遠藤氏は「首都圏などを中心に高齢化は進むが、すでに高齢化が進んでいる地域では人口減少という問題に直面する。医療需要の変化は、地域によって大きな違いが出てくる」と述べられ、地域の実情に応じた将来の医療提供体制を描く必要性を強調しました。その上で「日本は人口当たり病床数が多く、病床は増やさずに高齢化で増大する医療需要にどのように対応するか」を課題に挙げられました。また「病床機能を分化して、それぞれにふさわしい患者に対応するとともに、それぞれの機能に適した資源投入を行うことで“医療資源を効率的に活用する"ことが重要」と強調されました。
同構想の策定、実行上の課題としては「ニーズの変化に合わせて急性期から回復期への移行がスムーズにできるか」を挙げられました。2014年に開始された病床機能報告制度の結果からも「急性期から回復期に移行しようという声が必ずしも多くはない。考えられるのは、回復期病棟の定義が医療関係者の中で十分に理解されていないのではないかという点と、急性期から回復期になることで診療報酬上の不利益が生じるのではないかという点」との見方を示されました。地域医療構想に基づく取り組みについては「今回は消費税財源を使った基金を使えることが一つのインセンティプになっていくだろう。もう一つは診療報酬政策。ただ、全国一律なので、地域の問題に適さない面があるが、診療報酬政策と医療機能区分の再編成がある程度連動した形で進められるのか、今後の検討課題になる」としました。また、同構想に基づく取り組みでは各都道府県が果たす役割が大きくなることにも言及されました。構想づくりの協議の場の運営など「都道府県が医療提供体制の再編成で主体的な立場を担う」と述べられた上で「都道府県の力量がそのまま地域医療構想の成否を考える上でのポイントになる」との見方を示されました。
地域医療構想がいかに都道府県で進められていけるのか、大きな見ものですなんて悠長に構えていられる医療機関は少ないでしょう。いかにイニシアティブをとって優位に働きかけようかと虎視眈々と狙っている医療機関もあるようですし、そもそもこれまで地域で競合してきた医療機関同士が手を組んでそれぞれやっていきましょうってそんなに都合よく進むとは考えにくいです。淘汰されることは、手に取るように予想されます。ただ、本当に地域にとって必要な医療、必要な医療機関が整備されるように進めて頂かなければ、また何かの施策のようにすぐに方向転換なんて、これだけの大構想では困難を要しますので、ある意味慎重に進めていかざるをえないでしょう。
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