2015年2月22日日曜日

訪間看護への期待感

社会保障審議会・介護給付費分科会委員を務める日本看護協会の齋藤訓子常任理事は、改定率がマイナス22.7%となったことを踏まえ「基本報酬は軒並みマイナス。当然、訪間看護の基本報酬にもメスが入った」と述べるなど、全体的に厳しい改定内容になったと振り返りました。一方、訪問看護で「看護体制強化加算」が新設されたことにも触れ、「中重度で医療依存度があり、状態の管理が非常に難しい人をきちんと看ていくことが、訪問看護に期待されていることをあらためて示した」との見解を示しました。






訪間看護に新設された看護体制強化加算は、中重度の要介護者の在宅生活を支える訪問看護体制を評価するものです。一定の要件を満たした場合、月1回300単位を算定できます。要件としては、緊急時訪問看護加算、特別管理加算、ターミナルケア加算を算定した利用者が、それぞれ一定割合以上いることを求めています。齋藤氏は「重症の人を看ている事業所については、(基本報酬削減による)マイナス分を月1回の加算で相殺か、若干足が出る状況」と説明されました。
病院・診療所が行う訪問看護の基本報酬は、将来的に訪問看護従事者の増員を図る観点から増額しました。ただ斎藤氏は、診療報酬の人員基準が変更すれば人材を訪問看護から病棟に移すなど診療報酬の影響を受けている状況があるとし、「今回の措置は諸手を挙げて賛成ではない」と述べられました。一方で訪問看護の資源がない地域については、病院・診療所が在宅医療を視野に入れて「この点数を使って午前は外来、午後は在宅というような形で地域展開ができるのではないか」と期待しました。 また齋藤氏は、訪問看護全体の課題として「地域を守る観点で事業運営してほしい」と述べた上で「人の確保が最大にして非常に難渋な課題」と強調されました。人材確保については、これまで訪問看護はハードルが高く「何でもできなければいけないという都市伝説があった」としましたが、「そこをブレークスルーする。新卒でも未経験でも、これさえ学べば訪問看護ができるというメニューを作っている」と述べるなど、取り組み状況を語られました。
2012年度改定で新設した複合型サービスは「看護小規模多機能型居宅介護」に改称され、看護提供体制に応じて加算と減算が設けられることになりました。斎藤氏は、同サービスは医療依存度が高く、訪問看護も利用する重度の人を看ることが本来の趣旨であったとし、「趣旨通り事業展開しているところは、加算も付いて報われた」と述べられました。同サービスは2014年10月時点で168事業所が提供しているが、齋藤氏は「地域包括ケアシステムの中に1カ所以上あることが望ましい姿」と述べられました。「在宅を諦めていた人が、諦めなくてよかったと言っている。増えていけば、特別養護老人ホームの待機者も減るのではないか」と述べられ、看護小規模多機能型居宅介護の今後の広がりに期待を示しました。

地域包括ケアシステムという患者を在宅へシフトしていこうという動きにおいて、訪問看護の役割はとても大きなものです。しかし、今回の介護報酬の改定で基本報酬は減額となりました。国の目指す方針がぶれているように感じるのは私だけでしょうか。その分、中重度をしっかり看ていけば加算が反映されるというものの、訪問サービスは効率化を高めることは非常に難しいです。一軒一軒訪問しなければならないのですから。中重度の患者となれば、それだけケアも大変になります。はたして絵に描いたモチとならないような運営は、各ステーションで実現可能なのでしょうか。








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