2015年1月16日金曜日

脳死判定の女児 4人に臓器提供

2010年の改正移植法施行後、国内で3人目になる6歳未満で脳死と判定された女児からの臓器摘出手術が1月14日午前、入院先の大阪大病院(大阪府吹田市)で実施されました。肺と肝臓は岡山大病院でそれぞれ10歳未満女児と50代女性に、腎臓は関西の2病院で成人女性に移植されました。腎臓移植を受ける患者1人が変更になりました。
 女児は、2014年4月の幼稚園入園後に特発性拡張型心筋症と診断され、補助人工心臓をつけていました。海外での移植を目指し、受け入れ先が決まった米国に渡る準備をしていた時、人工心臓でできた血の塊が脳の血管に詰まる「心原性脳梗塞(こうそく)」を起こし、脳死になりました。移植を待つ患者の脳死臓器提供は成人で1人ありましたが、子どもでは今回が初めてです。






提供された肺と肝臓を2人の患者に移植する手術が1月14日、岡山大病院(岡山市北区鹿田町)で始まりました。肺は肺胞壁に炎症を起こし、ガス交換ができにくくなる特発性間質性肺炎を患う8歳女児=関東地方在住=へ、肝臓は急性肝不全の50代女性=広島県在住=に移植しました。手術はすべて無事成功し、移植を受けた女児は順調にいけば1~2カ月後に退院できるといいます。6歳未満の臓器提供者(ドナー)から10歳未満の患者への脳死肺移植は、2014年11月に京都大病院で実施されたのに次いで国内では2例目です。
 両肺の提供を受けた女児は出生直後から呼吸障害があり、2014年10月に日本臓器移植ネットワークに登録していました。これまでに心肺停止となったこともあるといいます。手術は大藤剛宏・肺移植チーフの執刀です。肝臓は八木孝仁・肝胆膵(すい)外科教授の執刀です。女性は移植以外に救命法がなく1月8日に日本臓器移植ネットワークに登録していました。
 岡山大病院で6歳未満の小児から提供された臓器を移植するのは初めてです。 日本臓器移植ネットワークによると、ドナーの女児は大阪大病院に拡張型心筋症で入院。補助人工心臓を装着し、心臓移植の待機患者としてネットワークに登録するとともに、海外での移植に向け渡航準備をしていました。臓器を提供した女の子の両親は、「娘が発病してから暗闇の中にいました。同じようなお気持ちの方に少しでも光がともせられたら」とコメントしています。

救うことができる命と救うことができなかった命。もちろん命に重い軽いはありません。ただ救うことができる命があるのなら、そのことに対し全人的に医療を行なうのが医療従事者の責務です。








ブログランキング参加中です
応援お願いします


にほんブログ村 病気ブログ 医療情報へ


0 件のコメント:

コメントを投稿