2015年4月3日金曜日

要介護度改善で奨励金 品川区

東京都品川区は、高齢者施設入所者の要介護度が改善した場合に施設に奨励金を支給する事業を2015年度も継続することとしました。高齢者福祉課の永尾文子課長は「2年間実施 して一定の効果が出たと感じている」と述べられました。施設職員のやりがいにつながっているとしたほか、施設からも同事業を評価する声が出ていることから事業の継続を決めたといいます。






 同事業は施設職員の意欲向上や質の高いサービスが継続して行われることを目的に2013年度から導入しました。対象は品川区施設サービス向上研究会の加入施設です。基準日となる年度初日の時点の入所者について、前年度1年間で要介護度が改善された場合、1段階の改善ごとに月額2万円を最大12カ月分支給します。例えば、2014年4月1日を基準日に2013年6月1日に要介護度が5から4に改善した場合、「2万円×10カ月分(2013年6月~2014年3月)」を2014年度事業分として、「2万円×2カ月分(2014年4~5月)」を2015年度事業分として支給します。
2014年度事業では特別養護老人ホームなど12施設が参加しました。2014年度の新規の支給状況を見ると、要介護度の1段階改善が36人、2段階改善が5人、3段階改善が2人いました。最も多かったのは要介護4から3に改善した入所者で12人、要介護3から2への 改善が11人と続きました。
2015年度は13施設が参加します。参加施設には老人保健施設が含まれていましたが、品川区は同様のスキームによる評価は難しい面があったとして、2015年度から老健は対象者を変更するなどの改善を行います。
品川区では奨励金の使途を指定していません。永尾課長によると、支給を受けたそれぞれの施設では、施設職員の負担軽減のため非常勤職員を採用したり、福祉用具の購入に充てることなどを検討しているといいます。また永尾課長は「たまたま要介護度が改善された場合があるのでは」との懸念に対し、「個人個人の状態は確かに差があるが、一人一人の個人差を全部見ることになれば制度はつくれない」とし、「要介護度という“物差し"は、全国一律で皆が分かるという意味で一番公平性がある」と指摘しました。

地域包括ケアシステムの構築ならびに社会保障費の抑制において、介護の役割は非常に大きくなりますが、ADLの自立度を維持するまた高めるということが必要になってきます。そのための具体的な取り組みを全国に先駆けて品川区は行なっております。ただし、特養において要介護度が改善し在宅へ帰ることができた方がどれだけいたのか、そのアウトカムがもっとも必要な指標ではないかと感じます。ただそうなると、老健と特養の役割というのが徐々に垣根がなくなってくるのかもしれません。








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