2015年4月30日木曜日

病棟群単位の入院基本料の検証

日本病院会や全日本病院協会、日本医療法人協会などが加盟する日本病院団体協議会が4月24日、記者会見を開き、2016年度に予定される次の診療報酬改定に向けて「病棟群単位の入院基本料」を要望していくことを明らかにされました。 8月にもまとめる予定の次期診療報酬改定に向けた要望項目の1つに盛り込む方針になります。







入院基本料は現在、「病院単位」で届けなければなりませんが、これを病院が自ら「病棟群」を設定し、入院基本料の届け出を群ごとに行う方式に変更すべきだと要望しております。

①、②、③、④、の4病棟を持つ病院があった場合、その病院が「①、②、③、④」を1つの群として7対1入院基本料を届け出ることや、「①、②」群を7対1、「③、④」群を13対1として届け出ることを可能とするものになります。

 日本病院団体協議会の神野正博副議長は、「現在の病院ごとの方式では、看護師がわずかに足りなければ、例えば7対1入院基本料をすべての病院で届け出ることができなくなります。病院群単位とすることで、一部の群を7対1、別の群を看護配置に見合った入院基本料とすることが可能になります」と説明しております。

 この要望については、四病院団体協議会(日病、全日病、医法協、日本精神科病院協会)と日本医師会が共同で要望していくことを既に決めており、ここに日本病院団体協議会も加わる形になりました。

 日本病院団体協議会の楠岡英議長は、「日病協で8月にも次期改定に向けた要望を行うが、その1項目とする」との考えを述べられました。

日病の試算は、4つの病棟(各49床)を持つ病院を想定したもので、従来の病院単位で7対1を届け出た場合、夜勤などを勘案した看護職員の必要数は全体で140人でした。これに対して、3病棟を7対1、残る1病棟を10対1で届け出ると、「7対1群」における病棟間の傾斜配置により、必要数は病院単位に比べて5人少ない135人になりました。
 この結果について堺会長は、「厳しい病院にとって5人の差は非常に大きい」と指摘されました。今後、7対1の施設基準がさらに厳格化した場合、地方の中小病院に影響が出ることに懸念を示した上で、「病棟群にしておけば、看護師の確保が病院全体よりも楽になる。辛うじて最後の砦を守ることができるのではないか」と述べ、病棟群単位の検討を求めました。

この改革案は、どのようないとかといえば、要は7対1をいかに削減するかということで、病院単位で減らすことへの限界から視点を切り替えて、それぞれの病院から少しずつ減らしていこうということです。確かに看護不足も言われている中で、一部の病棟を7対1から10対1や13対1へと切り替えていく医療機関は出てくると思います。また、7対1はこれからますます厳格化されていくことが予想されている中でありますので、早めに舵を切るということも、理事長はじめ経営者の経営手腕と先見性が問われるところであると思われます。






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