精密な動きが可能で患者の体への負担も少ないといい、保険が適用される手術が増えれば、さらに普及は進むとみられています。
2009年からダビンチ手術を積極的に行っている藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)では11月19日、実績が1000件に達しました。国内ではトップ10に入るといいます。
11月には腎がんの70歳代の男性患者から4センチの腫瘍を摘出しました。腹腔鏡(ふくくうきょう)手術で腫瘍のある腎臓を全摘出することも検討されたが、高齢で両方の腎臓の機能が低下していたため、ダビンチ手術で二つとも残す方法を選択しました。手術は輸血の必要もなく無事に成功しました。執刀した泌尿器科の白木良一教授(55)は「がんの根治はもちろん、腎機能を温存でき、合併症のリスクも抑えられた」と述べられました。
ダビンチは、消化器外科、呼吸器外科、泌尿器科、婦人科などで使われています。国内の手術件数は、10年の約500件から昨年は約6600件に増加しました。2014年は9000件を超えるペースで推移しています。
藤田保健衛生大病院は2台を臨床活用し、国内で2か所しかない製造販売会社認定のダビンチ手術のトレーニング施設を設け、別の2台で医師の教育も実施しています。東海地方では名古屋市立大病院や岐阜市の岐阜県総合医療センター、愛知県長久手市の愛知医科大病院、同県豊橋市の豊橋市民病院なども導入しています。
ただ課題もあります。それは高額な治療費です。2012年4月に保険適用された前立腺がん手術以外は、200万~300万円が患者の自己負担となります。ただ、今秋、保険診療が併用される「先進医療」に胃がんや腎がんのダビンチ手術が認められました。実績を積めば保険適用の対象になる可能性があります。藤田保健衛生大病院の宇山一朗・上部消化管外科教授(54)は「普及拡大を見据え、より安全性を高めるため、医師の技量を上げる講習会などを実施していきたい」と話しています。
手術支援ロボットの代名詞となっているダビンチですが、まさにこれから更なる普及が想定されます。また、ダビンチ以外にも手術支援ロボットは多く開発中であり、その裾野は広がっていく科構成を大きく秘めています。ただ実績を積んでいくことで国が保険適用として認めるかどうか、期待はしたいのですが、今の患者申出療養などの議論をみていると厳しさを感じます。
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