

 「簡単な手術と言われ、夫は望みをかけた。」群馬大病院第二外科(消化器外科)で、肝臓がんの夫が腹腔鏡手術を受けて死亡した妻は、そう打ち明けました。その妻によると、手術前、担当医から「腹腔鏡手術なら2週間で退院できる」と言われ、「早く退院できるなら」と応じました。 しかし、手術の説明は専門用語が多くて理解しづらく、リスクについて説明を受けた記憶はなかったとのことです。「あの時は、わからなくても、夫の病気を治すことで頭の中がいっぱいで、先生を信じて任せるしかなかった」と振り返っています。 術後、容体はどんどん悪化しました。担当医は多忙で、夫の経過について説明を求めても対応してもらえないことが多く、女性は不信感を募らせていきました。

平成26年6月18日に医療事故調査制度が成立しました。医療法の改正に盛り込まれた制度になります。制度施行は平成27年10月1日になっています。医療事故が発生した医療機関において院内調査を行い、その調査報告を民間の第三者機関(医療事故調査・支援センター)が収集・分析することで再発防止につなげるための医療事故に係る調査の仕組み等を、医療法に位置づけ、医療の安全を確保するものです。医療は100%ではないかもしれません。でも患者やその家族は、100%の完治を期待します。ただ安全性については常に高い水準で確保されておかなければなりません。医療事故調査制度が良いというわけではありませんが、医療安全に対する意識の改善は一人ひとり必要不可欠です。








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