「生活習慣改善塾」という健康サービス施設を併設する同店になります。店名には「いつまでも瑞々(みずみず)しい、健康な状態であってほしい」という思いが込められているとのことです。オーナーの高比康充さんは内科医で、糖尿病患者などの治療に当たっています。開業の目的について、「糖尿病をはじめとした生活習慣病は一度発症すると完治が難しい病気です。そもそも病気にならないことが大事ですが、病院での指導には限界があります。医学的見地から見て正しい食事や運動など、健康的な生活習慣を身につけられるサービスを提供するためです」と話しています。
「生活習慣改善塾」は会員制ですが、「瑞康」は一般利用できるレストランとしてオープンしました。店舗面積は13坪、席数はテーブル16席です。メニューは管理栄養士が栄養計算した懐石料理コース(8,640円)のみとなります。コース内容は2週間に1度変わる予定です。オープン当初の献立は、菜の花やタケノコを使った付き出しに始まり、シマアジとクルマエビのお造り、サクラマスと春大根を使った主菜など。旬の食材を楽しめ多くの集客が見込まれそうです。
低カロリーでヘルシーとされる和食ですが、塩分は多くなりがちだといいます。同店のコースは、600キロカロリー台、35品目以上、塩分2グラム台、脂質20グラム、タンパク質30グラム、炭水化物80グラムを目安に献立が組まれています。特に塩分は、一般的な懐石料理コースの4分の1程度に抑えたといいます。
管理栄養士の窪田あいさんは「塩分2グラムは、みそ汁2杯分に相当し、病院で提供されている食事と同じレベルです。塩分を控えると味気ないものになりがちですが、だしのうま味を生かし、料理長がおいしい食事に仕上げました。おいしさを求められる外食で2グラム台を実現できた意義は大きい」と話しています。
調理場には、0.01グラムまで測定可能な量りを備えています。料理長の是永雄二さんは「栄養計算しながら料理をするのは初めてです。今回取り組んでみて、あらためて和食にとって塩分は生命線だと実感しました。どこまで薄くして味を出すかが一番難しかった」と振り返り話されていました。
「一回の食事で健康になるわけではありませんが、体に良い食事を体感してもらうことで、生活習慣を見直すきっかけにしてもらいたい」そして「本気で取り組みたい方には、メディカルチェックとカウンセリングを踏まえ、一人ひとりに合った改善プランを提供できるので相談してもらいたい」。と高比さんは話します。
これから減塩は一つの重点項目として我々の食生活にフラッグを立てていくことになるでしょう。そもそも塩分を取り過ぎな私たちの食生活でありますが、なかなかいきなりは減塩することが難しいのも事実だと思います。このような料理店が増えることで、また食生活を見直すきっかけとなれば、生活習慣病の抑制にもすぐには無理でも繋がっていくことと思います。
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