2014年11月8日土曜日

消費増税の補てんが不十分  日本病院団体協議会代表者会議

日本病院団体協議会代表者会議が10月27日に開かれ、消費増税8%における診療報酬による補填率調査で、全体の6割強の病院の補てんが十分に行われず、病院の機能によって補てん率に大きなばらつきが出ている実態から診療報酬による補てんには限界があるとの速報結果が示されました。代表者会議後の会見で、日病協の加納繁照議長(日本医療法人協会長代行)、楠岡英雄副議長(国立病院機構大阪医療センター院長)は「日病協は、厚生労働省に対して消費税8%での診療報酬による補てんの検証調査を国としても早急に実施するよう求めていく方針です」と述べられました。






今回の調査は、消費税率が5%から8%にアップしたことを踏まえ3%の引き上げ分について診療報酬で適切に補てんされたかを把握することを目的に行われました。調査時期は2014年8月から9月で、調査方法としては「消費税率引き上げ前の事業年度の実績を基に、税率引き上げによる経費増と診療報酬による補てん分を推計し補てん率を計算」する方法を採用しました。四病院団体協議会、日病協が協力し調査を行った結果、対象病院1075病院から433件の回答(回収率40.3%)があり、そのうち有効回答数は282件でした。
その結果、補てん率の分布状況を見ると、最も多いのは「補てん率が50%以上100%未満」で全体の58.5%を占めました。「50%未満」は43%で、合わせて62.8%の 病院が補てんの多寡は別として「補てんが十分されていない」ことがうかがえるとしました。一方で「100%以上150%未満」の医療機関が22.3%、「150%以上」が 14.9%で 、合計37.2%は補てんを十分受けているとの結果も出ています。補てん率の中央値は87.1%となりました。加納議長は、補てん率が低い医療機関について「まだ詳細な分析結果が出ていないが、課税対象の経費率が高い医療機関や、減価償却割合が高い医療機関が考えられるのではないか」との見解を示しました。
記者団からは「補てん率150%以上などは益税ということか」などの質問が出されたのに対 し加納議長は「そういう考え方もできるが、われわれは医療機関の形態 (機能)によって補てん率にばらつきがあることが問題であり、病院に対する診療報酬での補てんは難しいと主張したい」と述べられました。楠岡副議長も「診療報酬での補てんは、このような大きなばらつきを発生させています。150%以上補てんされる所も出てくることが問題であり、税は税で対応していくべきだ」と強調され、「診療報酬で対応すると非常に不公平になる」とも指摘しました。
日病協・四病協は「今回の改定の補てんは、あくまでも平均値による調整であることが示唆される。総体的には補てんされているが、個々の医療機関の特性によってばらつきが大きい。今後、今回の補てん方法の問題点をさらに精査していくことが必要だ」としています。

今回の消費増税は多くの病院運営に多大な影響を与えております。効率性を高めたり費用を抑制したりとそれぞれの病院が取り組んでいるとは思いますが、この3%が乗りかかるウエイトは非常に大きく、診療報酬のアップではとても補てんできていないと分析している病院が多いと思います。次の10%への増税は、時期がまだはっきりしておりませんが、病院運営の現場としては、8%に上がった時の診療報酬改定案を0ベースに戻して、検討し直してもらわなければ、運営が維持できない病院が後を絶たないと思います。国は、そのようにして医療費を抑制しようとしているのでしょうか。少し手法に疑念を抱かざるをえません。








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