2015年2月27日金曜日

日本版CCRC 地方の活性化

内閣府は2月25日、アメリカで広がりつつあるCCRC(Continuing Care Retirement Community)について議論するための「日本版CCRC構想有識者会議」(座長=増田寛也・東京大公共政策大学院客員教授)の初会合を開きました。会議では5月にも素案を取りまとめ、夏に構想の中間報告を行った上で、モデル事業を実施する方針です。






CCRCは、高齢者が健康時から地方に移住して、健康状態に応じた継続的なケア環境の下で自立した社会生活を送ることができる地域共同体を指します。CCRCに推定75万人が住む米国では、運営主体の82%が非営利団体で、大学連携型で生涯学習や多世代交流を行う例も見られます。既に日本でも、社会福祉法人・民間企業・地方自治体・大学などが運営・検討を行っています。日本版CCRCは、2014年末に閣議決定した「まち・ひと・しごと創生総合戦略」で、都内在住者の相当数が地方への移住の意向を示していることを受けて検討会を設置することになっていました。初会合では医療・介護に関する論点案として、継続的なケアを確保するための具体的な方策(ケアパス、ケア体制健康情報管理等)を列挙しました。委員からは、人材育成の重要性や、所得に応じた幅広いターゲット層を設定する必要性、親の介護も抱える入居希望者への配慮などさまざまな論点が挙がりました。会議に出席した石破茂地方創生担当相は「資産や年金・子どもの存在など、いろんな立場の国民から共感を得て納得してもらえる仕組みにしたい。具体的な案をつめる必要があるので、国・自治体・民間の役割を整理していく」との発言がありました。また、まち・ひと・しごと創生本部の木下賢志事務局次長(厚生労働省大臣官房審議官)は会議終了後「実施主体はさまざまだが、医療法人がやる場合は中核的なところに病院機能を置く事になる。急性期や慢性期の病床があれば、その機能を生かすこともできる」と述べられました。

2025年に向けて医療と介護の体制整備が急務であり、病床機能報告から地域医療構想が練られて、各地域での最適な体制を目指していくことになります。その中で一番言えることは、人材の不足。医師が不足しており病院をフル稼働できない。救急を受けきれない。介護職員が不足しており、行き届いた訪問サービスまでは難しいなど。確かにこれまでの日本は病院という一つの場所に集約することで効率化を図りここまで進んできたところがあります。それを社会保障費の抑制という観点から地域へ戻そうとしているのです。確かに市民にとってもできる限り在宅で過ごしたいという思いを根底に持っています。ただ、在宅では介護不足で安全に安心した生活をおくることができないのです。ですから、病院や施設入所を視野に入れなければならないのです。CCRCも今の政府の方針からみれば理にかなった策ではありますが、そこに安全と安心を約束できる体制づくりがとても高いハードルとして立ちはだかっていると感じます。うまく機能すれば、地方に雇用も生まれ産業の活性化も期待できます。ただ地域格差があるなかで、適切な人材を確保することが一番の課題であると感じます。








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