調査は国民の医療に関する意識を把握し、今後の政策立案に活用するデータを収集することが目的です。今回は2014年8月、全国の20歳以上の国民を対象に面接調査 (1122人)とウェブ調査(5667人)を実施しました。ただ、調査結果については面接調査のデータを基本に公表しました。 実際に受けた医療の満足度を聞いた質問では、「満足」「まあ満足」と回答した人が合わせて89.6%となり、前回調査から13ポイント増えました。医療全般については 69.5%となり、前回に比べて7.1ポイント増でした。一方、受けた医療に満足していない人にその理由を問うと、「待ち時間」が44.4%で最も高く、「医師の説明」が43.3%、「治療費」が41.4%と続きました。医療全般に満足していない人は、国民の医療費負担 (50.4%)、医師の体制 (39.5%)、効率性・利便性(38.7%)などを理由に挙げています。国民が考える医療の最重点課題 (複数回答)を調べたところ、前回調査でトップだった「夜間や休 日の診療や救急医療体制の整備」は49.6%となり8.0ポイント減で、「高齢者などが長期入院するための入院施設や介護老人保健施設の整備」が2.8ポイント増の56.4%でした。年齢別では40代以下の若年層は「救急」、それより上の高齢層は「長期入院」と回答する傾向を示しました。かかりつけ医に関する調査も行いました。全体の53.7%が「かかりつけ医がいる」 と回答し、健康状態が良いと回答している人の48.4%にかかりつけ医がいました。調査した全ての世代で、かかりつけ医がいる人ほど受けた医療への満足度が高く、健康のために多くのことに気を付けているとのデータも出ました。WPは「より多くの国民がかかりつけ医を持てるために、医師会や行政による積極的な情報提供と働きかけが求められる」 としています。
我々は、満足度より満足していない点について注目すべきですが、確かに待ち時間は大きな問題です。よく健康でなければ病院に掛かれないなどと揶揄されることがあるほどです。ただ医療の最重要点課題は、これからの老後の生活の場所についての不安感からです。国は病院ではなく自宅で看取りをと言っていますが、在宅に介護力があれば可能です。ただ、核家族化が進む中で、独居の率も高くなっています。その環境下で本当に在宅での看取りは可能なのでしょうか。医療費を抑制するためだけに、在宅へ誘導するのは、本当に国民のためなのでしょうか。
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