2015年1月26日月曜日

時間外診療の特別料金ゼロ 新岡山市民病院

岡山市立総合医療センター(岡山市北区天瀬)は1月20日、5月に岡山操車場跡地(同北長瀬地区)に開院する新しい市民病院について、夜間や土日祝日に受診した患者から通常の診療費に上乗せする特別料金を徴収しない方針を示しました。






 岡山市立総合医療センターの業務をチェックする評価委員会(外部の医師、弁護士ら5人で構成)で明らかにしました。岡山市立総合医療センターは2014年11月の評価委員会で、新しい市民病院では一般外来の業務時間外(平日午後5時~翌日午前8時半、土日祝日は終日)は5千円の特別料金を徴収する考えを表明していましたが、委員から「『24時間365日体制で全ての症状に対応する』という市民病院の理念と矛盾するのではないか」と指摘があり、方針を転換しました。 岡山市立総合医療センターの意向を踏まえ、岡山市は岡山市立総合医療センターの中期計画(2014~17年度)変更案を2月定例市議会に提案します。
 特別料金の徴収は国が保険外併用療養費として認めており、軽症者が安易に時間外の救急外来を利用する「コンビニ受診」を抑制するのが狙いです。患者が全額を負担します。岡山市立総合医療センターの松本健五理事長は「開院後、軽症者の対応で救急外来が本来の役割を果たせない事態が起きれば特別料金の導入をあらためて検討したい」と話しています。
老朽化した現在の市民病院(同天瀬)が単に移るだけでなく、365日24時間体制で全ての症状に対応するER(救急外来)の機能を拡充します。在宅の医療や介護に関する総合相談窓口といった新たな機能も備えます。
 新しい市民病院はJR北長瀬駅前に立地し、8階延べ約3万4千平方メートル。総事業費156億6千万円で2013年3月に着工しました。建物は2014年末に完成し、5月までに駐車場や植栽の整備を進めています。現時点で内科、外科、小児科、産婦人科といった18診療科(現行20診療科)を設ける予定です。結核病床などを含めて計400床(同405床)で、一般病床の個室は現在の26床から120床に増やします。
 ERは救急専門医らが初期治療を施した上で、入院や手術の有無など治療の方向性を診断します。広範囲熱傷、多発性外傷といった症状で高度治療が必要と判断した場合には、高度救命救急センターのある岡山大病院(同鹿田町)など他の医療機関に受け入れを依頼します。
病院の運営には市が開設した地方独立行政法人「市立総合医療センター」(同天瀬)が当たります。岡山市の直接運営よりも経営判断の迅速化、効率化が図れるとされ、経営目標に当たる中期計画(2014~2017年度)には最終年度の救急患者数を2012年度比45%増とすることや職員の計画的な採用・育成方針などを盛り込んでいます。

これから大病院においては、初再診料を5000円から10,000円にて徴収するとの方向で進んでいる中、市立総合医療センターの決めた時間外診療の特別料金を徴収しないということが、どのように働くのか。地域包括ケアシステムとして機能分化を進めることができるのか、コンビニ受診が増長しないのか、全国の病院が注目することと思います。








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