2015年1月27日火曜日

再立ち入り検査 東京女子医大病院

 東京女子医大病院(東京都新宿区)で人工呼吸中の小児への使用が原則禁止されている鎮静剤「プロポフォール」が複数の小児に投与され、2歳男児が副作用とみられる症状で死亡した問題で、厚生労働省は1月26日、医療法に基づく再度の立ち入り検査を東京都と合同で行いました。2014年6月に最初の立ち入り検査を行いましたが、再発防止への取り組みが不十分だったとして再度の立ち入りに踏み切りました。






 厚生労働省によると、病院側は前回の立ち入り検査の際、副作用のリスクの高い医薬品について安全な取り扱いを徹底するなど再発防止策を示しましたが、取り組みに不十分な点が確認されたといいます。院長ら病院幹部が12月交代しており、新体制での安全管理体制について事情を聴きます。検査結果を踏まえ、高度医療を提供し診療報酬の優遇がある「特定機能病院」の承認を取り消すかどうかを検討します。

 東京女子医大病院では2008年1月からの6年間で、集中治療室(ICU)でプロポフォールを持続的に投与された小児63人のうち、生後0カ月~13歳の重症心疾患患者11人がICU内やICU退室30日以内に死亡しました。東京女子医大病院は2014年12月、11人のうち5人についてプロポフォールの投与が死因となった感染症などを悪化させた可能性を否定できないとの外部委員会の調査結果を公表しました。

 2014年2月には2歳男児が、首の手術後にプロポフォールを大量に投与されて死亡しました。警視庁が業務上過失致死容疑で捜査しています。

 東京女子医大病院は心臓手術の死亡事故で隠蔽(いんぺい)事件を起こし、2002年に全国で初めて特定機能病院の承認を取り消され、2007年に再承認されました。今回の問題で取り消されれば2度目の取り消しとなります。

東京女子医大病院(東京都新宿区)で2014年2月、鎮静剤「プロポフォール」を大量に投与された埼玉県の男児(当時2歳)が死亡した事故で、東京女子医大病院が遺族側に対し、副作用のリスクを左右する累積投与量を医師や薬剤師が把握しないまま4日間投与を続け、死亡に至ったと説明していたことが分かりました。警視庁は安全管理に問題があった可能性が高いとみて医師らから事情を聴いており、業務上過失致死容疑で捜査していました。
男児は2014年2月18日に首のリンパ管腫の手術を受け、集中治療室(ICU)で人工呼吸器を使って経過をみていたところ、2月21日に急性循環不全で死亡しました。この間、患部の痛みで体を動かし呼吸器が外れないようにするためプロポフォールが投与されていました。
 遺族に対する病院側の説明によると、男児の診療には耳鼻咽喉(いんこう)科の主治医やプロポフォールの投与を決めた麻酔科の医師、薬剤師ら複数のスタッフが関与していましたが、いずれも累積投与量を把握していませんでした。また、麻酔科の医師は、人工呼吸中の小児に使うことは薬剤の添付文書で「禁忌」とされていることを主治医に説明していなかったといいます。
 また、麻酔科の医師は使用が48時間を超えると腎機能低下などの副作用の危険性が高まることは認識していましたが、投与開始翌日も患部の腫れが収まらなかったため投与は継続されたといいますい。同医師は「48時間を超えたところで鎮静剤を変えるべきだったが、ICUなどから詳細な報告がなかった。ここまで大量に投与されているとは思わなかった」などと説明したといいます。
 病院の病理解剖結果などによると、男児の累積投与量は成人の許容量の約2・7倍に相当し、死因の急性循環不全もプロポフォールの副作用で起きた疑いが強いことが判明しています。東京女子医大病院広報室は遺族側への説明内容について「事故調査委員会の調査結果がまとまっておらず、遺族の了解も得られていないのでコメントできない」としています。
 麻酔科学に詳しい近畿大の中尾慎一教授は「プロポフォールの長期大量投与は大人でも副作用の危険性が増すという報告もあります。麻酔科の医師が主治医にも危険性を説明し、投与量や経過観察に細心の注意を払うべきだった」と指摘しています。

これは、医療事故に含めるのか。そもそも東京女子医大病院での体制・組織文化に根底から問題があったのではないかと感じます。患者の生命を救うために現場で頑張っている医師も多くいます。このような事故(事件)がもう二度と東京女子医大病院に限らず起きないことを切に願います。








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