2015年1月31日土曜日

大学病院本院の評価のあり方について

中医協・DPC評価分科会 (分科会長=小山信彊・東邦大医学部特任教授)は1月26日、医療機関群I群である大学病院本院について、DPCデータのばらつきが大きいため機能評価係数Ⅱ等のウエート付けなどで適切な評価を進めるべきとの意見を受け、次期診療報酬改定に向けて議論を深めていく方針を確認しました。厚生労働省は、この日の分科会に、昨年11月26日に実施した2014年度特別調査のヒアリング調査結果について報告しました。それによると、大学病院本院と分院の機能分化については「本院と分院で比較した場合に分院の方が高機能になっており、基礎係数で画一化された場合には他大学病院本院から不公平感が出るのではないか」との指摘事項が出たことを提示しました。精神病床を備えていないことに対しては「精神疾患を抱えた高度急性期の患者への対応をどのようにするのか」など3点の指摘を整理しました。






それを踏まえ分科会では、藤森研司分科会長代理 (東北大大学院教授)が「医療機関I群の基礎係数は全体で決定するので機能を持っていない病院が入ると全体が低くなる。I群の下限値をⅡ群の要件で用いていることからも影響を及ぼしてしまう」などと懸念を示しました。 さらに、河野腸一委員 (千葉労災病院長)は「I群の中でもデータにばらつきがあるだろう。それほど均―ではないのではないか」との見方を示し、伏見清秀委員 (東京医科歯科大大学院教授)も「分院を持っていない大学病院本院でもデータにばらつきが大きい現状だ。今後、基礎係数、機能評価係数のウエート付けの見直しを進めていこうという議論もあり、そこで併せて検討してはどうか」などと指摘しました。このほか医療機関I群の評価専用の機能評価係数Ⅱを作るべきとの意見もありました。また、工藤翔二委員 (結核予防会理事長)は、ヒアリングを受けた埼玉医科大病院が分院との機能分化を進めている事例に言及し「埼玉医科大の本院と分院の機能分化の手法は、病院経営の側面から見れば極めて合理的だ。ただ、DPC制度とは実態がずれているということだ」とし、機能分化の流れを踏まえたDPC制度での評価を工夫すべきと提言しました。小山分科会長は「I群の評価をどうしていくべきか。データの ばらつきなども踏まえ分科会で議論を深めていきたい」と述べられました。

7対1の多くの急性期病院がこれからの方向性に院長をはじめ経営幹部が頭を悩ませていると思います。急性期を突き進みたいというのは、医師の本音でしょう。それはまだまだ急性期が医療の最先端であるという文化が強く根付いているからです。そうなると、高度急性期を目指すべきですし、DPCもⅡ群を目指すべきと考えるのが常でしょう。そうなるとそれほど機能が高くない大学病院の本院の存在がどうしても矛先に向けられてしまいます。ただそうはいっても、まだまだ大学の医局の存在は、市中の病院にとっては強いものです。大学病院を軸とした包括ケアの構築がある意味理想像なのではないでしょうか。








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