大阪府によると、大阪支部からは受診者の体重や腹囲、血液・尿検査の結果や、喫煙歴などのデータを個人が特定できない形で提供してもらいます。これまで大阪府は、自営業者や退職者らが加入する国民健康保険(国保)のデータのみを、運営する市町村から受け取って分析していましたが、その母数は大阪府民の44%にすぎませんでした。
協会けんぽの加入者を含めると全体の76%を把握でき、生活習慣病対策に欠かせない壮年期のデータが厚くなるメリットがあります。
厚生労働省によると、2010年の大阪府民の「健康寿命」は男性が47都道府県中44位の69.39歳で、女性も45位の72.55歳でした。2012年度の調査では特定健診の受診率も府民全体で40.5%と全国40位に低迷しています。大阪府は受診率全体を引き上げて健康寿命を延ばし、将来の医療費増加を抑えることを目指しており、データの分析結果を効果的な施策につなげる考えです。
ただこのような自治体の動きは全国的にも多く始まっています。
全国健康保険協会(協会けんぽ)宮崎支部と宮崎県延岡市は11月12日、市民の健康づくり推進に向けた包括協定を締結し、宮崎県内での協定締結は宮崎市に続き2例目となりました。
今後は双方が所有する健診の統計データや医療費を共同で分析。地域特性の把握が可能になるほか、それぞれが行う特定健診とがん検診の受診勧奨や実施を同時にすることで受診率向上が期待できるとしています。
医療費の抑制はこれからの社会保障の維持に向けた大きな課題です。一番の策は、医療にかかる母数が減少することですが、これから超高齢化社会へと進んでいく中で、それは非常に難しい課題です。でも予防が進めば、母数をいくらかは抑制することが可能ですし、むしろ今各自治体で考えて取り組める唯一の策として注目されています。しかし、特定検診を定期的に受診したからといって、各疾病の発症率がなくなるわけではありませんし、あくまで早期発見・早期治療という観点に留まるでしょう。
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