2015年2月19日木曜日

介護サービス従事者による虐待件数が過去最高

厚生労働省は2月6日、高齢者虐待への対応状況に関する2013年度の調査結果を公表しました。介護サービス従事者などから虐待を受けたとの相談・通報は962件で、2012年度から226件増加しました。このうち虐待と判断されたのは221件で、66件増加していました。相談・通報と虐待判断の件数はともに過去最高でした。






 虐待の事実が認められた施設・事業所の種類は、特別養護老人ホームが69件で最多でした。 認知症対応型共同生活介護34件、介護老人保健施設26件、有料老人ホーム26件と続きました。
介護施設従事者などから虐待された高齢者402人についてその内容(複数回答)を見ると、「身体的虐待」が258名、「心理的虐待」が132名、「介護等放棄」が67名などでした。
 虐待の発生要因 (複数回答)について市町村の任意・自由記載を集計したところ、「教育・知識・介護技術等に関する問題」が128件で最も多く、「職員のストレスや感情コントロールの問題」が51件、「虐待を助長する組織風土や職員間の関係の悪さ」25件と続きました。
虐待者の性別の割合は、男性が51.8%、女性が48.2%でした。これだけ見るとほぼ半分であり特徴はないように感じますが、実際は介護従事者全体に占める男性割合の21.4%と比較すると、虐待者の男性割合は高いと読み取れます。
家族や親族などから虐待を受けたとの相談・通報は2万5310件で、同じく2012年度から1467件増加しました。このうち虐待と判断された件数は1万5731件で、529件増加しました。相談・通報者は介護支援専門員が31.3%で最多でした。
厚生労働省老健局認知症・虐待防止対策推進室の水谷忠由室長は「増えたこと自体は大変遺憾」とコメントされました。一方で、虐待に対応する体制整備が進んだことなどにより「従来拾われていなかった虐待が拾われて増加している要素もある」と述べられました。 厚生労働省は、高齢者虐待の防止や高齢者の世話をする家族らの支援に向けた老健局長通知を各都道府県知事宛てに発出しました。これまでは事務連絡で対応を求めていたが、対応強化のため通知に格上げしました。

虐待はもちろんあってはならないことです。虐待者を擁護するつもりはありません。ただ、介護者にそれだけ精神的な劣悪を及ぼすほどの業務であるということを改めて認識することが大切なのでしょう。諸軍改善加算で金銭的な支援を行なうことも良いですが、介護従事者のストレス・情緒コントロールのサポートも必要ではないでしょうか。また介護は介護職員だけではありません。家族介護による介護者の負担も非常に大きなものです。レスパイトをはじめ、いかに自宅で最期まで共に過ごせるのか。そのあたりの支援体制もさらに高めていくことが地域包括ケアシステムの構築には必要不可欠であると痛感します。








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