2015年2月14日土曜日

高度急性期と急性期の境界点 C1

厚生労働省医政局地域医療計画課の北波孝課長は2月12日の「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」(座長=遠藤久夫・学習院大経済学部長)で、地域医療構想(ビジョン)に2025年の病床必要量を盛り込むために設定する医療機能別の境界点の検討状況を明らかにしました。患者に対する診療報酬から入院基本料などを外して治療行為だけを換算する出来高点数で、「高度急性期と急性期」(C1)は3000点、「急性期と回復期の境界点」(C2)は600点、「回復期と慢性期・在宅医療等の境界点」(C3)は225点を目安に検討を進めていると説明しました。






 北波課長は境界点を設定するための考え方も提示されました。C1については、必要な診療行為の例として、非侵襲的人工呼吸器、心エコー・心電図、観血的肺動脈圧測定、胸部レントゲン、点滴管理、薬剤、血液検査、の7項目を挙げ、「これを計算すると3000点程度になる」と述べられました。C2は、DPCの入院期間ⅡとⅢにおける全疾患の平均資源投入量に基づき、NDBのレセプトデータなども反映させた数値と説明されました。C3では、診療行為の例として「補液+点滴管理+ドレーン」を挙げました。「慢性期と在宅医療等」については、療養病床の県単位の入院受療率(人口10万対)を低下させる「目標の設定」をもって「医療需要の推計」とする方向性が決まりました。目標は全国の受療率の中央値レベルから最小値レベルまでの範囲とする方向です。
また、医療機能別の病床必要量を算出するための手法も議論され、厚生労働省は医療機能別の医療需要を病床稼働率で割り戻す案を示しました。その上で、医療機能別の病床稼働率として、高度急性期=75%、急性期=78%、回復期=90%、慢性期=92%を提案しました。 日本医師会副会長の中川俊男構成員は「高度急性期と急性期はもう少し低い方がいいのではないか。回復期も高い。一方で、慢性期はもう少し高くてもいいのではないか」などと指摘されました。慢性期の病床必要量については、「慢性期と在宅医療等」として推計した医療需要から抜き出して算出するための考え方として、療養病床における「医療区分I」の 70%、 療養病床で「回復期 リハビリテーション病棟入院料」を算定している患者、一般病床で「境界点C3」未満の患者を慢性期の医療需要から除外することを提案しました。構成員からは、C3未満が「在宅医療等」に位置付けられることになることについて、医療関係者は納得できないのではないかとの意見などが出ました。

C3については、まだ論議されるかもしれませんが、C1については3000点というラインでほぼ確定だと思います。これまでもHCUが一つの目安であるともいわれておりました。ただし、境界点は確定したとしても先日の病床機能報告の内容とのかい離もあると思われます。各医療圏でどこが高度急性期を担っていくのか。急性期病院としては是が非でも高度急性期で引き続き医療圏での存在価値を発揮したいと考えている病院長もいらっしゃいますが、これから高齢化が進み、各医療圏でも疾患の構成割合は大きく変化していきます。7対1もまだまだ多い中で、国の締め付けは厳しくなることは間違いないでしょう。それでも高度急性期を目指していき、病院として本当に地域の医療ニーズに貢献できるのかどうか、今一度検討しなければ、もう動き出している病院は新しい体制に向けて取組み始めています。








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