2015年4月17日金曜日

大学病院本院では、5000円以上 選定療養

全国医学部長病院長会議が実施した、紹介状なしで大病院を受診する患者への選定療養に関する実態調査によると、選定療養として5000円以上を徴収している大学病院本院が、2015年3月時点で80施設のうち27施設あり、全体の3割程度あることが分かりました。27施設は国立大と私立大が占めており、選定療養の微収額が最も低いのは公立大病院の1910円で、最も高いのは私大病院の1万800円でした。同会議は近く会見で調査結果の詳細を発表する見通しです。






 大学病院本院の外来患者数をめぐっては、紹介率、逆紹介率に関する2014年度診療報酬改定の減算ルールにより、紹介率・逆紹介率ともに増加傾向にあります。結果的に1日の外来患者数は私大病院で平均2290人、国立大病院では平均2000人を下回るなど、外来縮小化の流れが出てきています。日本私立医科大学協会理事の小山信輛氏は、紹介状なしで大病院を受診する患者への定額負担について、「大学病院の中でも、低い徴収額を設定しているケースの多い公立大病院への配慮が必要。病院、診療所の外来機能分化を確立し、国民へのPRを進めるなど実効性を高めるための施策の議論を期待している」と述べました。大学病院では、選定療養による徴収額の引き上げによって、一定期間内に同一患者で2回以上、選定療養を支払う件数が減少する傾向も確認されました。東邦大医療センター大森病院では、紹介状なし患者への選定療養を2014年4月に3150円から3240円に、2014年7月には5400円に段階的に引き上げました。3240円に設定していた2014年4月~6月までの3カ月間の1日平均外来患者数は2330人で、5400円に変更後の2014年7月~2015年1月までの7カ月間の1日平均外来患者数は2317人と横ばい傾向でしたが、 1日平均の選定療養の徴収件数は426件から329件に減少しました。さらに同一患者で2回以上、選定療養を支払ったケースは5400円に設定した7カ月間で29人でした。3150円に設定していた2013年度の12カ月で311人に比べると大幅に減少する結果となりました。東邦大特任教授も務める小山氏は「選定療養での金額アップに、どの程度の実効性があるかは多施設での検証が必要。ただ、5000円以上になると飛び込みの外来患者数の減少につながる傾向はあると聞いている。患者の受診行動に一定の影響を与えていると言えるのではないか」との見方を示しています。
一方、千葉大医学部付属病院も2014年4月に3150円から3240円、2014年7月下旬からは5400円に選定療養を引き上げました。3240円に設定していた約3カ月間に選定療養を支払った延べ患者数は425人おり、そのうち2回以上支払った同一患者は13人でした。ただ、5400円に設定して以降の約6カ月間を見ると、延べ患者数は622人で、2回以上支払った同一患者は4人と減少傾向にあります。

大病院における外来機能の適正化が進んでいるように感じるところがある半面、かかりつけ医の機能をまず地域にしっかりと根付かせなければならないと感じます。そちらが整備されていないのに、外来患者を締め出すようなカタチをとってしまうと患者にとっては、切り捨てられたという被害妄想が大きくなります。実際、選定療養を設けたことがどれだけの抑制につながるかというと、私はそれよりも退院後の患者をしっかりと地域の開業医に帰していくことが先決ではないかと感じます。まだまだ引き続き、病院の外来で診ている患者が多いと思います。そちらの方が問題ではないかと感じるのでしょうが、これはなかなか声に上がっていないことが不可解に思います。








ブログランキング参加中です
応援お願いします


にほんブログ村 病気ブログ 医療情報へ


0 件のコメント:

コメントを投稿