2015年4月5日日曜日

治療中断患者が急増

大阪府保険医協会 (高本英司理事長)は3月28日、「医療・介護現場から見える貧困調査」結果を発表しました。同調査は今回で3回目になります。「薬が切れているはずなのに受診に来ない」患者がいると回答した医療機関が前回調査(2011年)の35.0%から65.4%に大きく増えるなど、同協会は「格差と貧困の問題が医療にも影を落としている」と分析しています。






 今回の調査は2014年12月から2015年1月にかけて、大阪府下の会員医療機関8842施設(医科5349、歯科3493)を対象にアンケー トを実施しました。1148施設(医科480、歯科668)が回答しました。 医科で調査前の半年間に「あった」経験についての結果をみると、未収金51.0%、治療中断62.7%、検査・治療・投薬の拒否45.0%、高齢者の医療費負担割合の不満20.2%、生活保護患者の(ケースワーカーによる)医療制限事例18.3%などとなっています。
 このうち未収金に関する対応 (重複回答)では、全額回収できたのは20.0%にすぎませんでした。一部支払われたのは48.1%でした。日常診療での事例別の報告をまとめた結果をみると「薬が切れているはずなのに受診に来ない」は314施設から回答を得たほか、「ジェネ リック」への切り替え希望は309施設、長期投薬の希望が増えたのは305施設などが上位を占めました。また生活保護患者の受診が増えたとする報告は236施設と半数近くに上りました。 同協会はこの調査結果から「患者負担はもう限界」だとして、医療保険制度改革関連法案を廃案とするよう強く求める姿勢を表明されました。会見した高本理事長は「大阪府保険医協会の会員施設は1日約50万人の患者を診ています。診療を通じて生活もみている」と述べ、患者の受療環境が悪化しているとの実感が同調査を通じて裏付けられたとしました。

治療中断の主たる要因は、やはり治療費の確保が患者にとって大きな負担であると思います。それでも、国民皆保険の日本であるから、この費用負担で受診できるのですが、そのバランスすら崩れかけているということなのでしょうか。そういった中で、厚生労働省は3月27日、子育て支援策として市区町村が行っている子どもの医療費援助について、2014年4月1日時点の実施状況では、通院費の援助対象年齢では、中学卒業までとする自治体が、全体の約53%に当たる930自治体で最多となりました。次いで小学校入学前が約19%の337自治体でした。高校卒業までとするところも201自治体あった一方、4歳未満の自治体も15カ所ありました。 また約79%に当たる1373自治体が所得制限を設けていませんでした。保護者に一部自己負担を求めているところは756自治体で、986自治体は自己負担なしでした。子どもの医療費援助は都道府県もそれぞれ実施しており、市区町村は都道府県の助分に独自に上乗せして対象年齢を拡大したり、所得制限を撤廃したりしており、市民の医療費援助を行なっています。ただこれからは高齢化が進む中、どのような支援体制を整備していくのか、各自治体も頭を悩ませるところだと思います。








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