2015年2月8日日曜日

同一建物中心の訪問で在宅収入減少

 同一建物のみを中心に訪問薬剤管理指導を実施している薬局の4軒に1軒は、在宅訪問収入が減少していることがわかりました。これは先ほど開催された中央社会保険医療協議会(中医協)で公表されたもので、平成26年の調剤報酬改定の影響を調べました。その一方で、同一建物以外にも訪問薬剤管理指導を実施している薬局ではほとんど変わらないと回答した場合が多く、今回の改定は主に施設系を中心にした訪問業務を行っていた薬局に大きく影響したことが数字のうえからも明らかになりました。






 調査は同一建物における同一日の複数訪問の在宅患者訪問薬剤管理指導の実施状況の把握などを目的に行われたもので、個人・チェーン薬局など564軒から回答を得ました。調査は平成26年3月と7月を比較しました。
 薬学的管理及び指導の実施状況の比較では、総患者数3月31.4、7月31.7となっており、また日数でも3月23.3日、7月24.1日で、この結果について中医協では、「在宅で実施した薬学的管理及び指導の総患者数、延べ日数に変化は見られなかった」と結論付けています。
 回答薬局の1カ月間の取扱い処方せん枚数は平均1639.3枚。近隣の診療所から発行される処方せんをメーンに対応するのが40.9%で最も多く、さまざまな医療機関からの処方せんを応需しているが31.8%で続き、特定の病院からの処方せんを応需している薬局は23.3%となっています。
 在宅患者訪問薬剤管理指導料の算定の有無では、半数以上となる55.6%が「算定していない」と回答しており、その理由では「介護保険適用の患者」が58.1%で最も多かったものの、「医師の指示がない」が12.3%見られました。
 平成26年の診療報酬改定による影響等について、同一建物のみに訪問業務を実施している薬局とそうでない薬局に訪問件数や回数、収入について尋ねたところ、制限等が設けられた同一建物中心の薬局において芳しくない状況が垣間見えるものとなりました。同一建物のみの保険薬局では訪問件数は「変わらない」が57.1%で最も多かったものの「減った」「やや減った」を合算すると約25%がこれに該当し、訪問薬剤管理指導に係る収入と回答する割合も25.0%に達し、約4分の1の薬局で件数・回数・収入が減少したことが判明しています。
 その一方、同一建物以外の薬局においては大きく影響を受けた項目はなかったものの、8.5%で収入が減少したと回答しており、全体としては大きく影響を受けた薬局は少数に留まったが、在宅医療推進の流れの中における改定としては厳しい結果が示されました。

これから地域包括ケアシステムを構築していくにあたり薬局(薬剤師)の存在というものは軽視できません。これからは多職種連携を進めていき、地域住民の参加参画も狙っていかなければならないのです。そのためには薬局の担える役割というのはとても貴重であります。同一建物への減算で厳しい局面に立たされているのは薬局だけではありません。まじめに訪問診療を行なってきた診療所でも同様に減算の影響を大きく受けております。今の制度が必ずしもゴールではなく、本当に求められている地域包括ケアシステムを構築するための制度の見直しが行なわれることを切に願います。








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