2015年2月6日金曜日

オーダーメード医療 静岡がんセンター

静岡県立静岡がんセンターでは、患者の遺伝子情報をがんの医療に生かすプロジェクトを進めています。オーダーメードな治療やがんの早期発見、予防にも活用しようという試みです。






静岡県立静岡がんセンターは2014年1月から、「プロジェクトHOPE(希望)」と名付け、患者個々人の遺伝子情報を、がん診療に生かす取り組みを進めています。 対象者は静岡県立静岡がんセンターでがん摘出手術を受ける患者の約3分の1程度を占めます(年間約1000人)。3年間で3000人について、がん特有の遺伝子の変化やタンパク質の異常、代謝産物の異常などを統合的に解析し、患者一人一人の診断や治療に還元させていきます。その成果は、新しいがん診断・治療の研究開発にも役立てることができます。「一つの病院で手術を受ける患者について、これだけの解析を行い、その結果をリアルタイムに診療に生かす試みは、世界的にも例がない」と静岡県立静岡がんセンターの山口建総長はおっしゃっています。
 プロジェクトHOPEの目標は、患者個々人向けの「がんの個別化医療の推進」、がんを予防する「未病医学の実践」、そして「医療スタッフ・研究者の学習」「研究と開発」の4点です。
 「がんの個別化医療の推進」においては、すでに2014年8月の時点で、当初収集した220例の分析によって、がんの増殖・進展に関わる可能性が高い遺伝子変異や遺伝子発現異常が74%の症例で見つかっているといいます。臨床の現場では、こうしたデータを用い、患者一人一人のがんの性質を把握しておくとともに、再発に万全の体制で備えることができます。例えば将来、再発した場合には、個々のがんの特性に見合った抗がん剤の選択を確実かつ迅速に行うことができるのです。 一方「未病医学の実践」は、文字通り“いまだ病に至らざる時期”から早期発見・早期治療を目指します。ベースとなる「未病の思想」は、中国最古の医学書『黄帝内経』に登場する考え方だが、現代医学でも重要な意義を持っています。 具体的には、がん細胞ではない、正常組織である血液細胞を採取して調べることによって患者の体質に関する遺伝情報を知り、予防医学に生かしていきます。 明らかになった遺伝情報は、遺伝性がんやがん以外の遺伝性疾患の発症予測、予防的治療、あるいは血縁者の診療にも役立てます。すでに、遺伝性がんのほか、遺伝性消化器疾患や心疾患が発見され、遺伝カウンセラーの支援の下、診療が進められているといいます。 無論、治療中の患者へのメリットも大きいものです。「医療スタッフ・研究者の学習」が進展すれば、同院のがん診療の質は一層向上するからです。 例えば乳がんのホルモン療法は、ある種の「薬物代謝酵素」が欠損している場合には効果がないが、それを知ることができれば、あらかじめ治療法から除外することができるようになります。また、個々の薬がどういった患者に対してアレルギーを起こしやすいかといった研究が進めば、治療中のショック症状などを減らすことも可能になります。
プロジェクトは2年目に突入しており、2017年の成果報告に、大きな期待が寄せられています。

これから医療は治療だけでなくその領域を大きく拡大していくことになっていきます。それも特徴を際立たせて差別化をしながらの拡大が求められていきます。特に予防部門については、がんに限らず注目されております。ただ悪性新生物の疾患率が高い中で、がん検診の受診率の向上に各市町村が取り組んでいる中、静岡県の受診率にどのように影響し、また早期発見・治療の件数アップするか、期待するところが非常に大きいです。








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