2015年1月10日土曜日

大病院受診、16年度負担増

 厚生労働省が政府、与党内で調整している医療保険制度改革案が12月26日、分かりました。市町村が運営している国民健康保険(国保)の都道府県への移管を、2018年度から始めます。国保運営の規模を大きくして財政基盤を安定させるのが狙いです。また、紹介状なしで大病院を受診した外来患者に2016年度から一定額の負担を求める方向で検討。初診で5000円を上乗せする案が浮上しています。2015年1月にまとめる改革案に盛り込み、通常国会で関連法改正を目指しています。






 現在の国保は、無職や非正規雇用など比較的所得が低い加入者が増加しています。加入者の平均年齢も高いため医療費が膨らみやすく、慢性的な赤字構造に陥っており、市町村財政を圧迫しています。運営が移管されると負担の押し付けにつながりかねないと都道府県側は警戒しています。移管を後押しするため、国費から2017年度に3400億円を支援することで調整しています。
 具体的には、厚生労働省は、国保の財政基盤を強化するため、消費税率を引き上げた増収分から1700億円を投入します。さらに75歳以上の高齢者医療に拠出する支援金の計算方法に、大企業社員や公務員の負担が重くなる「総報酬割」を全面導入し、浮いた国費から1700億円を投じる検討を進めています。
 総報酬割は段階的に拡大するため、国費も徐々に節約できます。その一部は2017年度を待たず、2015、2016年度も国保への支援に充てる考えです。

 大病院受診で負担を求めるのは、軽症の患者は身近なかかりつけ医に相談するよう促し、本来の高度な治療に注力できるよう大病院への患者集中を防いで医療機関の役割分担を進めるためです。現在も別料金を求められるが、実施していない病院があります。また徴収していても、初診での平均額が約2000円にとどまっている状況です。
 このほか、医師や薬剤師など同じ業種の人たちが集まった「国民健康保険組合」に対する国庫補助は2016年度から段階的に削減する方針です。


厚生労働省への財務省からの強い圧力が感じられます。もう改革まで待ったなしの瀬戸際であるということで、消費増税を待たずに進めていくことになるのでしょう。ただ、これらの改革案はあくまで社会保障費をいかに抑制するかという国の財政の目線からであり、国民の健康を維持しようという目線ではありません。しかしそれらを、患者は在宅での療養を望んでいるとか、大病院は高度な医療に注力できるようになどと、偽った看板を掲げることはいかがなものかと感じるところが強くあります。社会保障費の抑制は、限りある財源を有効活用するために必要なところに集めてそうでないところは適正化することで、本質的の平等な社会保障体制を構築するということのはずです。そう考えると、例えば整骨院・接骨院などの適正化をしっかり進めて頂かなければ、第一線で奮闘している医師は納得できないのではないでしょうか。確かに大きいところから取り組めば効果は大きいです。しかしそもそも営利団体ではない医療の業界なのですから、適正化という視点で改革の優先度合いを検討してもらいたいと切に願います。








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