2015年2月21日土曜日

安部整形外科 院長を書類送検

福岡市博多区の有床診療所「安部整形外科」で2013年10月、入院患者ら10人が死亡し5人が負傷した火災で、福岡県警は2月17日、防火管理を徹底しなかったとして業務上過失致死傷の疑いで安部龍暢院長(47)を書類送検しました。福岡県警によると、容疑をおおむね認めているといいます。






 書類送検容疑は、階段付近にあった防火扉が作動しないようストッパーとして使っていた厚紙などの除去を、消防から指導されたにもかかわらず改善していなかったほか、火災を想定した避難訓練の実施や消防計画の作成など防火管理業務を怠り、入院患者らを死傷させた疑いです。防火扉の不備は火災直後から指摘されていましたが、福岡県警は4階建て診療所の1、2、4階の階段付近にあった計5カ所が正常に作動しないか開いたままの状態だったと認定しました。ロープで固定して動かないようにしたり、煙感知器が経年劣化で反応しなかったりする例もありました。1階の非常口が内側から施錠されており、安部院長が持っていた鍵でしか開かないようになっていたことも含め、院長の過失責任としました。福岡県警は、診療所は老朽化し介助を必要とする多くの高齢患者も入院させていたことか らも、被害が広がるとの予見は可能だったと判断しました。市消防局に届け出ていた防火管理者は、火災で死亡した院長の母親(当時72歳)だったが、認知症を患うなど実質的に防火管理をできる立場になかったと判断しました。発生時の当直看護師(68歳)は避難誘導な どの指導を院長から受けていないとして立件を見送りました。福岡県警によると、火災は2013年10月11日午前2時10分ごろ、 1階処置室の医療器具の電源プラグから出火しました。煙が建物内に広がり、1、2階にいた入院患者8人と3階に住んでいた前院長夫妻で安部院長の両親が一酸化炭素 (CO)中毒で死亡しました。入院患者ら5人が負傷しました。福岡県警は、前院長夫妻は居住場所が診療所の管理区域ではないとして、容疑上の被害者には含めませんでした。

医療において安全は絶対のものです。安全対策についてはどの病院も注力していると思いますが、このような事故が起きると本当に背筋が凍る思いです。医療の現場において安全はどこまで追及しても絶対的な合格点というラインはありません。一つの不注意、一つのミスですべてが崩れ落ちます。だれもがその現実を分かっているはずなのですが、細部まで行き届かなかったり、怠ったりして惨劇は起きてしまいます。ただ、中にはどうしてもリスクを承知で進む決心をするときもあります。その違いは理解されないところもありますが、アウトカムだけでなく、プロセスもしっかり見て質を高めていくことが医療に求められているところなのだと感じます。








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